電気設備の基本知識 #007【金属線ぴと金属ダクト工事】
金属線ぴと金属ダクトは、どちらも電線を収める金属の入れ物です。違いは幅。たとえるならペンケース・道具箱・物置のように、入れる量が増えるほど大きな入れ物になり、名前も決まりも変わります。この記事では、メタルモール・レースウェイ・金属ダクトの見分け方、使いどころ、守るルールを、図とたとえで1つずつ解説します。
結論
幅4cm未満はメタルモール、4〜5cmはレースウェイ、5cm超は金属ダクト。線ぴは300V以下、ダクトは電線を断面積の20%以下・3m以下ごとに支持が基本です。
- 境目は幅4cmと5cm(5cmちょうどは2種金属製線ぴ)
- レースウェイは照明器具の取り付け台も兼ねる
- 金属ダクトは幹線をまとめて通す大きな通り道
- 中での接続は原則しない(分岐で点検できる場合などは可)
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3つの入れ物 ― 幅で名前が変わる
金属線ぴ(せんぴ)は、ふたの付いた細長い金属の溝です。壁や天井に取り付け、中に電線を通します。幅が広くなると、名前が次のように変わります。
| 名前 | 通称 | 幅 | 主な使いどころ |
|---|---|---|---|
| 1種金属製線ぴ | メタルモール | 4cm未満 | 壁や天井の露出配線を、目立たずすっきり見せる |
| 2種金属製線ぴ | レースウェイ | 4cm以上5cm以下 | 工場・倉庫の天井で、照明器具の取り付け台を兼ねる |
| 金属ダクト | ― | 5cmを超える | 多くの幹線や配線をまとめて通す |
ペン太
ハリタ- メタルモール・レースウェイ・金属ダクトは幅で区別
- たとえは「ペンケース・道具箱・物置」
- 金属製なので接地が関係する
幅の境目 ― 4cmと5cm
覚える数字は4cmと5cmの2つだけです。4cmに届かなければ1種、4cm以上5cm以下なら2種、5cmを超えたら金属ダクトです。
⚠️ 「5cmちょうど」はどっち?
2種金属製線ぴは「4cm以上5cm以下」なので、5cmちょうどは2種金属製線ぴです。金属ダクトは「5cmを超える」もの。「以下」と「超える」の違いに注意しましょう。
- 4cm未満=1種、4〜5cm=2種、5cm超=金属ダクト
- 5cmちょうどは2種金属製線ぴ
- 「以下」と「超える」の違いに注意
レースウェイ ― 照明の「背骨」
レースウェイ(2種金属製線ぴ)は、工場や倉庫、駐車場の天井でよく見かけます。天井から吊りボルトで吊り下げ、その中に電線を通しながら、照明器具をぶら下げる台としても使います。たとえるなら照明の背骨です。1本で配線と取り付けを兼ねるので、器具の数が多い広い空間ほど効率よく施工できます。
- 天井から吊りボルトで吊り下げる
- 電線の通り道と照明器具の取り付け台を兼ねる
- 工場・倉庫・駐車場で定番
金属ダクト ― 入れるのは断面積の20%まで
金属ダクトは、電気室から各階へ向かう幹線など、たくさんの太い電線をまとめて通すための大きな入れ物です。ただし、いくら大きくても詰め込みすぎてはいけません。入れる電線の断面積(被覆を含む)の合計は、ダクトの内側の断面積の20%以下です。
たとえるなら満員電車にしないことです。すき間がないと電線の熱が逃げず、温度が上がって被覆が傷みます。制御回路などの配線だけを入れる場合は、流れる電流が小さいので50%以下まで認められています。
- 電線の断面積の合計は、ダクトの内側の断面積の20%以下
- 制御回路などだけなら50%以下
- 詰め込むと熱がこもり、被覆が傷む
線ぴとダクト ― 決まりを比べる
| 項目 | 金属線ぴ工事 | 金属ダクト工事 |
|---|---|---|
| 使用電圧 | 300V以下 | 低圧(300Vを超えてもよい) |
| 施設できる場所 | 展開した場所・点検できる隠ぺい場所で、乾燥した所 | 展開した場所・点検できる隠ぺい場所で、乾燥した所 |
| 入れる電線 | 絶縁電線(OWを除く) | 絶縁電線(OWを除く) |
| 中での接続 | 原則しない(2種で分岐し、点検できる場合などは可) | 原則しない(分岐し、点検できる場合は可) |
| 接地 | D種接地工事(長さ4m以下などは省略できる) | 300V以下はD種、300V超はC種(接触防護措置をすればD種) |
金属線ぴ工事の規定は「電気設備の基本知識 #025【金属線ぴ工事】」、金属ダクト工事の規定は「電気設備の基本知識 #028【金属ダクト工事】」でさらにくわしく解説しています。
- 金属線ぴは300V以下で使う
- どちらも展開・点検できる隠ぺい場所の乾燥した所
- 中での接続は原則しない
ダクトの支持 ― 3m以下ごと
金属ダクトは中に重い電線がたくさん入るので、しっかり支えます。支持点間の距離は3m以下。取扱者以外の人が出入りできない場所で縦に取り付ける場合は、6m以下まで広げられます。
📘 ダクトの終わりと中の手入れ
ダクトの終わり(終端部)はふさいでおき、中にほこりがたまらないように、また水がたまらないようにします。ダクトから電線を外に引き出す部分では、電線が角で傷つかないようにします。
次の#008は「電気設備の基本知識 #008【ネオン放電灯工事】」です。
- 金属ダクトは3m以下ごとに支持
- 取扱者以外が入れない場所の縦取り付けは6m以下
- 終端はふさぎ、ほこりや水をためない
よくある質問
金属線ぴと金属ダクトは何で区別しますか?
幅で区別します。幅4cm未満が1種金属製線ぴ(メタルモール)、4cm以上5cm以下が2種金属製線ぴ(レースウェイ)、5cmを超えると金属ダクトです。
金属ダクトに入れられる電線の量は?
ダクトに入れる電線の断面積(被覆を含む)の合計は、ダクトの内側の断面積の20%以下です。制御回路などの配線だけを入れる場合は50%以下まで認められています。
金属ダクトの支持点間の距離は?
金属ダクトは3m以下ごとに支持します。取扱者以外の人が出入りできない場所で、縦に取り付ける場合は6m以下まで広げられます。
線ぴやダクトの中で電線をつないでもよいですか?
原則としてつなぎません。ただし、2種金属製線ぴや金属ダクトの中で電線を分岐する場合で、接続点を容易に点検できるときなどは認められています。接続には、電線の接続の基本ルール(強さ・絶縁など)も守ります。
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