電圧降下の許容値を整理。基本(こう長60m以下)は2%以下、構内変圧器からの幹線は3%以下、60m超は長さに応じて緩和。仕組みと抑える方法、こう長別の早見表を図解・FAQで解説します。 電圧降下の許容値を整理。基本(こう長60m以下)は2%以下、構内変圧器からの幹線は3%以下、60m超は長さに応じて緩和。仕組みと抑える方法、こう長別の早見表を図解・FAQで解説します。
全体像:電圧降下の規定(許容値)とこう長別の基準

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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より 幹線サイズを決めるときに必ず確認する「電圧降下」。幹線は2%以下?変圧器から供給だと3%?こう長が長いと緩和される?——条件によって許容値が変わるため、表を見ないと不安になる項目です。まずは図で全体像をつかみましょう。

電圧降下の許容値をこう長と供給元で整理した図解

⚡ 先に結論だけ言うと
基本(こう長60m以下)は幹線・分岐回路2%以下。構内の変圧器から供給される幹線は3%以下。さらにこう長60mを超えると長さに応じて緩和されます。原則2%以下、構内変圧器なら3%以下、長くなったら早見表で緩和、と押さえましょう。
🌱 たとえ話
たとえるなら、電圧降下は「水道管の先で水圧が弱まる」のと同じ。管が細く長いほど、蛇口に届く勢い(電圧)が落ちます。だから許容できる目減りの上限を%で決め、太さ(断面積)とルート(こう長)で調整するわけです。
見習いペン太
見習いペン太
電圧降下って、そもそも何が困るんですか?
はりた
はりた
機器に届く電圧が下がりすぎると、照明が暗くなったりモーターの力が落ちたりするんだ。だから“ここまでなら許す”という上限が決められているんだよ。
見習いペン太
見習いペン太
だから%で管理するんですね。抑えるにはどうすれば?
はりた
はりた
基本は2つ。電線を太くして抵抗を下げるか、ルートを短くしてこう長を縮めるか。幹線検討ではこの2択を天秤にかけているんだ。
この記事でわかること
✔ ① 電圧降下とは何か/抑える方法
✔ ② こう長別・電圧降下の許容値(早見表)

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ペン太ペン太
電圧降下の許容値って、どんな場合でも一律2%なんですよね?
ハリタハリタ
基本は60m以下で2%ですが、こう長が伸びると4%、5%と段階的に緩和されます。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 電圧降下の大きさは、何によって変わるのか
  • こう長60m以下のときの基本の許容値は何%か
  • 構内変圧器から供給される場合、許容値はどう変わるか
この記事でわかること
数値だけ確認したい方は、2つ目の項目から読んでください。

① 電圧降下とは何か/抑える方法

トピック1:① 電圧降下とは何か/抑える方法
  • 導体には電気抵抗があり、電流が流れると送り出した電圧(V1)より負荷に届く電圧(V2)が低くなる。この差が電圧降下
  • 大きさは導体の抵抗・電流・こう長・断面積・温度で変わる。長く流すほど、電線が細いほど大きくなる
  • 抑える基本は2つ:①電線・ケーブルを太くする(断面積を大きく)②電線ルートを短くする(こう長を短く)
ペン太ペン太
構内に変圧器がある場合も、許容値は同じ2%ですか?
ハリタハリタ
供給元で1%変わります。構内変圧器からの供給なら60m以下で3%まで認められます。
押さえる点内容
電圧降下とは送り出した電圧より、負荷に届く電圧が低くなる、その差
大きさが変わる要因導体の抵抗・電流・こう長・断面積・温度
大きくなる条件長く流すほど、電線が細いほど
抑える方法①電線・ケーブルを太くする(断面積を大きくする)
抑える方法②電線ルートを短くする(こう長を短くする)
ここまでのポイント
  • 電圧降下とは、送り出した電圧より負荷に届く電圧が低くなる、その差のこと
  • 大きさは導体の抵抗・電流・こう長・断面積・温度で変わる
  • 長く流すほど、電線が細いほど大きくなる

② こう長別・電圧降下の許容値(早見表)

トピック2:② こう長別・電圧降下の許容値(早見表)
  • 60m以下:構内変圧器から供給3%以下/電気事業者から低圧供給2%以下
  • 120m以下:5%以下/4%以下  200m以下:6%以下/5%以下  200m超:7%以下/6%以下
  • 供給元で1列ぶん変わる。同じこう長でも構内変圧器から供給される幹線のほうが1%ぶん緩い
ここがポイント
基本は60m以下で2%以下(構内変圧器なら3%以下)。こう長が60mを超えると長さに応じて緩和され、供給元(構内変圧器か電気事業者か)で1%ぶん許容値が変わる、という関係を押さえておきましょう。
取り違えやすいところ正しくは
許容値はどこでも2%こう長60m以下の基本が2%。60mを超えると緩和される
供給元が変わっても同じ構内変圧器からの供給は1%ぶん緩い
こう長が長いほど厳しくなる逆。長くなるほど緩和される
太くしても効果はない断面積を大きくすると電圧降下は小さくなる
ここまでのポイント
  • 基本はこう長60m以下で2%以下(電気事業者から低圧供給の場合)
  • 構内変圧器からの供給なら1%ぶん緩く、60m以下で3%以下
  • こう長が60mを超えると、長さに応じて許容値が緩和される

よくある質問(FAQ)

トピック3:よくある質問(FAQ)
Q. 幹線の電圧降下は何%以下にすればいい?
A. こう長60m以下の基本は2%以下です。ただし構内の変圧器から供給される幹線は3%以下まで認められ、こう長が60mを超える場合は長さに応じて許容値が緩和されます。
Q. こう長が長いと許容値はどうなる?
A. 長くなるほど緩和されます。電気事業者から低圧供給の場合、120m以下で4%、200m以下で5%、200m超で6%以下です(構内変圧器からはそれぞれ1%ぶん緩くなります)。
Q. 電圧降下を抑えるにはどうすればいい?
A. 基本は2つで、電線・ケーブルを太くして抵抗を下げる方法と、電線ルートを短くしてこう長を縮める方法です。

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まとめ|こう長と供給元の2軸で決まる

結論です。電圧降下の許容値は、こう長と供給元の2つで決まります。基本は60m以下で2%以下、構内変圧器からの供給ならそれぞれ1%ぶん緩くなります。長くなるほど厳しくなるのではなく、緩和される点に注意してください。

こう長構内変圧器から供給電気事業者から低圧供給
60m以下3%以下2%以下
120m以下5%以下4%以下
200m以下6%以下5%以下
200m超7%以下6%以下

電圧降下を抑える2つの方法

  • 電線・ケーブルを太くする(断面積を大きくして抵抗を下げる)
  • 電線ルートを短くする(こう長を縮める)

確認する順番

  • その幹線が、構内変圧器からの供給か電気事業者からの低圧供給かを確かめる
  • こう長がどの区分に入るかを確かめる
  • 対応する許容値と、実際の電圧降下率を比べる

電圧降下は、図面の上では見えない性能です。こう長が伸びる計画ほど効いてくるため、ルートが決まった段階で一度確かめておくと、あとからのサイズ変更を避けられます。供給元によって1%ぶん違う点も、見落としやすいので先に確認してください。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
計算で許容値を超えてしまったら、どうすればいいですか?
ハリタハリタ
対策は2択です。電線を太くするか、ルートを短くするかで再計算してみましょう。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。