この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【098】滑走路灯など配線の施設
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

飛行場の滑走路灯や誘導路灯、標識灯などの配線は、航空機の安全な離着陸を支える重要な設備です。立入が制限される区域では原則として地中電線路(内線規程2400節)の基準に準拠しますが、条件に応じて適用が除外されるケースもあります。施設方法を3つに整理します。

滑走路灯など配線の施設方法を管路式・暗きょ式、直接埋設式、舗装路面の溝の3つに整理した図解
結論
原則は地中電線路(2400節)の基準に準拠。①管路式・暗きょ式は電力ケーブルまたは標識灯用高圧ケーブルを用い、車両荷重に耐える管路・暗きょを使用。②直接埋設式は車両が通行しない区域に限り、埋設深さ60cm以上で表示板を設置。③舗装路面の溝は低圧配線のみ断面積2〜8mm2の軟銅より線を使用。
図解:滑走路灯など配線の3つの施設方法

原則は地中電線路(2400節)の基準に準拠

① 管路式・暗きょ式
電力ケーブル/標識灯用高圧ケーブル
車両荷重に耐える管路・暗きょ
② 直接埋設式
車両が通行しない区域限定
埋設深さ60cm以上+表示板
③ 舗装路面の溝
低圧配線のみ
断面積2〜8mm²の軟銅より線
この記事でわかること
✔ 基本原則と適用範囲
✔ 適用除外時の施設方法
ペン太ペン太
滑走路灯の配線って、内線規程だとどう扱うんですか?
ハリタハリタ
原則は地中電線路の基準に準じます。立入制限区域では3つの施設方法が認められています。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 滑走路灯などの配線は、原則どの基準に準拠して設置するか
  • 直接埋設式が使えるのはどんな区域で、埋設深さはいくつ以上か
  • 舗装路面の溝を利用できるのは、どんな配線か
この記事でわかること
方式の使い分けは、2つ目の項にまとめています。

基本原則と適用範囲

トピック1:基本原則と適用範囲
  • 対象は滑走路灯・誘導路灯・標識灯などの照明配線
  • 一般の立入が制限される区域では、原則地中電線路(内線規程2400節)の基準に準拠して設置する
  • 現場条件によっては一部の施設方法で規定の適用が除外される
ペン太ペン太
直接埋設式なら、どこでも60cm掘れば使えると思ってました!
ハリタハリタ
車両が通行しない区域限定です。通行エリアは車両荷重に耐える管路式・暗きょ式にします。
施設方法使える条件電線と仕様
管路式・暗きょ式車両荷重がかかる区域も可電力ケーブルまたは飛行場標識灯用高圧ケーブル
直接埋設式車両が通行しない区域に限定クロロプレン外装ケーブルまたは標識灯用高圧ケーブル、深さ60cm以上
舗装路面の溝低圧配線のみ2mm²以上8mm²以下の軟銅より線(ポリアミド被覆付き600Vビニル絶縁電線)
ここまでのポイント
  • 対象は滑走路灯・誘導路灯・標識灯などの照明配線
  • 一般の立入が制限される区域では、原則として地中電線路(内線規程2400節)の基準に準拠して設置する
  • 現場条件によっては、一部の施設方法で規定の適用が除外される

適用除外時の施設方法

トピック2:適用除外時の施設方法
  • 管路式・暗きょ式:通常の電力ケーブルまたは飛行場標識灯用の高圧ケーブルを使用し、車両荷重に耐えられる強度の管路・暗きょを用いる
  • 直接埋設式:車両が通行しない区域に限定し、埋設深さは60cm以上。クロロプレン外装ケーブルまたは標識灯用高圧ケーブルを使い、埋設箇所に表示板や標識を設けて位置を明示する
  • 舗装路面の溝を利用する場合:低圧配線のみ可。断面積2mm2以上8mm2以下の軟銅より線(ポリアミド被覆付き600Vビニル絶縁電線)を使用する
  • 溝は電線を保護するため、耐熱性かつ堅牢な材料で充填する
たとえ話
滑走路の照明配線は、いわば飛行場の足元を照らす生命線。基本は地中にしっかり埋めますが、車が通る所は丈夫な管に入れ、通らない所は深く埋め、舗装の溝に納めるときは細い低圧線だけ——場所ごとに守り方を変えるイメージです。
見習いペン太
見習いペン太
飛行場の滑走路灯の配線って、特別なルールがあるんですね。
はりた
はりた
うん。基本は地中電線路の基準に準じて、地中にしっかり敷設するんだ。
見習いペン太
見習いペン太
直接埋める場合は、車が通る場所だとダメなんですね。
はりた
はりた
そう。車両が通る所は丈夫な管路を使う。通らない区域なら60cm以上埋めて表示板を付けるんだよ。
滑走路灯など配線の3つの施設方法を示した図
滑走路灯・誘導路灯・標識灯などの配線は、一般の立入が制限される区域では原則として地中電線路(内線規程2400節)の基準に準拠する。管路式・暗きょ式は電力ケーブルまたは飛行場標識灯用高圧ケーブルを用い、車両荷重に耐える管路・暗きょとする。直接埋設式は車両が通行しない区域に限り埋設深さ60cm以上とし、埋設箇所に表示板・標識を設ける。舗装路面の溝を利用する場合は低圧配線のみ可で、断面積2mm²以上8mm²以下の軟銅より線を使用し、溝は耐熱性かつ堅牢な材料で充填する。
取り違えやすいところ正しくは
直接埋設式ならどこでも60cm掘れば使える車両が通行しない区域に限定される
車両が通る場所でも埋設深さを増やせばよい車両荷重に耐える管路式・暗きょ式にする
舗装路面の溝には高圧配線も通せる低圧配線のみ可
溝に電線を納めればそのままでよい耐熱性かつ堅牢な材料で充填する
埋設した場所は図面で分かれば足りる表示板や標識を設けて位置を明示する
ここまでのポイント
  • 管路式・暗きょ式は、通常の電力ケーブルまたは飛行場標識灯用の高圧ケーブルを使用し、車両荷重に耐える強度の管路・暗きょを用いる
  • 直接埋設式は車両が通行しない区域に限定し、埋設深さは60cm以上
  • クロロプレン外装ケーブルまたは標識灯用高圧ケーブルを使い、埋設箇所に表示板や標識を設けて位置を明示する
  • 舗装路面の溝を利用する場合は低圧配線のみ可で、断面積2mm²以上8mm²以下の軟銅より線(ポリアミド被覆付き600Vビニル絶縁電線)を使用する
  • 溝は電線を保護するため、耐熱性かつ堅牢な材料で充填する

よくある質問(FAQ)

トピック3:よくある質問
Q. 滑走路灯など配線の基本基準は?
A. 一般の立入が制限される区域では、原則として地中電線路(内線規程2400節)の基準に準拠して設置します。
Q. 管路式・暗きょ式で使うケーブルは?
A. 通常の電力ケーブルまたは飛行場標識灯用の高圧ケーブルを使用し、車両荷重に耐えられる強度の管路・暗きょを用います。
Q. 直接埋設式の条件は?
A. 車両が通行しない区域に限り、埋設深さ60cm以上とします。クロロプレン外装ケーブルまたは標識灯用高圧ケーブルを使い、埋設箇所に表示板や標識を設けます。
Q. 舗装路面の溝を利用するときの電線は?
A. 低圧配線のみ可能で、断面積2mm2以上8mm2以下の軟銅より線(ポリアミド被覆付き600Vビニル絶縁電線)を使用します。溝は耐熱性かつ堅牢な材料で充填します。
Q. 埋設箇所の位置はどう示す?
A. 埋設箇所には表示板や標識を設け、配線の位置を明確にして損傷を防ぎます。

まとめ|車両が通るかどうかで方式が決まる

滑走路灯などの配線は地中電線路が原則で、その先の方式は「車両が通る区域かどうか」でほぼ決まります。通る区域は管路式・暗きょ式、通らない区域は直接埋設式、舗装の溝を使う場合は低圧配線に限られます。

確認する順番見るところ決まること
Step1区域の性格一般の立入が制限される区域か
Step2車両の通行管路式・暗きょ式か、直接埋設式か
Step3埋設深さ直接埋設式なら60cm以上
Step4電線の種類ケーブルの種別、溝を使う場合は断面積2〜8mm²
Step5仕上げ溝の充填材、埋設箇所の表示板・標識

飛行場は後から掘り返しにくい環境です。車両動線を先に押さえて方式を確定させておけば、材料も施工手順も一度で決められます。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
舗装路面の溝を使う方法の条件は何ですか?
ハリタハリタ
低圧配線のみで、2〜8mm²の軟銅より線を使います。方法ごとの条件を整理すれば設計できますよ。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。