技術図書館敷地の入口に立ち、風雨をまともに受ける長さはどれも6.2m以上だが、末口と設計荷重は柱の種類で分かれる。支線は角度30度以上で施設するこの資料をスライドで見る資料一覧を見る
この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)、電気設備の技術基準の解釈 第116条

引込小柱は、引込線を支えるための小型の柱です。押さえるポイントは 「柱の規格/強度・表面処理/支線/支線の省略」 に整理できます。

長さ どの柱も6.2m以上。
末口 木9・RC10・鋼管7.6cm以上。
支線 角度30度以上。
省略 3つの条件がそろったとき。
ペン太ペン太
引込小柱って、ふつうの電柱と何が違うんですか?
ハリタハリタ
引込線を支える小型の柱だよ。長さ6.2m以上で、種類ごとに末口寸法や設計荷重が決まっている。倒れないよう支線を入れるけど、地際をしっかり固めれば省略できる場合もあるんだ。

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ペン太ペン太
引込小柱って、そのへんの丸太を立てておけばいいんじゃないんですか?
ハリタハリタ
規格があります。長さ6.2m以上で、木柱なら末口9cm以上、設計荷重は780Pa以上が必要です。

この記事で押さえる3つのこと

  • 長さはどの柱も6.2m以上。末口は木柱9cm・コンクリート柱10cm・鋼管柱7.6cm以上。
  • 支線は22mm²以上のより線か直径4mmの鉄線3条以上で、柱との角度30度以上。
  • 支線の省略は3つの条件がそろったときだけ。引込線の高さは道路横断5mなど。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、引込小柱などの施設ルールを3つの視点で整理します。

① 柱の種類・規格(2205-1表)

長さ どれも6.2m以上。
末口 9・10・7.6cm以上。
設計荷重 RCと鋼管は780Pa以上。
鋼管柱 防錆とブッシング。
  • いずれも長さ6.2m以上
  • 末口(柱のてっぺんの直径):木柱(注入柱)9cm以上/コンクリート柱10cm以上/鋼管柱7.6cm以上
  • コンクリート柱・鋼管柱は設計荷重780Pa以上。鋼管柱は溶融亜鉛めっき等で防錆、引入れ口にはブッシング
ペン太ペン太
支線って、地際をコンクリートで固めればいつでも省略できるんですよね?
ハリタハリタ
軟弱地盤は除く、という条件付きです。設ける場合は柱との角度30度以上で施設します。
柱の種類 末口 そのほかの要件
木柱(注入柱) 9cm以上 —
コンクリート柱 10cm以上 設計荷重780Pa以上
鋼管柱 7.6cm以上 設計荷重780Pa以上/溶融亜鉛めっき等で防錆、引入れ口にはブッシング
ここに注意!
「末口は、どの柱でも同じ太さ」ではありません。
末口は柱のてっぺんの直径で、木柱(注入柱)9cm以上、コンクリート柱10cm以上、鋼管柱7.6cm以上と、種類で分かれます。長さの6.2m以上は、どの柱も同じです。
ここに注意!
「設計荷重780Paは、木柱にもかかる」ではありません。
設計荷重780Pa以上は、コンクリート柱と鋼管柱の規定です。木柱は、風圧荷重の1.2倍に耐える強さで確かめます。
ここまでのポイント
  • いずれも長さ6.2m以上。
  • 末口は、木柱(注入柱)9cm以上/コンクリート柱10cm以上/鋼管柱7.6cm以上。
  • コンクリート柱・鋼管柱は設計荷重780Pa以上。
  • 鋼管柱は溶融亜鉛めっき等で防錆し、引入れ口にはブッシングを設ける。

② 強度・支線・省略と引込線の高さ

  • 強度:木柱は風圧荷重の1.2倍、その他の柱は風圧荷重に耐えること
風圧荷重 横から受け続ける。
木柱 1.2倍。
その他 風圧荷重に耐える。
割増しの理由 木は弱くなりやすい。

支線の材料と角度

引込小柱は、引込線に横から引っぱられ続けます。倒れないように、引込線と反対側へ支線を張ります。

  • 材料:断面積22mm²以上の亜鉛めっき鋼より線、または直径4mm以上の鉄線3条以上
  • 角度:柱との角度30度以上。30度なら、支線の張力の半分が柱を支える向きに働く
向き 引込線と反対側へ。
角度 柱と30度以上。
より線 22mm²以上。
鉄線 直径4mm以上3条以上。
たとえるなら
支線は、テントの張り綱
テントは、ポールだけでは風で倒れますが、斜めに張った張り綱で立っていられますよね。張り綱をポールにぴったり沿わせると、ほとんど支えになりません。支線も同じで、引込線と反対側へ、柱との角度を30度以上取って張ります。
ここに注意!
「支線は、鉄線1本でよい」ではありません。
鉄線なら直径4mm以上を3条以上より合わせます。1本のより線で張るなら、断面積22mm²以上の亜鉛めっき鋼より線です。

支線を省略できるとき

次の3つがそろったときだけ、支線を省略できます。

  • 軟弱地盤ではない
  • 地際をコンクリート巻きなどで堅固に施設する
  • 径間が2205-2表の範囲である
地盤 軟弱地盤はだめ。
地際 コンクリート巻きで堅固に。
径間 2205-2表の範囲。
欠けたら 支線を入れる。
たとえるなら
支線の省略は、重い台の付いたビーチパラソル
ビーチパラソルは、重い台にしっかり差せばロープなしでも立ちますが、やわらかい砂の上では傾いてしまいますよね。引込小柱も同じで、地際をコンクリート巻きで固め、地盤が軟弱でなく、径間が表の範囲のときだけ、支線を省略できます。
ここに注意!
「地際をコンクリートで固めれば、いつでも支線を省略できる」ではありません。
軟弱地盤では省略できません。省略できるのも、2205-2表の径間の範囲だけです。3つの条件のうち1つでも欠けたら、支線を入れます。
取り違えやすいところ 正しくは
末口の寸法は柱の種類によらず同じ 木柱(注入柱)9cm以上、コンクリート柱10cm以上、鋼管柱7.6cm以上と分かれる
設計荷重の規定は全種類にかかる 設計荷重780Pa以上はコンクリート柱・鋼管柱に対する規定
鋼管柱は塗装だけでよい 溶融亜鉛めっき等で防錆し、引入れ口にはブッシングを設ける
強度はどの柱も同じ基準 木柱は風圧荷重の1.2倍、その他は風圧荷重に耐えること
支線は1条あれば足りる 22mm²以上の亜鉛めっき鋼より線、または直径4mm以上の鉄線3条以上
地際を固めれば必ず支線を省略できる 軟弱地盤は除く。堅固に施設したうえで2205-2表の径間の範囲に限られる

あわせて確認:引込線の高さ

引込小柱は、引込線を必要な高さに保つために建てます。低圧の架空引込線の高さは、電技解釈第116条で、渡る場所ごとに決まっています。

鉄道の横断 レール面上5.5m。
道路の横断 路面上5m。
その他 地表上4m。
やむを得ないとき 2.5m。
渡る場所 高さ
道路を横断する場合 路面上5m(技術上やむを得ず、交通に支障がないときは3m)
鉄道または軌道を横断する場合 レール面上5.5m
横断歩道橋の上に施設する場合 路面上3m
上記以外 地表上4m(技術上やむを得ず、交通に支障がないときは2.5m)

高圧の引込線や、電力会社の設備にかかる部分は、別の条文や電力会社の基準で確かめます。

ここに注意!
「引込線の高さは、どこでも4mでよい」ではありません。
道路を横断するなら路面上5m、鉄道や軌道を横断するならレール面上5.5mです。2.5mまで下げられるのは、技術上やむを得ず、交通に支障がないときだけです。
ここまでのポイント
  • 強度は、木柱が風圧荷重の1.2倍、その他は風圧荷重に耐えること。
  • 支線は22mm²以上の亜鉛めっき鋼より線、または直径4mm以上の鉄線3条以上。
  • 支線は柱との角度30度以上で施設する。
  • 軟弱地盤を除き、地際をコンクリート巻きで堅固に施設すれば、2205-2表の径間の範囲で支線を省略できる。
  • 低圧の引込線の高さは、道路横断5m・鉄道横断5.5m・その他4mなど、渡る場所で決まる(電技解釈第116条)。


よくある質問(FAQ)

Q. 引込小柱の長さや太さの規格は?

A. 2205-1表により、いずれも長さ6.2m以上で、末口は木柱(注入柱)9cm以上、コンクリート柱10cm以上、鋼管柱7.6cm以上です。コンクリート柱・鋼管柱は設計荷重780Pa以上が必要です。

Q. 支線はどんなものを使うの?

A. 断面積22mm²以上の亜鉛めっき鋼より線、または直径4mm以上の亜鉛めっき鉄線3条以上を使い、柱との角度が30度以上になるよう施設します。

Q. 支線を省略できる条件は?

A. 地盤が軟弱な場所を除き、地際をコンクリート巻きで補強して堅固に施設した場合、2205-2表の径間の範囲で支線を省略できます。

Q. 引込小柱に張る引込線の高さは何m必要?

A. 低圧の架空引込線は、電技解釈第116条で、道路を横断する場合は路面上5m(技術上やむを得ず交通に支障がないときは3m)、鉄道や軌道を横断する場合はレール面上5.5m、横断歩道橋の上は路面上3m、それ以外は地表上4m(技術上やむを得ず交通に支障がないときは2.5m)です。

Q. 支線の角度は、なぜ30度以上なの?

A. 支線と柱の角度が小さいほど、支線の張力のうち柱を支える向きに働く分が小さくなるからです。30度なら張力の半分が柱を支える向きに働きますが、角度が小さいと、同じ張力でも柱を支えきれません。

まとめ|柱の規格・強度・支線の3点で決まる

引込小柱は、種類ごとの末口と設計荷重を満たし、風圧荷重に耐える強度を確保し、支線を角度30度以上で設けることが基本です。

進める場面 確認すること 判断の目安
柱を選ぶとき 長さは足りているか いずれも6.2m以上
柱を選ぶとき 末口の寸法は規格に合うか 木柱9cm/コンクリート柱10cm/鋼管柱7.6cm以上
柱を選ぶとき 設計荷重の指定はあるか コンクリート柱・鋼管柱は780Pa以上
鋼管柱を選ぶとき 防錆処理はされているか 溶融亜鉛めっき等
鋼管柱を建てるとき 引入れ口の処理はしたか ブッシングを設ける
強度を確認するとき 木柱かそれ以外か 木柱は風圧荷重の1.2倍、その他は風圧荷重
支線を設けるとき 材料は規格に合うか 22mm²以上の亜鉛めっき鋼より線、または直径4mm以上の鉄線3条以上
支線を設けるとき 柱との角度は足りるか 30度以上
支線を省略するとき 地盤は軟弱でないか 軟弱地盤では省略できない
支線を省略するとき 地際の補強と径間は条件内か コンクリート巻きで堅固に、2205-2表の径間の範囲
引込線を張るとき 高さは足りるか 道路横断5m、鉄道横断5.5m、その他4mなど(電技解釈第116条)

柱の選定で押さえること

  • 長さ6.2m以上。
  • 種類ごとの末口の寸法。
  • コンクリート柱・鋼管柱の設計荷重。

建てるときに押さえること

  • 木柱とその他で異なる強度の基準。
  • 鋼管柱の防錆と引入れ口のブッシング。

支線で押さえること

  • 材料の規格と条数。
  • 柱との角度30度以上。
  • 省略できる条件(地盤・地際の補強・径間)。

引込小柱は敷地の入口に立つ、風雨をまともに受ける構造物です。数値そのものは多くありませんが、柱の種類によって基準が分かれる点だけは取り違えやすいので、材料を発注する前に上の表で照合しておくと確実です。

ペン太ペン太
引込小柱を計画するとき、最初に決めることは何ですか?
ハリタハリタ
柱の種類です。木柱・コンクリート柱・鋼管柱で末口寸法が違うので、2205-1表から選びましょう。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。