電気設備の基本知識 #033【接地工事の要点 C種・D種】
洗濯機のアース線、エアコンの接地。接地(アース)は、漏れた電気を人ではなく大地へ逃がすための安全のしくみです。この連載でも、金属管や線ぴ、ダクトの回で何度も「D種接地」「C種接地」が出てきました。この記事では、接地のしくみ、接地工事の4種類、C種とD種の違い、500Ωの緩和、接地を省略できる場合を、図とたとえで確認していきます。
結論
接地は漏れた電気を大地へ逃がすしくみ。低圧では300V超はC種(10Ω以下)、300V以下はD種(100Ω以下)。0.5秒以内に遮断する装置があれば500Ω以下でよくなります。
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接地のしくみ ― 電気の避難ルート
機器の中で電線の被覆が傷むと、金属製の外箱に電気が漏れることがあります。そのとき外箱に触れると、電気は人の体を通って大地へ流れ、感電します。
外箱を接地線で大地につないでおけば、漏れた電気は抵抗の小さい接地線を通って大地へ流れ、人の体にはほとんど流れません。たとえるなら避難用のすべり台です。水(電気)は、流れやすい道へ流れていきます。
ペン太
ハリタ- 漏電すると外箱に電気が来る
- 接地線で大地へ逃がす
- 人の体に流れる電流を小さくする
4種類 ― A・B・C・D
| 種類 | 主な対象 | 接地抵抗値 |
|---|---|---|
| A種 | 高圧・特別高圧の機械器具の外箱、避雷器など | 10Ω以下 |
| B種 | 高圧と低圧を結ぶ変圧器の低圧側の中性点など | 計算で決まる |
| C種 | 300Vを超える低圧の機械器具の外箱など | 10Ω以下(条件により500Ω以下) |
| D種 | 300V以下の低圧の機械器具の外箱、金属管など | 100Ω以下(条件により500Ω以下) |
- A・B・C・Dの4種類
- 低圧の設備ではC種とD種をよく使う
- B種は計算で決まる
C種とD種 ― 300Vが境目
| 項目 | C種接地工事 | D種接地工事 |
|---|---|---|
| 使う場所 | 300Vを超える低圧の機械器具 | 300V以下の低圧の機械器具 |
| 接地抵抗値 | 10Ω以下 | 100Ω以下 |
| 0.5秒以内に遮断する装置がある場合 | 500Ω以下 | 500Ω以下 |
| 接地線 | 直径1.6mm以上の軟銅線など | 直径1.6mm以上の軟銅線など |
電圧が高いほど、漏電したときの危険が大きいので、C種のほうが抵抗値の上限が厳しく(小さく)なっています。
- 300V超はC種・10Ω以下
- 300V以下はD種・100Ω以下
- 接地線は1.6mm以上の軟銅線
500Ωの緩和 ― すぐ止める仕組みがあれば
地絡を生じたときに0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置(漏電遮断器など)を設けると、C種・D種とも接地抵抗は500Ω以下でよくなります。危ない状態が長く続かないので、条件をゆるめられるのです。
たとえるなら火災報知器とスプリンクラーです。すぐ止める仕組みがあれば、1つ1つの守りを少しゆるめても安全を保てます。漏電遮断器については「電気設備の基本知識 #034【漏電遮断器の施設と省略】」で解説しています。
- 0.5秒以内に遮断する装置があれば500Ω以下
- C種・D種どちらにも使える
- すぐ止めるので危険が長く続かない
省略できる場合 ― 条件をおさえる
| 主な場合 | 内容 |
|---|---|
| 150V以下・乾燥 | 交流の対地電圧150V以下の機械器具を乾燥した場所に施設する |
| 絶縁性の床 | 乾燥した木の床など、絶縁性のものの上で取り扱うように施設する |
| 二重絶縁 | 電気用品安全法の適用を受ける二重絶縁構造の機械器具 |
| 絶縁変圧器 | 電源側に絶縁変圧器(二次側線間電圧300V以下・容量3kVA以下)を設け、負荷側を非接地 |
| 漏電遮断器 | 水気のある場所以外で、定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の電流動作型の漏電遮断器を設ける |
このほか、この連載で見てきた金属管・線ぴ・ダクトなどの工事には、それぞれ「長さ4m以下」などの接地の省略条件があります(「電気設備の基本知識 #026【金属管工事】」など)。
- 150V以下の機器を乾燥した場所に
- 二重絶縁の機器
- 15mA・0.1秒以下の漏電遮断器(水気のない場所)
押さえる要点 ― 6つのルール
次の#034は「電気設備の基本知識 #034【漏電遮断器の施設と省略】」です。
- C種10Ω・D種100Ω
- 0.5秒以内の遮断で500Ω
- 接地線は1.6mm以上
よくある質問
C種接地工事とD種接地工事の使い分けは?
使用電圧が300Vを超える低圧の機械器具の金属製外箱などにはC種接地工事、300V以下の低圧の機械器具にはD種接地工事を施します。
C種・D種の接地抵抗値は?
C種は10Ω以下、D種は100Ω以下です。どちらも、地絡を生じたときに0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置を設ける場合は、500Ω以下でよいとされています。
C種・D種の接地線の太さは?
引張強さ0.39kN以上の容易に腐食しにくい金属線、または直径1.6mm以上の軟銅線を使います。
機械器具の外箱の接地を省略できるのはどんな場合ですか?
対地電圧150V以下の機械器具を乾燥した場所に施設する場合、乾燥した木の床など絶縁性のものの上で扱う場合、二重絶縁構造の機械器具を使う場合、水気のある場所以外で定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の漏電遮断器を設ける場合などです。
接地をするとなぜ安全になるのですか?
漏電したとき、漏れた電気が抵抗の小さい接地線を通って大地へ流れるので、人が外箱に触れても体に流れる電流が小さくなるからです。また、漏電遮断器が確実に働くようにする役目もあります。
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