強電の設計|三相動力負荷の遮断器定格電流が配線の許容電流より大きくて良い理由について詳しく解説
この3つ、すぐ答えられますか
- 遮断器の定格電流が配線の許容電流より大きくてよいのは、どんなときか
- 遮断器の定格は、どこまで大きくしてよいか
- 過負荷保護を担っているのは、どの機器か
❓そもそも疑問:
「遮断器の定格電流って、配線の許容電流より小さくすべきでは?」
→ 実は 「配線より大きくてもOK」 なケースがあるんです!
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ハリタ
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ペン太- 遮断器が過負荷保護を担っていない場合、配線の許容電流より定格が大きくてもよい
- 負荷側に別の過負荷保護機器(ヒューズやブレーカ)がある場合が該当する
- 遮断器が短絡保護のみを目的としている場合も同じ
- 配線の保護を別の機器が担っているかどうかが判断の軸になる
⚙ 遮断器を選ぶときのポイント
動力負荷(モーターなど)には「始動電流」という一時的に大きな電流が流れます。
この電流を遮断器が誤って遮断してしまうのを防ぐために、遮断器は以下のように選定されます。
🔍 だからこうなる!
遮断器は「短絡保護」が主な目的。始動電流では動作しないように設計する必要がある。
そのため、遮断器の定格電流は配線の許容電流よりも大きくなることがあるのです。
主な要素:
-
遮断器の動作特性:短絡時に高速遮断
-
熱動継電器の動作特性:過負荷を数秒〜数分で遮断
-
電磁接触器の許容電流:始動中でも壊れない範囲
👉 遮断器がこの始動電流に反応しないように設計されているのがポイント!
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ペン太| 機器 | 担う保護 | 動作の速さ |
|---|---|---|
| 遮断器 | 短絡保護 | 短絡時に高速遮断する |
| 熱動継電器 | 過負荷保護 | 数秒〜数分で遮断する |
| 電磁接触器 | 開閉 | 始動中でも壊れない許容電流であること |
- 動力負荷には、始動時に定格の数倍の電流が一時的に流れる
- 遮断器はこの始動電流で誤動作しないように選定する
- 遮断器の主な目的は短絡保護、熱動継電器は過負荷を数秒〜数分で遮断する
- 電磁接触器は始動中でも壊れない範囲であることを確認する
どこまで大きくしてよい?(電技解釈第148条)
「配線より大きくてよい」といっても、上限があります。電気設備技術基準の解釈 第148条では、低圧幹線を保護する過電流遮断器の定格電流は、原則として幹線の許容電流以下です。そのうえで、電動機等がつながる幹線では、次のように大きくできます。
| 項目 | 上限の考え方 |
|---|---|
| 原則 | 幹線の許容電流以下 |
| 電動機等をつなぐ場合 | 電動機等の定格電流の合計×3 + 他の電気機械器具の定格電流の合計 以下 |
| ただし | 幹線の許容電流×2.5 を超えないこと(2つの式の小さいほうが上限) |
たとえば、電動機の定格合計30A、他の機器10A、幹線の許容電流50Aなら、30×3+10=100A と 50×2.5=125A の小さいほうで、上限は100Aです。細かい条件(標準定格に合わない場合の扱いなど)は、解釈の本文で確かめます。
💡 用語解説
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 遮断器 | 短絡(ショート)などの重大な異常を高速遮断する装置 |
| 始動電流 | モーターが動き出す瞬間に流れる非常に大きな電流(定格電流の数倍) |
| 許容電流 | 配線や機器が安全に流せる最大の電流量 |
ペン太
ハリタ図解:保護の役割分担(保護協調)
短絡保護
始動電流では動作させない
過負荷保護
数秒〜数分で遮断
| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| 遮断器の定格は配線の許容電流より小さくしなければならない | 遮断器が過負荷保護を担っていない場合は、大きくてもよい |
| 遮断器は過負荷も短絡も守ってくれる | 過負荷保護は熱動継電器などが担う。設計の目的を確認する |
| 始動電流も遮断器で切るべき | 始動電流では動作しないように選定する |
| 機器を個別に選べば保護は成立する | 遮断器・熱動継電器・電磁接触器の保護協調で見る |
- 電源 → 遮断器(短絡保護)→ 配線 → 熱動継電器(過負荷保護)→ モーターという分担
- 遮断器は短絡保護、過負荷保護は熱動継電器が担う
- だから遮断器の定格電流は、配線の許容電流より大きくてよい
よくある質問(FAQ)
Q1. なぜ遮断器の定格電流が配線の許容電流より大きくてよいの?
A. 遮断器が過負荷保護を担っておらず短絡保護のみを目的とし、過負荷保護を熱動継電器など別の機器が担っている場合は、配線の許容電流より定格が大きくても問題ありません。
Q2. モーターの始動電流はどれくらい流れる?
A. 定格電流の数倍の大電流が一時的に流れます。直入れ始動か、スターデルタ始動やインバーターかでも大きく変わるため、倍率は電動機やメーカーの資料で確かめます。
Q3. 遮断器と熱動継電器の役割の違いは?
A. 遮断器は短絡保護(高速遮断)、熱動継電器は過負荷保護(数秒〜数分で遮断)を担います。
Q4. 設計上の注意点は?
A. 熱動継電器・電磁接触器との保護協調を考慮して選定することが重要です。
✅ まとめ
| 内容 | ポイント |
|---|---|
| 遮断器の定格電流 | 配線の許容電流より大きくてよい(上限は電技解釈第148条:電動機等の定格合計×3+他の定格合計、かつ幹線の許容電流×2.5以下) |
| 理由 | 始動電流で誤動作しないようにするため |
| 注意 | 熱動継電器・電磁接触器との保護協調を考慮 |
ペン太
ハリタ「遮断器の定格が配線の許容電流より大きい」ことが問題になるかどうかは、その配線の過負荷保護を誰が担っているかで決まります。担い手が別にいれば、遮断器は短絡保護に専念してよい、という考え方です。
| 確認する順番 | 見るところ | 判断 |
|---|---|---|
| Step1 | 遮断器の目的 | 短絡保護のみか、過負荷保護も兼ねるか |
| Step2 | 過負荷保護の担い手 | 熱動継電器やヒューズが負荷側にあるか |
| Step3 | 始動電流 | 始動電流(定格の数倍)で遮断器が動作しないか |
| Step4 | 熱動継電器の動作特性 | 過負荷を数秒〜数分で切れるか |
| Step5 | 電磁接触器の許容電流 | 始動中でも壊れない範囲か |
図面のうえで数値だけを見比べると違和感がありますが、保護の役割分担まで含めて眺めると筋が通ります。逆に、過負荷保護の担い手が見当たらないときは、定格の大小にかかわらず設計を見直す必要があります。


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