技術図書館フロアダクトは乾いた床の中だけに埋める床スラブに埋め込むのであとから容量は増やせない。電圧と場所、そして収容率を先に決めておくこの資料をスライドで見る資料一覧を見る
この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【040】フロアダクト配線
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

フロアダクト配線は、床に埋め込んだダクトに電線を通す方法で、オフィスや店舗の床下配線に使われます。床への埋込み専用という点が特徴です。要点を3つに整理します。

フロアダクト配線の3つのポイントの図解
結論
絶縁電線で3.2mm(アルミ4.0mm)超はより線、接続はジャンクションボックス内。②使用電圧300V以下で、屋内の乾燥したコンクリート床内の埋込み限定。③ダクトは安全法適合品(または厚さ2mm以上の鋼板製)、電線は内断面積の32%以下
この記事でわかること
✔ 1. 使用電線と接続
✔ 2. 使用電圧と施設場所
✔ 3. ダクトの選定と施工
ペン太ペン太
フロアダクトって便利そうですね。壁や天井にも使えるんですか?
ハリタハリタ
床専用です。屋内の乾燥したコンクリート床への埋込みに限られ、壁や天井には使えません。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 電線の接続は、どこで行いますか。
  • 使用電圧の上限は何V以下ですか。
  • 電線の断面積の総和は、ダクト内断面積の何%以下ですか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、フロアダクト配線のルールを4つの視点で整理します。

1. 使用電線と接続

トピック1:使用電線と接続
  • 絶縁電線を使用する
  • 直径3.2mm(アルミ線は4.0mm)を超えるものはより線とする
  • 電線の接続はジャンクションボックス内で行う
  • 引出し口の使用を廃止した場合は、そこへ至る電線を撤去するのが望ましい
ペン太ペン太
使用電圧の制限はあるんですか?400Vの動力回路も通したいんですけど。
ハリタハリタ
300V以下に限定されます。300Vを超える回路は別の配線方法を検討してください。
電線の直径扱い
直径3.2mm以下(アルミ線は4.0mm以下)単線でよい
直径3.2mmを超える(アルミ線は4.0mmを超える)より線とする
ここまでのポイント
  • 絶縁電線を使用する。
  • 直径3.2mm(アルミ線は4.0mm)を超えるものはより線とする。
  • 電線の接続はジャンクションボックス内で行う。
  • 引出し口の使用を廃止した場合は、そこへ至る電線を撤去するのが望ましい。

2. 使用電圧と施設場所

トピック2:使用電圧と施設場所
  • 使用電圧は300V以下
  • 施設できるのは屋内の乾燥したコンクリートまたはシンダーコンクリートの床内の埋込みに限る
たとえ話
フロアダクトは、床のコンクリートに最初から埋め込んでおく「電線の地下通路」。後から増設しにくい代わりに、足元をすっきりさせられます。だから乾いた床の中だけというわけです。
見習いペン太
見習いペン太
壁や天井には使えないんですね。
はりた
はりた
そう、床のコンクリート埋込み専用。接続は必ずジャンクションボックスの中でね。
ここまでのポイント
  • 使用電圧は300V以下。
  • 施設できるのは、屋内の乾燥したコンクリートまたはシンダーコンクリートの床内の埋込みに限る。

3. ダクトの選定と施工

トピック3:ダクトの選定と施工
  • 電気用品安全法の適用を受ける金属製ダクト、または厚さ2mm以上の鋼板で堅ろうに製作し亜鉛めっき・エナメル等を施したものとする(幅100mm以下が安全法の対象)
  • 端口は電線の被覆を傷めないようなめらかにする
  • 電線の断面積の総和がダクト内断面積の32%以下となるよう大きさを選ぶ
  • ダクト相互・ボックス・引出し口は堅ろうかつ電気的に完全に接続し、水が溜まらないように施設する
取り違えやすいところ正しくは
ダクト内で電線を接続してよい電線の接続はジャンクションボックス内で行う
使わなくなった引出し口はそのままでよい引出し口の使用を廃止した場合は、そこへ至る電線を撤去するのが望ましい
400Vの動力回路も通せる使用電圧は300V以下
湿気のある床でも埋め込める屋内の乾燥したコンクリートまたはシンダーコンクリートの床内の埋込みに限る
市販の金属製ダクトなら何でもよい電気用品安全法の適用を受ける金属製ダクト、または厚さ2mm以上の鋼板で堅ろうに製作し亜鉛めっき・エナメル等を施したもの(幅100mm以下が安全法の対象)
収容率は他のダクトと同じ20%フロアダクトは断面積の総和が内断面積の32%以下
ここまでのポイント
  • 電気用品安全法の適用を受ける金属製ダクト、または厚さ2mm以上の鋼板で堅ろうに製作し亜鉛めっき・エナメル等を施したものとする(幅100mm以下が安全法の対象)。
  • 端口は電線の被覆を傷めないようなめらかにする。
  • 電線の断面積の総和がダクト内断面積の32%以下となるよう大きさを選ぶ。
  • ダクト相互・ボックス・引出し口は堅ろうかつ電気的に完全に接続し、水が溜まらないように施設する。

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問(FAQ)
Q. フロアダクト配線に使える電線は?
A. 絶縁電線です。直径3.2mm(アルミは4.0mm)を超えるものはより線とします。
Q. 電線の接続はどこで行う?
A. ジャンクションボックス内で行います。
Q. 使用電圧の上限は?
A. 300V以下です。
Q. どこに施設できる?
A. 屋内の乾燥したコンクリートまたはシンダーコンクリートの床内の埋込みに限ります。
Q. ダクトに収められる電線量は?
A. 電線の被覆を含む断面積の総和が、ダクト内断面積の32%以下となるように選定します。

まとめ|床に埋める前に電圧・容量・接続点を確定する

フロアダクト配線は、使用電圧300V以下、乾燥した床内の埋込みに限り、電線は内断面積の32%以下に収めることが基本です。

確認する項目規程が示す内容
使用する電線絶縁電線
より線とする太さ直径3.2mm(アルミ線は4.0mm)を超えるもの
電線の接続場所ジャンクションボックス内
引出し口を廃止した場合そこへ至る電線を撤去するのが望ましい
使用電圧300V以下
施設できる場所屋内の乾燥したコンクリートまたはシンダーコンクリートの床内の埋込み
ダクトの選定電気用品安全法の適用を受ける金属製ダクト、または厚さ2mm以上の鋼板で堅ろうに製作し亜鉛めっき・エナメル等を施したもの
安全法の対象幅100mm以下のもの
端口電線の被覆を傷めないようなめらかに
電線の収容率ダクト内断面積の32%以下
ダクト相互・ボックス・引出し口堅ろうかつ電気的に完全に接続
防水水が溜まらないように施設

電線と接続で押さえること

  • 絶縁電線であること。
  • より線とする太さの境目。
  • 接続をジャンクションボックス内で行っているか。

電圧と場所で押さえること

  • 使用電圧300V以下。
  • 乾燥したコンクリート床内の埋込みか。

ダクトで押さえること

  • 安全法適合品か、鋼板厚2mm以上の製作品か。
  • 端口の仕上げ。
  • 収容率32%以下と、相互の接続・防水。

フロアダクトは床スラブに埋め込まれるため、あとから容量を増やすことができません。収容率32%という数字は将来の増設余地そのものなので、什器レイアウトが固まる前の段階でどこまで見込むかを決めておくと安心です。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
ダクトのサイズ選定は、次にどう進めればいいですか?
ハリタハリタ
電線断面積の総和をダクト内断面積の32%以下に収めます。厚さ2mm以上の鋼板製など適合品を選びましょう。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。