ケーブルラックレースウェイ・ダクト類の支持間隔を解説。ケーブルラックは水平が鋼製2m・アルミ1.5m以下、垂直3m以下。金属ダクト・バスダクトは3m以下、ライティングダクトは2m以下。連載で扱った全材種(電線管・ケーブル・ラック・ダクト)の支持間隔を1枚にまとめた保存版早見表つき。支持間隔連載の最終回・第5回。

技術図書館ラック・ダクトの支持間隔|一律◯mでは覚えられないラックは材質と向きで変わり、ダクトは種類で変わる。標準支持を満たしても、耐震支持は別に要るこの資料をスライドで見る資料一覧を見る

ケーブルラック・ダクト類の支持間隔の全体像
この連載について(全5回・第5回:ケーブルラック・ダクト類/最終回)
支持間隔を材種ごとに整理してきた連載の最終回です。今回はケーブルラック・レースウェイ・ダクト類(架台側)の支持間隔。最後に全材種の総まとめ早見表で連載を締めくくります。総論は第1回、電線管は第2回第3回、ケーブルは第4回をご覧ください。
🐧 見習いペン太「先輩、ケーブルラックの支持間隔って『2m』でいいんですよね?」
🦔 はりた「惜しい。ラックは材質と向きで変わるんだ。鋼製なら水平2m、アルミなら1.5m。垂直は3m。ダクト類はまた別の数字。最後にぜんぶ早見表でまとめるから、まずラックとダクトを押さえよう」
ペン太ペン太
ケーブルラックの支持は2mで統一、と覚えていいですか?
ハリタハリタ
材質と向きで変わります。鋼製水平は2m以下でも、アルミ等は1.5m以下ですよ。

この3つ、すぐ答えられますか

  • ケーブルラック水平部の支持間隔は、鋼製とアルミ等でそれぞれ何mか
  • 金属ダクト・バスダクトとライティングダクトで、数値はどう違うか
  • 標準支持を満たせば、地震時の落下対策までカバーできるか

ケーブルラックの支持間隔(材質・向きで変わる)

トピック1:ケーブルラックの支持間隔(材質・向きで変わる)

ケーブルラックの支持間隔は、材質(鋼製かアルミ等か)向き(水平か垂直か)で変わります。ここが電線管と違うポイントです。

ケーブルラックの支持間隔
部位・材質 支持間隔の目安
水平部・鋼製 2m以下
水平部・アルミ/ステンレス等 1.5m以下
垂直部 3m以下(電気室・EPS等の配線室は各階支持で6m以下も可)

※値はメーカー基準・JEAC・仕様書に基づく目安です。端部・分岐・ベンド(自在継手)部でも支持し、ラックの端はエンドカバーで保護します。ラックに載るケーブル側の固定は第4回を参照。

🦔 はりた「間違えやすいのがアルミは1.5mってところ。軽くて扱いやすいぶん、鋼製よりこまめに支持する。材質を確認してから間隔を決めよう」
ペン太ペン太
ダクトも配管と同じ2m以下だと思ってました。違うんですか?
ハリタハリタ
金属ダクトやバスダクトは3m以下です。ただしライティングダクトは2m以下ですよ。
つい思ってしまうこと この記事での答え
ケーブルラックは全部2m 材質と向きで変わる。水平は鋼製2m以下・アルミ等1.5m以下、垂直は3m以下
ダクトも配管と同じ2m 金属ダクト・バスダクトは3m以下。ライティングダクトだけ2m以下
直線部だけ支持すればよい 端部・分岐・ベンド(自在継手)部でも支持する
標準支持を満たせば十分 地震時の落下・脱落を防ぐ耐震支持は別基準。標準支持に重ねて設計する
ここまでのポイント
  • ケーブルラックは材質と向きで支持間隔が変わる。ここが電線管と違うところ
  • 水平は鋼製2m以下、アルミ/ステンレス等は1.5m以下。垂直は3m以下
  • 電気室・EPS等の配線室では各階支持で6m以下も可
  • 端部・分岐・ベンド部でも支持し、ラックの端はエンドカバーで保護する

ダクト類の支持間隔(金属・バス・ライティング)

トピック2:ダクト類の支持間隔(金属・バス・ライティング)

ダクト類は電技解釈に数値規定があります。金属ダクト・バスダクトは3m以下、ライティングダクトは2m以下が基本です。

ダクト類の支持間隔
種類 支持間隔 主な注意
金属ダクト 3m以下 取扱者以外が出入りできない場所で垂直に取り付ける場合は6m以下。
バスダクト 3m以下 同上(垂直6m以下)。接続部・分岐部の支持にも注意。
ライティングダクト 2m以下 開口部は下向き、終端は閉塞(エンドキャップ)。造営材を貫通させない。
レースウェイ メーカー基準による(2m程度が目安) 吊り本数・照明器具の荷重に応じて支持。

※金属ダクト・バスダクト・ライティングダクトの数値は電気設備技術基準・解釈に基づく目安です。適用条件は最新版の条文・仕様書で確認してください。

ここまでのポイント
  • ダクト類は電技解釈に数値規定がある
  • 金属ダクト・バスダクトは3m以下、ライティングダクトは2m以下
  • 取扱者以外が出入りできない場所で垂直に取り付ける場合は6m以下に緩和される
  • ライティングダクトは開口部を下向きに、終端は閉塞し、造営材を貫通させない


【保存版】全材種・支持間隔の総まとめ早見表

トピック3:【保存版】全材種・支持間隔の総まとめ早見表

連載で扱った電気配管・ケーブル・ラック・ダクトの支持間隔を1枚に整理しました。現場での逆引きにご活用ください。

対象 支持間隔の目安
金属管(厚鋼・薄鋼・ねじなし) 2m以下 第2回
硬質ビニル電線管(VE・HIVE) 1.5m以下 第3回
合成樹脂可とう管(PF・CD) 露出1.0m/隠ぺい1.5m以下 第3回
ケーブル(造営材直付け) 2m以下(接触防護の垂直6m以下) 第4回
ケーブルラック(水平) 鋼製2m/アルミ等1.5m以下 第5回
ケーブルラック(垂直) 3m以下(配線室6m以下) 第5回
金属ダクト・バスダクト 3m以下(垂直6m以下) 第5回
ライティングダクト 2m以下 第5回
⚠ 早見表は「目安」です
実際の値は、内線規程の版・造営材の種類・管径やケーブル条数・材質・その物件の仕様書で変わります。設計・施工の最終判断は、必ず最新の電技解釈・内線規程・仕様書・メーカー資料で確認してください。

最後に:標準支持と「耐震支持」はセットで

トピック4:最後に:標準支持と「耐震支持」はセットで

連載を通じてお伝えしてきたとおり、ここまでの支持間隔は平常時の「標準支持」です。地震時の落下・脱落を防ぐ「耐震支持」は別の基準(SHASE・建築設備耐震設計施工指針など)で、標準支持に重ねて設計します。とくに重量のあるケーブルラックやバスダクトは、振れ止め・末端支持の耐震対策が重要です。

耐震支持については、ケーブルラックの耐震支持耐震クラスの選定の記事で詳しく解説しています。

連載を最後までお読みいただきありがとうございました
全5回で、電気配管・ケーブル・ラック・ダクトの支持間隔を一通り整理しました。各回のリンクから、必要なときに逆引きでご活用ください。
支持間隔連載マップ(全5回)
ペン太ペン太
早見表を覚えたら、支持間隔はこれで完璧ですか?
ハリタハリタ
もう一つ、耐震支持が残っています。標準支持とは別基準なのでセットで押さえましょう。
標準支持 耐震支持
目的 平常時に保持すること 地震時の落下・脱落を防ぐこと
よりどころ 電技解釈・内線規程・メーカー基準 SHASE・建築設備耐震設計施工指針など
関係 標準支持に重ねて設計する
とくに注意 重量のあるケーブルラックやバスダクトの振れ止め・末端支持
ここまでのポイント
  • ここまでの支持間隔は平常時の「標準支持」
  • 地震時の落下・脱落を防ぐ「耐震支持」は別の基準で、標準支持に重ねて設計する
  • とくに重量のあるケーブルラックやバスダクトは、振れ止め・末端支持の耐震対策が重要


まとめ+よくある質問

トピック5:まとめ+よくある質問

結論。ラックとダクトは「一律◯m」で覚えない。材質・向き・場所のどれかが変われば、数字も変わります。

数字が変わる条件 どう変わるか
材質(鋼製→アルミ・ステンレス等) ラック水平で2m以下 → 1.5m以下
向き(水平→垂直) ラックで2m以下 → 3m以下
場所(電気室・EPS等の配線室) ラック垂直で各階支持とし6m以下も可
取扱者以外が出入りできない場所で垂直 金属ダクト・バスダクトが3m以下 → 6m以下

ラックとダクトの数字

  • ケーブルラック水平は鋼製2m以下・アルミ等1.5m以下、垂直は3m以下
  • 電気室・EPS等の配線室では、垂直を各階支持として6m以下も可
  • 金属ダクト・バスダクトは3m以下、ライティングダクトは2m以下

数字の前後で押さえること

  • 端部・分岐・ベンド(自在継手)部でも支持する
  • ライティングダクトは開口部を下向きに、終端は閉塞し、造営材を貫通させない
  • 標準支持を満たしたうえで、耐震支持を重ねて設計する

ケーブルラックは鋼製2m・アルミ1.5m(水平)/3m(垂直)、ダクト類は金属・バス3m・ライティング2m。ラックは「材質と向き」で変わるのが最大のポイント。そして標準支持を満たしたうえで、耐震支持を重ねて設計します。これで支持間隔連載は完結です。

Q. ケーブルラックの支持間隔は?
A. 水平は鋼製2m以下・アルミ等1.5m以下、垂直は3m以下(電気室・EPS等の配線室では各階支持で6m以下も可)です。

Q. 金属ダクト・バスダクトは?
A. 3m以下が基本。取扱者以外が出入りできない場所で垂直に取り付ける場合は6m以下まで緩和されます。

Q. ライティングダクトの注意点は?
A. 支持は2m以下。開口部は下向き、終端は閉塞し、造営材を貫通させないことが求められます。

Q. 標準の支持間隔を守れば耐震も大丈夫?
A. 別物です。地震対策の耐震支持は別の基準で、標準支持に重ねて設計します。

連載インデックス:第1回・総論第2回・金属管第3回・合成樹脂管第4回・ケーブル / 第5回・ラック/ダクト(この記事)
関連記事:ケーブルラックの耐震支持方法耐震クラスの施工指針と選定基準電気設備のツール一覧(登録不要)

出典:電気設備技術基準・解釈、内線規程(JEAC 8001)、公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)、各メーカー技術資料をもとに作成。数値は目安であり、適用にあたっては最新版の各基準・仕様書・メーカー資料を確認してください。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。