出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

電気オーブンやIHクッキングヒーターのような加熱装置は、消費電流が大きく連続使用も多いため、配線設計に専用のルールが定められています。ここでは内線規程3705節をもとに、分岐回路・幹線の設計基準と、便利な「3705-5表」の使い方を整理します。

加熱装置の配線設計の3つのポイントを示す図解
結論
加熱装置は定格電流の大きさで設計が分かれます。定格50A以下なら過電流遮断器は50A以下、50Aを超える単独装置は定格電流の1.3倍以下の遮断器を使い専用回路が原則。定格400A以下なら「3705-5表」で電線サイズと遮断器・開閉器容量が一発で決まります。

分岐回路の設置基準

  • 定格電流が50A以下の加熱装置:過電流遮断器は50A以下、電線は定められた基準以上の太さを選定する。
  • 定格電流が50Aを超える単独の加熱装置:遮断器は装置の定格電流の1.3倍以下、電線の許容電流は装置の定格電流以上とする。
  • 50A超の装置は専用回路が原則。他の機器と共用しないで設計する。

幹線の設置基準

  • 電線の太さは、接続する加熱装置の定格電流の合計以上とする。
  • 需要率・力率が分かっていれば、それを考慮して電線を減少させることもできる。
  • 過電流遮断器は、幹線の許容電流以下のものを選ぶ。

3705-5表でかんたん選定

  • 定格電流が400A以下の加熱装置なら、3705-5表を使うだけで、幹線・分岐の電線サイズや過電流遮断器・開閉器の容量が決まる。
  • 個別に計算する手間が省けるため、実務での選定がスピーディになる。
たとえ話でイメージ
加熱装置の配線は、いわば大食いのお客さん専用のテーブルを用意するようなもの。普通の機器と相席にすると容量が足りず危険なので、容量に余裕を持たせた専用席(専用回路)を準備しておく、というイメージです。
見習いペン太
見習いペン太
加熱装置の配線って、普通のコンセント機器と同じ感覚でいいの?
はりた
はりた
ダメなんだ。加熱装置は電流が大きいから、50Aを境に設計ルールが変わるし、大きいものは専用回路が基本だよ。
見習いペン太
見習いペン太
いちいち電線や遮断器を計算するのは大変そう…
はりた
はりた
そこで便利なのが3705-5表だよ。400A以下なら、表を見るだけで電線も遮断器も一発で決まるんだ。

よくある質問(FAQ)

Q. 定格50A以下と50A超で何が違うのですか?
A. 50A以下は過電流遮断器を50A以下にし、電線は基準以上の太さを選びます。50Aを超える単独装置は、遮断器を装置定格電流の1.3倍以下とし、電線は装置定格電流以上、かつ専用回路が原則です。
Q. なぜ専用回路にする必要があるのですか?
A. 加熱装置は消費電流が大きく連続運転も多いため、他機器と共用すると幹線や遮断器の容量が不足し、過熱や遮断器の動作などの原因になります。安全のため単独の専用回路で設計します。
Q. 3705-5表は何に使えますか?
A. 定格電流400A以下の加熱装置であれば、幹線・分岐の電線サイズ、過電流遮断器や開閉器の容量を、個別計算なしに3705-5表から選定できます。