非常照明の設置基準について知りたい
- 非常照明の設置基準について知りたい
- 非常照明の免除規程について知りたい
- 非常照明の作図方法について知りたい
- 直線配置・四角配置について解説してほしい方など
非常照明の設置基準
設置対象の建物について
建物用途区分による設置基準
特殊建築物
- 劇場
- 映画館
- 演芸場
- 観覧場
- 公会堂
- 集会場
- 病院
- 診療所(患者の収容施設があるものに限る)
- ホテル
- 旅館
- 下宿
- 共同住宅
- 寄宿舎
- 児童福祉施設等
- 学校等1)
- 博物館
- 美術館
- 図書館
- 百貨店
- マーケット
- 展示場
- キャバレー
- カフェー
- ナイトクラブ
- バー
- ダンスホール
- 遊技場
- 公衆浴場
- 待合料理店
- 飲食店
- 物販販売業を営む店舗(床面積10m2以内のものを除く)
建物用途が上記区分の場合、設置対象となります。
用途が不明確な場合、必ず設計事務所に確認を行いましょう。
面積による設置基準
- 階数が3以上で、延べ面積が500m2を超える建築物
- 延べ面積が1000m2を超える建築物
建物用途が設置対象外の用途区分であっても
- 3階建以上の延べ面積500㎡を超える建物
- 延べ面積が1,000㎡を超える建物
の場合は非常照明の設置が必要となります。
建物の条件による設置基準
- 無窓の居室を有する建築物
採光上無窓の居室とは設置対象外の居室であっても
部屋に窓がない場合など照明でしか明かりが取れない状況であれば
非常照明の設置を求められる場合があります。
建築物に採光上無窓の居室の有無は建築設計事務所に確認を行いましょう。
対象建物のうち設置義務のある部分
- ①居室2)
- ②令第116条の2第1項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室3)(無窓の居室)
- ③①及び②の居室から、地上へ通じる避難経路となる廊下、階段その他の通路
- ④①②又は③に類する部分、たとえば廊下に接するロビー、通り抜け避難に用いられる場所、その他通常照明設備が必要とされる部分
設置部分|居室
居室とは、居住、執務、作業、集会、娯楽その他
これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。
居室の定義は部屋名称では決まっていないため、建物用途、確認申請時の指摘、設計者・客先の意向などにより設置の有無が異なる場合があります。
居室について考える場合、継続的に使用する室という文章を考えてみましょう。
設置の意見が分かれる場所
ここで居室か否か意見が分かれる部屋について解説します
部屋の用途による非常照明の設置に関して明確な基準がないため建物の運営方法、確認申請時の指摘、設計者・客先の意向により建物により設置の有無が分かれる場合があります。
設置の有無が分かれる場合と判断基準について解説致します。
(定義ではありません。個人的経験による見解ですので目安としてご判断ください)
更衣室
更衣室
更衣室内に休憩スペースがあるか
更衣室の場合、部屋内に座ったり休憩を行ったりするスペースがあるか確認します
- 休憩スペースありの場合|継続的に使用する室
- 着替えるだけの場合 |継続的に使用しない室
として考え休憩スペースがある場合非常照明の設置を検討します
浴場
共同の浴場
不特定多数の出入りがあるか(大浴場等)
風呂場の場合、利用者の条件よって設置を要求される場合があります
- 不特定多数の利用がある場合(ホテル・温泉施設等)|非常照明を設置する
- 不特定多数の出入りがない場合 |非常照明を不要を検討
※老人ホームなどの利用者が施設に滞在する場合は免除できる場合があります
その他、場合により設置の判断が分かれる場所
- 授乳室
- みんなのトイレ
- 給湯室など
設置部分|無窓の居室
”令第116条の2第1項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室”とは。
(窓その他の開口部を有しない居室等)
法第35条(法第87条第3項において準用する場合を含む。第127条において同じ。)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、次の各号に該当する窓その他の開口部を有しない居室とする。
一 面積(第20条の規定より計算した採光に有効な部分の面積に限る。)の合計が、当該居室の床面積の20分の1以上のもの
二 開放できる部分(天井又は天井から下方80㎝以内の距離にある部分に限る。)の面積の合計が、当該居室の床面積の50分の1以上のもの
2 ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた2室は、前項の規定の適用については、1室とみなす。
建築基準法施行令第116の2第1項第2号
設置部分|避難経路
非常照明は屋外に避難するための経路照度を確保するための目的で設置します。
そのため、居室から屋外までの人が通る経路に合わせて設置する必要があります。
設置部分|その他の場所
④①②又は③に類する部分、たとえば廊下に接するロビー、
通り抜け避難に用いられる場所、その他通常照明設備が必要とされる部分
居室や避難経路に該当しない場合であっても通常人が滞在する可能性がある場所は、非常照明の設置を検討しましょう。
- 病院の待合場所
- 大浴場の屋外部分(露天風呂)|屋外に非常階段がある場合など
- 椅子の設置がある場所
など
非常照明とは
非常用照明器具は、マーケット・病院・劇場・ホテルなど多数人の集まる場所で、火災その他不慮の事故で停電した時、居合わせた人々を速やかにかつ安全に避難できるように室内や通路を照らし出す照明器具です。
非常照明の要求水準
- 直接照明で、床面において水面照度で1 lx(LED及び蛍光灯またはLEDの場合は2 lx以上確保できること(地下街の地下道は10 lx以上)
- 常用電源が断たれた時、予備電源により即時点灯する光源を有すること。
- 周囲温度70℃の雰囲気の中で30分間点灯を維持できるものであること。
- 照明カバー、その他付属するものを含み、主要な部品は不燃材料にて造り、または覆うこと。
- 停電後充電をおこなうことなく30分間以上の放電に耐えること。
- 蓄電池設備と40秒以内に始動する自家用発電装置に限る。
まとめ
建物用途区分による設置基準
特殊建築物
- 劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場
- 病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る)ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎、児童福祉施設等
- 学校等1)、博物館、美術館、図書館
- 百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合料理店、飲食店、物販販売業を営む店舗(床面積10m2以内のものを除く)
面積による設置基準
- 階数が3以上で、延べ面積が500m2を超える建築物
- 延べ面積が1000m2を超える建築物
建物の条件による設置基準
- 採光上無窓の居室
対象建築物のうち設置義務のある部分
- ①居室2)
- ②令第116条の2第1項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室3)(無窓の居室)
- ③①及び②の居室から、地上へ通じる避難経路となる廊下、階段その他の通路
- ④①②又は③に類する部分、たとえば廊下に接するロビー、通り抜け避難に用いられる場所、その他通常照明設備が必要とされる部分
居室とは、居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。
”令第116条の2第1項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室”とは。
- 一 面積(第20条の規定より計算した採光に有効な部分の面積に限る。)の合計が、当該居室の床面積の20分の1以上のもの
- 二 開放できる部分(天井又は天井から下方80㎝以内の距離にある部分に限る。)の面積の合計が、当該居室の床面積の50分の1以上のもの
地上へ通じる避難経路となる廊下、階段その他の通路
- 非常照明は屋外に避難するための経路照度を確保するための目的で設置します。そのため、居室から屋外までの人が通る経路に合わせて設置する必要がある
設置部分|その他の場所
空間として滞在する可能性のある場所
④①②又は③に類する部分、たとえば廊下に接するロビー、
通り抜け避難に用いられる場所、その他通常照明設備が必要とされる部分
居室や避難経路に該当しない場合であっても通常人が滞在する可能性がある場所は、非常照明の設置を検討しましょう。
病院の待合場所
大浴場の屋外部分(露天風呂)|屋外に非常階段がある場合など
椅子の設置がある場所
非常照明の要求水準
- 直接照明で、床面において水面照度で1 lx
- LED及び蛍光灯またはLEDの場合は2 lx以上確保できること
- 地下街の地下道は10 lx以上
- 常用電源が断たれた時、予備電源により即時点灯する光源を有すること。
- 周囲温度70℃の雰囲気の中で30分間点灯を維持できるものであること。
- 照明カバー、その他付属するものを含み、主要な部品は不燃材料にて造り、または覆うこと。
- 停電後充電をおこなうことなく30分間以上の放電に耐えること。
- 蓄電池設備と40秒以内に始動する自家用発電装置に限る。