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はじめまして、ハリタといいます。 電気設備の計画や設計、むずかしいと感じたことはありませんか? 「先輩に聞けない」「相談できる人がいない」 ――そんな悩みを抱える方の力になりたくて、このサイトを立ち上げました。 現場で迷ったとき、ふと立ち寄ってヒントが得られるような、そんな場所を目指しています。 あなたのモヤモヤが少しでも晴れることを願って――どうぞよろしくお願いします。
内線規程 PR

幹線設備の設計|集合住宅の幹線需要率と幹線計算方法について詳しく解説

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その容量、半分でいいんです

 

今回の疑問

集合住宅の幹線計算の需要率について解説してほしい!

 

見習いペン太
見習いペン太
この戸数だと…この需要率で計算していいのか、ちょっと不安です~😖

はりた
はりた
ふむふむ、もしかして内線規程で何か調べてるのかな?📘

見習いペン太
見習いペン太
はいっ!マンションの幹線計算をしてるんですけど、需要率の見方がよくわからなくて…💦

はりた
はりた
なるほどね!それじゃあ集合住宅における需要率の適用方法について、順番にわかりやすく解説していこう!📏🏢

本記事おすすめの方
  • 集合住宅の幹線計算を行ってる方
  • サイズを小さくするために需要率を適用したい方
本記事でわかること
  1. 集合住宅の幹線需要率一覧
  2. 幹線需要率の適用方法

需要率選定ツールを活用してみよう!

見習いペン太
見習いペン太
戸数に応じた需要率などを選定できるから活用してみよう!
計算ツール|集合住宅幹線サイズ選定ツール (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 集...

需要率算出表を作成しました!

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集合住宅の幹線需要率について

はりた
はりた
通常、幹線計算で需要率を正確に考慮するのって、実はかなり難しいんだよ💦

見習いペン太
見習いペン太
えっ、なんでそんなに難しいんですか?🤔

はりた
はりた
というのも、需要率って“実際に使用してみないとわからない”って性質のものだから、計画段階で確実な根拠や実績を出すのが難しいんだ📉

見習いペン太
見習いペン太
たしかに…コンビニとかファミレスみたいに使い方が明確じゃないと予測しにくいですよね😓

はりた
はりた
その通り!でもね、集合住宅の場合は話が別なんだ。住戸数に応じた需要率が内線規程に明記されているから、計画段階でも適用しやすいんだよ📘✨

見習いペン太
見習いペン太
なるほど~!「内線規程に書いてあります」って言えると安心ですね!

はりた
はりた
うん!それじゃあ、まずは集合住宅に使える需要率の表を一緒に見てみよう📊

幹線の総合需要率表

幹線の総合需要率表

はりた
はりた
この表を見ればわかる通り、集合住宅では戸数に応じて需要率があらかじめ決まっているんだよ📊
だから、幹線設計のときにはこの需要率を使って計算するんだ!

見習いペン太
見習いペン太
ってことは、マンションの幹線ごとに何戸つながってるか数えればいいんですね!👀

はりた
はりた
そうそう!幹線ルートごとの戸数と、対応する需要率の部分だけでもしっかり覚えておくと、現場で役立つよ✨

戸数 総合需要率[%]
100
100
100
100
100
91
83
78
73
10 70
11 67
12 64
13 62
14 61
15 59
16 58
17 57
18 56
19 55
20 54
21 53
22 53
23 52
24 51
25 51
26 50
27 50
28 50
29 49
30 49
31 49
32 48
33 48
34 48
35 47
36 47
37 47
38 47
39 47
40 46

幹線の総合需要率表の見方

🔌幹線設計に欠かせない!総合需要率表の見方と計算方法

電力設備の幹線設計では、すべての負荷が同時に最大電力を使うとは限りません。そこで使われるのが「総合需要率」です。この数値を使って、実際に必要な幹線容量を見積もることができます。


📌戸数の確認が第一歩!

幹線設計では、**接続される戸数(住戸数)**をもとに総合需要率を導き出します。


📊総合需要率[%]とは?

総合需要率とは、全体の戸数に対する同時使用の割合を示す数値です。

たとえば…

  • 10戸 → 約70%

  • 8戸 → 約78%

  • 18戸 → 約56%

この割合を基に、必要な電力量を調整します。幹線サイズやCVTケーブルの選定にもこの数値が活躍します。


⚡想定最大負荷[kVA]の求め方

総合需要率を反映したあとに想定される最大負荷容量を以下の式で算出します。

📐想定最大負荷(kVA)= 4kVA × 戸数 × 総合需要率

※4kVAは1戸あたりの基準容量


🔌単相3線式電流[A]に変換!

負荷容量が分かったら、電流に変換します。

📐電流値(A)= 最大負荷容量 ÷ 200V

ここで求めた電流値を基に、遮断器や電線サイズを選定していきます。


🧯遮断器の定格電流を選ぶには?

主幹の遮断器(ブレーカー)は、上記で算出した電流値に対してやや余裕を持った容量を選びましょう。直近上位の定格値が目安になります。


📏CVTケーブルの最小サイズも確認!

幹線用CVTケーブルは、遮断器と同様、最大電流に対応するサイズを選びます。直近上位のケーブルサイズを使うのが一般的です。


🗣見習いペン太のひとこと

見習いペン太
見習いペン太
幹線って「とりあえず大きめ」で設計しちゃダメなんだね!ちゃんと計算が必要なんだ!

はりた
はりた
その通り!総合需要率を使えば、無駄なく安全な幹線設計ができるんだよ💡

🏘️分岐ごとの需要率と建物全体の考え方

幹線は1本だけでなく、建物内の各系統(L1、L2…)に分かれていることが多く、それぞれの系統ごとに需要率を個別に適用して設計を行います。

では、実際の系統に当てはめるとどうなるのでしょうか?

はりた
はりた
じゃあ、この図のような幹線系統だったら、各ルートの需要率はどうなるかな?🤔

見習いペン太
見習いペン太
えっと…LA、C、Dはそれぞれ10戸で…あっ、LBだけ11戸ですね!📋💡

✅需要率の選定例

幹線系統 接続戸数 総合需要率(目安)
LA 10戸 70%
LB 11戸 67%
LC 10戸 70%
LD 10戸 70%

📌 建物全体での需要率:47%

※建物全体にかかる引込幹線は、集約後の負荷に対して別途、総合需要率(例:47%)を適用して計算します。

見習いペン太
見習いペン太
ところで…「建物全体の需要率」って、具体的にはどういう意味なんですか?🤔

はりた
はりた
いい質問だね!たとえば、電力会社からの引込線を設計するときに使う「幹線全体」のことをイメージしてみて?📐

見習いペン太
見習いペン太
あっ、つまり引込開閉器盤の一次側のことですよね!💡

はりた
はりた
その通り!その位置では、建物全体を対象とした「全体需要率」を使って、引込幹線や主遮断器の容量を計算するんだよ⚡

  • 上記幹線系統毎の需要率

LA:10戸 需要率 70%

LB:11戸 需要率 67%

LC:10戸 需要率 70%

LD:10戸 需要率 70%

建物全体での需要率  47%

引込開閉器1次側の幹線サイズ選定

引込開閉器~引込柱間の配線本工事の場合

※電力会社との責任分界点を引込柱とした場合

はりた
はりた
今回の建物だと、住戸の合計は41戸になるよね!🏢🧮

見習いペン太
見習いペン太
そうですね、それを4系統に分けて幹線をそれぞれに敷設してますね🧵

はりた
はりた
うん!でもその4系統の幹線は、最終的に引込開閉器盤で1つにまとめられるから、その一次側では41戸分の「全体需要率」で幹線容量を計算することになるんだよ💡

見習いペン太
見習いペン太
なるほど〜!それなら部分ごとの最大を足し算するより、全体で計算した方が幹線サイズを小さくできるってわけですね✨📉

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使い方

まとめ

集合住宅の幹線需要率の解説

幹線の総合需要率表

戸数毎の幹線需要率一覧(抜粋)

接続される総戸数に対する需要率(ケーブルサイズの選定点毎に適用する)

  • Lー1 10戸 の場合 70%
  • Lー2  8戸 の場合 78%
  • 引込線 18戸 となり 56%

需要率の選定例

上記幹線系統毎の需要率

  • LA:10戸 需要率 70%
  • LB:11戸 需要率 67%
  • LC:10戸 需要率 70%
  • LD:10戸 需要率 70%
  • 建物全体での需要率  47%

引込開閉器1次側の幹線サイズ選定

  • 建物全体での需要率  47%を適用可能

 

 

実践的設計手順|マンション編

実践的設計手順|マンション編 引込設備の作図 ...
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