竣工検査や定期点検でおなじみの「絶縁抵抗測定」。メガー(絶縁抵抗計)を当てて「0.1MΩ以上あればOK」と覚えている方は多いと思います。
でも、「なぜ0.1MΩなの?」「0.2や0.4はどんなとき?」と聞かれると、意外と説明に詰まる——そんな数字です。実はこの基準値、ちゃんと根拠のある決め方がされています。まずは下の図で考え方をつかみましょう。

🦔 はりた:「電気が“漏れていないか”を見る数字だよ。抵抗が大きいほど漏れにくい、つまり安全ってことなんだ」
🐧 見習いペン太:「だから“抵抗値が大きいほどOK”なんですね」
基準値は電圧区分で3段階です。
- 300V以下・対地電圧150V以下 → 0.1MΩ以上
- 300V以下・対地電圧150V超過 → 0.2MΩ以上
- 300V超過 → 0.4MΩ以上
電圧が高いほど、求められる絶縁抵抗値も大きくなる
1. そもそも、なぜ絶縁が必要なのか
電気は、電気抵抗の低い導体(銅など)を使って送られます。そのままだと電気が導体以外へ漏れてしまうため、抵抗の高い絶縁物で覆って漏れを防ぎます。
電線だけでなく、スイッチやコンセントなどの配線器具からも電気が漏れないようにする必要があります。内線規程でも、電路は大地から絶縁することが原則とされています(保安上の接地点など一部は除外)。
2. 基準値の根拠は「1mAの漏れ」
では、なぜ100V回路で0.1MΩなのでしょうか。考え方はこうです。電路の1か所に絶縁低下が起き、1mA(0.001A)が大地に漏れても保安上問題ない——この条件から必要な抵抗値を逆算しています。
オームの法則 R = V ÷ I に当てはめると、100V回路では次のようになります。
3. 絶縁抵抗値の早見表(電気設備技術基準)
| 電路の使用電圧の区分 | 絶縁抵抗値 |
|---|---|
| 300V以下・対地電圧150V以下 | 0.1MΩ以上 |
| 300V以下・対地電圧150V超過 | 0.2MΩ以上 |
| 300V超過 | 0.4MΩ以上 |
🦔 はりた:「そこは“対地電圧”で見るのがコツだよ。100/200Vの単3は対地150V以下だから0.1、三相200Vは対地が高いから0.2、って整理すると迷わないよ」
🐧 見習いペン太:「線間じゃなくて対地で見る、ですね!」
よくある質問(FAQ)
Q. 絶縁抵抗値はなぜ0.1MΩなのですか?
A. 電路の1か所で絶縁が低下し1mA(0.001A)が大地に漏れても保安上問題ない、という条件から逆算しています。100V回路ではR=V÷I=100÷0.001=0.1MΩとなり、これが基準値の根拠です。
Q. 0.1・0.2・0.4MΩはどう使い分けますか?
A. 電路の使用電圧の区分で決まります。300V以下かつ対地電圧150V以下は0.1MΩ以上、300V以下で対地電圧150V超過は0.2MΩ以上、300V超過は0.4MΩ以上です。
Q. 判断は線間電圧と対地電圧のどちらで見ますか?
A. 区分は対地電圧で判断します。単相3線式100/200Vは対地電圧150V以下なので0.1MΩ、三相200Vは対地電圧が高いため0.2MΩ、というように見分けます。
Q. 絶縁抵抗は何で測定しますか?
A. 絶縁抵抗計(メガー)を用いて測定します。電路と大地(または電路相互)の間の抵抗値を測り、区分ごとの基準値以上であることを確認します。
まとめ

- 絶縁抵抗は「電気が漏れていないか」を見る数字。大きいほど安全。
- 基準値は「1mA漏れても保安上問題ない」から逆算(100V→0.1MΩ)。
- 区分は 300V以下/対地150V以下→0.1、対地150V超過→0.2、300V超過→0.4MΩ。
- 判断は線間電圧ではなく対地電圧で。
数字の丸暗記ではなく「1mAから逆算」「対地電圧で区分」の2点を押さえておけば、現場でも自信を持って判定できます。







