内線規程の解釈と解説【034】|がいし引き配線
出典:電気設備の技術基準の解釈 第157条・
がいし引き配線は、がいし(絶縁体)で電線を支持して配線する方法です。押さえるポイントは 「使用電線/間隔・支持点間・防護/貫通部と接近」 の3つです。
ペン太
ハリタ| 項目 | 決まり(解釈第157条) |
|---|---|
| 電線 | 絶縁電線(屋外用ビニル・引込用ビニル・引込用ポリエチレン絶縁電線を除く) |
| 間隔・離隔 | 電線相互6cm以上。造営材と2.5cm以上(300V超は4.5cm、乾燥した場所なら2.5cm) |
| 支持点間 | 造営材の上面又は側面に沿うとき2m以下。それ以外で300V超は6m以下 |
| 防護 | 300V以下は簡易接触防護措置、300V超は接触防護措置 |
| 貫通部 | 電線ごとに別個の難燃性・耐水性のある物で絶縁(150V以下・乾燥は絶縁テープも可) |
ペン太
ハリタこの記事で押さえる3つのこと
- 電線は絶縁電線。OW・DV・DE電線は使えない。裸電線は電気炉用など3つの場合だけ。
- 電線相互6cm、造営材2.5cm(300V超4.5cm)。上面・側面に沿えば支持点間2m以下。
- 貫通部は電線ごとに別個の難燃性・耐水性の物で絶縁。他の配線とは10cm以上。
① 使用電線
- 原則は絶縁電線(解釈第157条第一号)
- 屋外用ビニル絶縁電線(OW)・引込用ビニル絶縁電線(DV)・引込用ポリエチレン絶縁電線(DE)は使えない
- 裸電線は、電気炉用電線・被覆が腐食する場所のもの・取扱者以外が出入りできない場所のものを、展開した場所に施設する場合に限る(第144条第一号)
ペン太
ハリタ| 電線 | 使用の可否 |
|---|---|
| 絶縁電線(IVなど) | 使える(原則) |
| OW・DV・DE電線 | 使えない |
| 裸電線 | 電気炉用電線、被覆が腐食する場所、取扱者以外が出入りできない場所のものを、展開した場所に施設する場合だけ |
- 原則は絶縁電線を使用する。
- OW・DV・DE電線は使用不可。
- 裸電線は、電気炉用・腐食・立入り制限の場所のものを展開した場所に施設する場合だけ。
② 間隔・支持点間・防護
- 電線相互の間隔:6cm以上(第二号)
- 電線と造営材との離隔:300V以下2.5cm以上、300V超4.5cm以上(乾燥した場所の300V超は2.5cm以上)(第三号)
- 支持点間:造営材の上面又は側面に沿うときは2m以下。それ以外で300V超は6m以下(第四号)
- 接触の防護:300V以下は簡易接触防護措置、300V超は接触防護措置(第五号・第六号)
- がいしは、絶縁性・難燃性・耐水性のあるもの(第九号)
- 電線相互6cm、造営材2.5cm(300V超は4.5cm)。
- 上面又は側面に沿う場合の支持点間は2m以下。
- それ以外で300V超は6m以下。300V以下は簡易接触防護措置、超は接触防護措置。
③ 貫通部と接近
- 造営材を貫通する部分は、電線ごとにそれぞれ別個の難燃性・耐水性のある物で絶縁する(第七号)
- 150V以下の電線を乾燥した場所に施設するときは、貫通部に耐久性のある絶縁テープを巻く方法でもよい
- 他の低圧屋内配線・管灯回路の配線とは10cm以上(裸電線は30cm以上)離す。絶縁性の隔壁や絶縁管による方法も。がいし引き同士が並行するときは6cm以上(第八号)
- 弱電流電線や水管・ガス管などとの接近は、第167条(10cm以上、裸電線は30cm以上など)
| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| 使えないのはDVとDEだけ | OW(屋外用ビニル)も使えない |
| 裸電線は高温の場所や電気さくで使える | 電気炉用・腐食・立入り制限の場所のもので、展開した場所 |
| 取付けは造営材の下面が基本 | 2m以下は「上面又は側面」に沿う場合 |
| はり間6mは300V以下も同じ | 6m以下は300V超の決まり |
| 造営材との離隔は電圧によらず同じ | 300V以下2.5cm、300V超4.5cm(乾燥なら2.5cm) |
| 接触の防護はいらない | 300V以下は簡易接触防護措置、300V超は接触防護措置 |
| 貫通部は穴に通せばよい | 電線ごとに別個の難燃・耐水の物で絶縁 |
- がいしは絶縁性・難燃性・耐水性のものとする。
- 貫通部は、電線ごとに別個の難燃性・耐水性の物で絶縁する。
- 他の配線とは10cm以上(裸電線30cm)、がいし引き同士の並行は6cm以上。
よくある質問(FAQ)
Q. がいし引き配線に使える電線は?
A. 絶縁電線です。ただし、屋外用ビニル絶縁電線(OW)、引込用ビニル絶縁電線(DV)、引込用ポリエチレン絶縁電線(DE)は使えません(解釈第157条第一号)。裸電線は、電気炉用電線、被覆が腐食する場所のもの、取扱者以外が出入りできない場所のものを、展開した場所に施設する場合だけ使えます(第144条第一号)。
Q. 電線の支持点間の距離は?
A. 電線を造営材の上面又は側面に沿って取り付ける場合は2m以下です。それ以外の取付けで、使用電圧が300Vを超えるものは6m以下です(解釈第157条第四号)。
Q. 造営材を貫通するときの注意は?
A. 貫通する部分の電線を、電線ごとにそれぞれ別個の難燃性・耐水性のある物で絶縁します。150V以下の電線を乾燥した場所に施設するときは、耐久性のある絶縁テープを巻く方法でもかまいません(解釈第157条第七号)。
Q. 電線の間隔と造営材との離隔は?
A. 電線相互の間隔は6cm以上です。電線と造営材との離隔は、300V以下なら2.5cm以上、300Vを超えるなら4.5cm以上(乾燥した場所なら2.5cm以上)です(解釈第157条第二号・第三号)。
まとめ|電線の可否・間隔と支持の数値・貫通部
がいし引き配線は、絶縁電線(OW・DV・DEを除く)を使い、間隔・離隔・支持点間の数値を守り、貫通部では電線ごとに別個に絶縁することが基本です。
| 確認する項目 | 決まり(解釈第157条など) |
|---|---|
| 使用する電線 | 絶縁電線 |
| 使えない電線 | OW・DV・DE電線 |
| 裸電線を使える場合 | 電気炉用・被覆が腐食する場所・立入り制限の場所のもの(展開した場所) |
| 電線相互の間隔 | 6cm以上 |
| 造営材との離隔 | 300V以下2.5cm、300V超4.5cm(乾燥した場所は2.5cm) |
| 支持点間(上面・側面に沿う) | 2m以下 |
| 支持点間(それ以外・300V超) | 6m以下 |
| 接触の防護 | 300V以下は簡易接触防護措置、300V超は接触防護措置 |
| 貫通部 | 電線ごとに別個の難燃性・耐水性の物で絶縁(150V以下・乾燥はテープも可) |
| 他の配線との接近 | 10cm以上(裸電線30cm)、がいし引き同士の並行は6cm |
| がいし | 絶縁性・難燃性・耐水性 |
電線で押さえること
- 絶縁電線であること。
- OW・DV・DE電線を使っていないか。
- 裸電線を使う場合の条件にあてはまるか。
支持で押さえること
- 電線相互6cm、造営材との離隔(2.5cm・4.5cm)。
- 上面・側面に沿う場合の支持点間(2m以下)。
- 300V超のそれ以外の支持点間(6m以下)と防護。
貫通部と接近で押さえること
- がいしの性質(絶縁性・難燃性・耐水性)。
- 貫通部は電線ごとに別個に絶縁しているか。
- 他の配線・弱電流電線・水管との離隔。
がいし引き配線は新設で見る機会こそ減りましたが、既存設備の改修や点検では今も出会う工法です。数値が少ないぶん一つひとつが判定基準になるので、上の表をそのまま点検の確認項目として使えます。
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