電気設備の基本知識 #029【ライティングダクト工事】
天井のレールに、スポットライトをカチッと差し込む。お店やリビングでよく見るライティングダクトです。照明を好きな位置に付けられる便利な設備ですが、器具を抜き差しする人の手が届く場所にあるので、向き・支え方・漏電対策に決まりがあります。この記事では、ライティングダクト工事のしくみと規定を、図とたとえで確認していきます。
結論
ライティングダクトは開口部を下向きに、支持点間2m以下で取り付け、終端はふさぎ、造営材を貫通しません。金属製部分はD種接地、電路には漏電遮断器を設けます。
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ライティングダクト ― 照明を差し込むレール
ライティングダクトは、中に導体が通ったレール状のダクトです。どこに照明器具を差し込んでも電気がとれるので、展示替えのたびに照明の位置を変える店舗や美術館で重宝します。たとえるならコンセントが1本の線になったものです。
使える場所は、使用電圧300V以下で、展開した場所・点検できる隠ぺい場所の乾燥した所です(「電気設備の基本知識 #020【施工場所と工事の種類】」参照)。ダクトと附属品は、電気用品安全法の適用を受けるものを使います。
- 中に導体が通ったレール
- どこでも照明器具を差し込める
- 300V以下・乾燥した展開・点検できる隠ぺい場所
開口部の向き ― 下向きが原則
| 向き | 可否 |
|---|---|
| 下向き | 原則 |
| 横向き | 簡易接触防護措置をし、かつほこりが入りにくいようにすれば可 |
| 上向き | 不可 |
- 下向きが原則
- 横向きは条件つきで可
- 上向きは不可
支える・ふさぐ ― 2m以下、終端は閉そく
| 項目 | 決まり |
|---|---|
| 支持点間 | 2m以下 |
| 終端部 | ふさぐ(閉そく) |
| 造営材 | 貫通して施設しない |
| つなぎ目 | ダクトどうし・電線とは堅ろうに、電気的に完全に接続する |
- 支持点間2m以下
- 終端はエンドキャップでふさぐ
- 造営材を貫通しない
規定の全体像 ― 5つの視点
ほかのダクト工事と比べると、開口部の向きと漏電遮断器の決まりが特徴的です。どちらも、器具を抜き差しする人を守るためのルールです。
- 材料・向き・支える・接地・守るの5視点
- 開口部の向きが特徴
- 漏電遮断器も特徴
接地と漏電遮断器 ― 手が届く所の漏電対策
| 項目 | 決まり | 省略できる場合 |
|---|---|---|
| 接地 | 金属製部分にD種接地工事 | 合成樹脂などで被覆したダクト/対地電圧150V以下で長さ4m以下 |
| 漏電遮断器 | ダクトに電気を送る電路に設ける | ダクトに簡易接触防護措置をする場合 |
ライティングダクトは、器具を抜き差しする人の手が届きやすい設備です。万一の漏電に備えて、接地と漏電遮断器で二重に守ります。漏電遮断器の決まりは「電気設備の基本知識 #034【漏電遮断器の施設と省略】」で解説しています。
- 金属製部分はD種接地
- 被覆品・150V以下4m以下は省略
- 電路に漏電遮断器(簡易接触防護で省略)
押さえる要点 ― 6つのルール
次の#030は「電気設備の基本知識 #030【ショウウィンドウ内工事】」です。
- 開口部は下向き、上向きは不可
- 支持2m以下、終端はふさぐ
- D種接地と漏電遮断器
よくある質問
ライティングダクトとは何ですか?
中に導体が通ったレール状のダクトで、スポットライトなどの照明器具を好きな位置に差し込んで使えます。店舗や美術館、住宅のリビングなどで使われます。
ライティングダクトの開口部はどの向きにしますか?
下向きが原則です。簡易接触防護措置をし、かつダクトの中にほこりが入りにくいようにする場合は、横向きにできます。上向きにはしません。
ライティングダクトの支持点間の距離は?
2m以下です。ダクトの終端部はふさぎ(閉そく)、造営材を貫通して施設しないようにします。
ライティングダクトの接地は?
金属製部分にD種接地工事を施します。合成樹脂などの絶縁物で金属製部分を被覆したダクトを使う場合や、対地電圧150V以下でダクトの長さ(つないだ全長)が4m以下の場合は省略できます。
ライティングダクトに漏電遮断器は必要ですか?
ダクトの導体に電気を送る電路には、地絡を生じたときに自動で電路を遮断する装置(漏電遮断器)を設けます。ダクトに簡易接触防護措置をする場合は省略できます。
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