レースウェイの耐震支持が必要になる条件を図解で解説。周長80cm以下という基準の理由、支持の設置例、設計・施工時の注意点まで。
技術図書館レースウェイの耐震支持|周長80cmが分かれ目周長80cm以下は指針の適用除外。ただし設計図書に指示があれば施工する。周長の求め方と支持間隔12m以内の構成を全6枚のスライドで整理この資料をスライドで見る資料一覧を見る
全体像:レースウェイの耐震支持と適用除外
見習いペン太
見習いペン太
レースウェイって、ケーブルラックとどう違うの?見た目は似てるけど…

はりた
はりた
レースウェイは基本的に金属製で、線ぴ(線を収めるカバー)って呼ばれることもあるんだよ。設備内で電線を保護するために使われるんだ。

見習いペン太
見習いペン太
へえ〜!それも耐震対策が必要なんだね?

はりた
はりた
そうなんだ。特に天井下や高所に設置された場合は、落下のリスクがあるからしっかり支持しておく必要があるよ!

ペン太ペン太
レースウェイにも耐震支持は必要ですか?ケーブルラックと同じようにブレースを入れるべきか迷っていて…。
ハリタハリタ
実は周長80cm以下なら指針で耐震支持の適用除外になるんです。ただし条件があるので、根拠から順に確認しましょう。

この3つ、すぐ答えられますか

  • レースウェイが耐震支持の適用除外になるのは、周長が何cm以下のときか
  • 周長80cm以下でも耐震支持が必要になるのは、どんな場合か
  • ブレース材を設置するとき、常に避けなければならない状態は何か
この記事でわかること
図面に指示があるかどうかで判断が変わります。

レースウェイの耐震支持とは?―設置例と注意点を図解で解説!

トピック1:レースウェイの耐震支持とは

地震対策として注目される電気設備の耐震支持。今回は「レースウェイ(金属線ぴ)」の耐震支持について、どのような場合に必要なのか、具体的な施工例や注意点をわかりやすく紹介します。


ペン太ペン太
周長80cm以下なら、どんな現場でも耐震支持を省略していいんですよね?
ハリタハリタ
そうとは限りません。設計図書に耐震支持の指示があれば対応が必要です。図面の記載が優先ですよ。

✅ レースウェイは基本的に「耐震支持不要」?

トピック2:耐震支持は不要か

見習いペン太
見習いペン太
レースウェイって金属製なんだよね?それでも耐震支持しなくていい場合があるの?

はりた
はりた
実はあるんだよ。「建築センター指針」では、周長が80cm以下の細い配線ルートについては、耐震支持の対象外になってるんだ。

見習いペン太
見習いペン太
じゃあ、小さいやつは全部スルーでいいってこと?

はりた
はりた
いや、それが注意点なんだよ。設計図書に「耐震支持を行うこと」って書かれてたら、たとえ周長80cm以下でも基本的に支持が必要なんだ。

はりた
はりた
周長っていうのは、レースウェイや配管の“ぐるっと外周”の長さのことだからね!

 

レースウェイは金属製の細い配線ルートで、周長が80cm以下のものについては、「建築センター指針」において耐震支持の適用除外とされています

ただし──
📌 設計図書で「耐震支持を行うこと」と明記されている場合は、基本として施工が必要です。

「周長が80cm以下」とは、電気設備において配線や配管などの外周の長さが80cmを超えないものを指します。

🔎 周長とは?

周長(しゅうちょう)は、「物体の外枠をぐるっと一周したときの長さ」のことです。
たとえば、以下のように計算されます:

【例1】丸い金属管(円形断面)

【例2】長方形のダクト

  • 幅30cm × 高さ10cm の場合

  • 周長 = (30 + 10) × 2 = 80cm


✅ なぜ「周長80cm以下」が基準なのか?

見習いペン太
見習いペン太
でもさ、なんで細いレースウェイとかは耐震支持しなくていいの?落ちる危険とかあるんじゃない?
はりた
はりた
いい質問!実は「建築センター指針」で、ある条件を満たすものは“耐震支持の適用除外”って決められてるんだ。
はりた
はりた
構造的に軽くて、地震で落ちても大きな被害になりにくいって判断されてるからね。
見習いペン太
見習いペン太
なるほど〜。じゃあ何が対象外になるの?
はりた
はりた
例えば、φ82mm以下の単独管とか、外周80cm以下のレースウェイ・ダクトなんかがそれに当たるよ。これらは原則として耐震支持しなくてもOKってわけ!
 

これは建築センター指針などで耐震支持の適用除外基準として定められており、「構造的に軽量で、地震時に落下や損傷のリスクが比較的少ない」とされているためです。
そのため、φ82mm以下の単独管や、外周80cm以下のダクト・レースウェイなどは原則として耐震支持が不要とされます。


形状周長の求め方80cmになる寸法の例
丸い金属管(円形断面)直径 × π(約3.14)直径 約25.5cm
長方形のダクト(幅 + 高さ)× 2幅30cm × 高さ10cm
ここまでのポイント
  • 周長80cm以下のレースウェイは、建築センター指針で耐震支持の適用除外とされている
  • 周長は外周をぐるっと一周した長さ。直径約25.5cmの丸管や、幅30cm×高さ10cmの角ダクトが80cmにあたる
  • 軽量で地震時の落下・損傷のリスクが小さいと判断されているため
  • φ82mm以下の単独管も、原則として耐震支持は不要
  • ただし設計図書に「耐震支持を行うこと」と明記されていれば、基本として施工が必要

🛠 レースウェイの耐震支持例【図解】

トピック3:耐震支持の施工例

以下の図は、「建築センター指針」第3.1.9図に基づいた施工例です。

📷 図(a):側面から見たレースウェイの固定例(イメージ)

壁などの構造物に固定します

📷 図(b):断面から見たレースウェイの固定例(イメージ)

吊り金物に対し振れ止めで固定します

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問

Q1. レースウェイは必ず耐震支持が必要ですか?
A. 周長80cm以下のレースウェイは「建築センター指針」で原則として耐震支持の適用除外とされています。ただし、設計図書に「耐震支持を行うこと」と明記されている場合は、周長80cm以下でも支持が必要です。

Q2. 「周長80cm以下」とはどのくらいの大きさですか?
A. 外周をぐるっと一周した長さが80cmまでのものを指します。たとえば直径約25.5cmの丸い金属管や、幅30cm×高さ10cmの長方形ダクトがこれに当たります。

Q3. 耐震支持を行う場合、支持間隔はどのくらいですか?
A. 支持間隔は12m以内を目安とし、現場の状況に合わせて配置します。部材はブレース材(ボルト固定式またはワイヤー式)、振れ止め、吊金物などを用います。

Q4. ブレース材を設置する際の注意点は?
A. ブレース材には常時テンションがかからないようにすることが重要です。また、横方向と軸方向(配線の方向)の両方の揺れに対応する構成として設計します。

取り違えやすいところ正しくは
周長80cm以下なら、どの現場でも耐震支持を省略できる設計図書に指示があれば、周長80cm以下でも支持が必要
細いものは軽いから、どんな支持でもよい支持するなら間隔12m以内を目安に、ブレース材で構成する
ブレース材は張って固定するほどよい常時テンションがかからないようにする
横方向の揺れだけ考えればよい横方向と軸方向(配線の方向)の両方に対応させる
ここまでのポイント
  • 図(a)は側面から見た例で、壁などの構造物に固定する
  • 図(b)は断面から見た例で、吊り金物に対し振れ止めで固定する
  • いずれも建築センター指針 第3.1.9図にもとづく施工例

🔧 設計・施工時のポイントまとめ

トピック5:設計・施工時のポイント
  • ✅ 支持間隔は12m以内とし、現場の状況に合わせて配置します。

  • ✅ ブレース材(筋かい)を必ず設置。固定は「ボルト固定式」または「ワイヤー式」どちらでも可。

  • ✅ ブレース材には常にテンションがかからないようにする。

  • ✅ 横方向と軸方向(配線の方向)の両方の揺れに対応するように設計する。


💡 まとめ

項目 内容
基本的な扱い 周長80cm以下 → 耐震支持は「原則不要」
例外 設計図に「耐震支持あり」と明記されている場合は必要
支持間隔の目安 12m以内
使用する部材 ブレース材(ボルト式またはワイヤー式)、振れ止め、吊金物など
注意点 常時テンションをかけず、横揺れ・縦揺れ両方に対応する構成とすること
ペン太ペン太
耐震支持を付ける場合、設計で押さえる数字は何ですか?
ハリタハリタ
支持間隔12m以内が目安です。ブレース材に常時テンションが掛からない納まりにも気をつければ大丈夫ですよ。

レースウェイの耐震支持は「周長80cm以下なら原則不要、ただし図面の指示が優先」という二段構えで判断します。支持することになったら、間隔12m以内とブレース材の納まりを押さえておけば大きく外しません。

確認する順番見るところ判断
Step1設計図書に耐震支持の指示があるかあれば周長にかかわらず支持する
Step2周長(外周の長さ)80cm以下なら原則として適用除外
Step3支持する場合の間隔12m以内を目安に、現場に合わせて配置
Step4ブレース材の納まり常時テンションがかからないようにする
Step5対応させる揺れの方向横方向と軸方向の両方

「不要」と判断できる条件があるぶん、図面を見落とすと手戻りになりやすい部分です。周長を測る前に、まず設計図書の記載を確認する順番にしておくと安全です。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。