電気設備の基本知識 #012【コードの種類と用途】
延長コード、電気スタンドのコード、こたつのコード。身近すぎて気にしないかもしれませんが、コードは種類と使い方を間違えると、発熱や火災につながります。この記事では、コードとケーブルの違い、コードの種類と使い分け、許容電流、延長コードの注意点、守るルールを、図とたとえで1つずつ解説します。
結論
コードは動かして使う機器のための電線。建物に固定する配線には使わず、熱を出す機器には電熱用コードを使います。太さは0.75mm²以上、延長コードは合計の電流を定格以内に。
- コード=動かす、ケーブル=固定する
- ビニルコードは熱に弱いので、電熱器には使わない
- 袋打・丸打コードは乾燥した場所の電球線・小形機器に
- コードの許容電流は0.75mm²で7A、1.25mm²で12A、2.0mm²で17A
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コードとケーブル ― 動かすか、固定するか
コードとケーブルは、どちらも電気を運ぶ電線ですが、役目がまったく違います。ケーブルは、天井や壁の中に固定して、建物の配線として使います。コードは、扇風機や電気スタンドのように動かして使う機器のための、やわらかい電線です。
たとえるなら、ケーブルは水道管、コードは掃除機のコードです。水道管は壁の中にしっかり固定しますが、掃除機のコードを壁に打ち付けたりはしませんよね。
ペン太
ハリタ建物の配線に使うケーブルの種類は「電気設備の基本知識 #001【ケーブルの種類】」で解説しています。
- ケーブルは建物に固定する配線
- コードは動かす機器のための電線
- コードを固定して配線の代わりにしない
熱とコード ― ビニルは熱に弱い
いちばん身近なビニル平形コードは、被覆がビニルでできています。ビニルは熱に弱く、高い温度にさらされるとやわらかくなったり、とけたりします。そのため、こたつやアイロンのように電気を熱として使う機器には、ビニルコードは使いません。
たとえるなら、プラスチックのお玉と金属のお玉です。熱い鍋には、熱に強い金属のお玉を使いますよね。熱を出す機器には、熱に強い電熱用コードを使います。
- ビニルは熱に弱い
- 電熱器にビニルコードは使わない
- 熱を出す機器には電熱用コード
コードの種類 ― 名前と使いみち
| 種類 | つくり | 主な使いみち | 注意 |
|---|---|---|---|
| ビニル平形コード(VFF) | ビニルで絶縁した2本を平らに並べた形 | 電気スタンド・小形の家電 | 熱を出す機器には使わない |
| ビニルキャブタイヤ丸形コード(VCTF) | ビニルの丈夫な外装で丸く包んだ形 | 延長コード・電動工具など | 熱を出す機器には使わない |
| 袋打コード・丸打コード | ゴムで絶縁し、綿糸で編んで包んだ形 | 乾燥した場所の電球線・小形機器 | 水気のある場所には使わない |
| 電熱用コード | 熱に強い絶縁と編組 | こたつ・アイロンなど熱を出す機器 | ― |
- ビニルコード(VFF・VCTF)は熱を出す機器に使わない
- 袋打・丸打コードは乾燥した場所の電球線に
- 電熱用コードは熱を出す機器に
許容電流 ― 太さで流せる電流が決まる
コードにも、安全に流せる電流の上限(許容電流)があります。電流を流しすぎると、電線が発熱して被覆が傷むためです。
| 断面積 | 許容電流 |
|---|---|
| 0.75mm² | 7A |
| 1.25mm² | 12A |
| 2.0mm² | 17A |
電球線や移動電線に使うコードは、断面積0.75mm²以上が基本です。建物の配線に使う絶縁電線の許容電流は「電気設備の基本知識 #014【絶縁電線の許容電流】」で解説しています。
- 0.75mm²で7A、1.25mm²で12A、2.0mm²で17A
- コードは0.75mm²以上を使う
- 流しすぎると発熱して被覆が傷む
延長コード ― 合計の電流に注意
延長コードは、差し込み口がいくつあっても、流せる電流の合計は延長コードの定格までです。一般的な製品は15A(100Vで1,500W)です。ドライヤーや電気ケトル、電子レンジのように電流の大きい機器を同時に使うと、すぐに定格を超えてしまいます。
⚠️ たこ足配線と巻いたままの使用
差し込み口にさらに延長コードをつなぐ「たこ足配線」は、合計の電流がわかりにくくなり危険です。また、延長コードを巻いたまま使うと熱が逃げずに温度が上がります。大きな電流を流すときは、コードを伸ばして使いましょう。
- 延長コードの定格は一般に15A(1,500W)
- 差し込む機器の電流の合計で考える
- たこ足配線・巻いたままの使用は避ける
守るルール ― 固定しない・熱に注意・太さ
| 項目 | ルール |
|---|---|
| 固定 | 造営材に固定して、建物の配線の代わりにしない(原則) |
| 熱を出す機器 | ビニルコードは使わない。電熱用コードなどを使う |
| 太さ | 電球線・移動電線は断面積0.75mm²以上 |
| 電球線 | 使用電圧300V以下。ビニルコードは使わない |
| 隠ぺい | 壁の中や天井裏など、見えない所に通さない |
| 電流 | 許容電流・延長コードの定格を超えない |
次の#013は「電気設備の基本知識 #013【電気設備技術基準の規定】」です。
- コードは固定せず、隠さない
- 熱を出す機器にビニルコードは使わない
- 0.75mm²以上、電流は定格以内
よくある質問
コードとケーブルの違いは何ですか?
ケーブルは壁や天井に固定して、建物の配線として使う電線です。コードは扇風機や電気スタンドのように、動かして使う機器のためのやわらかい電線です。そのため、コードを造営材に固定して建物の配線の代わりにするのは、原則として認められていません。
ビニルコードを電熱器に使ってはいけないのはなぜですか?
ビニルは熱に弱いためです。こたつやアイロンのように、電気を熱として使う機器には、熱に強い電熱用コードなどを使います。
袋打コード・丸打コードはどこで使いますか?
乾燥した場所の電球線や小形の電気機器に使います。ゴムで絶縁した線を綿糸で編んで包んだコードで、丸打コードは中に綿糸を入れて丸い形にしたものです。
電球線に使うコードの決まりは?
使用電圧300V以下で使い、太さは断面積0.75mm²以上とします。ビニルコードは電球線に使えません。
コードの許容電流はどれくらいですか?
断面積0.75mm²で7A、1.25mm²で12A、2.0mm²で17Aがめやすです。延長コードでは、差し込んだ機器の電流の合計が、延長コードの定格(一般的な製品で15A)を超えないようにします。
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