技術図書館ショウウィンドウはコードを留められる特例使用電圧300V以下・0.75mm²以上・支持1m以下と、乾燥して見えやすい場所の条件この資料をスライドで見る資料一覧を見る
第二種電気工事士 合格カリキュラム学科④ 電気工事の施工方法
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「コードは造営材に固定しない」――これは「電気設備の基本知識 #012【コードの種類と用途】」で紹介した基本ルールです。ところが、お店のショウウィンドウやショウケースの中だけは、条件つきでコードを造営材に留めてよい特例があります。この記事では、特例が使える条件、使える電線、施工の決まりを、図とたとえで確認していきます。

結論

ショウウィンドウ内は300V以下・乾燥・外部から見えやすい箇所なら、0.75mm²以上のコード・キャブタイヤケーブルを造営材に留めて施設できます。取付け点間は1m以下、器具の重さは電線にかけません。

  • 4つの条件がそろったときだけの特例
  • 絶縁性のある造営材に、被覆を傷つけない留め具で留める
  • ほかの配線とは差込み接続器などでつなぐ
  • 電球や器具の重量を電線に支持させない
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
ショウウィンドウの中で、コードを留め具で造営材に留め、照明器具は金具で支え、差込み接続器でほかの配線とつなぐ様子と、本来コードは造営材に固定しないがショウウィンドウ・ショウケースの中だけは条件つきで留めてよいことを示した図
ショウウィンドウの中だけは、コードを留めてよい特例があります。

ショウウィンドウ内工事 ― コードの特例

ショウウィンドウやショウケースでは、商品の入れ替えにあわせて照明の位置をこまめに変えます。そのたびに建物の配線をやり直すのは大変です。そこで、条件がそろえば、コードやキャブタイヤケーブルを造営材に留めて配線できる特例があります。たとえるなら展示会場の仮設配線のようなものです。

ひっかけ注意
ショウケースの中の配線って、ふつうの屋内配線と同じ扱いじゃないんですね。
そうなんです。専用の規定があって、条件がそろえばコードを使えます。ただし「見えやすい所」「乾燥した所」など、安全を確かめやすい場所に限られていますよ。
ここまでのポイント
  • コードは本来、造営材に固定しない
  • ショウウィンドウ・ショウケース内は特例あり
  • 照明の位置をこまめに変える場所のための決まり

特例の条件 ― 4つそろったときだけ

ショウウィンドウ内工事の特例が使える4つの条件として、使用電圧300V以下、乾燥した場所にあり内部も乾燥した状態で使う、外部から見えやすい箇所、断面積0.75mm²以上のコード・キャブタイヤケーブルが順にそろい、造営材に接触して施設できることを示した動く図解
動く図解:4つの条件がそろって、はじめて特例が使えます。
条件 内容
使用電圧 300V以下
場所 乾燥した場所に施設し、内部を乾燥した状態で使うショウウィンドウ・ショウケース
見え方 外部から見えやすい箇所
電線 断面積0.75mm²以上のコードまたはキャブタイヤケーブル
電気設備技術基準の解釈(ショウウィンドウ又はショウケース内の低圧屋内配線)をもとに作成

「外部から見えやすい箇所」に限るのは、傷みや異常にすぐ気づけるようにするためです。

ここまでのポイント
  • 300V以下
  • 乾燥した場所・内部も乾燥
  • 外部から見えやすい箇所、0.75mm²以上

施工の決まり ― 1m以下で留める

ショウウィンドウ内工事の施工の決まりとして、取付け点間1m以下で絶縁性のある造営材に留め具で留める、電球や器具の重量を電線に支持させない、ほかの配線とは差込み接続器などの器具でつなぐことを並べた図
ショウウィンドウ内工事の施工の決まり。
項目 決まり
取付け点間 1m以下
取り付ける先 乾燥した木材・石材など、絶縁性のある造営材
留め具 被覆を傷つけない適当なもの
ほかの配線との接続 差込み接続器などの器具を使う
電気設備技術基準の解釈をもとに作成

コードの種類と許容電流は「電気設備の基本知識 #012【コードの種類と用途】」で確認できます。

ここまでのポイント
  • 取付け点間は1m以下
  • 絶縁性のある造営材に、傷つけない留め具で
  • ほかの配線とは差込み接続器で


器具の重さ ― 電線にかけない

電線で照明器具をぶら下げると揺れて断線のおそれがあり、器具は金具で支えて電線に重さをかけないことを比べた動く図解
動く図解:電線でぶら下げると、揺れるたびに負担がかかります。

電線には、電球や器具の重量を支持させないようにします。電線は電気を運ぶためのもので、重いものを吊るすためのものではありません。揺れるたびに引っぱられて、断線や接続部のゆるみの原因になります。

たとえるなら、ブランコを糸で吊らないことです。重さは丈夫な金具にまかせます。

ここまでのポイント
  • 電線に器具の重さをかけない
  • 器具は金具などで支える
  • 揺れによる断線・ゆるみを防ぐ

規定の全体像 ― 5つの視点

ショウウィンドウ内工事の規定を、場所(乾燥・見えやすい箇所)、電線(コード・キャブタイヤ0.75mm²以上)、留める(1m以下・傷つけない留め具)、つなぐ(差込み接続器)、重さ(器具の重量を支持させない)の5つの視点で整理した図
ショウウィンドウ内工事の規定は、5つの視点で整理できます。

場所・電線・留める・つなぐ・重さの5つを押さえれば、ショウウィンドウ内工事の規定はひととおり確認できます。

ここまでのポイント
  • 場所と電線の条件
  • 留め方とつなぎ方
  • 器具の重さ

押さえる要点 ― 6つのルール

ショウウィンドウ内工事で押さえる要点として、使用電圧300V以下、乾燥した場所、外部から見えやすい箇所、0.75mm²以上のコード・キャブタイヤケーブル、取付け点間1m以下、差込み接続器と器具の重さの6つを並べた図
ショウウィンドウ内工事のまとめ。

次の#031は「電気設備の基本知識 #031【小勢力回路】」です。

ここまでのポイント
  • 300V以下・乾燥・見えやすい箇所
  • 0.75mm²以上のコード、1m以下で留める
  • 差込み接続器でつなぎ、重さはかけない

よくある質問

ショウウィンドウ内の配線に使える電線は?

断面積0.75mm²以上のコードまたはキャブタイヤケーブルです。条件がそろえば、これらを造営材に接触して施設できます。

どんな条件のときに、コードを造営材に留めてよいのですか?

使用電圧300V以下で、乾燥した場所に施設し、内部を乾燥した状態で使うショウウィンドウ・ショウケースの中の、外部から見えやすい箇所に施設する場合です。

電線の取付け点間の距離は?

1m以下です。乾燥した木材や石材など絶縁性のある造営材に、被覆を傷つけない留め具で取り付けます。

電球や照明器具を電線でぶら下げてもよいですか?

いいえ。電線には、電球や器具の重量を支持させないようにします。器具は金具などで支えます。

ほかの屋内配線とはどうつなぎますか?

ショウウィンドウ・ショウケース内の配線や、これにつながる移動電線と、ほかの低圧屋内配線との接続には、差込み接続器などの器具を使います。

ハリタ

この記事を書いた人:ハリタ

電気設備設計の実務者。内線規程・電気工事士資格・住宅の電気設備を「設計者の視点」で解説しています。プロフィール詳細

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。