この記事は、連載「照明設備の設計マニュアル」第3回 器具の選定第6回 非常照明・誘導灯 の補足解説です。計画全体の流れは 設計・施工マニュアル(目次) からご覧いただけます。
全体像:非常用照明の電池内蔵型と電源別置型

ペン太ペン太
非常用照明はとにかく電池内蔵型が安いって聞きました。今もそうですよね?
ハリタハリタ
かつてはそうでしたが、今は価格差がほぼ無く、選び方の軸が変わっているんです。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 電池内蔵型と電源別置型は、給電のしかたがどう違うか
  • 電池交換や電源の寿命は、それぞれ何年が目安か
  • 災害時に電源が断たれたとき、確実に点灯するのはどちらか
この記事でわかること
選定で迷ったら、比較の項と注意点をあわせてご覧ください。

💬 今回の疑問

トピック1:今回の疑問

LEDを使った非常用照明は、「電池内蔵型」と「電源別置型」の2種類があります。
建物の設計や安全対策でどう使い分けるの?コストは?メリット・デメリットを比較してみましょう!


ペン太ペン太
ランニングコストではどっちが有利なんですか?
ハリタハリタ
内蔵型は6~7年ごとの電池交換が必要、別置型は電源寿命15年。運用費で差が出ます。

🔌 1. 電池内蔵型 vs 電源別置型の比較

トピック2:内蔵型と別置型の比較

🔍 どんな違いがあるの?

比較項目 電池内蔵型 電源別置型
価格 昔は安かったが、現在は価格差ほぼなし 同左
初期コスト 本体だけでOKなので安い 必要な装置が多くて高い
ランニングコスト 電池の交換が早め(6〜7年)だがコスト安め 長寿命電源(15年)だが点検・維持費が高め

📝 ポイント

  • 面積が広い建物では「電池内蔵型」のほうがコスト的に有利になるケースも。

  • 使用環境(温度・湿度など)や点検のしやすさによって、寿命やコストが変わることもある。


判断の軸電池内蔵型電源別置型
給電のしかた本体に電池を内蔵する別置きの電源装置から給電する
配線少ない多くなる
寿命の目安電池交換が6〜7年電源寿命が15年
災害時電源が断たれても点灯する配線が損傷すると点かないおそれ
ここまでのポイント
  • 価格差は昔ほど大きくなく、現在はほぼ差がない
  • 初期コストは、本体だけで済む電池内蔵型のほうが安い
  • 電池内蔵型は電池交換が6〜7年と早めだが、コストは安め
  • 電源別置型は電源が長寿命(15年)だが、点検・維持費が高め
  • 面積が広い建物では、電池内蔵型のほうがコスト的に有利になるケースもある
  • 使用環境(温度・湿度など)や点検のしやすさで、寿命やコストは変わる

⚠️ 2. その他の注意点

トピック3:その他の注意点

✅ 安全性の違い

✅ 設置基準の違い

  • 2018年の法改正で、居室の基準が明確になり、適用できる範囲が増えました。

  • これにより、適切に選べばコスト削減が可能になりました。


取り違えやすいところ正しくは
電池内蔵型は安いから性能も低い価格差は現在ほぼなく、災害時の確実性はむしろ高い
別置型は長寿命だから維持費も安い電源寿命は長いが、点検・維持費は高め
建物の規模は選定に関係ない面積が広い建物では内蔵型が有利になるケースがある
どちらを選んでも基準は同じ2018年の法改正で居室の基準が明確になり、適用範囲が変わった
ここまでのポイント
  • 電池内蔵型は、災害時に電源が断たれても点灯する
  • 電源別置型は配線が多く、配線の損傷で点かないリスクがある
  • 2018年の法改正で居室の基準が明確になり、適用できる範囲が増えた
  • 適切に選べばコスト削減につながる

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問

Q. 電池内蔵型と電源別置型の主な違いは何ですか?
A. 電池内蔵型は本体に電池を内蔵し、災害時に電源が断たれても点灯します。電源別置型は別置きの電源装置から給電する方式で、配線が多くなります。

Q. コスト面ではどちらが有利ですか?
A. 電池内蔵型は本体だけで設置でき初期コストが安い一方、電池交換が6〜7年と早めです。電源別置型は初期コストが高いものの電源が長寿命(15年)ですが、点検・維持費が高めです。面積が広い建物では電池内蔵型が有利になるケースもあります。

Q. 安全性はどちらが高いですか?
A. 電池内蔵型は独立して点灯するため安心感があります。電源別置型は配線が多く、配線の損傷で点灯しないリスクがあります。

Q. 設置基準で最近変わった点はありますか?
A. 2018年の法改正で居室の基準が明確になり、適用できる範囲が増えました。適切に選定すればコスト削減が可能になっています。

✅ まとめ

項目 電池内蔵型 電源別置型
初期コスト ◎ 安い △ 高い
ランニングコスト ◎ 比較的安い(交換頻度は多い) △ 点検・交換費が高い
安全性 ◎ 独立していて安心 △ 配線の影響を受けやすい
向いている建物 一般的に使用 メンテナンス頻度を抑えたい建物
ペン太ペン太
結局どう選べばいいでしょう?
ハリタハリタ
2018年の法改正で適用が広がったので、建物の規模と運用に合わせて選びましょう。

内蔵型と別置型は「初期コストか、交換頻度か」というトレードオフです。そこに災害時の確実性と、建物の面積・点検体制を重ねて選びます。

確認する順番見るところ傾向
Step1建物の面積と器具数広い建物では電池内蔵型が有利になることがある
Step2点検・保守の体制頻度を抑えたいなら電源別置型
Step3災害時の確実性独立して点灯する電池内蔵型が有利
Step4設置環境温度・湿度で寿命やコストが変わる
Step5基準の確認2018年の法改正後の居室の基準に照らす

器具単価だけで比べると差が見えにくい分野です。電池交換の周期と点検費まで含めて、建物の運用年数で並べてみると判断しやすくなります。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。