第二種電気工事士 合格カリキュラム学科④ 電気工事の施工方法
この単元の 8 / 22 本目

天井のレールに、スポットライトをカチッと差し込む。お店やリビングでよく見るライティングダクトです。照明を好きな位置に付けられる便利な設備ですが、器具を抜き差しする人の手が届く場所にあるので、向き・支え方・漏電対策に決まりがあります。この記事では、ライティングダクト工事のしくみと規定を、図とたとえで確認していきます。

結論

ライティングダクトは開口部を下向きに、支持点間2m以下で取り付け、終端はふさぎ、造営材を貫通しません。金属製部分はD種接地、電路には漏電遮断器を設けます。

  • 300V以下、乾燥した展開・点検できる隠ぺい場所で使う
  • 横向きは簡易接触防護措置とほこり対策が条件、上向きは不可
  • 被覆品・対地電圧150V以下で4m以下は接地を省略できる
  • 簡易接触防護措置をすれば漏電遮断器を省略できる
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
天井に取り付けたライティングダクトに、スポットライトを好きな位置に差し込んで使う様子と、ダクトの中に導体が通っていることを示した図
ライティングダクトは、照明を差し込むレールです。

ライティングダクト ― 照明を差し込むレール

ライティングダクトは、中に導体が通ったレール状のダクトです。どこに照明器具を差し込んでも電気がとれるので、展示替えのたびに照明の位置を変える店舗や美術館で重宝します。たとえるならコンセントが1本の線になったものです。

使える場所は、使用電圧300V以下で、展開した場所・点検できる隠ぺい場所の乾燥した所です(「電気設備の基本知識 #020【施工場所と工事の種類】」参照)。ダクトと附属品は、電気用品安全法の適用を受けるものを使います。

ここまでのポイント
  • 中に導体が通ったレール
  • どこでも照明器具を差し込める
  • 300V以下・乾燥した展開・点検できる隠ぺい場所

開口部の向き ― 下向きが原則

ライティングダクトの開口部の向きとして、下向きが原則、簡易接触防護措置をしてほこりが入りにくいようにすれば横向きも可、上向きはほこりや物が入ってショートのおそれがあるため不可であることを順に示した動く図解
動く図解:上向きにすると、ほこりや物が入り込みます。
向き 可否
下向き 原則
横向き 簡易接触防護措置をし、かつほこりが入りにくいようにすれば可
上向き 不可
電気設備技術基準の解釈(ライティングダクト工事)をもとに作成
ひっかけ注意
上向きに付けたほうが、器具を差し込みやすそうですけど…。
上向きだと、ほこりやごみが開口部にたまって、中の導体がショートするおそれがあります。だから下向きが原則なんですよ。
ここまでのポイント
  • 下向きが原則
  • 横向きは条件つきで可
  • 上向きは不可

支える・ふさぐ ― 2m以下、終端は閉そく

ライティングダクトを支持点間2m以下で天井に取り付け、終端部をエンドキャップでふさぎ、造営材を貫通しないことを示した図
支持・終端・貫通の決まり。
項目 決まり
支持点間 2m以下
終端部 ふさぐ(閉そく)
造営材 貫通して施設しない
つなぎ目 ダクトどうし・電線とは堅ろうに、電気的に完全に接続する
電気設備技術基準の解釈(ライティングダクト工事)をもとに作成
ここまでのポイント
  • 支持点間2m以下
  • 終端はエンドキャップでふさぐ
  • 造営材を貫通しない


規定の全体像 ― 5つの視点

ライティングダクト工事の規定を、材料(電気用品安全法の適合品・つなぎ目は電気的に完全)、向き(開口部は下向き・条件つきで横向き)、支える(2m以下・終端をふさぐ)、接地(D種・被覆品や150V以下4m以下は省略)、守る(漏電遮断器・造営材を貫通しない)の5つの視点で整理した図
ライティングダクト工事の規定は、5つの視点で整理できます。

ほかのダクト工事と比べると、開口部の向きと漏電遮断器の決まりが特徴的です。どちらも、器具を抜き差しする人を守るためのルールです。

ここまでのポイント
  • 材料・向き・支える・接地・守るの5視点
  • 開口部の向きが特徴
  • 漏電遮断器も特徴

接地と漏電遮断器 ― 手が届く所の漏電対策

ライティングダクトの接地はD種で、合成樹脂などで被覆したダクトや対地電圧150V以下で長さ4m以下の場合は省略でき、ダクトに電気を送る電路には漏電遮断器を設けて、漏電したらすぐに電気を止めることを示した動く図解
動く図解:漏電したら、漏電遮断器がすぐに電気を止めます。
項目 決まり 省略できる場合
接地 金属製部分にD種接地工事 合成樹脂などで被覆したダクト/対地電圧150V以下で長さ4m以下
漏電遮断器 ダクトに電気を送る電路に設ける ダクトに簡易接触防護措置をする場合
電気設備技術基準の解釈(ライティングダクト工事)をもとに作成

ライティングダクトは、器具を抜き差しする人の手が届きやすい設備です。万一の漏電に備えて、接地と漏電遮断器で二重に守ります。漏電遮断器の決まりは「電気設備の基本知識 #034【漏電遮断器の施設と省略】」で解説しています。

ここまでのポイント
  • 金属製部分はD種接地
  • 被覆品・150V以下4m以下は省略
  • 電路に漏電遮断器(簡易接触防護で省略)

押さえる要点 ― 6つのルール

ライティングダクト工事の規定で押さえる要点として、場所(乾燥した展開・点検できる隠ぺい、300V以下)、開口部は下向きが原則で上向きは不可、支持2m以下で終端はふさぐ、造営材を貫通しない、D種接地(省略条件あり)、漏電遮断器(簡易接触防護措置で省略可)の6つを並べた図
ライティングダクト工事の規定のまとめ。

次の#030は「電気設備の基本知識 #030【ショウウィンドウ内工事】」です。

ここまでのポイント
  • 開口部は下向き、上向きは不可
  • 支持2m以下、終端はふさぐ
  • D種接地と漏電遮断器

よくある質問

ライティングダクトとは何ですか?

中に導体が通ったレール状のダクトで、スポットライトなどの照明器具を好きな位置に差し込んで使えます。店舗や美術館、住宅のリビングなどで使われます。

ライティングダクトの開口部はどの向きにしますか?

下向きが原則です。簡易接触防護措置をし、かつダクトの中にほこりが入りにくいようにする場合は、横向きにできます。上向きにはしません。

ライティングダクトの支持点間の距離は?

2m以下です。ダクトの終端部はふさぎ(閉そく)、造営材を貫通して施設しないようにします。

ライティングダクトの接地は?

金属製部分にD種接地工事を施します。合成樹脂などの絶縁物で金属製部分を被覆したダクトを使う場合や、対地電圧150V以下でダクトの長さ(つないだ全長)が4m以下の場合は省略できます。

ライティングダクトに漏電遮断器は必要ですか?

ダクトの導体に電気を送る電路には、地絡を生じたときに自動で電路を遮断する装置(漏電遮断器)を設けます。ダクトに簡易接触防護措置をする場合は省略できます。

ハリタ

この記事を書いた人:ハリタ

電気設備設計の実務者。内線規程・電気工事士資格・住宅の電気設備を「設計者の視点」で解説しています。プロフィール詳細

30秒アンケートこの記事は役に立ちましたか?

タップするだけで完了します。あなたの声でこのサイトは育ちます。

次に読むならこれ高校生が第二種電気工事士に受かるまでの勉強時間|学科60時間・技能は13問×2回、部活と両立する12週間の日程第2種電気工事士
第二種電気工事士 合格カリキュラム学科④ 電気工事の施工方法
次はこれ(学科④)がいし引き工事