この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
屋外灯の施設ルールを解説。対地電圧150V以下、屋内用分岐回路の禁止と15A/20A配線用遮断器分岐回路、こう長8m以下での省略、引下げ線の工事方法や器具の屋内施設など要点を整理します。 屋外灯の施設ルールを解説。対地電圧150V以下、屋内用分岐回路の禁止と15A/20A配線用遮断器分岐回路、こう長8m以下での省略、引下げ線の工事方法や器具の屋内施設など要点を整理します。
技術図書館屋外灯|回路の取り方と引下げ線の工法で決まる屋内の分岐回路をそのまま延ばすことはできない。こう長8m以下なら省略可、超えると開閉器+過電流遮断器。全6枚のスライドで整理この資料をスライドで見る資料一覧を見る
全体像:内線規程【055】屋外灯
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

屋外灯は庭や駐車場、街路など雨や人の接触にさらされる場所に設置されます。安全のため対地電圧・分岐回路・引下げ線や器具の施設に決まりがあります。

屋外灯の施設の3つのポイント(対地電圧、分岐回路、引下げ線・器具)を示した図解

先に結論だけ言うと

  • 屋外灯に電気を供給する電路の対地電圧は150V以下(特定条件で例外)。
  • 分岐回路に屋内用は使用しない。屋内灯併用は15A分岐回路又は20A配線用遮断器分岐回路。
  • 引下げ線はがいし引き/金属管/合成樹脂管/ケーブルで施設し、開閉器・過電流遮断器は屋内に施設(防水箱に収めれば屋外も可)。
この記事でわかること
✔ 対地電圧と分岐回路
✔ 配線・引下げ線
✔ 器具の施設
ペン太ペン太
屋外灯って、屋内の分岐回路からそのまま延ばせば楽ですよね?
ハリタハリタ
屋内用分岐回路の使用は禁止です。併用は15A分岐回路か20A配線用遮断器分岐回路に限られます。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 屋外灯と屋内灯を併用する分岐回路は、どの分岐回路にしますか。
  • 屋内灯分岐回路から屋外灯配線を引き出すとき、開閉器を省略できるのはどんな場合ですか。
  • 引下げ線をがいし引き配線で施設できるのは、どんな場所ですか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、屋外灯の施設ルールを4つの視点で整理します。

対地電圧と分岐回路

トピック1:対地電圧と分岐回路
屋外灯 施設ルール 早見図
対地電圧
150V以下
屋内灯併用の分岐回路
15A 又は 20A配線用遮断器
引出し口以降のこう長
8m以下なら開閉器省略可
引下げ線 → がいし引き(地表上2m以上の露出に限る)/金属管(木造以外)/合成樹脂管/ケーブル。開閉器・過電流遮断器は屋内に施設(防水箱なら屋外可)
  • 屋外灯に電気を供給する電路の対地電圧は150V以下とします。ただし工場内などの白熱電灯・LED照明器具・放電灯・ネオン放電灯など、特定の条件下ではこの限りではありません。
  • 屋外灯に電気を供給する分岐回路に屋内用のものを使用してはいけません。
  • 屋外灯と屋内灯を併用する分岐回路は、15A分岐回路又は20A配線用遮断器分岐回路とします。
  • 屋内灯分岐回路から屋外灯配線を引き出す場合は、引出し点近くに開閉器及び過電流遮断器を取り付けます。ただし引出し口以降のこう長が8m以下の場合は省略できます。
ペン太ペン太
引下げ線をがいし引きにするとき、高さの決まりはありましたっけ?
ハリタハリタ
露出部分は地表上2m以上です。金属管や合成樹脂管、ケーブルでの施設も選べます。
ここまでのポイント
  • 屋外灯に電気を供給する電路の対地電圧は150V以下とする。
  • 工場内などの白熱電灯・LED照明器具・放電灯・ネオン放電灯など、特定の条件下では例外がある。
  • 屋外灯に電気を供給する分岐回路に、屋内用のものを使用してはいけない。
  • 屋外灯と屋内灯を併用する分岐回路は、15A分岐回路又は20A配線用遮断器分岐回路とする。
  • 屋内灯分岐回路から屋外灯配線を引き出す場合は、引出し点近くに開閉器及び過電流遮断器を取り付ける(引出し口以降のこう長が8m以下なら省略可)。

配線・引下げ線

トピック2:配線・引下げ線
  • 配線は、屋側に施設する場合・屋外に施設する場合のいずれも低圧配線方法の規定に準じて施設します。
  • 屋外灯又はその点滅器に至る引下げ線は、人の接触や被覆の損傷を防ぐため、がいし引き配線(地表上2m以上の露出した場所に限る)/金属管配線(木造以外)/合成樹脂管配線/ケーブル配線のいずれかの方法で施設します。
引下げ線の施設方法使える条件
がいし引き配線地表上2m以上の露出した場所に限る
金属管配線木造以外
合成樹脂管配線—
ケーブル配線—
ここまでのポイント
  • 配線は、屋側・屋外のいずれも低圧配線方法の規定に準じて施設する。
  • 屋外灯又はその点滅器に至る引下げ線は、人の接触や被覆の損傷を防ぐ方法で施設する。
  • がいし引き配線(地表上2m以上の露出した場所に限る)、金属管配線(木造以外)、合成樹脂管配線、ケーブル配線のいずれかによる。

器具の施設

トピック3:器具の施設
  • 開閉器・過電流遮断器その他これらに類する器具は屋内に施設します。ただし堅ろうな防水箱内に収めるなどの場合は屋外にも施設できます。

たとえ話でイメージ

屋外灯は「外で働く設備」。雨ガッパ(防水箱)や安全な高さ(地表上2m以上)を用意してあげるイメージで、人が触れたり雨で傷んだりしないように守ってあげるのがポイントです。

見習いペン太
見習いペン太
屋外灯の回路は、家の中の照明と同じ分岐回路から取っていいんですか?
はりた
はりた
屋内用の分岐回路はそのまま使えないんだ。屋内灯と併用するなら15A分岐回路か20A配線用遮断器分岐回路にする必要があるよ。
見習いペン太
見習いペン太
屋内の分岐から屋外灯を引き出すときは、必ず開閉器が要るんですか?
はりた
はりた
原則は引出し点近くに開閉器と過電流遮断器を付けるよ。ただし引出し口以降のこう長が8m以下なら省略できるんだ。
取り違えやすいところ正しくは
屋内用の分岐回路をそのまま延長してよい屋外灯に電気を供給する分岐回路に、屋内用のものを使用してはいけない
屋外灯と屋内灯は必ず別回路にする併用できる。ただし15A分岐回路又は20A配線用遮断器分岐回路とする
引き出すときは必ず開閉器が要る原則は引出し点近くに開閉器及び過電流遮断器。引出し口以降のこう長が8m以下なら省略できる
引下げ線はどこでもがいし引きでよいがいし引きは地表上2m以上の露出した場所に限る
木造でも金属管配線が使える金属管配線は木造以外
開閉器は屋外に付けてよい屋内に施設する。堅ろうな防水箱内に収めるなどの場合は屋外にも施設できる
ここまでのポイント
  • 開閉器・過電流遮断器その他これらに類する器具は、屋内に施設する。
  • 堅ろうな防水箱内に収めるなどの場合は、屋外にも施設できる。

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問(FAQ)
Q. 屋外灯の電路の対地電圧の上限は?
A. 原則150V以下です。工場内の白熱電灯・LED照明器具・放電灯・ネオン放電灯など特定の条件下では例外があります。
Q. 屋内灯と屋外灯を併用する分岐回路の条件は?
A. 15A分岐回路又は20A配線用遮断器分岐回路とします。屋内用の分岐回路をそのまま使うことはできません。
Q. 屋外灯の引下げ線はどの工事方法で施設しますか?
A. がいし引き配線(地表上2m以上の露出場所に限る)、金属管配線(木造以外)、合成樹脂管配線、ケーブル配線のいずれかで施設します。

まとめ|回路の取り方と引下げ線の工法で決まる

屋外灯は、屋内用の分岐回路をそのまま使わず、引下げ線を4つの工法から選び、開閉器類は原則屋内に置くことが基本です。

確認する項目規程が示す内容
電路の対地電圧150V以下(工場内などの白熱電灯・LED照明器具・放電灯・ネオン放電灯など特定の条件下では例外)
分岐回路屋内用のものを使用してはいけない
屋内灯と併用する場合15A分岐回路、又は20A配線用遮断器分岐回路
屋内灯分岐回路から引き出す場合引出し点近くに開閉器及び過電流遮断器
開閉器等を省略できる場合引出し口以降のこう長が8m以下
配線屋側・屋外とも低圧配線方法の規定に準じる
引下げ線の目的人の接触や被覆の損傷を防ぐ
がいし引き配線地表上2m以上の露出した場所に限る
金属管配線木造以外
そのほかの工法合成樹脂管配線、ケーブル配線
開閉器・過電流遮断器等屋内に施設する
屋外に施設できる場合堅ろうな防水箱内に収めるなど

回路で押さえること

  • 対地電圧150V以下と、その例外。
  • 屋内用の分岐回路を流用していないか。
  • 屋内灯と併用する場合の回路の種類。

引出しで押さえること

  • 引出し点近くの開閉器及び過電流遮断器。
  • 引出し口以降のこう長8m以下という省略条件。

引下げ線と器具で押さえること

  • 4つの工法のうち、どれを選ぶか。
  • がいし引きの高さと、金属管配線の造営材の条件。
  • 開閉器類の設置場所と防水箱。

屋外灯は、屋内の照明回路から気軽に引き出してしまいがちな設備です。上の表の「分岐回路」と「引出し」の欄を確認しておくと、竣工検査で指摘を受けやすい部分を先につぶせます。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
開閉器を省略できる条件を、もう一度確認したいです。
ハリタハリタ
引出し口以降のこう長が8m以下なら省略可能です。対地電圧150V以下の原則も忘れずに。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。