この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【027】屋上電線路
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

低圧屋上電線路は、建物の屋上に電気を引き込むための電線路です。施設方法は 「絶縁電線を使う場合」「ケーブルを使う場合」 の2つに整理できます。

低圧屋上電線路は絶縁電線使用なら2.30kN以上か直径2.6mm以上で支持点間15m以下離隔2m以上、ケーブル使用なら離隔1m以上または堅ろうな管トラフに収めるという2方法の図解

⚡ 先に結論だけ言うと
要点は2つの方法。①絶縁電線引張強さ2.30kN以上/直径2.6mm以上、支持点間15m以下、離隔2m以上(高圧は1m)②ケーブル=離隔 1m以上、または堅ろうな管・トラフに収める。
見習いペン太
見習いペン太
屋上に電線を引くのって、ふつうの配線と違うんですか?
はりた
はりた
そう、屋上専用のルールがあるんだ。絶縁電線なら太さ・支持間隔・離隔の数値、ケーブルなら離隔1m以上か堅固な管に収める。工事はがいし引き・合成樹脂管・バスダクトなどだよ。
この記事でわかること
✔ ① 絶縁電線を使う場合
✔ ② ケーブルを使う場合

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ペン太ペン太
屋上に電線を通すのって、屋内配線と同じ感覚でいいんですよね?
ハリタハリタ
屋上電線路は別の基準です。絶縁電線なら造営材から2m以上の離隔が要るなど、条件が厳しめですよ。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 絶縁電線を使う場合の支持点間距離は何m以下ですか。
  • 造営材との離隔距離は、絶縁電線とケーブルでどう違いますか。
  • ケーブルで離隔をとらずに施設する方法はありますか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、屋上電線路のルールを3つの視点で整理します。

① 絶縁電線を使う場合

トピック1:絶縁電線を使う場合
  • 電線:引張強さ2.30kN以上、または直径2.6mm以上の硬銅線の絶縁電線(OW電線を含む)
  • 支持点間距離:15m以下。難燃・耐水のがいしで支持
  • 造営材との離隔:2m以上(高圧・特別高圧絶縁電線は1m以上)
ペン太ペン太
え、ケーブルなら離隔1m以上でいいんですか?絶縁電線の2mと違うんですね。
ハリタハリタ
そこが分かれ目です。ケーブルは1m以上か、堅ろうな管・トラフに収めて施錠できるふたを設ける方法もあります。
使用する電線電線の条件支持点間距離造営材との離隔
絶縁電線(OW電線を含む)引張強さ2.30kN以上、または直径2.6mm以上の硬銅線15m以下2m以上(高圧・特別高圧絶縁電線は1m以上)
ケーブル架空ケーブルの規定に準じる支持柱・支持台で支持1m以上、または堅ろうな管・トラフに収め施錠できる堅固なふたを設ける
ここまでのポイント
  • 電線は、引張強さ2.30kN以上、または直径2.6mm以上の硬銅線の絶縁電線(OW電線を含む)。
  • 支持点間距離は15m以下とし、難燃・耐水のがいしで支持する。
  • 造営材との離隔は2m以上(高圧・特別高圧絶縁電線は1m以上)。

② ケーブルを使う場合

トピック2:ケーブルを使う場合
  • 架空ケーブルの規定に準じて施設し、支持柱・支持台で支持
  • 造営材との離隔:1m以上
  • または堅ろうな管・トラフに収め、施錠できる堅固なふたを設ける
ここがポイント|方法ごとの数値
絶縁電線:2.30kN以上/直径2.6mm以上・支持点間15m以下・離隔2m以上。ケーブル:離隔1m以上/堅ろうな管・トラフ。工事はがいし引き・合成樹脂管・バスダクトなど。
低圧屋上電線路 2つの施設方法
① 絶縁電線
  • 引張強さ 2.30kN以上/直径 2.6mm以上
  • 支持点間距離 15m以下
  • 造営材との離隔 2m以上(高圧・特別高圧は1m以上)
② ケーブル
  • 造営材との離隔 1m以上
  • または堅ろうな管・トラフに収める
  • 施錠できる堅固なふたを設ける
低圧屋上電線路の離隔と支持点間距離を示した図
絶縁電線を使う場合は引張強さ2.30kN以上または直径2.6mm以上の硬銅線の絶縁電線を、難燃性・耐水性のがいしで支持点間15m以下に支持し、造営材から2m以上(高圧・特別高圧絶縁電線は1m以上)離す。ケーブルを使う場合は造営材から1m以上離すか、堅ろうな管・トラフに収めて施錠できる堅固なふたを設ける。
取り違えやすいところ正しくは
離隔距離は電線の種類によらず同じ絶縁電線は2m以上、ケーブルは1m以上と分かれる
高圧絶縁電線でも離隔は2m以上高圧・特別高圧絶縁電線は1m以上
ケーブルは必ず1m離す必要がある堅ろうな管・トラフに収め、施錠できる堅固なふたを設ける方法もある
がいしは屋外用なら何でもよい難燃・耐水のがいしで支持する
支持点間は現場で決めてよい絶縁電線を使う場合は15m以下
工事方法はがいし引きだけ合成樹脂管工事、バスダクト工事(屋外用IPX4以上)などでも施設できる(いずれも簡易接触防護措置を施す)
ここまでのポイント
  • 架空ケーブルの規定に準じて施設し、支持柱・支持台で支持する。
  • 造営材との離隔は1m以上。
  • または堅ろうな管・トラフに収め、施錠できる堅固なふたを設ける。

よくある質問(FAQ)

トピック3:よくある質問(FAQ)

Q. 屋上電線路で絶縁電線を使うときの基準は?

A. 引張強さ2.30kN以上、または直径2.6mm以上の硬銅線の絶縁電線(OW電線を含む)を使います。支持点間距離は15m以下、造営材との離隔距離は2m以上(高圧・特別高圧絶縁電線は1m以上)です。

Q. ケーブルを使うときの離隔距離は?

A. 支持柱・支持台で支持する場合は造営材との離隔距離を1m以上とします。または堅ろうな管・トラフに収め、施錠できる堅固なふたを設けます。

Q. 屋上電線路はどんな工事方法がある?

A. がいし引き工事のほか、合成樹脂管工事、バスダクト工事(屋外用IPX4以上)などで施設できます。いずれも簡易接触防護措置を施します。

まとめ|電線の種類で離隔と支持が変わる

屋上電線路は、絶縁電線かケーブルかで、造営材との離隔距離と支持の方法が分かれる点を押さえておくと判断しやすくなります。

確認する項目規程が示す内容
絶縁電線の強さ・太さ引張強さ2.30kN以上、または直径2.6mm以上の硬銅線
使用できる絶縁電線OW電線を含む
絶縁電線の支持点間距離15m以下
絶縁電線の支持方法難燃・耐水のがいしで支持
絶縁電線の離隔(低圧)造営材から2m以上
絶縁電線の離隔(高圧・特別高圧絶縁電線)造営材から1m以上
ケーブルの施設架空ケーブルの規定に準じ、支持柱・支持台で支持
ケーブルの離隔造営材から1m以上
離隔に代わる方法堅ろうな管・トラフに収め、施錠できる堅固なふたを設ける
工事方法がいし引き工事、合成樹脂管工事、バスダクト工事(屋外用IPX4以上)など
共通の措置簡易接触防護措置を施す

絶縁電線で押さえること

  • 引張強さまたは直径の条件。
  • 支持点間距離とがいしの性質。
  • 造営材との離隔(低圧と高圧で違う)。

ケーブルで押さえること

  • 架空ケーブルの規定への準用。
  • 支持柱・支持台による支持。
  • 離隔1m以上か、管・トラフに収めるか。

工事方法で押さえること

  • がいし引き以外の選択肢。
  • バスダクトの保護等級。
  • 簡易接触防護措置。

屋上は人が上がる機会もあり、風雨や日射も直接受ける場所です。離隔と支持の数値は、電線に触れさせないことと、たわみや損傷を防ぐことの両方を満たすための基準になっています。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
絶縁電線で施設する場合は、次に何を確認しますか?
ハリタハリタ
電線の強度です。引張強さ2.30kN以上か直径2.6mm以上の硬銅線で、支持点間は15m以下に収めましょう。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。