内線規程の解釈と解説【033】|低圧配線方法に関する共通事項
出典:電気設備の技術基準の解釈 第144条・
低圧配線方法の共通事項は、どの配線方法でも守るべき土台のルールです。押さえるポイントは 「工事の選び方/電線の太さと許容電流/接近するとき」 の3つです。
ペン太
ハリタ| 共通事項 | 決まり(根拠) |
|---|---|
| 工事の選び方 | 施設場所・乾燥か湿気水気か・300V以下か超かで、156-1表の○の工事(解釈第156条) |
| 電線の太さ | 直径1.6mmの軟銅線と同等以上、MIケーブルは1mm²以上(解釈第146条第1項) |
| 許容電流 | 146-1表・146-2表の値×許容電流補正係数×電流減少係数(第146条第2項) |
| 接近・交差 | 弱電流電線・水管などと接触しない。同じ管に弱電流電線を入れない(解釈第167条) |
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ハリタこの記事で押さえる3つのこと
- 工事は、施設場所と電圧で、解釈第156条の表から選ぶ。管とケーブルの工事はどこでも使える。
- 電線は直径1.6mm軟銅線以上。許容電流は、表の値×補正係数×電流減少係数。
- 弱電流電線・水管とは接触しないように。弱電流電線と同じ管には原則入れない。
① 工事の選び方
- 低圧屋内配線の工事は、施設場所と使用電圧で選ぶ(解釈第156条)
- 表は156-1表の1つで、展開した場所・点検できる隠ぺい場所・点検できない隠ぺい場所、乾燥か湿気水気か、300V以下か超かの行ごとに○の工事を使う
- 合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・ケーブルの工事は、どの行でも使える
- ショウウィンドー・ショウケース内の配線(第172条第1項)や、第175〜178条の場所に施設するものは、この表によらない
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ハリタ| 表の行を決めるもの | 区分 |
|---|---|
| 施設場所 | 展開した場所/点検できる隠ぺい場所/点検できない隠ぺい場所 |
| 場所の状態 | 乾燥した場所/湿気の多い場所又は水気のある場所 |
| 使用電圧 | 300V以下/300V超過 |
- 工事は、施設場所と使用電圧で156-1表から選ぶ。
- 表は1つで、300V以下と超は行の違い。
- 管とケーブルの工事は、どの行でも使える。
② 電線の太さと許容電流
- 低圧配線は、直径1.6mmの軟銅線か同等以上の強さと太さのもの、又は断面積1mm²以上のMIケーブル(解釈第146条第1項)
- 300V以下の電光サイン・出退表示灯・制御回路等は、管・線ぴ・ダクトなどの工事で1.2mm以上の軟銅線、過電流遮断装置を設けて0.75mm²以上の多心ケーブルなどが使える
- 許容電流は、146-1表(単線)・146-2表(より線)の値に、許容電流補正係数と、管などに収めるときの電流減少係数を掛ける(第2項)
- 裸電線は原則使わない。例外は解釈第144条(がいし引きの電気炉用電線など、バスダクト、ライティングダクト、接触電線、特別低電圧照明回路、電気さく)
| 同一管内の電線数 | 電流減少係数 | 1.6mm(27A)の例 |
|---|---|---|
| 3以下 | 0.70 | 約19A |
| 4 | 0.63 | 約17A |
| 5又は6 | 0.56 | 約15A |
| 7以上15以下 | 0.49 | 約13A |
600Vビニル絶縁電線(耐熱でないもの)、周囲温度30℃(補正係数1.00)の場合。146-4表の値で計算。
- 電線は直径1.6mmの軟銅線以上、MIケーブルは1mm²以上。
- 許容電流は、表の値×補正係数×電流減少係数。
- 裸電線は原則使わない。例外は解釈第144条。
③ 弱電流電線・水管と接近するとき
- がいし引き工事の低圧配線は、弱電流電線や水管・ガス管などと10cm(裸電線は30cm)以上離す。300V以下なら、隔壁や絶縁管による方法も(解釈第167条第1項)
- 管・ダクト・ケーブルなどの工事は、弱電流電線や水管などと接触しないように施設する(第2項)
- 低圧配線の電線と弱電流電線は、同じ管・線ぴ・ダクトやボックスの中に施設しない(第3項)
- 例外は、隔壁を設けて金属製部分にC種接地工事を施す場合、絶縁電線と同等以上の絶縁効力があり識別が容易な制御用の弱電流電線、C種接地した遮へい層をもつ通信用ケーブルなど
| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| 300V以下と超で別の表を見る | 156-1表は1つ。300V以下と超は行の違い |
| 1.6mmは300V以下の決まり | 低圧配線全体の決まり。300V以下の制御回路等に例外 |
| 1.6mm以上なら電流はいくらでもよい | 許容電流=表の値×補正係数×電流減少係数 |
| 裸電線の例外は高温の場所など | 電気炉用電線・腐食・立入り制限、バスダクトなど(第144条) |
| 管の工事なら水管に触れてもよい | 弱電流電線・水管などと接触しないように |
| 弱電流電線も同じ管に入れてよい | 原則入れない。隔壁+C種接地などは例外 |
- がいし引きは、弱電流電線・水管などと10cm以上。
- 管・ケーブルなどの工事は、接触しないように。
- 低圧配線と弱電流電線は、同じ管・ボックスに入れない。
- 例外は、隔壁+C種接地、制御用の弱電流電線など。
よくある質問(FAQ)
Q. 配線方法はどうやって選ぶの?
A. 施設場所と使用電圧で選びます。解釈第156条の表(156-1表)で、展開した場所・点検できる隠ぺい場所・点検できない隠ぺい場所、乾燥か湿気水気か、300V以下か超かの行ごとに、使える工事が決まっています。合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・ケーブルの工事は、どの行でも使えます。
Q. 配線に使う電線の太さの目安は?
A. 低圧配線は、直径1.6mmの軟銅線か同等以上の強さと太さのもの、又は断面積1mm²以上のMIケーブルです(解釈第146条第1項)。300V以下の電光サインや制御回路等には、条件つきで1.2mmの軟銅線などを使える例外があります。
Q. 施工時に注意することは?
A. 弱電流電線や水管・ガス管などと接近・交差するときは、解釈第167条によります。がいし引き工事なら10cm(裸電線は30cm)以上離し、管・ダクト・ケーブルなどの工事なら接触しないように施設します。低圧配線の電線と弱電流電線は、原則として同じ管やボックスに入れません。
Q. 許容電流はどうやって求める?
A. 146-1表・146-2表の値に、周囲温度による許容電流補正係数と、管などに収めるときの電流減少係数を掛けます(解釈第146条第2項)。たとえば600Vビニル絶縁電線1.6mmを管に3本収める場合、30℃なら27×1.00×0.70で約19Aです。
まとめ|方法・電線・施工の3つが共通の土台
低圧配線の共通事項は、場所と電圧から工事を選び、1.6mm以上で許容電流を満たす電線を使い、弱電流電線や水管と接触しないように施工するという流れで整理できます。
| 確認する項目 | 決まり(根拠) |
|---|---|
| 工事の選び方 | 施設場所・乾燥か湿気水気か・300V以下か超かで、156-1表から(解釈第156条) |
| どこでも使える工事 | 合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・ケーブル |
| 表によらないもの | ショウウィンドー等(第172条第1項)、第175〜178条の場所 |
| 電線の太さ | 直径1.6mmの軟銅線と同等以上、MIケーブル1mm²以上(第146条第1項) |
| 細い電線の例外 | 300V以下の電光サイン・制御回路等(1.2mm、0.75mm²など) |
| 許容電流 | 表の値×許容電流補正係数×電流減少係数(第146条第2項) |
| 裸電線 | 原則使わない。例外は第144条 |
| がいし引きの接近 | 弱電流電線・水管などと10cm(裸電線30cm)以上(第167条第1項) |
| 管・ケーブル等の接近 | 接触しないように(第167条第2項) |
| 同じ管 | 低圧配線と弱電流電線は原則入れない(第167条第3項) |
方法を選ぶときに押さえること
- 施設場所と使用電圧の組合せ。
- 156-1表のどの行にあたるか。
- 表によらない場所・配線ではないか。
電線を選ぶときに押さえること
- 裸電線の原則と例外。
- 許容電流(補正係数・電流減少係数)。
- 1.6mm以上と、制御回路等の例外。
接近するときに押さえること
- がいし引きの離隔(10cm・裸電線30cm)。
- 管・ケーブルなどは接触しないように。
- 弱電流電線と同じ管に入れていないか。
ここで扱っているのは、どの配線方法を選んでも共通してかかるルールです。個別の工法の記事を読む前にこの3点を押さえておくと、条文どうしの関係がつかみやすくなります。
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