技術図書館セルラダクトは床の構造と一体になる床を支えるデッキプレートの溝を電線の通り道に使う。打設してしまえばルートは変えられないこの資料をスライドで見る資料一覧を見る
この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【041】セルラダクト
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

セルラダクト配線は、建物の床スラブ内に埋め込んだダクトに電線を通す方法で、オフィスや店舗の床下配線に使われます。フロアダクトと似ますが、接地や電線量に独自のルールがあります。要点を3つに整理します。

セルラダクト配線の3つのポイントの図解
結論
絶縁電線で3.2mm(アルミ4.0mm)超はより線、ダクト内に接続点を設けない。②使用電圧300V以下で屋内の乾燥した隠ぺい場所限定。③材料は鋼板、電線は内断面積の20%以下D種接地を施す。
この記事でわかること
✔ 1. 使用電線と接続点
✔ 2. 使用電圧と施設場所
✔ 3. 材料・大きさ・接地
ペン太ペン太
セルラダクトとフロアダクトって、名前が違うだけで同じものですよね?
ハリタハリタ
別物です。セルラダクトは床の構造材そのものを電線の通り道にする方式なんですよ。

この3つ、すぐ答えられますか

  • ダクト内に接続点を設けられるのは、どんな場合ですか。
  • 使用電圧の上限は何V以下ですか。
  • 強電流回路と弱電流電線を同一ダクトに収める場合、接地工事の種類は。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、セルラダクトのルールを4つの視点で整理します。

1. 使用電線と接続点

トピック1:使用電線と接続点
  • 絶縁電線を使用する
  • 直径3.2mm(アルミ線は4.0mm)を超えるものはより線とする
  • セルラダクト内・ヘッダダクト内には電線の接続点を設けない
  • ただし電線を分岐し接続点を容易に点検できる場合は可(直径100mm以上の孔は点検容易とみなす)
ペン太ペン太
ダクト内の接続点って、点検しやすければ設けてもいいんでしたっけ?
ハリタハリタ
原則禁止ですが、点検が容易な場所なら可能です。電圧は300V以下、乾燥した隠ぺい場所に限ります。
電線の直径扱い
直径3.2mm以下(アルミ線は4.0mm以下)単線でよい
直径3.2mmを超える(アルミ線は4.0mmを超える)より線とする
ここまでのポイント
  • 絶縁電線を使用する。
  • 直径3.2mm(アルミ線は4.0mm)を超えるものはより線とする。
  • セルラダクト内・ヘッダダクト内には電線の接続点を設けない。
  • 電線を分岐し接続点を容易に点検できる場合は可(直径100mm以上の孔は点検容易とみなす)。

2. 使用電圧と施設場所

トピック2:使用電圧と施設場所
  • 使用電圧は300V以下
  • 施設できるのは屋内の乾燥した場所で①点検できる隠ぺい場所、または②点検できない隠ぺい場所(コンクリート・シンダーコンクリート床内に埋め込む場合に限る)
たとえ話
セルラダクトは、床を支える「デッキプレートの溝」をそのまま電線の通り道に使うイメージ。建物の構造と一体なので、乾いた隠ぺい場所で使い、点検できない場所なら床コンクリート内に限られます。
見習いペン太
見習いペン太
フロアダクトと何が違うんですか?
はりた
はりた
セルラは床の構造材そのものを通り道にする点が違う。接地はD種が要る、強電と弱電を一緒に入れるならC種だよ。
施設できる場所条件
屋内の乾燥した点検できる隠ぺい場所
屋内の乾燥した点検できない隠ぺい場所コンクリート・シンダーコンクリート床内に埋め込む場合に限る
ここまでのポイント
  • 使用電圧は300V以下。
  • 施設できるのは屋内の乾燥した場所で、点検できる隠ぺい場所。
  • 点検できない隠ぺい場所は、コンクリート・シンダーコンクリート床内に埋め込む場合に限る。

3. 材料・大きさ・接地

トピック3:材料・大きさ・接地
  • セルラダクト・ヘッダダクト・附属品の材料は鋼板とし、内外面にさび止めのめっき・塗装を施す
  • 端口・内面は電線の被覆を傷めないようなめらかにする
  • 電線の断面積の総和がダクト内断面積の20%以下(電光サイン・出退表示灯・制御回路等のみは50%以下)
  • ダクト・附属品にはD種接地工事を施す(強電流回路と弱電流電線を同一ダクトに収める場合はC種接地工事
  • 水が溜まらないよう施設し、電線引出口は床面から突出させず密封、終端部は閉そくする
取り違えやすいところ正しくは
ダクト内なら接続してよいセルラダクト内・ヘッダダクト内には接続点を設けない。電線を分岐し接続点を容易に点検できる場合は可(直径100mm以上の孔は点検容易とみなす)
300Vを超えても使える使用電圧は300V以下
湿気のある場所でも床内なら大丈夫屋内の乾燥した場所に限る
収容率はダクトの容量いっぱいまで電線の断面積の総和が内断面積の20%以下(電光サイン・出退表示灯・制御回路等のみは50%以下)
接地はどの場合もD種強電流回路と弱電流電線を同一ダクトに収める場合はC種接地工事
引出口は床から出しておくと使いやすい電線引出口は床面から突出させず密封し、終端部は閉そくする
ここまでのポイント
  • セルラダクト・ヘッダダクト・附属品の材料は鋼板とし、内外面にさび止めのめっき・塗装を施す。
  • 端口・内面は電線の被覆を傷めないようなめらかにする。
  • 電線の断面積の総和がダクト内断面積の20%以下(電光サイン・出退表示灯・制御回路等のみは50%以下)。
  • ダクト・附属品にはD種接地工事を施す(強電流回路と弱電流電線を同一ダクトに収める場合はC種接地工事)。
  • 水が溜まらないよう施設し、電線引出口は床面から突出させず密封、終端部は閉そくする。

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問(FAQ)
Q. セルラダクト配線に使える電線は?
A. 絶縁電線です。直径3.2mm(アルミは4.0mm)を超えるものはより線とします。
Q. ダクト内で電線を接続できる?
A. 原則できません。ただし電線を分岐し、接続点を容易に点検できる場合は設けられます。直径100mm以上の孔は点検容易とみなされます。
Q. 使用電圧の上限と施設場所は?
A. 使用電圧は300V以下です。屋内の乾燥した点検できる隠ぺい場所、または点検できない隠ぺい場所(コンクリート床内埋込みに限る)に施設できます。
Q. ダクトに収められる電線量は?
A. 電線の断面積総和が内断面積の20%以下です。電光サイン・出退表示灯・制御回路などの配線のみなら50%以下にできます。
Q. 接地はどうする?
A. D種接地工事が必要です。強電流回路の電線と弱電流電線を同一ダクトに収める場合はC種接地工事を施します。

まとめ|床構造と一体だから「入れる前」に決まる

セルラダクトは、使用電圧300V以下、屋内の乾燥した隠ぺい場所に限り、電線は内断面積の20%以下に収めることが基本です。

確認する項目規程が示す内容
使用する電線絶縁電線
より線とする太さ直径3.2mm(アルミ線は4.0mm)を超えるもの
ダクト内の接続点設けない
接続点の例外電線を分岐し接続点を容易に点検できる場合(直径100mm以上の孔は点検容易とみなす)
使用電圧300V以下
施設できる場所屋内の乾燥した点検できる隠ぺい場所
点検できない隠ぺい場所コンクリート・シンダーコンクリート床内に埋め込む場合に限る
材料セルラダクト・ヘッダダクト・附属品は鋼板
表面処理内外面にさび止めのめっき・塗装
端口・内面電線の被覆を傷めないようなめらかに
電線の収容率(一般)ダクト内断面積の20%以下
電線の収容率(電光サイン等のみ)ダクト内断面積の50%以下
接地工事ダクト・附属品にD種接地工事
弱電流電線と同居する場合C種接地工事
防水と端部水が溜まらないよう施設。電線引出口は床面から突出させず密封、終端部は閉そく

電線で押さえること

  • 絶縁電線であること。
  • より線とする太さの境目。
  • ダクト内で接続していないか。

電圧と場所で押さえること

  • 使用電圧300V以下。
  • 屋内の乾燥した場所か。
  • 点検できない隠ぺい場所として使える条件。

ダクトと接地で押さえること

  • 材料と表面処理、端口・内面の仕上げ。
  • 収容率20%(または50%)。
  • D種/C種の使い分けと、引出口・終端部の処理。

セルラダクトは床の構造そのものと一体になるため、コンクリートを打ってしまえば配線ルートは変えられません。収容率と接続点の位置は、床伏図の段階で押さえておきたい項目です。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
大きさの検討は、次に何を計算すればいいですか?
ハリタハリタ
電線断面積です。ダクト内断面積の20%以下に収めます。D種接地工事も忘れずに。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。