この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【034】がいし引き配線
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

がいし引き配線は、がいし(絶縁体)で電線を支持して配線する方法です。押さえるポイントは 「使用電線/支持点間距離/保護管・貫通部」 の3つです。

がいし引き配線は原則絶縁電線でDV/DE電線は不可、支持点間は造営材沿い2m以下はり間6m以下、がいし保護管は絶縁難燃耐水で1がい管に2本以上不可貫通部は1.5cm以上突き出すという3つのポイントの図解

⚡ 先に結論だけ言うと
要点は3つ。①使用電線=原則絶縁電線(DV電線・DE電線は不可、高温/腐食/立入禁止等は裸電線も例外的に可)。②支持点間距離造営材沿い2m以下・はり間6m以下③保護管・貫通部=絶縁/難燃/耐水、1がい管に2本以上不可、貫通部は 1.5cm以上突き出す
見習いペン太
見習いペン太
がいし引き配線って、電線を何で支えるんですか?
はりた
はりた
「がいし」という絶縁体で支えるんだ。原則は絶縁電線(DV/DEはNG)、支持点間は造営材沿いで2m以下。造営材を貫通するところは保護管を1.5cm以上突き出させて電線を守るよ。
がいし引き配線 押さえる3つの数値
① 使用電線
原則 絶縁電線
DV・DE電線は使用不可
② 支持点間距離
造営材沿い 2m以下
はり間 6m以下
③ 保護管・貫通部
絶縁・難燃・耐水/1がい管に2本不可
貫通部は 1.5cm以上突き出す
この記事でわかること
✔ ① 使用電線
✔ ② 支持点間距離・取付
✔ ③ 保護管・貫通部

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ペン太ペン太
がいし引き配線って、絶縁電線なら何でも使えるんですよね?DV電線とか。
ハリタハリタ
DV電線とDE電線は使えません。原則は絶縁電線ですが、この除外を見落とすと不適合になります。

この3つ、すぐ答えられますか

  • がいし引き配線に使えない絶縁電線は何ですか。
  • 裸電線を例外的に使えるのは、どのような場所や回路ですか。
  • 1本のがい管に、電線は何本まで収容できますか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、がいし引き配線のルールを4つの視点で整理します。

① 使用電線

トピック1:使用電線
  • 原則は絶縁電線
  • DV電線・DE電線は使用不可
  • 高温になる場所・腐食する場所・取扱者以外立入禁止の場所、特別低電圧照明、電気さくなどは裸電線も例外的に可
ペン太ペン太
支持点間の距離って、だいたい等間隔なら感覚で決めていいんですか?
ハリタハリタ
造営材に沿う場合は2m以下、はり間は6m以下と決まっています。感覚ではなく数値で押さえましょう。
電線使用の可否
絶縁電線原則として使用する
DV電線・DE電線使用不可
裸電線高温になる場所・被覆が腐食する場所・取扱者以外立入禁止の場所、特別低電圧照明、電気さくなどで例外的に使用できる
ここまでのポイント
  • 原則は絶縁電線を使用する。
  • DV電線・DE電線は使用不可。
  • 高温になる場所・腐食する場所・取扱者以外立入禁止の場所、特別低電圧照明、電気さくなどは裸電線も例外的に可。

② 支持点間距離・取付

トピック2:支持点間距離・取付
  • 造営材の下面または側面に取り付けるのが基本
  • 造営材に沿う場合:支持点間2m以下
  • ノップ等ではりから次のはりへ飛ばす場合:6m以下(300V以下・300V超とも同じ)
ここまでのポイント
  • 造営材の下面または側面に取り付けるのが基本。
  • 造営材に沿う場合の支持点間は2m以下。
  • ノップ等ではりから次のはりへ飛ばす場合は6m以下(300V以下・300V超とも同じ)。

③ 保護管・貫通部

トピック3:保護管・貫通部
  • がいし・保護管は絶縁性・難燃性・耐水性のもの
  • 1本のがい管に2本以上の電線を収容しない
  • 造営材の貫通部は、保護管の両端を造営材から1.5cm以上突き出す
ここがポイント|数値で押さえる
がいし引きは 絶縁電線(DV/DE不可)、支持点間 造営材沿い2m以下・はり間6m以下、貫通部の保護管は 1.5cm以上突き出す
がいし引き配線の支持点間距離と貫通部の保護管を示した施設イメージ図
図|支持点間距離(造営材に沿う場合2m以下、はり間を飛ばす場合6m以下)と、造営材貫通部の保護管を両端から1.5cm以上突き出す納まり。使用電線は原則として絶縁電線で、DV電線・DE電線は使えない。
取り違えやすいところ正しくは
絶縁電線ならどれでも使えるDV電線・DE電線は使用不可
裸電線は一切使えない高温になる場所、被覆が腐食する場所、取扱者以外立入禁止の場所、特別低電圧照明、電気さくなどでは例外的に使える
造営材の上面に載せてもよい造営材の下面または側面に取り付けるのが基本
支持の間隔は感覚で決めてよい造営材に沿う場合と、はりから次のはりへ飛ばす場合とで数値が決まっている
300Vを超えると支持点間が変わるはり間を飛ばす場合は300V以下・300V超とも同じ
がい管には数本まとめて通せる1本のがい管に2本以上の電線を収容しない
保護管は穴に通せば足りる両端を造営材から所定の寸法だけ突き出す
ここまでのポイント
  • がいし・保護管は絶縁性・難燃性・耐水性のものとする。
  • 1本のがい管に2本以上の電線を収容しない。
  • 造営材の貫通部は、保護管の両端を造営材から1.5cm以上突き出す。

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問(FAQ)

Q. がいし引き配線に使える電線は?

A. 原則として絶縁電線です。ただしDV電線とDE電線は使用できません。高温になる場所・被覆が腐食する場所・取扱者以外立入禁止の場所、特別低電圧照明回路、電気さくなどでは例外的に裸電線も使えます。

Q. 電線の支持点間の距離は?

A. 造営材に沿って取り付ける場合は2m以下です。ノップなどを使い、はりから次のはりへ飛ばす場合は6m以下とします(300V以下・300V超とも同じ)。

Q. 造営材を貫通するときの注意は?

A. がい管(合成樹脂管)などの保護管を用い、その両端を造営材から1.5cm以上突き出させます。1本のがい管に2本以上の電線を収容してはいけません。

まとめ|電線の可否・支持の数値・貫通部の納まり

がいし引き配線は、絶縁電線を原則とし、支持点間の数値を守り、貫通部では保護管を造営材から突き出すことが基本です。

確認する項目規程が示す内容
使用する電線(原則)絶縁電線
使用できない電線DV電線・DE電線
裸電線を使える場合高温になる場所、被覆が腐食する場所、取扱者以外立入禁止の場所、特別低電圧照明、電気さくなど
取付けの基本造営材の下面または側面
支持点間(造営材に沿う場合)2m以下
支持点間(はりから次のはりへ飛ばす場合)6m以下(300V以下・300V超とも同じ)
がいし・保護管の性質絶縁性・難燃性・耐水性
1本のがい管に収容できる電線2本以上を収容しない
造営材の貫通部保護管の両端を造営材から1.5cm以上突き出す

電線で押さえること

  • 絶縁電線であること。
  • DV電線・DE電線を使っていないか。
  • 裸電線を使う場合の条件にあてはまるか。

支持で押さえること

  • 造営材の下面または側面に取り付けているか。
  • 造営材に沿う場合の支持点間。
  • はり間を飛ばす場合の支持点間。

貫通部で押さえること

  • がいし・保護管の性質。
  • 1本のがい管に1本の電線か。
  • 保護管の突き出し寸法。

がいし引き配線は新設で見る機会こそ減りましたが、既存設備の改修や点検では今も出会う工法です。数値が少ないぶん一つひとつが判定基準になるので、上の表をそのまま点検の確認項目として使えます。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
がいし引きを実際に設計するとき、次は何を確認すればいいですか?
ハリタハリタ
保護管と貫通部です。絶縁・難燃・耐水性の管に収め、1管に2本以上入れず、貫通部は1.5cm以上突き出します。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。