技術図書館コードは動かす、ケーブルは固定するコードとケーブルの役目の違い、電熱用コードの使いどころ、太さ別の許容電流と延長コードの注意この資料をスライドで見る資料一覧を見る
第二種電気工事士 合格カリキュラム学科③ 電気機器・配線器具・材料・工具
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延長コード、電気スタンドのコード、こたつのコード。身近すぎて気にしないかもしれませんが、コードは種類と使い方を間違えると、発熱や火災につながります。この記事では、コードとケーブルの違い、コードの種類と使い分け、許容電流、延長コードの注意点、守るルールを、図とたとえで1つずつ解説します。

結論

コードは動かして使う機器のための電線。建物に固定する配線には使わず、熱を出す機器には電熱用コードを使います。太さは0.75mm²以上、延長コードは合計の電流を定格以内に。

  • コード=動かす、ケーブル=固定する
  • ビニルコードは熱に弱いので、電熱器には使わない
  • 袋打・丸打コードは乾燥した場所の電球線・小形機器に
  • コードの許容電流は0.75mm²で7A、1.25mm²で12A、2.0mm²で17A
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
コードは扇風機や電気スタンドなど動かして使う機器のための電線、ケーブルは天井や壁に固定する建物の配線であることを比べた図
コードは「動かす」、ケーブルは「固定する」。

コードとケーブル ― 動かすか、固定するか

コードとケーブルは、どちらも電気を運ぶ電線ですが、役目がまったく違います。ケーブルは、天井や壁の中に固定して、建物の配線として使います。コードは、扇風機や電気スタンドのように動かして使う機器のための、やわらかい電線です。

たとえるなら、ケーブルは水道管、コードは掃除機のコードです。水道管は壁の中にしっかり固定しますが、掃除機のコードを壁に打ち付けたりはしませんよね。

ペン太ペン太
余っている延長コードを、壁に留めて配線しちゃダメですか?
ハリタハリタ
それはNGです。コードは動かす前提でつくられているので、造営材に固定して建物の配線の代わりにするのは原則として認められていません。固定する配線にはケーブルを使いますよ。

建物の配線に使うケーブルの種類は「電気設備の基本知識 #001【ケーブルの種類】」で解説しています。

ここまでのポイント
  • ケーブルは建物に固定する配線
  • コードは動かす機器のための電線
  • コードを固定して配線の代わりにしない

熱とコード ― ビニルは熱に弱い

こたつやアイロンなど熱を出す機器にビニルコードを使うとビニルが熱でとけてしまい、電熱用コードなら熱に強いので問題ないことを比べた動く図解
動く図解:熱を出す機器には、熱に強いコードを使います。

いちばん身近なビニル平形コードは、被覆がビニルでできています。ビニルは熱に弱く、高い温度にさらされるとやわらかくなったり、とけたりします。そのため、こたつやアイロンのように電気を熱として使う機器には、ビニルコードは使いません。

たとえるなら、プラスチックのお玉と金属のお玉です。熱い鍋には、熱に強い金属のお玉を使いますよね。熱を出す機器には、熱に強い電熱用コードを使います。

ここまでのポイント
  • ビニルは熱に弱い
  • 電熱器にビニルコードは使わない
  • 熱を出す機器には電熱用コード

コードの種類 ― 名前と使いみち

主なコードの種類として、ビニル平形コード(VFF)、ビニルキャブタイヤ丸形コード(VCTF)、袋打コード・丸打コード、電熱用コードの使いみちを並べた図
名前が似ていても、使える場所・機器が違います。
種類 つくり 主な使いみち 注意
ビニル平形コード(VFF) ビニルで絶縁した2本を平らに並べた形 電気スタンド・小形の家電 熱を出す機器には使わない
ビニルキャブタイヤ丸形コード(VCTF) ビニルの丈夫な外装で丸く包んだ形 延長コード・電動工具など 熱を出す機器には使わない
袋打コード・丸打コード ゴムで絶縁し、綿糸で編んで包んだ形 乾燥した場所の電球線・小形機器 水気のある場所には使わない
電熱用コード 熱に強い絶縁と編組 こたつ・アイロンなど熱を出す機器 ―
一般的な製品の例
ここまでのポイント
  • ビニルコード(VFF・VCTF)は熱を出す機器に使わない
  • 袋打・丸打コードは乾燥した場所の電球線に
  • 電熱用コードは熱を出す機器に


許容電流 ― 太さで流せる電流が決まる

コードの許容電流として、断面積0.75mm²で7A、1.25mm²で12A、2.0mm²で17Aであることを示した棒グラフ
コードは細いので、流せる電流も小さめです。

コードにも、安全に流せる電流の上限(許容電流)があります。電流を流しすぎると、電線が発熱して被覆が傷むためです。

断面積 許容電流
0.75mm² 7A
1.25mm² 12A
2.0mm² 17A
電気設備技術基準の解釈をもとに作成

電球線や移動電線に使うコードは、断面積0.75mm²以上が基本です。建物の配線に使う絶縁電線の許容電流は「電気設備の基本知識 #014【絶縁電線の許容電流】」で解説しています。

ここまでのポイント
  • 0.75mm²で7A、1.25mm²で12A、2.0mm²で17A
  • コードは0.75mm²以上を使う
  • 流しすぎると発熱して被覆が傷む

延長コード ― 合計の電流に注意

定格15Aの延長コードにドライヤー約12A、電気ケトル約10A、電子レンジ約13Aを順に差し込むと合計電流が15Aを超えてしまうことを示した動く図解
動く図解:差し込む機器が増えるほど、合計の電流が増えていきます。

延長コードは、差し込み口がいくつあっても、流せる電流の合計は延長コードの定格までです。一般的な製品は15A(100Vで1,500W)です。ドライヤーや電気ケトル、電子レンジのように電流の大きい機器を同時に使うと、すぐに定格を超えてしまいます。

⚠️ たこ足配線と巻いたままの使用

差し込み口にさらに延長コードをつなぐ「たこ足配線」は、合計の電流がわかりにくくなり危険です。また、延長コードを巻いたまま使うと熱が逃げずに温度が上がります。大きな電流を流すときは、コードを伸ばして使いましょう。

ここまでのポイント
  • 延長コードの定格は一般に15A(1,500W)
  • 差し込む機器の電流の合計で考える
  • たこ足配線・巻いたままの使用は避ける

守るルール ― 固定しない・熱に注意・太さ

コードで守るルールとして、造営材に固定しない、熱を出す機器にビニルコードを使わない、断面積0.75mm²以上、電球線は300V以下でビニルコード不可、延長コードの定格を超えない、壁の中や天井裏に通さないの6つを並べた図
コードで守るルールのまとめ。
項目 ルール
固定 造営材に固定して、建物の配線の代わりにしない(原則)
熱を出す機器 ビニルコードは使わない。電熱用コードなどを使う
太さ 電球線・移動電線は断面積0.75mm²以上
電球線 使用電圧300V以下。ビニルコードは使わない
隠ぺい 壁の中や天井裏など、見えない所に通さない
電流 許容電流・延長コードの定格を超えない
電気設備技術基準の解釈・内線規程などをもとに作成。細かな条件は条文で確認する

次の#013は「電気設備の基本知識 #013【電気設備技術基準の規定】」です。

ここまでのポイント
  • コードは固定せず、隠さない
  • 熱を出す機器にビニルコードは使わない
  • 0.75mm²以上、電流は定格以内


よくある質問

コードとケーブルの違いは何ですか?

ケーブルは壁や天井に固定して、建物の配線として使う電線です。コードは扇風機や電気スタンドのように、動かして使う機器のためのやわらかい電線です。そのため、コードを造営材に固定して建物の配線の代わりにするのは、原則として認められていません。

ビニルコードを電熱器に使ってはいけないのはなぜですか?

ビニルは熱に弱いためです。こたつやアイロンのように、電気を熱として使う機器には、熱に強い電熱用コードなどを使います。

袋打コード・丸打コードはどこで使いますか?

乾燥した場所の電球線や小形の電気機器に使います。ゴムで絶縁した線を綿糸で編んで包んだコードで、丸打コードは中に綿糸を入れて丸い形にしたものです。

電球線に使うコードの決まりは?

使用電圧300V以下で使い、太さは断面積0.75mm²以上とします。ビニルコードは電球線に使えません。

コードの許容電流はどれくらいですか?

断面積0.75mm²で7A、1.25mm²で12A、2.0mm²で17Aがめやすです。延長コードでは、差し込んだ機器の電流の合計が、延長コードの定格(一般的な製品で15A)を超えないようにします。

ハリタ

この記事を書いた人:ハリタ

電気設備設計の実務者。内線規程・電気工事士資格・住宅の電気設備を「設計者の視点」で解説しています。プロフィール詳細

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