全体像:漏電遮断器の施設と省略|60V超・0.1秒/30mA

漏電遮断器は、電路の絶縁が劣化して地絡が生じたときに、自動的に電路を遮断して感電や火災を防ぐ装置です。試験では「どんな場合に施設するか」「どんな場合に省略できるか」がよく問われます。

この記事では、施設が必要な条件感電防止用の性能(0.1秒・30mA)省略できる4ケースを図解で整理します。

🐧 見習いペン太:「漏電遮断器って、ブレーカーと何が違うんですか?」
🦔 はりた:「ふつうのブレーカーは“流れすぎ(過電流)”を切るもの。漏電遮断器は“漏れ(地絡)”を検出して切るんだ」
🐧 見習いペン太:「役割が違うんですね」
🦔 はりた:「そう。感電や火災を防ぐのが目的。だから条件によっては設置が義務になるんだ」
⚡ 先に結論だけ言うと
  • 金属製外箱をもち使用電圧 60Vを超える機器の電路に施設
  • 地絡が生じたとき 自動的に電路を遮断(ZCTで検出)
  • 感電防止用は 動作0.1秒以内・定格感度電流30mA以下
  • 省略できる4ケースのいずれか1つでも該当すれば省略可

漏電遮断器の施設と性能(60V超・0.1秒以内・30mA以下)

漏電遮断器と配線用遮断器(ブレーカー)の違い比較表

この記事でわかること
✔ 漏電遮断器とは?はたらきと施設条件
✔ 漏電遮断器を省略できる4つのケース
ペン太ペン太
漏電遮断器って普通のブレーカーと何が違うんですか?落ちるのは同じですよね。
ハリタハリタ
役割が別です。普通のブレーカーは過電流、漏電遮断器は地絡を検出します。内部のZCTが見張り役ですよ。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 漏電遮断器の施設義務は、どんな機器にかかるのか
  • 感電防止用として求められる動作時間と感度電流はいくつか
  • 省略できる条件は、すべて満たす必要があるのか
この記事の道案内
省略条件だけ確認したい方は、2つ目の項目から読んでください。

漏電遮断器とは?はたらきと施設条件

トピック1:漏電遮断器とは?はたらきと施設条件

漏電遮断器は、電路の絶縁が劣化したときに電路を遮断し、感電や火災を防止するための地絡遮断装置です。内部の零相変流器(ZCT)地絡電流を検出し、自動的に電路を遮断します。

金属製の外箱を有し、使用電圧が60Vを超える低圧電気機器を、簡易接触防護措置を施さずに使う場合、その電路に漏電遮断器を施設しなければなりません。とくに感電防止を目的とする場合には、動作時間0.1秒以内(高速形)定格感度電流30mA以下(高感度形)のものを施設します。

ここがポイント
「金属外箱+60V超=施設義務」「感電防止用=0.1秒・30mA」。数字はそのまま頻出ポイントです。
ペン太ペン太
金属製外箱で60Vを超えたら、例外なしで漏電遮断器が要るんですか?
ハリタハリタ
省略できる場合が4つあります。乾燥した場所、二重絶縁構造、接地抵抗3Ω以下などです。一つずつ確認しましょう。
施設義務の条件 内容 外れると
外箱 金属製の外箱を有すること 義務の対象にならない
使用電圧 60Vを超える低圧であること 60V以下なら対象にならない
防護措置 簡易接触防護措置を施さずに使うこと 措置を施していれば対象にならない
ここまでのポイント
  • 漏電遮断器は、内部のZCTで地絡電流を検出し、自動的に電路を遮断する
  • 金属製の外箱を有し使用電圧60V超の低圧機器を、簡易接触防護措置なしで使う場合に施設義務
  • 感電防止を目的とする場合は、動作時間0.1秒以内・定格感度電流30mA以下のもの

漏電遮断器を省略できる4つのケース

トピック2:漏電遮断器を省略できる4つのケース

次の条件のいずれか1つでも該当すれば、漏電遮断器の施設を省略できます。

乾燥した場所で使用する場合、②対地電圧150V以下の器具を水気のない場所に施設する場合、③電気用品安全法適用の二重絶縁構造の機器、④接地抵抗3Ω以下で接地する場合です。いずれも感電・火災のリスクが十分に小さいと判断できる条件です。

漏電遮断器を省略できる4ケース(乾燥・対地150V以下・二重絶縁・接地3Ω以下)

🐧 見習いペン太:「省略できる条件、覚えにくいです…」
🦔 はりた:「“危なくない状況なら省略OK”とイメージしよう。乾いてる・電圧低い・二重に絶縁・しっかり接地。どれか1つでいいよ」
ここがポイント
省略は「どれか1つでも該当すればOK」。4つの条件をセットで押さえましょう。
判定でつまずくところ 正しくは
4つの条件をすべて満たす必要がある いずれか1つ該当すれば省略できる
対地電圧150V以下なら常に省略できる 水気のない場所に施設することが条件
接地さえすれば省略できる 接地抵抗3Ω以下であることが条件
二重絶縁ならどれでもよい 電気用品安全法適用の二重絶縁構造であること
60V以下でも施設義務がある 施設義務は60Vを超える場合
ここまでのポイント
  • 4つの条件のいずれか1つでも該当すれば、施設を省略できる
  • 乾燥した場所/対地電圧150V以下かつ水気なし/二重絶縁構造/接地抵抗3Ω以下
  • いずれも感電・火災のリスクが十分に小さいと判断できる条件


よくある質問(FAQ)

トピック3:よくある質問(FAQ)

Q. 漏電遮断器はどんな電路に施設しますか?

A. 金属製の外箱を有し、使用電圧が60Vを超える低圧電気機器を、簡易接触防護措置を施さずに使う場合、その電路に施設します。電路に地絡が生じたとき自動的に電路を遮断します。

Q. 感電防止用の漏電遮断器の性能は?

A. 動作時間が0.1秒以内(高速形)で、定格感度電流30mA以下(高感度形)のものを施設します。

Q. 漏電遮断器を省略できるのはどんな場合ですか?

A. ①乾燥した場所で使用する、②対地電圧150V以下の器具を水気のない場所に施設する、③電気用品安全法適用の二重絶縁構造の機器、④接地抵抗3Ω以下で接地する、のいずれか1つでも該当すれば省略できます。

Q. 漏電遮断器はどうやって地絡を検出しますか?

A. 零相変流器(ZCT)で地絡電流を検出し、自動的に電路を遮断します。

漏電遮断器が地絡を検出する仕組み(正常時/地絡時のZCT)

ペン太ペン太
感電防止用の性能って数字で決まっているんですか?
ハリタハリタ
動作時間0.1秒以内、感度電流30mA以下の高速高感度形です。60V超とセットで覚えれば得点源になりますよ。

まとめ

漏電遮断器の施設と省略の要点:

結論です。施設義務は「金属製外箱」「60V超」「簡易接触防護措置なし」がそろったときにかかり、省略はいずれか1つの条件で足ります。義務側はAND、省略側はORという読み分けが、この項目のいちばんの要点です。

問われること 答え
はたらき ZCTで地絡電流を検出し、自動的に電路を遮断する
施設義務がかかる機器 金属製外箱を有し、使用電圧60V超の低圧電気機器
義務の前提 簡易接触防護措置を施さずに使う場合
感電防止用の動作時間 0.1秒以内(高速形)
感電防止用の定格感度電流 30mA以下(高感度形)
省略できる条件の数 4つのうち、いずれか1つ該当すればよい
省略できる4条件 乾燥した場所/対地150V以下かつ水気なし/二重絶縁構造/接地3Ω以下

この記事の要点

  • 施設義務:金属製外箱+使用電圧60V超の機器の電路
  • はたらき:地絡を検出し 自動で電路を遮断(ZCT)
  • 感電防止用:動作0.1秒以内・定格感度電流30mA以下
  • 省略(いずれか1つ):①乾燥した場所②対地150V以下+水気なし③二重絶縁構造④接地抵抗3Ω以下

覚え違いを防ぐ読み分け

  • 義務がかかる条件は「そろったとき」。1つでも外れれば対象外
  • 省略できる条件は「いずれか1つ」。すべて満たす必要はない
  • 数字は3つ。60V超・0.1秒以内・30mA以下、そして接地は3Ω以下

漏電遮断器は、条件の読み方さえ整理できれば迷う項目ではありません。義務がかかるほうは条件がそろって初めて成立し、省略できるほうは1つ当てはまれば足ります。この非対称を頭に入れて、あとは4つの数字を押さえてください。

漏電遮断器の施設と省略まとめ早見表

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。