この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【051】MIケーブル
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

MIケーブルは金属製の外装の中に絶縁材で覆った導体を収めたケーブルで、耐熱性・耐火性・耐薬品性にすぐれ、高温環境や危険物を扱う場所で使われます。ここでは内線規程が定める施設・防護、支持・屈曲、端末処理、接地のルールを整理します。

MIケーブル配線の3つのポイント(施設・防護、支持・屈曲、端末・接地)を示した図解

先に結論だけ言うと

  • 重量物の圧力や機械的衝撃を受ける場所には防護装置を設ける(コンクリート打込み工事は機械的衝撃に含まない)。
  • 屈曲部内側の半径はケーブル外装の6倍以上。支持は3165-2に準じる。
  • 切断後はすみやかに端末処理を行い、接地は3165-8の規定に準じて施す。
この記事でわかること
✔ 施設方法と防護
✔ 支持・屈曲・端末処理
✔ 接地
ペン太ペン太
MIケーブルをコンクリートに打ち込むなら、防護装置が要りますよね?
ハリタハリタ
実はコンクリート打込み工事は機械的衝撃に含まれません。防護が要るのは重量物の圧力などを受ける場所です。

この3つ、すぐ答えられますか

  • MIケーブルの屈曲部の内側の半径は、外装の何倍以上必要ですか。
  • 端末処理をすぐに行えないとき、切り口はどう処理しますか。
  • ここでいう「機械的衝撃」に、コンクリート打込み工事は含まれますか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、MIケーブルの施設ルールを4つの視点で整理します。

施設方法と防護

トピック1:施設方法と防護
  • 重量物の圧力や機械的衝撃を受ける場所には、適切な防護装置を設ける必要があります。
  • 機械的衝撃とは硬くて鋭いものが当たる場合を指し、コンクリート打込み工事は含まれません
  • コンクリートに直接埋設する場合は3175-2(施設方法)に準じ、ボックスを使う場合は3175-1(ケーブル又はボックスの選定)2項に規定するボックスを使用します。
ペン太ペン太
曲げるときの半径は、普通のケーブルと同じ感覚でいいと思ってました…
ハリタハリタ
MIケーブルは屈曲部内側の半径を外装の6倍以上にします。金属外装ならではの制限です。
ここまでのポイント
  • 重量物の圧力や機械的衝撃を受ける場所には、適切な防護装置を設ける。
  • 機械的衝撃とは硬くて鋭いものが当たる場合を指し、コンクリート打込み工事は含まれない。
  • コンクリートに直接埋設する場合は3175-2(施設方法)に準じる。
  • ボックスを使う場合は3175-1(ケーブル又はボックスの選定)2項に規定するボックスを使用する。

支持・屈曲・端末処理

トピック2:支持・屈曲・端末処理
  • 支持は3165-2(ケーブルの支持)に準じ、コンクリート直接埋設の場合は3175-3に準じます。
  • 屈曲部の内側の半径はケーブル外装の6倍以上とし、金属製外装を損傷しないように曲げます。同じ箇所を繰り返し曲げてシースが硬くなった場合は加熱して焼鈍します。
  • 端末処理は湿気が浸入しないよう金属製外装をはぎ取り、密封と露出導体の絶縁処理を行います。絶縁体は吸湿しやすいため切断後はすみやかに処理します。
  • 端末処理を行わない場合は、切り口に絶縁コンパウンド/アマニ油を塗り、粘着ビニルテープなどで5cm程度封をします。
端末の状態行うこと
端末処理を行う湿気が浸入しないよう金属製外装をはぎ取り、密封と露出導体の絶縁処理を行う(切断後はすみやかに)
端末処理を行わない切り口に絶縁コンパウンド又はアマニ油を塗り、粘着ビニルテープなどで5cm程度封をする
同じ箇所を繰り返し曲げてシースが硬くなった加熱して焼鈍する
ここまでのポイント
  • 支持は3165-2(ケーブルの支持)に準じ、コンクリート直接埋設の場合は3175-3に準じる。
  • 屈曲部の内側の半径はケーブル外装の6倍以上とし、金属製外装を損傷しないように曲げる。
  • 同じ箇所を繰り返し曲げてシースが硬くなった場合は、加熱して焼鈍する。
  • 端末処理は湿気が浸入しないよう金属製外装をはぎ取り、密封と露出導体の絶縁処理を行う。
  • 絶縁体は吸湿しやすいため、切断後はすみやかに処理する。
  • 端末処理を行わない場合は、切り口に絶縁コンパウンド/アマニ油を塗り、粘着ビニルテープなどで5cm程度封をする。

接地

トピック3:接地
  • MIケーブルの金属製外装・金属製附属品、ケーブルを収める管その他防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱、ラックなどの金属製部分は、3165-8(接地)の規定に準じて接地工事を施します。

たとえ話でイメージ

MIケーブルの端末処理は、切ったリンゴをそのままにすると酸化して傷むのと同じイメージ。絶縁体は湿気を吸いやすいので、切ったらすぐにフタ(端末処理)をしてあげることが大切です。

見習いペン太
見習いペン太
MIケーブルって、普通のケーブルみたいにグイッと曲げてもいいんですか?
はりた
はりた
金属の外装があるから無理は禁物だよ。曲げるなら内側の半径を外装の6倍以上にして、外装を傷めないようにするんだ。
見習いペン太
見習いペン太
切ったあと、端末処理を後回しにしたらダメですか?
はりた
はりた
それが一番ダメなんだ。絶縁体が湿気を吸ってしまうから、切ったらすぐに処理。すぐできないときは切り口に絶縁コンパウンドを塗って、ビニルテープで5cmほど封をしておくんだよ。
取り違えやすいところ正しくは
コンクリート打込みも機械的衝撃にあたる機械的衝撃とは硬くて鋭いものが当たる場合を指し、コンクリート打込み工事は含まれない
コンクリート直接埋設は一般の施設方法でよい施設は3175-2に準じ、ボックスを使う場合は3175-1の2項に規定するボックスを使用する
支持は一般のケーブルと同じ支持は3165-2に準じ、コンクリート直接埋設の場合は3175-3に準じる
曲げ半径は一般のケーブルと同じ感覚でよい屈曲部の内側の半径はケーブル外装の6倍以上とし、金属製外装を損傷しないように曲げる
端末は後でまとめて処理すればよい絶縁体は吸湿しやすいため、切断後はすみやかに処理する
接地は外装だけでよい外装・金属製附属品のほか、収める管その他防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱、ラックなどの金属製部分も対象
ここまでのポイント
  • MIケーブルの金属製外装・金属製附属品には接地工事を施す。
  • ケーブルを収める管その他防護装置の金属製部分も対象。
  • 金属製の電線接続箱、ラックなどの金属製部分も対象。
  • いずれも3165-8(接地)の規定に準じる。

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問(FAQ)
Q. MIケーブルの屈曲半径はどのくらい必要ですか?
A. 屈曲部の内側の半径はケーブル外装の6倍以上が必要です。金属製外装を損傷しないように曲げてください。
Q. 端末処理がすぐにできないときはどうすればよいですか?
A. 切り口に絶縁コンパウンドやアマニ油を塗り、粘着ビニルテープなどで5cm程度封をして、湿気の浸入を防ぎます。
Q. コンクリートに直接埋設するときの注意点は?
A. 施設は3175-2、支持は3175-3の規定に準じます。ボックスを使う場合は3175-1の2項に規定するボックスを使用します。

まとめ|金属外装ならではの曲げと端末が要点

MIケーブルは、屈曲部の半径を外装の6倍以上とり、切断したらすみやかに端末処理をして湿気を入れないことが、一般のケーブルとの大きな違いです。

確認する項目規程が示す内容
防護装置が必要な場所重量物の圧力や機械的衝撃を受ける場所
機械的衝撃の意味硬くて鋭いものが当たる場合(コンクリート打込み工事は含まない)
コンクリート直接埋設の施設3175-2(施設方法)に準じる
ボックスを使う場合3175-1(ケーブル又はボックスの選定)2項に規定するボックス
支持3165-2(ケーブルの支持)に準じる
コンクリート直接埋設の支持3175-3に準じる
屈曲部の内側の半径ケーブル外装の6倍以上
曲げるときの注意金属製外装を損傷しないように曲げる
繰り返し曲げてシースが硬くなった場合加熱して焼鈍する
端末処理金属製外装をはぎ取り、密封と露出導体の絶縁処理
処理のタイミング絶縁体は吸湿しやすいため、切断後はすみやかに
端末処理を行わない場合切り口に絶縁コンパウンド/アマニ油を塗り、粘着ビニルテープなどで5cm程度封をする
接地の対象金属製外装・金属製附属品、収める管その他防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱、ラックなどの金属製部分
接地の根拠3165-8(接地)の規定に準じる

施設の前に押さえること

  • 圧力や機械的衝撃を受ける場所かどうか。
  • コンクリート直接埋設かどうかと、その場合の準用規定。
  • 使用するボックスの種類。

施工中に押さえること

  • 屈曲部の半径が外装の6倍以上あるか。
  • 金属製外装を傷めていないか。
  • 曲げ直しでシースが硬くなっていないか。

端末と接地で押さえること

  • 切断後すみやかに端末処理をしているか。
  • 処理できない場合の応急措置。
  • 接地の対象となる金属製部分を漏れなく拾えているか。

MIケーブルは無機絶縁物と金属外装という構成上、一般のケーブルとは扱いが変わります。とくに絶縁体が吸湿しやすい点は、施工の段取りそのものに関わります。切る前に端末処理の準備まで整えておくのが確実です。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
端末処理まですぐに手が回らないときはどうすれば?
ハリタハリタ
切断後すみやかに処理が原則です。できない場合はビニルテープで5cm程度封じて湿気を防ぎましょう。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。