第4回 防爆機器の選定
この記事の要点
- 選定はゾーンから始める。構造から入ると手戻りが出やすい。
- 防爆機器は型式検定に合格したものを使う。合格証と現物の表示を突き合わせる。
- 海外品や旧型機器では、表示の系統と法令上の扱いを個別に確認する必要がある。
絞り込みには順番がある
ひとことで言うと:ゾーン、機器グループ、温度等級、構造の順に条件を重ねる。
防爆機器の選定は、条件を重ねていく作業である。順番を守れば選択肢は自然に絞られるが、順番を崩すと手戻りになる。よくあるのが、先に「耐圧防爆の照明器具」と決めてしまい、あとからその場所がゾーン0だったとわかる例である。
ゾーン0で使えるのは、保護レベルがGaの機器に限られる。本質安全防爆のiaや、一部の樹脂充填防爆がこれに当たる。ゾーン1にはGb、ゾーン2にはGcの機器が使える。上位の保護レベルの機器は、下位のゾーンでも使える。
| ゾーン | 必要な保護レベル | 使える構造の例 |
|---|---|---|
| ゾーン0 | Ga | 本質安全防爆 ia、樹脂充填防爆 ma |
| ゾーン1 | Gb 以上 | 耐圧防爆 d、安全増防爆 e、本質安全防爆 ib、内圧防爆 p |
| ゾーン2 | Gc 以上 | 上記に加えて、非点火防爆 n |
上位のゾーン向けの機器は下位のゾーンでも使える。逆は使えない。
型式検定という関門
ひとことで言うと:防爆構造の電気機械器具は、型式検定に合格したものを使う。
労働安全衛生法にもとづき、防爆構造の電気機械器具は型式検定の対象になっている。検定を行うのは登録型式検定機関で、合格すると型式検定合格証が交付され、機器には合格の表示がされる。
検定で使われる基準には、従来の構造規格の系統と、国際整合防爆指針の系統がある。メーカーはどちらの基準でも検定を受けられるが、1つの機器に両方を部分的に適用することはできない。交付される合格証の様式は同じで、法令上の扱いにも差はない。
受入れの段階で見るべきは、書類と現物が一致しているかである。合格証の番号、形式、防爆の表示。この3つが現物の銘板と合っていれば、少なくとも機器としての前提は満たしている。銘板が塗装で埋まっていたり、判読できなくなっていたりする場合は、その時点で指摘しておきたい。
選定でつまずきやすいところ
機器の選定は、区分図と物質の情報が確定していれば、機械的な作業に近い。難しいのはむしろ、区分図がないまま、あるいは古い区分図のまま話が進むことである。選定に入る前に、根拠となる図面の日付を確認しておきたい。
一次資料で確認するには
- 厚生労働省の登録型式検定機関の一覧 ── どの機関の検定かを確認する。
- 産業安全技術協会の検定合格品情報 ── 合格番号から機器を照合する。
- 機器メーカーの取扱説明書 ── 周囲温度の前提、付属品の指定、据付条件を確認する。
本記事は公開情報にもとづく一般的な解説です。機器の適合性については、型式検定合格証とメーカーの取扱説明書、および所轄官庁の判断に従ってください。
出典
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