全体像:ボックス類の種類と用途

ケーブル工事金属管工事で、電線をつないだり器具を取り付けたりする場所が「ボックス」です。

アウトレットボックスプルボックス、VVF用ジョイントボックス……と名前がいろいろあって、「どれを、どこで使うんだっけ?」と迷いやすいところ。まずは下の図で全体像をつかみましょう。

ボックス類の種類と用途を示す図
🐧 見習いペン太:「ボックスって、種類が多くて使い分けが分かりません…」
🦔 はりた:「“何をする場所か”で分けるといいよ。電線をつなぐためのボックスと、スイッチやコンセントを付けるためのボックス。まずこの2つに分けて考えるんだ」
🐧 見習いペン太:「接続用か、器具取付用か、ですね」
⚡ 先に結論だけ言うと
  • 接続用:アウトレットボックス・コンクリートボックス・プルボックス・VVF用ジョイントボックス
  • 器具取付用:埋込形スイッチボックス

「接続する場所」か「器具を付ける場所」かで分ける

この記事でわかること
✔ 1. 電線の接続に使うボックス
✔ 2. 器具の取付に使うボックス
✔ 3. 忘れちゃいけない付属材料
ペン太ペン太
ボックスって全部、電線をつなぐための箱じゃないんですか?
ハリタハリタ
実は2種類あります。電線の接続用と、器具の取付用に分かれるんですよ。

この3つ、すぐ答えられますか

  • アウトレットボックスとVVF用ジョイントボックスは、何が違うのか
  • スイッチやコンセントを取り付けるのは、どのボックスか
  • 金属ボックスの引込口に必ず付けるものは何か
この記事の道案内
一覧だけ見たい方は、ボックス類の早見表をご覧ください。

1. 電線の接続に使うボックス

トピック1:1. 電線の接続に使うボックス

電線同士を接続する作業は、安全のため必ずボックスの中で行います。

  • アウトレットボックス:金属製。電線の接続点や器具の取付に使います。八角形・四角形などの形があります。
  • コンクリートボックス:コンクリートに埋め込んで使う接続用ボックス。
  • プルボックス:多数の電線を接続・集合させる大型のボックス。配線が多く集まる場所で使います。
  • VVF用ジョイントボックス樹脂製で、VVFケーブルの接続に使います。
ここがポイント
「金属のアウトレットボックス」と「樹脂のVVF用ジョイントボックス」は、どちらも電線の接続に使う代表格。材質(金属か樹脂か)と用途(VVF専用か)で区別すると覚えやすいです。
ペン太ペン太
アウトレットボックスにスイッチを取り付けてもいいんですよね?
ハリタハリタ
用途が違います。スイッチやコンセントの取付は埋込形スイッチボックスです。
比べる点アウトレットボックスVVF用ジョイントボックス
材質金属製樹脂製
主な用途電線の接続点や器具の取付VVFケーブルの接続
八角形・四角形などがある
ここまでのポイント
  • 電線どうしを接続する作業は、安全のため必ずボックスの中で行う
  • アウトレットボックスは金属製で、接続点や器具の取付に使う
  • VVF用ジョイントボックスは樹脂製で、VVFケーブルの接続に使う

2. 器具の取付に使うボックス

トピック2:2. 器具の取付に使うボックス
  • 埋込形スイッチボックス:壁に埋め込んで、スイッチやコンセントを取り付けるためのボックス。取付枠(連用枠)とプレートを組み合わせて器具を固定します。
🐧 見習いペン太:「スイッチボックスは“付ける”ためのボックスなんですね」
🦔 はりた:「そう。壁の中に埋め込んで、そこにスイッチやコンセントを固定する。接続用のボックスとは役割が違うんだ」
🐧 見習いペン太:「役割で分けると、すっきりします」
目的使うボックス押さえどころ
電線どうしを接続するアウトレットボックス、コンクリートボックス、プルボックス、VVF用ジョイントボックス接続は必ずボックスの中で行う
スイッチ・コンセントを取り付ける埋込形スイッチボックス取付枠(連用枠)とプレートで器具を固定する
ここまでのポイント
  • 埋込形スイッチボックスは、壁に埋め込んでスイッチやコンセントを取り付けるもの
  • 取付枠(連用枠)とプレートを組み合わせて器具を固定する
  • 接続用のボックスとは目的が違うため、取り違えない

3. 忘れちゃいけない付属材料

トピック3:3. 忘れちゃいけない付属材料
  • ゴムブッシング:金属ボックスの電線引込口に取り付け、電線の被覆を保護します。
  • ステップル:ケーブルを造営材(柱や壁)に固定するための材料です。
ここがポイント
金属ボックスのケーブル引込口には、必ずゴムブッシング。金属の切り口で被覆が傷つくと漏電の原因になるため、保護はワンセットで覚えましょう。
取り違えやすいところ正しくは
アウトレットボックスにスイッチを取り付ける器具の取付は埋込形スイッチボックス
電線はボックスの外で接続してもよい接続は必ずボックスの中で行う
ゴムブッシングは省いてもよい金属ボックスの引込口には必ず取り付け、被覆を保護する
ステップルで電線を接続するステップルはケーブルを造営材に固定する材料
ここまでのポイント
  • ゴムブッシングは金属ボックスの電線引込口に取り付け、電線の被覆を保護する
  • 金属の切り口で被覆が傷つくと漏電の原因になる
  • ステップルはケーブルを造営材(柱や壁)に固定するための材料

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問(FAQ)

Q. アウトレットボックスは何に使いますか?

A. 金属製のボックスで、電線の接続点や器具の取付に使います。八角形・四角形などの形があり、ケーブル工事・金属管工事で広く用いられます。

Q. プルボックスとアウトレットボックスの違いは?

A. プルボックスは多数の電線を接続・集合させるための大型のボックスで、配線が多く集まる場所に使います。アウトレットボックスは電線の接続点や器具取付に使う標準的なボックスです。

Q. VVF用ジョイントボックスはどんなボックスですか?

A. 樹脂製のボックスで、VVFケーブルの接続に使います。金属製のアウトレットボックスと同じく電線の接続に使いますが、材質と用途(VVF向け)が異なります。

Q. ゴムブッシングは何のために使いますか?

A. 金属ボックスの電線引込口に取り付け、電線の被覆を保護するために使います。金属の切り口で被覆が傷つき漏電するのを防ぎます。

ペン太ペン太
ボックス本体のほかに、覚えておく材料はありますか?
ハリタハリタ
ゴムブッシングとステップルです。付属材料もセットで覚えれば完璧ですよ。

まとめ

ボックス類の早見表

結論です。ボックスは「接続用」と「器具取付用」に分けて考えると、名前の多さに惑わされません。そのうえで接続用は材質と対象ケーブルで見分け、器具取付用は埋込形スイッチボックス一択。付属材料のゴムブッシングとステップルまでが一組です。

場面使うものひとこと
金属製のボックスで電線を接続するアウトレットボックス八角形・四角形などがある
コンクリートに埋め込んで接続するコンクリートボックス埋込み用の接続ボックス
多数の電線を集めて接続するプルボックス大型のボックス
VVFケーブルを接続するVVF用ジョイントボックス樹脂製
スイッチ・コンセントを取り付ける埋込形スイッチボックス取付枠とプレートを併用
金属ボックスの引込口を保護するゴムブッシング被覆の傷つきを防ぐ
ケーブルを柱や壁に固定するステップル造営材への固定材料

この記事の要点

  • ボックスは「接続用」と「器具取付用」に分けて考える。
  • 接続用:アウトレットボックス(金属)・コンクリートボックス・プルボックス(大型)・VVF用ジョイントボックス(樹脂)
  • 器具取付用:埋込形スイッチボックス(スイッチ・コンセント)。
  • 付属材料:ゴムブッシング(引込口で被覆保護)・ステップル(ケーブル固定)。

迷ったときの判断のしかた

  • まず「つなぐため」か「付けるため」かを決める
  • つなぐためなら、材質とケーブルの種類で選ぶ
  • 付けるためなら、埋込形スイッチボックス
  • 金属ボックスを使うなら、ゴムブッシングをセットで用意する

ボックス類は名前が似ていて紛らわしい分野ですが、目的で二分してしまえば選択肢は一気に減ります。つなぐのか、付けるのか。この問いを先に立てる癖をつけておけば、材料表を見たときも迷わず拾えるようになります。

「何をする場所か」で分けて覚えれば、ボックス類の種類と用途もすっきり整理できます。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。