技術図書館電流減少係数|束ねるほど、1本あたりは流せない補正後の許容電流の組み立て、本数別の7区分、接地線の扱いと2つの対策をスライドで整理しました。この資料をスライドで見る資料一覧を見る
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

電線サイズを選ぶとき、許容電流表の値をそのまま使っていませんか? 実は同じ管の中に電線を何本もまとめて入れると、表どおりの電流は流せません。放熱が悪くなるぶん許容電流を割り引く必要があり、このときに使うのが電流減少係数です。まずは図で考え方をつかみましょう。

同一管内の電線数に応じた電流減少係数を整理した図解

⚡ 先に結論だけ言うと
同一管内の電線が多いほど放熱が悪くなり、係数は小さくなる。計算は補正後の許容電流=許容電流×電流減少係数。係数は電線数3以下で0.70、61以上で0.34まで下がります。まとめて入れるほど1本あたり流せる電流は減る、と押さえましょう。
たとえるなら
電流減少係数は、満員電車の暑さ
空いている電車なら体の熱はすぐ逃げますが、満員電車では熱がこもって暑くなります。電線も、空中に1本なら熱が逃げやすいのに、1本の管にぎゅうぎゅうに束ねると熱がこもります。だから本数が多いほど、1本あたりに流せる電流を控えめにします。
ペン太ペン太
許容電流表の値、そのまま使っちゃダメなんですか?
ハリタハリタ
単独ならいいんだけど、1本の管にまとめて入れると熱がこもるんだ。だから本数に応じて係数を掛けて減らす——それが電流減少係数だよ。
ペン太ペン太
ぎゅうぎゅうに入れるほど不利になるんですね。減らしたくないときは?
ハリタハリタ
サイズアップするか、管を分けて本数を減らすかだね。本数を分ければ係数が大きくなって、放熱対策にもなるんだ。
この記事でわかること
✔ 電流減少係数とは(早見表)
✔ ① なぜ許容電流を割り引くのか
✔ ② 電流減少係数の早見表(同一管内の電線数)

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ペン太ペン太
同じ管に電線をまとめると、許容電流が減るなんて知りませんでした…。
ハリタハリタ
放熱が悪くなるからです。3本以下で0.70など、電線数に応じて割り引きます。

この記事で押さえる3つのこと

  • 電流減少係数は、管に束ねて放熱が悪くなるぶん許容電流を割り引くために掛ける
  • 電線数を数えるとき、接地線は含めない
  • 3本以下の係数は0.70(61本以上で0.34)
この記事でわかること
数値だけ確認したい方は、早見表から読んでください。
この記事の内容を、ツールで計算する幹線・分岐回路 一気通貫計算電流を入れると、遮断器・電線サイズ・電線管まで一度に出ます
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電流減少係数とは(早見表)

3以下 0.70。
4〜6 0.63・0.56。
7〜60 0.49〜0.39。
61以上 0.34。
ここに注意!
「3本ちょうどは、4本と同じ区分」ではありません。
区分は「3以下」なので、3本ちょうどは0.70です。4本になると0.63に下がります。

電流減少係数とは、同一の電線管やダクトに多数の電線をまとめて収めたときに放熱が悪くなるぶん、電線の許容電流を割り引くための係数です。内線規程では次の値を用います。

  • 3本以下:0.70
  • 4本:0.63
  • 5〜6本:0.56
  • 7〜15本:0.49
  • 16〜40本:0.43
  • 41〜60本:0.39
  • 61本以上:0.34

※接地線は電線数に含めません。

ここまでのポイント
  • 同一の電線管やダクトに多数の電線をまとめると、放熱が悪くなる
  • そのぶん許容電流を割り引くための係数が電流減少係数
  • 3本以下は0.70、本数が増えるほど小さくなり、61本以上で0.34

① なぜ許容電流を割り引くのか

1本 熱がすぐ逃げる。
3本 熱がこもる。
9本 もっとこもる。
割り引く 係数を掛ける。
ここに注意!
「許容電流の表の値は、そのまま使える」ではありません。
表の値は、空中に1本に近い条件での値です。同じ管にまとめて入れるときは、本数に応じた電流減少係数を掛けて割り引いた値が、本当の上限になります。
ここに注意!
「係数を掛けると、許容電流が増える」ではありません。
電流減少係数は割り引くための係数で、1より小さい値です。掛けると、流せる電流は小さくなります。
  • 電線には許容電流(安全に流せる電流の上限)があり、超えると発熱し最悪は発火につながる
  • 許容電流はサイズで決まるが、敷設方法によって放熱条件が変わる。空中1本と管に束ねるのとでは熱の逃げやすさが違う
  • まとめて収める場合は低減率(電流減少係数)を掛けて適正なサイズを選ぶ
ペン太ペン太
電線数を数えるとき、接地線も1本として含めるんですか?
ハリタハリタ
接地線は含めません。含めると係数を余計に割り引いてしまうので注意です。
押さえる前提内容
許容電流とは安全に流せる電流の上限。超えると発熱し、最悪は発火につながる
何で変わるかサイズで決まるが、敷設方法によって放熱条件が変わる
だからどうするまとめて収める場合は電流減少係数を掛け、適正なサイズを選ぶ
ここまでのポイント
  • 許容電流は、安全に流せる電流の上限。超えると発熱し、最悪は発火につながる
  • 許容電流はサイズで決まるが、敷設方法によって放熱条件が変わる
  • 空中に1本と管に束ねるのとでは、熱の逃げやすさが違う

② 電流減少係数の早見表(同一管内の電線数)

表の値 49A。
3本 ×0.70で34.3A。
6本・9本 27.4A・24A。
判断 30Aの回路と比べる。
数える 電線3本+接地線1本。
接地線 数えない。0.70のまま。
中性線など 算入しないことができる。
対策 太くするか管を分ける。
たとえるなら
管を分けるのは、車両を増やすこと
満員電車の暑さは、車両を増やして乗客を分ければやわらぎます。電線も、管を分けて1本の管に入る本数を減らせば係数が大きくなり、同じ太さのままでも流せる電流が増えます。太くするのが難しいときの、もう一つの手です。
ここに注意!
「接地線も、電線の本数に数える」ではありません。
接地線は本数に含めません。含めると係数を余計に割り引いてしまいます。中性線や制御回路用の電線も、算入しないことができます(電技解釈第146条)。
ここに注意!
「足りなければ、電線を太くするしか手はない」ではありません。
管を分けて1本の管に入る本数を減らせば、係数が大きくなります。太くするのが難しいときは、管の分け方を見直します。
電流減少係数の早わかり図解|同一管内の電線数別(3以下0.70〜61以上0.34)
電流減少係数(3以下0.70/4本0.63/5〜6本0.56/7〜15本0.49/16〜40本0.43/41〜60本0.39/61以上0.34)
図解のポイント:電流減少係数は内線規程1340・電技解釈146条で、同一の管・線ぴ・ダクトに収める絶縁電線の本数が多いほど小さくなります。3本以下0.70、4本0.63、5〜6本0.56、7〜15本0.49、16〜40本0.43、41〜60本0.39、61本以上0.34が目安で、接地線は本数に含めません。実際に流せる電流は「その電線の許容電流×電流減少係数×周囲温度の補正」で求め、周囲温度が高い場所では温度補正係数も併用します。
📱 電流減少係数(内線規程1340)(要点データ)
電線数 3以下
0.70
4本
0.63
5〜6本
0.56
7〜15本
0.49
16〜40本
0.43
41〜60本
0.39
61本以上
0.34
使い方
許容電流 × 係数 ×(温度補正)/接地線は本数に含めない
同一管内の電線数電流減少係数
3以下0.70
40.63
5〜60.56
7〜150.49
16〜400.43
41〜600.39
61以上0.34

📌 電線の許容電流 × 電流減少係数 ×(周囲温度の補正)= 実際に流せる電流(内線規程1340/電技解釈146条)。接地線は本数に含めません。

  • 3以下=0.70/4=0.63/5又は6=0.56/7以上15以下=0.49
  • 16以上40以下=0.43/41以上60以下=0.39/61以上=0.34
  • 電線数が増えるほど係数は階段状に小さくなる。同じ太さでも本数で実際に流せる電流が半分近くまで変わる
ここがポイント
補正後の許容電流=許容電流×電流減少係数。同一管内の電線数が多いほど放熱が悪く係数は小さくなります。詰め込みすぎないこと、サイズアップか管を分けるかで考えることが放熱対策になります。
取り違えやすいところ正しくは
接地線も電線数に含める接地線は含めない。含めると余計に割り引いてしまう
3本ちょうどはどの区分か「3本以下」なので0.70
係数を掛けると許容電流が増える割り引くための係数なので、掛けると小さくなる
本数が増えても係数は変わらない本数が増えるほど小さくなる。61本以上で0.34
ここまでのポイント
  • 係数は本数の区分ごとに決まっている
  • 接地線は電線数に含めない
  • 含めてしまうと、係数を余計に割り引くことになる

よくある質問(FAQ)

Q. 電流減少係数はどう使うの?
A. 「補正後の許容電流=許容電流×電流減少係数」で計算します。同一管内にまとめて収める電線の本数に応じた係数を、許容電流表の値に掛けて適正なサイズを選びます。
Q. 電線数ごとの係数はいくつ?
A. 3以下=0.70、4=0.63、5又は6=0.56、7以上15以下=0.49、16以上40以下=0.43、41以上60以下=0.39、61以上=0.34です。本数が増えるほど階段状に小さくなります。
Q. 係数を大きく保つにはどうすればいい?
A. 1本の管に詰め込みすぎないことです。サイズアップするか管を分けて本数を減らすと係数が大きくなり、放熱対策にもなります。
Q. 中性線も、電線の本数に数えますか?
A. 電技解釈第146条では、中性線、接地線及び制御回路用の電線は、同一管内に収める電線数に算入しないことができるとされています。接地線と同じく、数えなくてかまいません。
Q. 周囲温度が高いときは、どうしますか?
A. 許容電流の表は周囲温度30℃以下での値です。それより高い場所では、温度の補正係数もあわせて掛けます。補正後の許容電流=許容電流×電流減少係数×温度の補正係数、で求めます。

まとめ|束ねるほど、流せる電流は小さくなる

結論です。電流減少係数は、同一管内に電線をまとめたときの放熱の悪さを、許容電流に反映させるための係数です。本数が増えるほど値は小さくなり、3本以下の0.70から61本以上の0.34まで段階的に下がります。数えるときに接地線を含めない点だけ、忘れないでください。

同一管内の電線数電流減少係数
3本以下0.70
4本0.63
5〜6本0.56
7〜15本0.49
16〜40本0.43
41〜60本0.39
61本以上0.34

計算の手順

  • 同一管内に収める電線の本数を数える(接地線は含めない)
  • 本数に対応する電流減少係数を選ぶ
  • 電線サイズごとの許容電流に係数を掛ける
  • その値で足りるサイズを選ぶ

間違えやすいところ

  • 接地線を本数に含めない
  • 「3本以下」なので、3本ちょうどは0.70
  • 係数は割り引くためのもの。掛けると許容電流は小さくなる

電流減少係数は、電線を管にまとめるという当たり前の施工が、そのまま許容電流に効いてくることを示す規定です。サイズ表の数値をそのまま使えるのは空中に1本だけの場合で、実際の配管ではこの係数を掛けたあとの値が本当の上限になります。

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ペン太ペン太
係数を掛けたら許容電流が足りないときは?
ハリタハリタ
詰め込みすぎが原因です。管を分けて放熱を確保するのが確実な対策ですよ。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。