第二種電気工事士 合格カリキュラム学科④ 電気工事の施工方法
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金属管の種類・部品・ボックスへの取り付け方・電磁的平衡は「電気設備の基本知識 #005【金属管工事】」で解説しました。この記事は、その続きとして電気設備技術基準の解釈に書かれた金属管工事の規定を整理します。管の厚さ、接地とその省略、つなぎ方と守り方を、例題つきで確認していきましょう。

結論

金属管の厚さはコンクリート埋込み1.2mm以上・その他1mm以上。接地は300V以下D種・300V超C種が原則で、4m以下を乾燥した場所などなら省略できます。

  • 電線はOWを除く絶縁電線、管の中で接続しない
  • 継手のない4m以下の管を乾燥した展開した場所なら0.5mm以上
  • 300V超でも接触防護措置をすればD種
  • 管の口はなめらかに、水気の場所は防湿
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
金属管工事の規定を、管(厚さ・管の口)、電線(OWを除く・単線3.2mm以下)、つなぐ(管内接続しない・堅ろうで電気的に完全)、接地(300V以下D種・超C種・短い管は省略)、守る(防湿・1回路は同じ管に)の5つの視点で整理した図
金属管工事の規定は、5つの視点で整理できます。

規定の全体像 ― 5つの視点

視点 主な規定
電線 OWを除く絶縁電線。単線は直径3.2mm以下(太い場合はより線。短く細い管は除く)
管 コンクリート埋込み1.2mm以上、その他1mm以上。端口と内面はなめらかに
つなぐ 管の中で接続しない。管どうし・ボックスとは堅ろうに、電気的に完全に接続
接地 300V以下はD種、300V超はC種が原則。条件により省略・緩和あり
守る 湿気・水気のある場所は防湿。交流の1回路は同じ管に入れる
電気設備技術基準の解釈(金属管工事)・内線規程などをもとに作成。細かな条件は条文で確認する
ペン太ペン太
#005と#026、どっちから読めばいいですか?
ハリタハリタ
先に#005で管と部品のイメージをつかんでから、この回で決まりを確認するのがおすすめです。現場で「これ、接地いるんだっけ?」と迷ったときは、この回の例題が役に立ちますよ。
ここまでのポイント
  • 電線・管・つなぐ・接地・守るの5視点
  • 基本は#005、規定はこの回
  • 接地の省略条件がいちばんのポイント

管の厚さ ― 場所で決まる

金属管の厚さが、コンクリートに埋め込む場合は1.2mm以上、それ以外の場所は1mm以上、継手のない長さ4m以下の管を乾燥した展開した場所に施設する場合は0.5mm以上であることを順に示した動く図解
動く図解:場所によって、必要な厚さが変わります。
施設する場所 管の厚さ
コンクリートに埋め込む 1.2mm以上
それ以外の場所 1mm以上
継手のない長さ4m以下の管を、乾燥した展開した場所に 0.5mm以上
電気設備技術基準の解釈(金属管工事)をもとに作成

コンクリートに埋め込む管は、コンクリートの重さや打設のときの衝撃に耐えなければならないので、いちばん厚くします。管の種類ごとの厚さ(G管・C管・E管)は「電気設備の基本知識 #003【配管の種類と特徴】」で解説しています。

ここまでのポイント
  • コンクリート埋込みは1.2mm以上
  • それ以外は1mm以上
  • 短い露出の管は0.5mm以上でよい場合も


接地 ― 使用電圧と長さで決まる

金属管の接地の決め方として、使用電圧300V以下はD種接地工事が原則で、管の長さ4m以下を乾燥した場所に施設する場合などは省略でき、300Vを超える場合はC種接地工事が原則で、接触防護措置をすればD種でよいことを示したフロー図
使用電圧で原則が決まり、条件によって省略・緩和できます。
使用電圧 原則 省略・緩和
300V以下 D種接地工事 管の長さ4m以下を乾燥した場所に施設する場合は省略できる/対地電圧150V以下で長さ8m以下を、簡易接触防護措置をするか乾燥した場所に施設する場合は省略できる
300Vを超える C種接地工事 接触防護措置をすればD種接地工事でよい
電気設備技術基準の解釈(金属管工事)をもとに作成

接地の種類と抵抗値は「電気設備の基本知識 #033【接地工事の要点 C種・D種】」で解説しています。

ここまでのポイント
  • 300V以下はD種、300V超はC種が原則
  • 4m以下・乾燥なら省略できる
  • 対地150V以下・8m以下も条件つきで省略

例題 ― 接地は必要?

金属管の接地が必要かを判定する例題として、100V回路で長さ3mの管を乾燥した天井裏に施設する場合は省略でき、100V回路で長さ6mの管を乾燥した場所に施設する場合も省略でき、200V動力で長さ12mの管を工場の床下に施設する場合はD種接地工事が必要であることを順に示した動く図解
動く図解:条件を当てはめて、接地の要否を判定します。
例題 判定
100V回路、長さ3mの管を乾燥した天井裏に 4m以下・乾燥 → 省略できる
100V回路、長さ6mの管を乾燥した場所に 対地電圧150V以下・8m以下・乾燥 → 省略できる
200V動力、長さ12mの管を工場の床下に 省略の条件に当たらない → D種接地工事
単相3線式の100V・200V回路の対地電圧は100V。一般的な三相200Vの動力回路は対地電圧が150Vを超える
ここまでのポイント
  • 長さと場所と対地電圧で判定する
  • 4m以下・乾燥は省略できる
  • 8mを超えたらD種接地が必要

つなぐ・守る ― 管の口・つなぎ目・水気

金属管工事のつなぎ方と守り方として、管の口と内面をなめらかにして電線の被覆を傷つけない(ブッシングを付ける)、管どうし・ボックスとは堅ろうに電気的に完全に接続する、湿気・水気の場所は防湿の措置をすることを並べた図
金属管工事のつなぎ方と守り方。
項目 決まり
管の端口・内面 電線の被覆を傷つけないようになめらかにする(端口に絶縁ブッシング)
つなぎ目 管どうし、管とボックスは堅ろうに、かつ電気的に完全に接続する
湿気・水気のある場所 防湿の措置をする
交流の回路 1回路の電線はすべて同じ管に入れる(電磁的平衡)
電気設備技術基準の解釈・内線規程などをもとに作成

ボックスへの取り付け方と電磁的平衡の動く図解は「電気設備の基本知識 #005【金属管工事】」にあります。

ここまでのポイント
  • 管の口はなめらかに(ブッシング)
  • つなぎ目は堅ろう・電気的に完全
  • 水気の場所は防湿、1回路は同じ管に


押さえる要点 ― 6つのルール

金属管工事の規定で押さえる要点として、電線(OWを除く・単線3.2mm以下)、管の中で接続しない、管の厚さ(埋込み1.2mm・その他1mm)、接地(300V以下D種・4m以下などは省略)、接地(300V超C種・接触防護措置でD種)、管の口はなめらかに・水気は防湿の6つを並べた図
金属管工事の規定のまとめ。

合成樹脂管工事の規定は「電気設備の基本知識 #024【合成樹脂管工事】」、曲げられる金属管は「電気設備の基本知識 #027【金属可とう電線管工事】」で確認できます。

ここまでのポイント
  • 管の厚さは1.2mm・1mm・0.5mm
  • 接地は300V以下D種、300V超C種
  • 4m以下・乾燥などは接地を省略できる

よくある質問

金属管工事に使える電線は?

屋外用ビニル絶縁電線(OW)を除く絶縁電線を使います。単線は直径3.2mm以下とし、それより太い場合はより線を使います(短く細い管に収める場合などを除く)。管の中では電線を接続しません。

金属管の厚さの決まりは?

コンクリートに埋め込むものは1.2mm以上、それ以外は1mm以上です。継手のない長さ4m以下の管を乾燥した展開した場所に施設する場合は、0.5mm以上でよいとされています。

金属管の接地工事は?

使用電圧300V以下ならD種接地工事、300Vを超えるならC種接地工事が原則です。300Vを超える場合でも、接触防護措置をすればD種接地工事でよいとされています。

金属管の接地を省略できるのはどんな場合ですか?

使用電圧300V以下で、管の長さ4m以下のものを乾燥した場所に施設する場合や、対地電圧150V以下で長さ8m以下のものを、簡易接触防護措置をして施設する場合・乾燥した場所に施設する場合は省略できます。

金属管の管の口にはどんな決まりがありますか?

管の端口と内面は、電線の被覆を傷つけないようになめらかにします。ふつうは端口に絶縁ブッシングを付けます。また、湿気・水気のある場所では防湿の措置をします。

ハリタ

この記事を書いた人:ハリタ

電気設備設計の実務者。内線規程・電気工事士資格・住宅の電気設備を「設計者の視点」で解説しています。プロフィール詳細

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。