電気設備の基本知識 #022【ケーブル工事】
住宅の天井裏や壁の中を通るVVF、ビルの幹線のCV。今の建物の配線の主役はケーブルです。ケーブルは外装(シース)で守られているので、そのまま配線できるのが強みです。ただし、留め方・曲げ方・守り方には決まりがあります。この記事では、ケーブルのつくり、支持点間、曲げ半径、防護、接触防護措置を、図とたとえで1つずつ解説します。
結論
ケーブル工事はシースで守られた電線をそのまま配線する工事。支持点間は原則2m以下(垂直・接触防護措置で6m以下)、曲げ半径は外径の6倍以上が基本です。
- シース(外装)があるので管に入れなくても配線できる
- 重量物の圧力や衝撃を受ける所は管などで防護する
- 接触防護措置は屋内2.3m・屋外2.5m以上がめやす
- どの施工場所でも使える工事
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ケーブルのつくり ― シースで守られている
ケーブルは、銅線(導体)を絶縁体で包み、さらに全体をシース(外装)で包んだ電線です。たとえるなら保護ケースに入ったスマホです。ケースがあるから、そのまま持ち歩けます。
シースで守られているので、ケーブル工事は管に入れなくても配線できます。代表的なケーブルは、住宅のVVF、ビルの幹線のCVなどです。種類は「電気設備の基本知識 #001【ケーブルの種類】」で解説しています。
- 導体・絶縁体・シースの3層
- シースがあるので管に入れなくてよい
- VVF・CV・VVRなどが代表
支持点間 ― 原則2m以下
| 取り付け方 | 支持点間の距離 |
|---|---|
| 造営材の下面・側面に沿って取り付ける | 2m以下 |
| 垂直に取り付け、接触防護措置をした場合 | 6m以下 |
| キャブタイヤケーブル(下面・側面に沿う場合) | 1m以下 |
ペン太
ハリタ- 原則は2m以下
- 垂直・接触防護措置なら6m以下
- キャブタイヤケーブルは1m以下
曲げ半径 ― 外径の6倍以上
ケーブルを曲げるときは、曲げの内側の半径をケーブル外径の6倍以上にするのがめやすです(内線規程。単心ケーブルは8倍以上)。たとえるならホースを折り曲げないことです。急に曲げると、中の絶縁体が傷んだり、シースが割れたりします。
- 内側の半径は外径の6倍以上
- 単心ケーブルは8倍以上
- 急な曲げは絶縁体・シースを傷める
防護 ― 重いもの・衝撃・ほかの配管
| 場面 | 守り方 |
|---|---|
| 重量物の圧力・衝撃を受けるおそれ | 金属管などの防護装置に収める |
| 金属製の防護装置 | 300V以下はD種、300V超はC種接地工事(条件により省略・緩和あり) |
| 水道管・ガス管・弱電流電線 | 接触しないように施設する |
- 重いもの・衝撃がある所は管で守る
- 金属製の防護管は接地する
- ほかの配管・通信線と接触させない
接触防護措置 ― 人が触れない高さ
電気設備技術基準の解釈には、接触防護措置と簡易接触防護措置という言葉が出てきます。どちらも、人が電線や機器に容易に触れないようにすることで、手の届かない高さに施設するか、さくや囲いを設けます。
| 種類 | 屋内 | 屋外 |
|---|---|---|
| 簡易接触防護措置 | 床上1.8m以上 | 地表上2m以上 |
| 接触防護措置 | 床上2.3m以上 | 地表上2.5m以上 |
- 簡易接触防護措置は屋内1.8m・屋外2m以上
- 接触防護措置は屋内2.3m・屋外2.5m以上
- さくや囲いで触れないようにする方法もある
押さえる要点 ― 留める・曲げる・守る
ケーブル工事は、どの施工場所でも使える工事です(「電気設備の基本知識 #020【施工場所と工事の種類】」参照)。地中に埋める場合の決まりは「電気設備の基本知識 #023【地中配線】」、メタルラス壁を貫通する場合は「電気設備の基本知識 #032【メタルラス壁貫通工事】」で解説しています。
- 支持点間は2m以下(垂直・接触防護で6m)
- 曲げ半径は外径の6倍以上
- 傷みやすい所は管で守る
よくある質問
ケーブルの支持点間の距離は?
造営材の下面または側面に沿って取り付ける場合は2m以下です。垂直に取り付けて接触防護措置をした場合は6m以下にできます。キャブタイヤケーブルの場合は1m以下です。
ケーブルを曲げるときの半径は?
曲げの内側の半径は、ケーブルの外径の6倍以上がめやすです(内線規程)。単心ケーブルは8倍以上とします。急に曲げると絶縁体やシースが傷みます。
ケーブルを防護しなければならないのはどんな場所ですか?
重量物の圧力を受けたり、物が当たって傷ついたりするおそれがある場所です。金属管などの防護装置に収めて守ります。金属製の防護装置には、使用電圧300V以下ならD種接地工事、300Vを超えるならC種接地工事を施します(条件により省略・緩和あり)。
接触防護措置の高さの目安は?
接触防護措置は、屋内では床上2.3m以上、屋外では地表上2.5m以上の高さに施設するなどして、人が容易に触れないようにすることです。簡易接触防護措置は、屋内で床上1.8m以上、屋外で地表上2m以上です。
ケーブルと水道管やガス管が触れてもよいですか?
ケーブルは、水道管・ガス管や弱電流電線(電話線・LANなど)と接触しないように施設します。
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