第二種電気工事士 合格カリキュラム学科④ 電気工事の施工方法
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洗濯機のアース線、エアコンの接地。接地(アース)は、漏れた電気を人ではなく大地へ逃がすための安全のしくみです。この連載でも、金属管や線ぴ、ダクトの回で何度も「D種接地」「C種接地」が出てきました。この記事では、接地のしくみ、接地工事の4種類、C種とD種の違い、500Ωの緩和、接地を省略できる場合を、図とたとえで確認していきます。

結論

接地は漏れた電気を大地へ逃がすしくみ。低圧では300V超はC種(10Ω以下)、300V以下はD種(100Ω以下)。0.5秒以内に遮断する装置があれば500Ω以下でよくなります。

  • 接地工事はA・B・C・Dの4種類
  • 接地線は直径1.6mm以上の軟銅線など
  • 150V以下の機器を乾燥した場所に施設する場合などは省略できる
  • 接地は漏電遮断器を確実に働かせる役目もある
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
接地していない洗濯機が漏電すると電気が人の体を通って感電し、接地していれば電気は接地線を通って大地へ流れ、人にはほとんど流れないことを比べた動く図解
動く図解:接地線があれば、漏れた電気は大地へ流れます。

接地のしくみ ― 電気の避難ルート

機器の中で電線の被覆が傷むと、金属製の外箱に電気が漏れることがあります。そのとき外箱に触れると、電気は人の体を通って大地へ流れ、感電します。

外箱を接地線で大地につないでおけば、漏れた電気は抵抗の小さい接地線を通って大地へ流れ、人の体にはほとんど流れません。たとえるなら避難用のすべり台です。水(電気)は、流れやすい道へ流れていきます。

ペン太ペン太
C種とD種って、抵抗値だけ覚えておけば大丈夫ですよね?
ハリタハリタ
抵抗値だけでなく、使用電圧300Vを境にした使い分けとセットで覚えてください。それと、500Ωまで緩和できる条件も大事ですよ。
ここまでのポイント
  • 漏電すると外箱に電気が来る
  • 接地線で大地へ逃がす
  • 人の体に流れる電流を小さくする

4種類 ― A・B・C・D

接地工事の4種類として、A種(高圧・特別高圧の機械器具の外箱など・10Ω以下)、B種(変圧器の低圧側の中性点など・計算で決まる)、C種(300Vを超える低圧の機械器具・10Ω以下)、D種(300V以下の低圧の機械器具・100Ω以下)を並べた図
接地工事は4種類あります。
種類 主な対象 接地抵抗値
A種 高圧・特別高圧の機械器具の外箱、避雷器など 10Ω以下
B種 高圧と低圧を結ぶ変圧器の低圧側の中性点など 計算で決まる
C種 300Vを超える低圧の機械器具の外箱など 10Ω以下(条件により500Ω以下)
D種 300V以下の低圧の機械器具の外箱、金属管など 100Ω以下(条件により500Ω以下)
電気設備技術基準の解釈(接地工事の種類及び施設方法)をもとに作成
ここまでのポイント
  • A・B・C・Dの4種類
  • 低圧の設備ではC種とD種をよく使う
  • B種は計算で決まる

C種とD種 ― 300Vが境目

C種接地工事は300Vを超える低圧で10Ω以下、D種接地工事は300V以下の低圧で100Ω以下、どちらも0.5秒以内に遮断する装置があれば500Ω以下で、接地線は直径1.6mm以上の軟銅線であることを比べた図
C種とD種は、使用電圧300Vで使い分けます。
項目 C種接地工事 D種接地工事
使う場所 300Vを超える低圧の機械器具 300V以下の低圧の機械器具
接地抵抗値 10Ω以下 100Ω以下
0.5秒以内に遮断する装置がある場合 500Ω以下 500Ω以下
接地線 直径1.6mm以上の軟銅線など 直径1.6mm以上の軟銅線など
電気設備技術基準の解釈をもとに作成

電圧が高いほど、漏電したときの危険が大きいので、C種のほうが抵抗値の上限が厳しく(小さく)なっています。

ここまでのポイント
  • 300V超はC種・10Ω以下
  • 300V以下はD種・100Ω以下
  • 接地線は1.6mm以上の軟銅線


500Ωの緩和 ― すぐ止める仕組みがあれば

接地抵抗の上限がふつうは100Ω以下(C種は10Ω以下)だが、地絡を生じたときに0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置を設ければ500Ω以下にゆるめられることを示した動く図解
動く図解:遮断する装置があると、接地抵抗の上限が大きくなります。

地絡を生じたときに0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置(漏電遮断器など)を設けると、C種・D種とも接地抵抗は500Ω以下でよくなります。危ない状態が長く続かないので、条件をゆるめられるのです。

たとえるなら火災報知器とスプリンクラーです。すぐ止める仕組みがあれば、1つ1つの守りを少しゆるめても安全を保てます。漏電遮断器については「電気設備の基本知識 #034【漏電遮断器の施設と省略】」で解説しています。

ここまでのポイント
  • 0.5秒以内に遮断する装置があれば500Ω以下
  • C種・D種どちらにも使える
  • すぐ止めるので危険が長く続かない

省略できる場合 ― 条件をおさえる

機械器具の金属製外箱の接地を省略できる主な場合として、対地電圧150V以下の機器を乾燥した場所に施設、乾燥した木の床など絶縁性のものの上で扱う、二重絶縁構造の機器、外箱を絶縁物で被覆した機器、絶縁変圧器で負荷側を非接地、水気のある場所以外で15mA・0.1秒以下の漏電遮断器を設ける、外箱のまわりに絶縁台を設ける、を並べた図
機器の外箱の接地を省略できる主な場合。
主な場合 内容
150V以下・乾燥 交流の対地電圧150V以下の機械器具を乾燥した場所に施設する
絶縁性の床 乾燥した木の床など、絶縁性のものの上で取り扱うように施設する
二重絶縁 電気用品安全法の適用を受ける二重絶縁構造の機械器具
絶縁変圧器 電源側に絶縁変圧器(二次側線間電圧300V以下・容量3kVA以下)を設け、負荷側を非接地
漏電遮断器 水気のある場所以外で、定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の電流動作型の漏電遮断器を設ける
電気設備技術基準の解釈(機械器具の金属製外箱等の接地)をもとに要約。くわしくは条文で確認する

このほか、この連載で見てきた金属管・線ぴ・ダクトなどの工事には、それぞれ「長さ4m以下」などの接地の省略条件があります(「電気設備の基本知識 #026【金属管工事】」など)。

ここまでのポイント
  • 150V以下の機器を乾燥した場所に
  • 二重絶縁の機器
  • 15mA・0.1秒以下の漏電遮断器(水気のない場所)


押さえる要点 ― 6つのルール

接地工事(C種・D種)で押さえる要点として、C種は300V超で10Ω以下、D種は300V以下で100Ω以下、0.5秒以内に遮断すれば500Ω以下、接地線は1.6mm以上の軟銅線、省略の条件、目的(漏れた電気を大地へ)の6つを並べた図
接地工事(C種・D種)のまとめ。

次の#034は「電気設備の基本知識 #034【漏電遮断器の施設と省略】」です。

ここまでのポイント
  • C種10Ω・D種100Ω
  • 0.5秒以内の遮断で500Ω
  • 接地線は1.6mm以上

よくある質問

C種接地工事とD種接地工事の使い分けは?

使用電圧が300Vを超える低圧の機械器具の金属製外箱などにはC種接地工事、300V以下の低圧の機械器具にはD種接地工事を施します。

C種・D種の接地抵抗値は?

C種は10Ω以下、D種は100Ω以下です。どちらも、地絡を生じたときに0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置を設ける場合は、500Ω以下でよいとされています。

C種・D種の接地線の太さは?

引張強さ0.39kN以上の容易に腐食しにくい金属線、または直径1.6mm以上の軟銅線を使います。

機械器具の外箱の接地を省略できるのはどんな場合ですか?

対地電圧150V以下の機械器具を乾燥した場所に施設する場合、乾燥した木の床など絶縁性のものの上で扱う場合、二重絶縁構造の機械器具を使う場合、水気のある場所以外で定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の漏電遮断器を設ける場合などです。

接地をするとなぜ安全になるのですか?

漏電したとき、漏れた電気が抵抗の小さい接地線を通って大地へ流れるので、人が外箱に触れても体に流れる電流が小さくなるからです。また、漏電遮断器が確実に働くようにする役目もあります。

ハリタ

この記事を書いた人:ハリタ

電気設備設計の実務者。内線規程・電気工事士資格・住宅の電気設備を「設計者の視点」で解説しています。プロフィール詳細

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