全体像:金属管の加工に使う工具

金属管工事では、管をそのまま使うことはほとんどありません。切って、バリを取って、曲げて……と加工してから施工します。

「この作業にはどの工具?」「リーマって何に使うんだっけ?」——工具の名前と用途が結びつかないと、配線図や試験で迷ってしまいます。まずは下の図で全体像をつかみましょう。

金属管の加工は固定・切断・バリ取り・曲げの4ステップで工具を選ぶことを示す図
🐧 見習いペン太:「工具が多くて、名前と用途が結びつきません…」
🦔 はりた:「作業の順番で覚えるといいよ。固定して、切って、バリを取って、曲げる。この4ステップに工具を当てはめれば、自然と整理できるんだ」
🐧 見習いペン太:「流れで覚えればいいんですね」
⚡ 先に結論だけ言うと
  1. 固定する … パイプバイス
  2. 切断する … 金切りのこ/パイプカッタ/高速切断機
  3. バリを取る … リーマ(+クリックボール)/平やすり
  4. 曲げるパイプベンダ(太管は油圧式)

単体で覚えず、作業の流れに沿って覚える

この記事でわかること
✔ 1. 固定する|パイプバイス
✔ 2. 切断する|金切りのこ・パイプカッタ・高速切断機
✔ 3. バリを取る|リーマ・平やすり
✔ 4. 曲げる|パイプベンダ
ペン太ペン太
金属管の加工工具って多すぎて、名前と用途が結びつきません…。
ハリタハリタ
固定、切断、バリ取り、曲げの4ステップで整理すると自然に覚えられますよ。

この3つ、すぐ答えられますか

  • リーマと平やすりは、それぞれどこのバリを取るのか
  • リーマは、単体で使えるのか
  • 太い金属管を曲げるときは、何を使うのか
この記事の道案内
工具名だけ確認したい方は、早見表をご覧ください。

1. 固定する|パイプバイス

トピック1:1. 固定する|パイプバイス

切断や加工をするには、まず管を動かないように固定します。そのための工具がパイプバイスです。ハンドルで締め付けて管をしっかり固定し、安全に作業できるようにします。

ここまでのポイント
  • 切断や加工の前に、まず管を動かないように固定する
  • そのための工具がパイプバイス
  • ハンドルで締め付けて管をしっかり固定し、安全に作業できるようにする

2. 切断する|金切りのこ・パイプカッタ・高速切断機

トピック2:2. 切断する|金切りのこ・パイプカッタ・高速切断機

管を必要な長さに切るための工具です。

  • 金切りのこ:手動で金属管を切断する、基本の工具。
  • パイプカッタ:刃とローラーで管を回しながら切断します。
  • 高速切断機:電動で素早く切断する電動工具。本数が多いときに便利です。
ペン太ペン太
管を切った後のバリは、リーマ単体でくるっと回せば取れますよね?
ハリタハリタ
リーマはクリックボールに取り付けて使います。単体では使えないので注意です。
切断の工具動力切り方向いている場面
金切りのこ手動のこ刃で切る基本の工具
パイプカッタ手動刃とローラーで管を回しながら切る手作業で仕上げたいとき
高速切断機電動素早く切断する本数が多いとき
ここまでのポイント
  • 金切りのこは、手動で金属管を切断する基本の工具
  • パイプカッタは、刃とローラーで管を回しながら切断する
  • 高速切断機は電動。本数が多いときに便利

3. バリを取る|リーマ・平やすり

トピック3:3. バリを取る|リーマ・平やすり

管を切ると、切断面にバリ(とがった出っ張り)が残ります。このまま電線を通すと、被覆が傷ついて漏電などの原因になるため、必ずバリを取ります。

  • リーマ:切断面の内側のバリ取り・面取りに使用。クリックボールという回転工具に取り付けて回します。
  • 平やすり:管の外側のバリ取りなどに使います。
ここがポイント
「リーマ=内側、平やすり=外側」のバリ取り、と覚えましょう。リーマは単体では使えず、クリックボールに取り付けて使う点もよく問われます。
🐧 見習いペン太:「バリ取りって、地味だけど大事なんですね」
🦔 はりた:「そう、ここを省くと電線の被覆が切れて事故につながる。内側はリーマ、外側は平やすり。リーマはクリックボールにセットして回す、ってセットで覚えておこう」
🐧 見習いペン太:「内側リーマ・外側やすり、ですね!」
項目リーマ平やすり
どこのバリを取るか切断面の内側管の外側
使い方クリックボールに取り付けて回すそのまま使う
単体で使えるか使えない使える
ここまでのポイント
  • 切断面のバリをそのままにすると、電線の被覆が傷つき漏電などの原因になる
  • リーマは切断面の内側のバリ取り・面取りに使い、クリックボールに取り付けて回す
  • 平やすりは管の外側のバリ取りなどに使う

4. 曲げる|パイプベンダ

トピック4:4. 曲げる|パイプベンダ

配管経路に合わせて管を曲げるための工具がパイプベンダです。手作業で金属管を曲げます。太い金属管を曲げるときは、油圧式パイプベンダを使います(手動より重いですが、太管も曲げられます)。

取り違えやすいところ正しくは
リーマは単体で回して使うクリックボールに取り付けて使う
リーマで外側のバリを取るリーマは内側。外側は平やすり
バリ取りは省いてもよい被覆が傷つき漏電などの原因になるため、必ず取る
太い管も手動のパイプベンダで曲げる太い管は油圧式パイプベンダを使う
ここまでのポイント
  • 配管経路に合わせて管を曲げる工具がパイプベンダ
  • 手作業で金属管を曲げる
  • 太い金属管を曲げるときは油圧式パイプベンダを使う

よくある質問(FAQ)

トピック5:よくある質問(FAQ)

Q. リーマは何に使う工具ですか?

A. 金属管を切断した後、切断面の内側に残るバリを取り、面取りをするために使います。リーマ単体では使えず、クリックボールという回転工具に取り付けて回して使います。

Q. 金属管の切断にはどんな工具を使いますか?

A. 手動の金切りのこ、刃とローラーで管を回しながら切るパイプカッタ、電動で素早く切る高速切断機などを使います。本数や現場に応じて使い分けます。

Q. 金属管を曲げる工具は何ですか?

A. パイプベンダを使い、手作業で金属管を曲げます。太い金属管を曲げるときは油圧式パイプベンダを使用します。

Q. なぜ切断後にバリを取る必要があるのですか?

A. 切断面にバリ(とがった出っ張り)が残ったまま電線を通すと、被覆が傷ついて漏電などの原因になるためです。内側はリーマ、外側は平やすりでバリを取ります。

ペン太ペン太
太い金属管を曲げるときは、どうすればいいですか?
ハリタハリタ
パイプベンダの油圧式を使います。工具は作業の流れに沿って覚えていきましょう。

まとめ

金属管の加工に使う工具の早見表

結論です。金属管の加工は「固定→切断→バリ取り→曲げ」の順で、各段階に対応する工具を覚えます。なかでも問われやすいのがバリ取りで、内側はリーマ、外側は平やすり。そしてリーマはクリックボールに取り付けて使う点まで、ひと組で押さえてください。

作業使う工具ひとこと
固定するパイプバイス加工の前に管を動かないようにする
切断する(手動)金切りのこ、パイプカッタ基本は金切りのこ
切断する(電動)高速切断機本数が多いときに便利
内側のバリを取るリーマクリックボールに取り付けて回す
外側のバリを取る平やすり面取りに使う
曲げるパイプベンダ手作業で曲げる
太い管を曲げる油圧式パイプベンダ手動より重いが太管も曲げられる

この記事の要点

  • 金属管の加工は「固定→切断→バリ取り→曲げ」の4ステップで工具を整理。
  • 固定:パイプバイス
  • 切断:金切りのこ/パイプカッタ/高速切断機
  • バリ取り:リーマ(内側・クリックボールに取付)/平やすり(外側)
  • 曲げ:パイプベンダ(太管は油圧式)

作業の順番で覚える

  • まず固定しないと、切断も加工も安全にできない
  • 切ったら必ずバリを取る。内側リーマ・外側平やすり
  • 曲げは最後。太さに応じて手動か油圧式かを選ぶ

工具の名前は数が多く見えますが、作業の順番に並べてしまえば覚える負担はぐっと減ります。固定・切断・バリ取り・曲げ。この4段階を軸に置き、それぞれの段階で選択肢が何通りあるかを押さえておけば、名前だけを丸暗記するより確実です。

工具を単体で丸暗記せず、作業の流れに沿って覚えるのが、金属管工事の工具を攻略する近道です。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。