非常コンセントは、ここに置け
非常コンセントの設置基準と
ケーブルサイズの選定方法ってあるの?
高層マンションやビルなどにおいて非常コンセントを図面上見かけた・若しくは設計時に検討したことはないでしょうか。非常コンセント設備は消防活動上の電源確保として必要であり設置場所・コンセントの仕様・配線方法などは基準により決められているため十分に理解を深め検討を行うようにしましょう
- 非常コンセントの設置基準を知りたい方
- 非常コンセントのケーブルサイズを検討されている方など
クイックトピックス
- 11階以上、地下街で1,000㎡以上の部分
- 各階ごとの非常コンセントはその階のどこからでも水平距離50m以下となるように設ける
- 設置場所は避難階に通じる階段室内、その附室及び非常用エレベーターホール内のいずれかとなる
- 階段室等の内部に設置が困難な場合は、当該出入口部分より5m以内の場所に設ける
- 幹線の回路数は、各階において2系統以上とする ※ただし、階ごとの非常コンセントの数が1個のときは、1系統とすることができる
- 1つの幹線には、10個までの非常コンセント接続可能
- 非常コンセントに接続する負荷は、1回路あたり1.5kVAを想定する
- 1つの幹線の電気容量の考え方は、3個までを想定し最大4.5kVAとする
非常コンセントとは。
非常コンセント設備は、高層建築物や地下街などの消防活動上困難性の高い場所において、消火や救助活動に必要な機材の電源を確保するための消火活動上必須の設備になります。
非常コンセントの設置基準
- 11階以上、地下街で1,000㎡以上の部分
- 各階ごとの非常コンセントはその階のどこからでも水平距離50m以下となるように設ける
- 設置場所は避難階に通じる階段室内、その附室及び非常用エレベーターホール内のいずれかとなる
- 階段室等の内部に設置が困難な場合は、当該出入口部分より5m以内の場所に設ける
設置基準の記載内容
- (2)非常コンセントの設置基準
非常コンセントの設置位置については、次によること。
ア 非常コンセントの設置階は、11階以上の階、地下街(延べ面積が1,000㎡以上のもの)及び地下4階以下の階(地下4階以下の階の床面積の合計が1,000㎡以上のもの)の各階とすること。
イ 階段室、非常用エレベーターの乗降ロビー又は階段室の附室から5m以内の場所。♦)に設置すること。
ウ 特殊な階層(共同住宅等で、共用廊下部分又は住戸等の出入り口が2階層又は3階層ごとに設けられているもの等)で、非常コンセントを各階ごとに設けることが適当でないと認められるものにあっては、当該階の各部分から、前イの部分に設けるコンセントまでの歩行距離が50m以下となるように設けること。
出典:(予防事務審査・検査基準(東京消防庁 監修))より
- 設置位置等
設置位置等は、令第29条の2第2項の規定によるほか、次によること。
- (1)建物の階数
令第29条の2第1項第1号に規定する非常コンセント設備を設けなければならない建築物の階数については、建基令第2条第1項第8号の規定によるものであること。
- (2)設置位置
ア 当該部分以外の場所に設ける場合は、吹抜け廊下等消火活動上支障ない場所であること。ただし、階段出入口から概ね2mの範囲内とし、水平距離50m以内となるように設けること。(第22ー1図参照)
イ 各階の階段室等に設けることが困難な場合は、10階と11階の中間踊場からもうけることとし、最上階の中間踊場は設けないことができる。
出典:(消防用設備等技術基準(福岡市防災協会 発行))より
非常コンセントの構成
- 幹線の回路数は、各階において2系統以上とする ※ただし、階ごとの非常コンセントの数が1個のときは、1系統とすることができる
- 1つの幹線には、10個までの非常コンセント接続可能
- 非常コンセントに接続する負荷は、1回路あたり1.5kVAを想定する
- 1つの幹線の電気容量の考え方は、3個までを想定し最大4.5kVAとする
- 各階に必要な非常コンセントは2系統(コンセント盤2面)となる
- ただし、非常コンセントが1個(コンセント盤1面)の場合は1系統でよい
コンセント盤1面(1口コンセント×2)を
1系統として構成する
- 階ごとに接続した非常コンセントの容量は同時使用を最大3個を想定する
- 幹線1系統あたりの電気容量は最大4.5kVAで計算する
1系統あたりの電気容量は
4.5kVAとすることができる
- 非常コンセント設備に関する基準(消防法施行規則第三十一の二)
1 非常コンセントは、床面又は階段の踏面からの高さが1メートル以上1.5メートル以下の位置に設けること。
2 非常コンセントは、埋込式の保護箱内に設けること。
3 非常コンセントは、日本産業規格C8303の接地形二極コンセントのうち定格は15アンペア125Vのものに適合するものであること。
4 非常コンセントの刃受の接地極には、電気工作物に係る法令の規定による接地工事を施すこと。
5 電源は、第24項第3号の規定の例により設けること。
6 非常コンセントは電気を供給する電源の回路からは、各階において、2以上となるように設けること。ただし、階毎の非常コンセントの数が1個のときは、1回路とすることができる。
7.前号の回路に設ける非常コンセントの数は、10以下とすること。
8.非常電源は、第12項第一項第4号の規定に準じて設けること。
9 非常コンセント設備の設置の標示は、次のイからハまでに定めるところによること。
- イ 非常コンセントの保護箱には、その表面に「非常コンセント」と表示すること。
- ロ 非常コンセントの保護箱の上部に、赤色の灯火を設けること。
- ハ ロの灯火の回路の配線は、第12条第1項第5号の規定の例によること。
10 第12条第1項第8号の規定は、非常コンセント設備について準用する。
出典:(建築設備設計基準)より
非常コンセントのケーブルサイズ選定方法
- 非常コンセントは耐火ケーブルを使用する
- 幹線の回路数は、各階において2系統以上とする ※ただし、階ごとの非常コンセントの数が1個のときは、1系統とすることができる
- 1系統あたりの非常コンセント個数は最大10個接続可能
- 非常コンセントの負荷容量は1個あたり1.5kVAとする
- 1系統あたりの最大負荷容量は4.5kVAとする
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まとめ
設置基準
- 11階以上、地下街で1,000㎡以上の部分
- 各階ごとの非常コンセントはその階のどこからでも水平距離50m以下となるように設ける
- 設置場所は避難階に通じる階段室内、その附室及び非常用エレベーターホール内のいずれかとなる
- 階段室等の内部に設置が困難な場合は、当該出入口部分より5m以内の場所に設ける
非常コンセントの構成
- 幹線の回路数は、各階において2回路以上とする ※ただし、階ごとの非常コンセントの数が1個のときは、1回路とすることができる
- 1つの幹線には、10個までの非常コンセント接続可能
- 非常コンセントに接続する負荷は、1回路あたり1.5kVAを想定する
- 1つの幹線の電気容量の考え方は、3個までを想定し4.5kVA
ケーブルサイズの選定方法
- 非常コンセントは耐火ケーブルを使用する(FP・FPTケーブル)
- 幹線の回路数は、各階において2系統以上とする ※ただし、階ごとの非常コンセントの数が1個のときは、1系統とすることができる
- 1系統あたりの非常コンセント個数は最大10個接続可能
- 非常コンセントの負荷容量は1個あたり1.5kVAとする
- 1系統あたりの最大負荷容量は4.5kVAとする