電気設備の基本知識 #006【2種金属製可とう電線管工事】
2種金属製可とう電線管、通称プリカは、曲がる金属のトンネルです。金属管のように丈夫なのに、手でぐにゃりと曲げられるので、振動する電動機のまわりや、曲がりの多い経路で大活躍します。この記事では、プリカの使いどころ、つなぐ部品、曲げ半径、接地、1種との違いを、図とたとえで1つずつ解説します。
結論
プリカは振動を逃がし、複雑な経路に沿わせるための管。違う管とはコンビネーションカップリングでつなぎ、曲げの内側の半径は原則、内径の6倍以上です。
- 使いどころは電動機まわり・曲がりの多い所・機器までの最後の区間
- ボックスへはボックスコネクタ、違う管とはコンビネーションカップリング
- 曲げ半径は内径の6倍以上(取り外せる場合などは3倍以上)
- 300V以下はD種、300V超はC種接地。管の中で接続しない
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プリカとは ― 曲がる金属のトンネル
プリカは、たとえるなら掃除機のホースです。細い金属の帯をらせん状に巻いた蛇腹の管で、金属でできているのに手で曲げられます。正式名は2種金属製可とう電線管。「可とう」は「曲げられる」という意味です。「プリカ」はもともと製品の名前ですが、現場ではこの管の呼び名として定着しています。
| 比べる点 | 金属管 | プリカ | 合成樹脂管(PF管) |
|---|---|---|---|
| 曲げやすさ | ベンダで曲げる | 手で曲がる | 手で曲がる |
| 丈夫さ | とても強い | 強い | 金属よりは弱い |
| 振動への強さ | 弱い(伝わる) | 強い(吸収する) | 強い |
| 接地 | 必要 | 必要 | 不要(金属製ボックスは必要) |
金属管との違いは「電気設備の基本知識 #005【金属管工事】」、管の種類全体は「電気設備の基本知識 #003【配管の種類と特徴】」でまとめています。
- プリカは金属の帯をらせん状に巻いた「曲がる金属管」
- 正式名は2種金属製可とう電線管
- 金属なので、接地が必要
振動を逃がす ― 電動機まわりの定番
電動機やポンプは、動いている間ずっと細かく揺れています。かたい金属管で直結すると、その揺れが管やボックス、ねじのつなぎ目に伝わり、ゆるみやひびの原因になります。
そこで、金属管の終わりから機器までの最後の区間をプリカでつなぎます。たとえるならブランコの鎖です。棒でつないだら折れてしまう揺れも、しなやかな鎖なら受け流せます。
ペン太
ハリタ- 電動機・ポンプの揺れを管で吸収する
- 金属管の終わりから機器までの最後の区間に使う
- 曲がりの多い経路でも活躍する
つなぐ部品と工具 ― 違う管とはコンビネーション
| つなぐ場所 | 部品 |
|---|---|
| プリカ ⇔ ボックス | ストレートボックスコネクタ(直角に曲げて入れるならアングルボックスコネクタ) |
| プリカ ⇔ プリカ | カップリング |
| プリカ ⇔ 金属管・ねじなし管・VE管 | コンビネーションカップリング(相手の管に合う形を選ぶ) |
プリカを切るときは、可とう電線管用のカッターを使い、らせんの山に沿って切ります。切り口は鋭いので、ボックスコネクタの絶縁ブッシングで電線を守るのは金属管と同じです。
- ボックスへはボックスコネクタ
- プリカどうしはカップリング
- 違う種類の管とはコンビネーションカップリング
曲げ半径 ― 原則は内径の6倍以上
プリカは手で曲がりますが、好きなだけ曲げてよいわけではありません。曲げの内側の半径は、原則として管の内径の6倍以上です。急に曲げると、電線を通すときに引っかかり、被覆を傷めます。
📘 3倍以上でよい場合
露出場所で管を取り外せるように施設する場合や、点検できる隠ぺい場所で管を取り外せる場合などは、内径の3倍以上でよいとされています。電動機につなぐ部分のように、あとで外すことがある場所が代表例です。
- 曲げの内側の半径は原則、内径の6倍以上
- 取り外せる場合などは3倍以上
- 急な曲げは電線の被覆を傷める
1種と2種 ― 現場で使うのは2種
金属製可とう電線管には1種と2種があります。1種は金属だけでできた管で、使える場所が展開した場所や点検できる隠ぺい場所の乾燥した所などに限られます。2種は金属とファイバーを重ねた多層構造で、防湿の措置をすれば湿気や水気のある場所にも使えます。そのため、現場で「可とう電線管」といえば、ほとんどが2種(プリカ)です。
- 1種は金属だけ、使える場所がせまい
- 2種は多層構造で、湿気・水気にも使える
- 現場で使うのはほとんど2種
守るルール ― 電線・接続・曲げ・接地
| 項目 | ルール |
|---|---|
| 入れる電線 | 絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線OWを除く)。単線は直径3.2mm以下(太い場合はより線) |
| 接続 | 管の中では接続しない。接続はボックスの中で |
| 曲げ | 内側の半径は内径の6倍以上(取り外せる場合などは3倍以上) |
| 支持 | サドルなどで造営材に留める。内線規程では1m以下ごとが目安 |
| 接地 | 300V以下はD種(管の長さ4m以下なら省略できる)。300V超はC種(接触防護措置をすればD種) |
| 同じ管に入れる | 交流の1回路の電線はすべて同じ管に(電磁的平衡) |
金属可とう電線管工事の規定は「電気設備の基本知識 #027【金属可とう電線管工事】」でさらにくわしく解説しています。接地の種類は「電気設備の基本知識 #033【接地工事の要点 C種・D種】」、次の#007は「電気設備の基本知識 #007【金属線ぴと金属ダクト工事】」です。
- OWを除く絶縁電線を入れ、管の中で接続しない
- 曲げ半径は内径の6倍以上、1m以下ごとに支持が目安
- 300V以下はD種接地(4m以下は省略可)
よくある質問
2種金属製可とう電線管(プリカ)はどんな所に使いますか?
振動する電動機やポンプへの配線、曲がりが多く金属管では通しにくい経路、金属管の終わりから機器までの最後の区間などに使います。金属でできているのに手で曲げられるので、機器の揺れを吸収し、複雑な経路にも沿わせられます。
プリカと金属管やVE管をつなぐときは何を使いますか?
コンビネーションカップリングを使います。プリカどうしはカップリング、プリカとボックスはストレートボックスコネクタ(直角に曲げる場合はアングルボックスコネクタ)でつなぎます。
プリカの曲げ半径のルールは?
曲げの内側の半径は、原則として管の内径の6倍以上です。露出場所で管を取り外せる場合や、点検できる隠ぺい場所で取り外せる場合などは、3倍以上でよいとされています。
プリカの接地工事はどうなりますか?
使用電圧300V以下ならD種接地工事、300Vを超える場合はC種接地工事です。300V以下で管の長さが4m以下の場合は接地を省略できます。300Vを超える場合も、接触防護措置をすればD種接地工事でよいとされています。
1種金属製可とう電線管との違いは?
1種は金属だけのスパイラル状の管で、使える場所が展開した場所や点検できる隠ぺい場所の乾燥した所などに限られます。2種(プリカ)は金属とファイバーの多層構造で、防湿の措置をすれば湿気や水気のある場所にも使えるため、現場ではほとんど2種が使われます。
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