出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

高層建築物や鉄塔の頂部で点滅している赤いライト、それが航空障害灯です。航空機の安全のために欠かせない設備で、内線規程ではその電気工事について配線・離隔・点滅装置の施設方法が細かく定められています。この記事では、航空障害灯を施設するときに押さえておきたいルールを整理して解説します。

航空障害灯の電気工事における3つのポイント(専用回路・避雷針と1.5m離隔・点滅装置の設置)を整理した図解
結論
航空障害灯への電源は専用の分岐回路とし、建造物外面の配線は避雷針の接地線と1.5m以上離隔します。屋外の点滅装置は堅ろうな金属製防水箱に収め、鉄塔などでは地上3m以上5m以下に取り付けるのが基本です。

① 分岐回路と配線のルール

  • 航空障害灯に電気を供給する回路は、専用の分岐回路とする必要があります。
  • 建造物外面の配線は、金属管配線・合成樹脂管配線又はケーブル配線により施設します。
  • ケーブルは損傷するおそれがないように施設します。
  • 配線は避雷針の接地線との間を1.5m以上離します。離隔できない場合は金属管配線とします。
  • 配線は灯器内に直接導入するか、灯器外で灯器のリード線と接続します。

② 灯器と点滅装置のルール

  • 灯器は使用中に緩むことがないよう堅固に取り付けます。
  • 灯器は国土交通省航空局が定める仕様書に適合するものを使用します。
  • 屋外の点滅装置は堅ろうな金属製防水箱内に収め、鉄塔などでは地上3m以上5m以下に取り付けます(施錠等で取扱者以外が操作できない場合を除く)。
  • 屋内の点滅装置は堅ろうな金属製外箱内に収め、施錠等で取扱者以外が容易に操作できないように施設します。

③ 送電線鉄塔への施設ルール

  • 航空障害灯に電気を供給する低圧の電路は、原則として専用回路とします。
  • 例外として、専用の絶縁変圧器を使用し、その負荷側の1端子又は中性点にA種接地工事を施す等の条件を満たせば、他の低圧電路を接続できます。
たとえ話
航空障害灯の電源は、いわば「非常用の専用コンセント」のようなものです。他の機器と共用すると、その機器のトラブルで肝心のライトまで消えてしまうおそれがあります。だからこそ専用回路にして、独立して確実に点灯し続けられるようにしているのです。
見習いペン太
見習いペン太
先輩、なんで航空障害灯はわざわざ専用回路にしないといけないんですか?
はりた
はりた
航空機の安全に直結する設備だからだよ。他の負荷と共用していると、その負荷の故障で障害灯まで消える危険がある。だから独立した専用回路にして、確実に点灯させるんだ。
見習いペン太
見習いペン太
なるほど。避雷針の接地線と1.5m離すのも安全のためですか?
はりた
はりた
その通り。落雷時に接地線へ大電流が流れるから、近すぎると配線に悪影響が出る。だから1.5m以上離す、離せないときは金属管で守るんだよ。

よくある質問(FAQ)

Q. 航空障害灯の電源は専用回路にしないといけませんか?
A. はい。航空障害灯に電気を供給する回路は専用の分岐回路とする必要があります。送電線鉄塔へ施設する低圧電路も原則として専用回路です。
Q. 配線と避雷針の接地線はどのくらい離せばよいですか?
A. 建造物外面の配線は避雷針の接地線との間を1.5m以上離す必要があります。1.5m以上離隔できない場合は金属管配線により施設します。
Q. 屋外の点滅装置はどこに取り付けますか?
A. 堅ろうな金属製防水箱内に収め、鉄塔その他の塔柱に施設する場合は地上3m以上5m以下に取り付けます。ただし施錠等で取扱者以外が容易に操作できないようにした場合はこの限りではありません。