この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
金属ダクト配線の要点を整理。絶縁電線でダクト内に接続点を設けず、屋内の乾燥した露出・点検できる隠ぺい場所限定、幅5cm超厚さ1.2mm以上の鉄板で電線は内断面積20%以下、支持3m以下ごと、接地は300V以下D種300V超C種などを図解とFAQで解説します。
技術図書館金属ダクト配線|収容率・支持間隔・接地の3つが軸収容率は断面積の20%以下、支持は3m以下ごと、接地は300V以下D種/300V超C種。仕様と施工の要点まで全6枚のスライドで整理この資料をスライドで見る資料一覧を見る
全体像:内線規程【042】金属ダクト配線
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

金属ダクト配線は、金属製の角形ダクトに多数の電線をまとめて通す方法で、工場や倉庫などの屋内配線に使われます。多くの電線を収めるための仕様・接地のルールが重要です。要点を3つに整理します。

金属ダクト配線の3つのポイントの図解
結論
絶縁電線を使い、ダクト内に接続点を設けない(分岐で点検容易なら可)。屋内の乾燥した露出・点検できる隠ぺい場所限定。②幅5cm超・厚さ1.2mm以上の鉄板、電線は内断面積の20%以下。③支持は3m以下ごと、接地は300V以下D種/300V超C種。
この記事でわかること
✔ 1. 使用電線・接続点・施設場所
✔ 2. ダクトの仕様と大きさ
✔ 3. 支持・接地・施工
ペン太ペン太
金属ダクトなら太いから、電線をぎゅうぎゅうに詰め込めますよね?
ハリタハリタ
詰め込みは危険です。熱がこもるので、電線は内断面積の20%以下に収めるのがルールです。

この3つ、すぐ答えられますか

  • ダクトに収められる電線の断面積の総和は、内断面積の何%以下ですか。
  • 支持の間隔は、原則として何m以下ですか。
  • 使用電圧が300Vを超える場合、接地工事の種類は何ですか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、金属ダクト配線のルールを4つの視点で整理します。

1. 使用電線・接続点・施設場所

トピック1:使用電線・接続点・施設場所
  • 絶縁電線を使用する
  • ダクト内には電線の接続点を設けない(電線を分岐し接続点を容易に点検できる場合は可)
  • 施設できるのは屋内の乾燥した①露出場所②点検できる隠ぺい場所に限る(床・壁の貫通は可)
  • 接続端子の設置・照明器具の直付け・放電灯安定器の収納など、被覆を傷めるおそれのあるものは施設不可
ペン太ペン太
ダクト自体の仕様って、市販の箱なら何でもいいんですか?
ハリタハリタ
幅5cm超、厚さ1.2mm以上の鉄板製が基準です。電線は30本以下が望ましいとされています。
ここまでのポイント
  • 絶縁電線を使用する。
  • ダクト内には電線の接続点を設けない(電線を分岐し接続点を容易に点検できる場合は可)。
  • 施設できるのは屋内の乾燥した露出場所、または点検できる隠ぺい場所に限る(床・壁の貫通は可)。
  • 接続端子の設置・照明器具の直付け・放電灯用安定器の収納など、被覆を傷めるおそれのあるものは施設不可。

2. ダクトの仕様と大きさ

トピック2:ダクトの仕様と大きさ
  • 幅が5cmを超え、厚さ1.2mm以上の鉄板(または同等以上の強さの金属)で堅ろうに製作したもの
  • 内面は突起がなく、内外面にさび止めのめっき・塗装を施す
  • 電線の断面積の総和がダクト内断面積の20%以下(電光サイン・出退表示灯・制御回路等のみは50%以下)
  • 同一ダクト内の電線は30本以下が望ましい(多数収めると温度上昇に注意)
たとえ話
金属ダクトは「電線専用の太いトンネル」。たくさんの電線をまとめて通せますが、ぎゅう詰めにすると熱がこもります。だから断面積の20%以下・30本以下という目安があるわけです。
見習いペン太
見習いペン太
たくさん入るからって詰め込みすぎはダメなんですね。
はりた
はりた
そう、熱がこもって許容温度を超えるからね。余裕をもって入れるのが鉄則だよ。
収める回路電線の断面積の総和
一般ダクト内断面積の20%以下
電光サイン・出退表示灯・制御回路等のみダクト内断面積の50%以下
ここまでのポイント
  • 幅が5cmを超え、厚さ1.2mm以上の鉄板(または同等以上の強さの金属)で堅ろうに製作したもの。
  • 内面は突起がなく、内外面にさび止めのめっき・塗装を施す。
  • 電線の断面積の総和がダクト内断面積の20%以下(電光サイン・出退表示灯・制御回路等のみは50%以下)。
  • 同一ダクト内の電線は30本以下が望ましい(多数収めると温度上昇に注意)。

3. 支持・接地・施工

トピック3:支持・接地・施工
  • 支持は3m以下ごと(取扱者以外が出入りできない場所で垂直に取り付ける場合は6m以下ごと)に堅固に行う
  • ふたは容易に外れず、重量物の圧力で著しく変形しないようにする。終端部は閉そくし、水が溜まらないよう施設する
  • 接地:使用電圧300V以下はD種300V超はC種(接触防護措置を施す場合はD種でもよい)
  • 強電流回路と弱電流電線を同一ダクトに収める場合は隔壁を施設しC種接地(または遮へい層付き通信ケーブル+C種接地)
金属ダクト配線の占積率と支持間隔を示した図
金属ダクトに収める電線の断面積の総和はダクト内断面積の20%以下(電光サイン・出退表示灯・制御回路等のみの場合は50%以下)。支持点間隔は原則3m以下、垂直に取り付けて取扱者以外が出入りできない場所では6m以下。接地は300V以下でD種、300V超でC種。
条件支持間隔・接地工事
支持(原則)3m以下ごと
取扱者以外が出入りできない場所で垂直に取り付ける場合6m以下ごと
使用電圧300V以下D種接地工事
使用電圧300V超C種接地工事(接触防護措置を施す場合はD種でもよい)
強電流回路と弱電流電線を同一ダクトに収める場合隔壁を施設しC種接地(または遮へい層付き通信ケーブル+C種接地)
ここまでのポイント
  • 支持は3m以下ごと(取扱者以外が出入りできない場所で垂直に取り付ける場合は6m以下ごと)に堅固に行う。
  • ふたは容易に外れず、重量物の圧力で著しく変形しないようにする。
  • 終端部は閉そくし、水が溜まらないよう施設する。
  • 接地は使用電圧300V以下でD種、300V超でC種(接触防護措置を施す場合はD種でもよい)。
  • 強電流回路と弱電流電線を同一ダクトに収める場合は隔壁を施設しC種接地(または遮へい層付き通信ケーブル+C種接地)。

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問(FAQ)
Q. 金属ダクト配線に使える電線は?
A. 絶縁電線です。
Q. ダクト内で電線を接続できる?
A. 原則できません。ただし電線を分岐し、その接続点を容易に点検できる場合は設けられます。
Q. どこに施設できる?
A. 屋内の乾燥した露出場所、または点検できる隠ぺい場所に限ります。床・壁の貫通はできます。
Q. ダクトに収められる電線量は?
A. 断面積の総和が内断面積の20%以下です(電光サイン・制御回路等のみなら50%以下)。電線は30本以下が望ましいとされています。
Q. 接地はどうする?
A. 使用電圧300V以下はD種接地工事、300V超はC種接地工事です(接触防護措置を施せばD種でも可)。強電流回路と弱電流電線を同一ダクトに収める場合は隔壁を設けてC種接地とします。

まとめ|収容率・支持間隔・接地の3つが軸

金属ダクト配線は、電線を内断面積の20%以下に抑え、3m以下ごとに支持し、使用電圧で接地の種類を分けることが基本です。

確認する項目規程が示す内容
使用する電線絶縁電線
ダクト内の接続点設けない(電線を分岐し接続点を容易に点検できる場合は可)
施設できる場所屋内の乾燥した露出場所、点検できる隠ぺい場所(床・壁の貫通は可)
施設できないもの接続端子の設置、照明器具の直付け、放電灯用安定器の収納など被覆を傷めるおそれのあるもの
ダクトの材質・寸法幅5cm超、厚さ1.2mm以上の鉄板(または同等以上の強さの金属)で堅ろうに製作
内面・表面の仕上げ内面は突起なし、内外面にさび止めのめっき・塗装
電線の収容率(一般)ダクト内断面積の20%以下
電線の収容率(電光サイン等のみ)ダクト内断面積の50%以下
同一ダクト内の電線本数30本以下が望ましい
支持間隔(原則)3m以下ごと
支持間隔(垂直・取扱者以外が出入りできない場所)6m以下ごと
ふた容易に外れず、重量物の圧力で著しく変形しない
終端部閉そくし、水が溜まらないよう施設
接地(300V以下)D種接地工事
接地(300V超)C種接地工事(接触防護措置を施す場合はD種でもよい)
強電流回路と弱電流電線の同居隔壁を施設しC種接地(または遮へい層付き通信ケーブル+C種接地)

計画で押さえること

  • 施設場所が乾燥した露出場所か、点検できる隠ぺい場所か。
  • ダクト内に置けないものを入れていないか。
  • 収容率20%(または50%)に収まる断面か。

ダクトの選定で押さえること

  • 幅と板厚、材質の要件。
  • 内面の突起とさび止めの処理。
  • 電線本数と温度上昇。

据付けと接地で押さえること

  • 支持間隔(原則3m、条件付き6m)。
  • ふたと終端部の処理。
  • 使用電圧に応じた接地の種類と、弱電流電線と同居する場合の隔壁。

金属ダクトは幹線のルートを一手に引き受けるぶん、あとから回路を追加したくなる場所でもあります。収容率20%という数字は将来の増設余地そのものなので、計画時にどれだけ余裕を見ておくかが後々効いてきます。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
施工段階では、次に何をチェックすればいいですか?
ハリタハリタ
支持は3m以下ごと、接地は300V以下でD種、300V超はC種です。ここを図面に明記しておきましょう。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。