技術図書館絶縁抵抗値|暗記ではなく、1mAからの逆算0.1・0.2・0.4MΩという数字の出どころ、3段階の区分、下回ったときに疑うことをスライドで整理しました。この資料をスライドで見る資料一覧を見る 
出典:内線規程(JEAC8001-2022)より
竣工検査や定期点検でおなじみの「絶縁抵抗測定」。メガーを当てて「0.1MΩ以上あればOK」と覚えている方は多いですが、なぜ0.1MΩなのか、0.2や0.4はどんなとき使うのかと問われると意外と説明に詰まります。
実はこの基準値、ちゃんと根拠のある決め方がされています。まずは図で考え方をつかみましょう。

⚡ 先に結論だけ言うと
基準値は
電圧区分で
3段階です。
300V以下・対地電圧150V以下 → 0.1MΩ以上、
300V以下・対地電圧150V超過 → 0.2MΩ以上、
300V超過 → 0.4MΩ以上。電圧が高いほど、求められる絶縁抵抗値も大きくなります。根拠は「1か所で1mA漏れても保安上問題ない」という条件からの逆算です。
🌱 たとえ話
たとえるなら、絶縁抵抗は「電気が漏れ出さないように囲うダムの厚さ」。電圧(水位)が高いほど、同じ“漏れ量”に抑えるには厚い壁=大きな抵抗値が必要になる、というイメージです。だから電圧が上がると基準値も大きくなります。

ペン太
絶縁抵抗ってそもそも何のための数字なんですか?

ハリタ
電気が“漏れていないか”を見る数字だよ。抵抗が大きいほど漏れにくい、つまり安全ってことなんだ。

ペン太
だから“抵抗値が大きいほどOK”なんですね。なんで100V回路は0.1MΩなんですか?

ハリタ
「1mA漏れても保安上問題ない」を条件に、オームの法則 R=V÷I で逆算しているんだ。100V÷0.001A=0.1MΩ。だから200Vなら0.2MΩになる。
この記事でわかること
✔ 絶縁抵抗値の基準値(早見表)
✔ ① なぜ絶縁が必要で、なぜ基準値があるのか
✔ ② 基準値の計算と早見表

ペン太
絶縁抵抗の0.1MΩとか0.4MΩって、丸暗記するしかないんでしょうか?

ハリタ
暗記は不要です。1mAの漏れを許すという条件から、オームの法則で逆算できるんですよ。
この記事で押さえる3つのこと
- 使用電圧300V以下・対地電圧150V以下は0.1MΩ以上
- 基準値は「1か所で1mA漏れても保安上問題ない」からの逆算
- 測定が難しいときは、漏えい電流1mA以下で確かめる方法がある
この記事でわかること
数値だけ確認したい方は、最初の項目から読んでください。
絶縁抵抗値の基準値(早見表)
単相100V 0.1MΩ以上。
単相3線200V 対地100Vで0.1MΩ以上。
三相200V 0.2MΩ以上。
400V 0.4MΩ以上。
たとえるなら単相3線式の200Vは、地面から見ると1階分の高さ 2階の床と地下1階の床の間は2階分ありますが、どちらも地面からは1階分です。単相3線式の200Vも、線どうしの間は200Vでも、大地からは100Vなので、基準値は0.1MΩになります。
ここに注意!「区分は全部、対地電圧で決まる」ではありません。
150Vの境目は対地電圧ですが、300Vの境目は使用電圧です。使用電圧300V以下で対地電圧150V以下なら0.1MΩ、使用電圧300V以下で対地電圧150V超なら0.2MΩ、使用電圧300V超なら0.4MΩ以上です。
ここに注意!「200Vの回路なら、いつも0.2MΩ」ではありません。
単相3線式の200V回路は、使用電圧は200Vでも対地電圧は100Vなので、0.1MΩ以上です。0.2MΩ以上になるのは、
三相3線式200Vのように対地電圧が150Vを超える回路です。
電気設備技術基準(省令第58条)では、低圧電路の絶縁抵抗値を使用電圧の区分に応じて次の値以上と定めています。
- 対地電圧150V以下:0.1MΩ以上
- 使用電圧300V以下で対地電圧150V超:0.2MΩ以上
- 使用電圧300V超:0.4MΩ以上
ここまでのポイント
- 対地電圧150V以下は0.1MΩ以上
- 使用電圧300V以下で対地電圧150V超は0.2MΩ以上
- 使用電圧300V超は0.4MΩ以上
① なぜ絶縁が必要で、なぜ基準値があるのか
漏れ 1mAまで。
100V 0.1MΩ。
200V 0.2MΩ。
400V 0.4MΩ。
- 電気は抵抗の低い導体で送るため、そのままだと導体以外へ漏れてしまう。これを防ぐのが絶縁物
- 電線だけでなくスイッチ・コンセントなどの配線器具からも漏れない必要がある。内線規程でも電路は大地から絶縁することが原則
- 基準値は「電路の1か所で1mA(0.001A)が大地に漏れても保安上問題ない」という条件から逆算されている

ペン太
対地電圧150V以下のとき、基準はどの値になるんでしたっけ?

ハリタ
0.1MΩです。対地電圧150V超過で0.2MΩ、使用電圧300V超過で0.4MΩと段階的に上がります。
| 押さえる点 | 内容 |
| なぜ絶縁するのか | 電気は抵抗の低い導体で送るため、そのままだと導体以外へ漏れてしまう |
| どこまでが対象か | 電線だけでなく、スイッチ・コンセントなどの配線器具も |
| 原則 | 内線規程でも、電路は大地から絶縁することが原則 |
| 基準値の根拠 | 電路の1か所で1mA(0.001A)が大地に漏れても保安上問題ない、という条件から逆算 |
ここまでのポイント
- 電気は抵抗の低い導体で送るため、そのままだと導体以外へ漏れてしまう
- 電線だけでなく、スイッチ・コンセントなどの配線器具からも漏れない必要がある
- 基準値は「1か所で1mAが大地に漏れても保安上問題ない」という条件から逆算されている
② 基準値の計算と早見表
回路ごと に測る。
基準 と比べる。
低い回路 区切って調べる。
測れない 漏えい電流1mA以下。
たとえるなら回路ごとに区切って測るのは、水漏れを探すときに元栓を順に閉めること
家のどこかで水が漏れているとき、元栓を系統ごとに閉めていけば、漏れている場所がしぼれます。絶縁抵抗も、回路ごとに区切って測れば、どこで値が下がっているかが分かります。
ここに注意!「測定できない回路は、省略してよい」ではありません。
絶縁抵抗の測定が困難な場合は、使用電圧が加わった状態で漏えい電流が1mA以下であることを確かめる方法があります(電技解釈第14条)。
ここに注意!「値が低ければ、すぐ機器の故障」ではありません。
吸湿で一時的に下がっていることもあります。
分電盤・回路ごとに区切って測り、
絶縁劣化・吸湿・地絡のどれかを切り分けてから判断します。
低圧電路の絶縁抵抗基準値(300V以下・対地150V以下0.1MΩ/150V超0.2MΩ/300V超0.4MΩ)
図解のポイント:低圧電路の絶縁抵抗は電気設備技術基準第58条で、使用電圧300V以下・対地電圧150V以下は0.1MΩ以上、300V以下・対地150V超は0.2MΩ以上、300V超は0.4MΩ以上と定められています。絶縁抵抗計(メガー)で測定し、測定が困難な場合は漏えい電流1mA以下でも可です。基準値は最低値なので、低いときは絶縁劣化・吸湿・地絡を疑い、分電盤・回路ごとに区切って測定します。
📱 絶縁抵抗の基準値(電技58条)(要点データ)
測定
絶縁抵抗計(メガー)/困難時は漏えい電流1mA以下でも可
| 電路の使用電圧の区分 | 絶縁抵抗値 |
|---|
| 300V以下(対地電圧150V以下) | 0.1MΩ 以上 |
| 300V以下(対地電圧150V超) | 0.2MΩ 以上 |
| 300V超 | 0.4MΩ 以上 |
📌 低圧電路の電線相互間・電路と大地間の値(電気設備技術基準 第58条)。測定が困難な場合は漏えい電流1mA以下でも可。
- オームの法則 R=V÷I。100V回路なら R=100V÷0.001A=0.1MΩ以上
- 200V回路なら R=200÷0.001=0.2MΩ以上。電圧が上がれば必要な抵抗も大きくなる
- 早見表:300V以下・対地電圧150V以下=0.1MΩ以上/300V以下・対地電圧150V超過=0.2MΩ以上/300V超過=0.4MΩ以上
ここがポイント
基準値は丸暗記ではなく「1mA以下の漏れに抑える」という考え方から決まっています。電圧が高いほど必要な絶縁抵抗値も大きくなる、という関係を押さえておけば表も理解しやすくなります。
| 取り違えやすいところ | 正しくは |
| 基準値は目標値 | 最低値。これを下回ってはいけない |
| 対地電圧150Vちょうどは0.2MΩ | 「150V以下」なので0.1MΩ以上 |
| 測定が難しければ省略してよい | 漏えい電流1mA以下であることを確認する方法がある |
| 値が低くても問題ない | 絶縁劣化・吸湿・地絡を疑い、分電盤・回路ごとに区切って測定する |
ここまでのポイント
- 測定には絶縁抵抗計(メガー)を使う
- 測定が困難な場合は、漏えい電流1mA以下でも可
- 基準値は最低値。低いときは絶縁劣化・吸湿・地絡を疑い、回路ごとに区切って測定する
よくある質問(FAQ)
Q. なぜ100V回路は0.1MΩ以上なの?
A. 「電路の1か所で1mA(0.001A)漏れても保安上問題ない」という条件から、オームの法則R=V÷Iで逆算しています。100V÷0.001A=0.1MΩ以上となるためです。
Q. 0.2MΩ・0.4MΩはどんなときに使う?
A. 300V以下でも対地電圧が150Vを超える場合は0.2MΩ以上、使用電圧が300Vを超える場合は0.4MΩ以上が基準です。電圧が高いほど大きな値が求められます。
Q. 絶縁抵抗値が大きいほど良いのはなぜ?
A. 絶縁抵抗は電気の漏れにくさを表し、大きいほど漏電しにくく安全だからです。測定では基準値以上であることを確認します。
Q. 単相3線式の200V回路は、0.2MΩですか?
A. 使用電圧は200Vですが、対地電圧は100Vなので、0.1MΩ以上です。0.2MΩ以上になるのは、三相3線式200Vのように対地電圧が150Vを超える回路です。
Q. 絶縁抵抗の測定が難しいときは、どうしますか?
A. 使用電圧が加わった状態で、漏えい電流が1mA以下であることを確かめる方法があります(電技解釈第14条)。
まとめ|電圧の区分で3段階、根拠は1mA
結論です。絶縁抵抗の基準値は使用電圧と対地電圧の区分で3段階に分かれ、0.1・0.2・0.4MΩ以上と決まっています。この数値は「1か所で1mAが漏れても保安上問題ない」という条件から逆算されたもので、いずれも最低値です。下回ったときは原因を探る段階に入ります。
| 電路の使用電圧の区分 | 絶縁抵抗値 |
| 300V以下(対地電圧150V以下) | 0.1MΩ以上 |
| 300V以下(対地電圧150V超) | 0.2MΩ以上 |
| 300V超 | 0.4MΩ以上 |
測定について
- 絶縁抵抗計(メガー)で測定する
- 測定が困難な場合は、漏えい電流1mA以下でも可
- 分電盤・回路ごとに区切って測定すると、原因の切り分けがしやすい
毎年 同じ回路を測る。
安定 なら様子見。
下がり始め 劣化のサイン。
対処 基準割れの前に。
ここに注意!「基準値をクリアしていれば、それで安心」ではありません。
基準値は最低値です。前回の点検より大きく下がっていれば、まだ基準以上でも劣化のサインとして原因を調べます。
絶縁抵抗の基準値は3つしかありませんが、区分の物差しが2つある点が見落とされがちです。150Vの境目は対地電圧、300Vの境目は使用電圧で、そこに0.1・0.2・0.4という段差があります。この対応だけ正確に覚えておけば、現場でも試験でも迷いません。

ペン太
測定して基準を満たしていたら、次は何をすれば?

ハリタ
基準は最低限なので値の推移を記録しましょう。下がり始めたら劣化のサインです。
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