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PASの設計|PASに内蔵されている『VT』の設置基準と選定方法について詳しく解説

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VTはらくらく電源供給の源である

 

今回の疑問

 

PAS:VT内蔵の有無ってどうやって判断しているの?

 

結論

PASを設置した場合、同時にSOG(地絡継電器)を設置しますこのSOGには100Vの電源供給が必要となり、この電源供給元としてVT(変圧器)を内蔵したPASを選定します。

SOGへの供給方法は2通りありどちらを選択するかによりVTの有無を決める

  1. PAS(気中負荷開閉器)にVTを内蔵し供給する場合

→PAS VT内蔵型の場合

  1. 需要家内の低圧配電盤より専用回路にて供給する場合

→PAS VTなしの場合

 

あにまるさん
あにまるさん
図面にPAS VT内蔵って記載されてたけどなんなんだい?

はりた
はりた
VTは地絡継電器への電源供給として利用されているんだよ

あにまるさん
あにまるさん
絶対に必要なものなのかい?

はりた
はりた
地絡継電器としての電源供給方法によって有無の選定を行う必要があるね!

あにまるさん
あにまるさん
詳しく教えてくれ~

 

本記事のおすすめの方
  • VTの使用方法を知りたい方
  • 設置基準について知りたい方
  • 図面に記載されているが、意味が分からない方
本記事でわかること
  1. PASに内蔵されているVTの設置基準
  2. PASに内蔵されているVTの使用目的
この記事のカテゴリー

クイックトピックス

VTの使用用途は?

SOG(地絡継電器)の電源供給用として使用します

その他の供給方法は?

需要家内の低圧配電盤より専用回路にて供給する方法

どっちを選定するべき?
  • メンテナンス性に優れている
  • コスト的に安価になる場合が多い
  • 雷保護対策になる

VTをメインとして選定する

VTの使用用途について

SOG 設置
ここにボックスタイトルを入力

PAS(気中負荷開閉器)には、制御装置としてSOG(地絡継電器)が取り付けられています。このSOG(地絡方向継電器)を動かすためには、100Vの電源供給が必要となります。この電源供給元としてVT(変圧器)を内蔵したPAS(気中負荷開閉器)の選定が必要になります。

PASの結線図

はりた
はりた
このように、VTを内蔵する場合PASとSOGが接続されています

SOG 制御ケーブルSOGのケーブル接続写真

 

あにまるさん
あにまるさん
SOGって引込柱のしたについてるやつか!

はりた
はりた
そうだね。そのSOGの電源供給方法としてVTが必要になるんだよ

電源供給方法の選定

SOGへの電源供給方法
  1. PAS(気中負荷開閉器)にVTを内蔵し供給する方法
  2. 需要家内の低圧配電盤より専用回路にて供給する方法

あにまるさん
あにまるさん
SOGの電源供給方法って一つじゃないのか?

はりた
はりた
100Vの電源線を接続できればいいからPASから供給する方法と配電盤から供給する方法があるんだよ

供給方法の選定基準

あにまるさん
あにまるさん
供給方法ってどっちがいいとかあるのかい?

はりた
はりた
基本的には、PASをVT内蔵形にして供給する方法が一般的だね。詳細は次を見てみよう!

VTを内蔵し供給する場合のメリット

VTを内蔵し供給する場合
電気ステーション  

PASからの供給となるため、PAS以降2次側(受変電設備や単相変圧器)の改修時でも電源を供給し続けることができる

エンジニア  

PAS~SOG(気中負荷開閉器)間は付属ケーブルにて接続されているため別途配線が不要

稲妻  

PASに内蔵されているため雷保護対策として有効となる

 

PASの概略図(VT内蔵形の場合)

はりた
はりた
PASにVTが内蔵されている場合図のように緑(SOG)に向かって電源線が接続されています

 

低圧配電盤より供給場合

低圧配電盤より供給場合
ハンマーツール  

受変電設備や単相変圧器の改修時に電源の供給ができない

電柱  

低圧からの供給となるため専用のVTを設置する必要がない

ショベル  

配電盤~PAS間に電源ケーブルの敷設が必要となる

 

PASの概略図(VTなしの場合)

はりた
はりた
VTなしの場合、緑(SOG)に別途外部から100Vの電源を供給する必要があります

VTの選定ポイント

SOGの電源供給方法
  1. PAS(気中負荷開閉器)にVTを内蔵し供給する
  2. 需要家内の低圧配電盤より専用回路にて供給する

この二つの供給方法を比較した場合、VT内蔵方式のほうが

  • メンテナンス性に優れている
  • コスト的に安価になる場合が多い
  • 雷保護対策になる

以上の点により一般的にPASにVTを組み込む方式が優位性があるため採用されていることが多くなります。

 

あにまるさん
あにまるさん
VTって電源供給のために必要なんだな

はりた
はりた
PASにVTがないと低圧側からの供給が必要だから気を付けよう!

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まとめ

高圧受電設備における**PAS(気中負荷開閉器)**には、**VT(計器用変圧器)**が内蔵されているタイプがあります。
このVT内蔵タイプは、地絡継電器(SOG)に電源を供給するために非常に重要です。


🔌 PASにおけるVT(変圧器)の用途とは?

SOG(地絡方向継電器)は、100Vの電源供給が必要です。
この電源は、以下のどちらかの方法で供給されます:

✅ SOGへの電源供給方法

方法 説明
① VT内蔵PASから供給 PASに組み込まれたVTが電源を供給
② 低圧盤から専用回路で供給 需要家側の低圧配電盤から100Vを別途配線して供給

✅ なぜVT内蔵PASを選ぶのか?

VTを内蔵したPASには、以下のような設計上のメリットがあります。

🎯 VT内蔵PASの利点

  • 改修工事時にも電源供給が可能
     → 電源のルートが独立しており、既存系統に影響を与えにくい

  • PAS~SOG間の別途電源配線が不要
     → 工事が簡素化され、配線トラブルも減る

  • 雷サージ対策に有効
     → 配線距離が短くなることでサージによる誤作動を防止


✍️ 図面上での表現方法

VT内蔵PASを使用する場合は、図面や仕様書に明確な表記が必要です。

📘 表記例:

PAS200A LA・VT内蔵 方向性

これにより、**「VT付きであること」「方向性(地絡方向検出)があること」**を明確に示すことができます。


⚠ VT非内蔵タイプを選んだ場合の注意点

VTなしのPASを選定した場合は、需要家側の低圧配電盤からSOGまで100V電源を引く必要があります
これを忘れていると、現場で追加工事が発生するリスクがあります。

📌 結論:VT付きPASを採用することで設計の簡略化と信頼性向上につながる!


✅ まとめ

項目 内容
VTの目的 SOGへの100V電源供給
推奨方法 PASにVTを内蔵して電源供給
選定理由 改修対応性・配線不要・雷対策に有効
図面表記例 「PAS200A LA・VT内蔵 方向性」などと明記
設計注意点 VTなし選定時は電源配線の追加検討が必須

 

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