内線規程の解釈と解説【051】|MIケーブル
出典:内線規程(JEAC8001-2022)より
MIケーブルは金属製の外装の中に絶縁材で覆った導体を収めたケーブルで、耐熱性・耐火性・耐薬品性にすぐれ、高温環境や危険物を扱う場所で使われます。ここでは内線規程が定める施設・防護、支持・屈曲、端末処理、接地のルールを整理します。

先に結論だけ言うと
- 重量物の圧力や機械的衝撃を受ける場所には防護装置を設ける(コンクリート打込み工事は機械的衝撃に含まない)。
- 屈曲部内側の半径はケーブル外装の6倍以上。支持は3165-2に準じる。
- 切断後はすみやかに端末処理を行い、接地は3165-8の規定に準じて施す。
✔ 施設方法と防護
✔ 支持・屈曲・端末処理
✔ 接地
ペン太
ハリタこの3つ、すぐ答えられますか
- MIケーブルの屈曲部の内側の半径は、外装の何倍以上必要ですか。
- 端末処理をすぐに行えないとき、切り口はどう処理しますか。
- ここでいう「機械的衝撃」に、コンクリート打込み工事は含まれますか。
施設方法と防護
- 重量物の圧力や機械的衝撃を受ける場所には、適切な防護装置を設ける必要があります。
- 機械的衝撃とは硬くて鋭いものが当たる場合を指し、コンクリート打込み工事は含まれません。
- コンクリートに直接埋設する場合は3175-2(施設方法)に準じ、ボックスを使う場合は3175-1(ケーブル又はボックスの選定)2項に規定するボックスを使用します。
ペン太
ハリタ- 重量物の圧力や機械的衝撃を受ける場所には、適切な防護装置を設ける。
- 機械的衝撃とは硬くて鋭いものが当たる場合を指し、コンクリート打込み工事は含まれない。
- コンクリートに直接埋設する場合は3175-2(施設方法)に準じる。
- ボックスを使う場合は3175-1(ケーブル又はボックスの選定)2項に規定するボックスを使用する。
支持・屈曲・端末処理
- 支持は3165-2(ケーブルの支持)に準じ、コンクリート直接埋設の場合は3175-3に準じます。
- 屈曲部の内側の半径はケーブル外装の6倍以上とし、金属製外装を損傷しないように曲げます。同じ箇所を繰り返し曲げてシースが硬くなった場合は加熱して焼鈍します。
- 端末処理は湿気が浸入しないよう金属製外装をはぎ取り、密封と露出導体の絶縁処理を行います。絶縁体は吸湿しやすいため切断後はすみやかに処理します。
- 端末処理を行わない場合は、切り口に絶縁コンパウンド/アマニ油を塗り、粘着ビニルテープなどで5cm程度封をします。
| 端末の状態 | 行うこと |
|---|---|
| 端末処理を行う | 湿気が浸入しないよう金属製外装をはぎ取り、密封と露出導体の絶縁処理を行う(切断後はすみやかに) |
| 端末処理を行わない | 切り口に絶縁コンパウンド又はアマニ油を塗り、粘着ビニルテープなどで5cm程度封をする |
| 同じ箇所を繰り返し曲げてシースが硬くなった | 加熱して焼鈍する |
- 支持は3165-2(ケーブルの支持)に準じ、コンクリート直接埋設の場合は3175-3に準じる。
- 屈曲部の内側の半径はケーブル外装の6倍以上とし、金属製外装を損傷しないように曲げる。
- 同じ箇所を繰り返し曲げてシースが硬くなった場合は、加熱して焼鈍する。
- 端末処理は湿気が浸入しないよう金属製外装をはぎ取り、密封と露出導体の絶縁処理を行う。
- 絶縁体は吸湿しやすいため、切断後はすみやかに処理する。
- 端末処理を行わない場合は、切り口に絶縁コンパウンド/アマニ油を塗り、粘着ビニルテープなどで5cm程度封をする。
接地
- MIケーブルの金属製外装・金属製附属品、ケーブルを収める管その他防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱、ラックなどの金属製部分は、3165-8(接地)の規定に準じて接地工事を施します。
たとえ話でイメージ
MIケーブルの端末処理は、切ったリンゴをそのままにすると酸化して傷むのと同じイメージ。絶縁体は湿気を吸いやすいので、切ったらすぐにフタ(端末処理)をしてあげることが大切です。
| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| コンクリート打込みも機械的衝撃にあたる | 機械的衝撃とは硬くて鋭いものが当たる場合を指し、コンクリート打込み工事は含まれない |
| コンクリート直接埋設は一般の施設方法でよい | 施設は3175-2に準じ、ボックスを使う場合は3175-1の2項に規定するボックスを使用する |
| 支持は一般のケーブルと同じ | 支持は3165-2に準じ、コンクリート直接埋設の場合は3175-3に準じる |
| 曲げ半径は一般のケーブルと同じ感覚でよい | 屈曲部の内側の半径はケーブル外装の6倍以上とし、金属製外装を損傷しないように曲げる |
| 端末は後でまとめて処理すればよい | 絶縁体は吸湿しやすいため、切断後はすみやかに処理する |
| 接地は外装だけでよい | 外装・金属製附属品のほか、収める管その他防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱、ラックなどの金属製部分も対象 |
- MIケーブルの金属製外装・金属製附属品には接地工事を施す。
- ケーブルを収める管その他防護装置の金属製部分も対象。
- 金属製の電線接続箱、ラックなどの金属製部分も対象。
- いずれも3165-8(接地)の規定に準じる。
よくある質問(FAQ)
まとめ|金属外装ならではの曲げと端末が要点
MIケーブルは、屈曲部の半径を外装の6倍以上とり、切断したらすみやかに端末処理をして湿気を入れないことが、一般のケーブルとの大きな違いです。
| 確認する項目 | 規程が示す内容 |
|---|---|
| 防護装置が必要な場所 | 重量物の圧力や機械的衝撃を受ける場所 |
| 機械的衝撃の意味 | 硬くて鋭いものが当たる場合(コンクリート打込み工事は含まない) |
| コンクリート直接埋設の施設 | 3175-2(施設方法)に準じる |
| ボックスを使う場合 | 3175-1(ケーブル又はボックスの選定)2項に規定するボックス |
| 支持 | 3165-2(ケーブルの支持)に準じる |
| コンクリート直接埋設の支持 | 3175-3に準じる |
| 屈曲部の内側の半径 | ケーブル外装の6倍以上 |
| 曲げるときの注意 | 金属製外装を損傷しないように曲げる |
| 繰り返し曲げてシースが硬くなった場合 | 加熱して焼鈍する |
| 端末処理 | 金属製外装をはぎ取り、密封と露出導体の絶縁処理 |
| 処理のタイミング | 絶縁体は吸湿しやすいため、切断後はすみやかに |
| 端末処理を行わない場合 | 切り口に絶縁コンパウンド/アマニ油を塗り、粘着ビニルテープなどで5cm程度封をする |
| 接地の対象 | 金属製外装・金属製附属品、収める管その他防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱、ラックなどの金属製部分 |
| 接地の根拠 | 3165-8(接地)の規定に準じる |
施設の前に押さえること
- 圧力や機械的衝撃を受ける場所かどうか。
- コンクリート直接埋設かどうかと、その場合の準用規定。
- 使用するボックスの種類。
施工中に押さえること
- 屈曲部の半径が外装の6倍以上あるか。
- 金属製外装を傷めていないか。
- 曲げ直しでシースが硬くなっていないか。
端末と接地で押さえること
- 切断後すみやかに端末処理をしているか。
- 処理できない場合の応急措置。
- 接地の対象となる金属製部分を漏れなく拾えているか。
MIケーブルは無機絶縁物と金属外装という構成上、一般のケーブルとは扱いが変わります。とくに絶縁体が吸湿しやすい点は、施工の段取りそのものに関わります。切る前に端末処理の準備まで整えておくのが確実です。
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