電気設備の経済ニュース|2026年7月31日号

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今号まるわかりグラレコ|電気設備の経済ニュース 2026年7月31日号
今号まるわかりグラレコ(記事全体の1枚要約)
おはようございます。7月30日のニューヨーク市場でドル円が一時157円台まで急落し、政府・日銀による円買い介入が実施されたと報じられました。一方で電気銅建値は2,360,000円/トンと過去最高圏に張り付いたままで、資材コストの重さは変わっていません。今号は「為替は動いたが、資材と納期はまだ動いていない」という足元の状況を、実務で見積・工程にどう反映するかという視点で整理します。

今号のポイント3点

  1. ドル円が159円台へ急落。政府・日銀の円買い介入と報道され、一時157.98円まで下落しました。
  2. 電気銅建値は2,360,000円/トン。7月22日に2,370,000円をつけ、過去最高値を更新しています。
  3. トップランナー変圧器 第三次判断基準が4月から適用。特殊仕様キュービクルの長納期も継続しています。

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為替・株式マーケット

円高方向

ドル円 7月30日の急落(NY終値ベース)

ドル円:NY終値159.53円、一時157.98円まで急落

7月30日のニューヨーク外国為替市場でドル円は大幅続落し、終値は159.53円。前営業日のNY終値(163.41円)から約3円88銭の円高水準となりました。22時30分頃から断続的に大規模な円買い・ドル売りが入り、23時30分前には一時157.98円と5月14日以来の安値をつけています。日経新聞の報道によれば、政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入を実施し、米通貨当局もレートチェックを行ったとされています。参考レンジは157.98円〜163.74円。

出典:ザイFX!(DZHフィナンシャルリサーチ)「ニューヨーク外国為替市場概況・30日」2026年7月31日06:04公開/速報値

日経平均は3日ぶり反発、TOPIXは小幅安

7月30日の日経平均株価は前日比+433.24円(+0.71%)61,867.43円で3日ぶりに反発。半導体関連の一角が買われ、アドバンテスト1銘柄で約698円分を押し上げました。一方TOPIXは前日比−21.53pt(−0.54%)の3,952.50ptと小幅安で、値がさ半導体株とそれ以外で方向が分かれた1日でした。

出典:株探ニュース「日経平均 大引け(7月30日)」/財経新聞(2026年7月30日)/速報値

ウォッチ銘柄(証券コード)

個別株価は日々変動するため、本ニュースでは点数値ではなく注視対象の証券コードのみを掲載します。最新値は各証券会社・取引所の情報でご確認ください。

区分 ウォッチ銘柄(証券コード)
ゼネコン 大成建設 1801/大林組 1802/清水建設 1803/鹿島建設 1812
サブコン 関電工 1942/きんでん 1944/クラフティア 1959
電線 古河電気工業 5801/住友電気工業 5802/フジクラ 5803/SWCC 5805
業種別指数 東証33業種「建設業」「非鉄金属」

背景として、スーパーゼネコン各社の2026年3月期は5社合計の売上高が約11.41兆円(前期比+1.9%)、営業利益は同+55.0%と大幅増益。設計変更に伴う追加工事の獲得と、資材高の価格転嫁が進んだことが利益改善の主因とされています。データセンターや工場など、価格転嫁がしやすい短工期・高単価案件を優先的に受注する「選別受注」の姿勢も続いています。

出典:総合資格navi「スーパーゼネコン5社の決算概況」/日経ビジネス(2026年)※投資判断・銘柄推奨を行うものではありません

実務への影響:介入による円高は輸入資材の円建てコストにいったんブレーキをかけますが、「方向転換が確定した」わけではありません。すでに提出済みの見積は据え置き前提で管理し、新規見積も介入前レートを基準に組むのが安全です。円高が定着したかどうかは、少なくとも数週間の実勢レートで判断してください。

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物価・資材価格

高止まり

JX金属 電気銅建値 2026年7月の改定推移

電気銅建値は2,360,000円/トン。7月22日に過去最高値を更新

JX金属の電気銅建値は、7月1日の2,270,000円/トンから改定を重ね、7月22日に2,370,000円/トンと6月3日の2,330,000円を上回って過去最高値を更新。直近の7月28日時点では2,360,000円/トンとなっています。7月の改定は10回で、月内の変動幅は2,230,000円〜2,370,000円でした。

出典:JX金属「銅建値」公式ページ(2026年7月31日閲覧)

電気銅建値 月間平均 2025年と2026年の比較(1〜6月)

月間平均でも前年比+55%前後の水準

月間平均でみると、2026年6月は2,273,500円/トン。前年同月(2025年6月)の1,462,600円/トンから約1.55倍の水準です。2026年に入ってからは1月2,130,000円 → 6月2,273,500円と、じりじり切り上がる推移が続いています。

出典:JX金属「銅建値 月間平均推移」(2026年7月31日閲覧)

国内企業物価指数(6月速報)は前年比+7.1%

日本銀行が公表した2026年6月の国内企業物価指数は、前月比+0.4%、前年比+7.1%。5月(前年比+6.6%)から伸びが拡大しました。円ベースの輸入物価指数は前年比+29.7%、輸出物価指数は同+20.7%と、輸入コストの上昇が引き続き大きくなっています。石油・石炭製品が前年比+22.8%と伸びを拡大し、プラスチック製品(同+7.3%)にも波及しています。

出典:日本銀行「企業物価指数(2026年6月速報)」/速報値

実務への影響:ケーブル・バスダクト・盤内銅材は値上げ改定が続く前提で組んでください。実務的な守り方は3つ。①見積の有効期限を短く設定する(30日など)、②材工分離を明示して材料費の変動条件を契約書に書く、③長尺ケーブルは決定後すぐ手配して価格を確定させる。塩ビ電線管など石油由来の副資材も上がっている点は見落とされがちです。

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政治・制度

要確認

トップランナー変圧器 第三次判断基準が2026年4月1日から適用

省エネ法に基づく変圧器の第三次判断基準(いわゆるトップランナー変圧器2026)が、2026年4月1日から適用開始となっています。エネルギー消費効率は現行基準から平均14.2%の改善が求められ、従来の2014年基準品は順次出荷停止に。新基準品は内部構造が高度化し、寸法が大きくなり価格も上昇する見込みです。銅・鉄など原材料価格の上昇と重なり、更新コストの押し上げ要因になっています。

出典:JEMA 一般社団法人日本電機工業会「トップランナー変圧器」/日製電機・日東工業ほかメーカー告知(2026年)

低濃度PCB廃棄物の処分期限は2027年3月31日

既設キュービクル内の低濃度PCB含有機器については、2027年3月31日が処分期限。トップランナー第三次基準の適用開始と重なることで、2026〜2027年にかけて更新需要が集中し、製造能力の逼迫とキュービクル納期の長期化が懸念されています。

出典:業界各社の告知資料(2026年)/制度の詳細は環境省・所管官庁の公表資料をご確認ください

実務への影響:変圧器更新の計画では、電気容量だけでなく寸法・重量・搬入経路の再確認が必須になります。既設と同容量でも入らない、床荷重が足りない、という事故が起きやすい局面です。PCB処分期限と重なる案件は、期限ぎりぎりに製造キャパが埋まるリスクを見込んで前倒しで動くことをおすすめします。

新技術情報

NEW

ローム:上面放熱パッケージ採用のSiC MOSFETを量産開始

ロームは2026年7月、放熱面をパッケージ上面に配置した新型パッケージを採用し、高い放熱性と耐圧を両立させたSiC MOSFETを開発・量産開始したと発表しました。挿入型と同等レベルの放熱性能をうたっています。同社の第5世代SiC製品は従来比でオン抵抗を約30%低減しており、単体部品とモジュールのサンプル提供も7月に始まっています。

出典:EE Times Japan「ローム、新型の上面放熱パッケージ採用SiC MOSFET」2026年7月15日

三菱電機:第5世代SiC-MOSFETチップのサンプル提供を開始

三菱電機は2026年6月4日、独自のトレンチ構造を持つ第5世代SiC-MOSFETチップを開発し、サンプル提供を開始したと発表。従来品から約25%低減した業界トップクラスの低オン抵抗を実現したとしています。

出典:三菱電機 ニュースリリース「パワー半導体『第5世代SiC-MOSFETチップ』のサンプル提供を開始」2026年6月4日

AIデータセンター向け800V直流給電(HVDC)が国内でも動き出す

2026年7月15〜17日に東京ビッグサイトで開催された「TECHNO-FRONTIER 2026」電源システム展で、STマイクロエレクトロニクスがAIデータセンター向け800V直流電源ソリューションを日本初公開しました。800Vから6Vへ直接変換するDCXも開発中で、150V GaNパワートランジスタ+25V Siパワートランジスタ+STM32マイコンの組み合わせで実現するとしています。デルタ電子は800VDC/±400VDC対応の電源システムを2026年第2〜第3四半期に量産開始予定で、出荷のピークは2027年以降と見込んでいます。

出典:マイナビニュース TECH+「STがAIデータセンター向け800V DC対応ソリューションを日本初公開」2026年7月16日/EE Times Japan(2026年2月)

実務への影響:データセンター案件では、これまでの「AC受電+UPS+PDU」という前提が数年内に崩れる可能性があります。DC配電になると、遮断器の選定・地絡保護・アーク対策の考え方が変わります。今すぐ案件になるわけではありませんが、DC盤と直流の保護協調は早めに勉強しておくと、数年後に効いてくる領域です。SiCの低オン抵抗化は、PCSやEV充電器の小型化・高効率化という形で先に降りてきます。

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納期遅延・調達情報

長納期

標準仕様は約3か月で安定、特殊仕様は6〜10か月

2026年3月時点の状況として、標準仕様のキュービクル(200kVA以下の変圧器搭載)は約3か月の納期で落ち着いてきた一方、太陽光向けの接触防止板付きや3300V仕様といった特殊仕様は6〜10か月を要するとされています。「標準品は戻ったが特殊品は戻っていない」という二極化が、いまの調達環境の特徴です。

出典:電材ゼウス「2026年3月現在の最新キュービクルの納期」ほか業界各社の公表情報

2026〜2027年は製造能力の逼迫が続く見通し

2026年4月からのトップランナー変圧器 第三次基準適用と、2027年3月末の低濃度PCB処分期限が重なることで、2026〜2027年は変圧器・キュービクルの製造能力が逼迫し、納期が再び延びる可能性が指摘されています。海外製トランスを活用する動きも一部で広がっています。

出典:SOLAR JOURNAL「深刻化する『トランス・キュービクル不足』の背景」(2026年)ほか業界報道

実務への影響:特殊仕様は基本設計の段階で確定させてください。実施設計で仕様が動くと、そこから6〜10か月の時計が回り始めます。工程表には「着工日」ではなく「着工日から逆算した発注デッドライン」を書き込んでおくと、施主・元請との合意形成がスムーズです。海外製トランスを検討する場合は、認証・保守部品の供給体制・アフター対応まで含めて比較を。

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住宅着工・建設需要

増加

新設住宅着工(2026年5月)は57,877戸、前年同月比+33.9%

国土交通省の建築着工統計調査報告(令和8年5月分)によると、2026年5月の新設住宅着工戸数は57,877戸で前年同月比+33.9%。持家・貸家・分譲住宅がそろって増加しました。季節調整済年率換算値は前月比+4.6%です。ただしこの大幅増は、2025年4月の省エネ基準適合義務化(いわゆる脱炭素大改正)を受けて2025年4〜6月の着工が急減した反動という側面が大きく、水準そのものが力強く回復したわけではない点に注意が必要です。

出典:国土交通省「建築着工統計調査報告(令和8年5月分)」/日経クロステック(2026年)

2026年6月分は本日7月31日に公表予定

建築着工統計の月次データは通常、翌月末に公表されます。2026年6月分は本日7月31日に国土交通省から公表される予定です。数値は公表後、次号以降で取り上げます。

出典:国土交通省 報道発表資料(公表スケジュール)

実務への影響:戸建向けの電気工事は数量が戻りつつある局面ですが、前年の落ち込みの反動という要因が大きいため、来期の人員計画をこの伸び率でそのまま引くのは危険です。3か月移動平均や季節調整済年率換算値で「水準」を見る癖をつけると、判断を誤りにくくなります。

出典一覧

  • JX金属「銅建値」/「銅建値 月間平均推移」(2026年7月31日閲覧)
  • 日本銀行「企業物価指数(2026年6月速報)」
  • 国土交通省「建築着工統計調査報告(令和8年5月分)」
  • JEMA 一般社団法人日本電機工業会「トップランナー変圧器」
  • ザイFX!(DZHフィナンシャルリサーチ)「ニューヨーク外国為替市場概況・30日」2026年7月31日
  • 株探ニュース/財経新聞(2026年7月30日 大引けまとめ)
  • EE Times Japan(2026年7月15日)/三菱電機ニュースリリース(2026年6月4日)/マイナビニュース TECH+(2026年7月16日)
  • SOLAR JOURNAL/電材ゼウス ほか業界公表情報

ご注意

  • 本記事の数値はいずれも速報値であり、後日改定される場合があります。
  • 本記事は情報提供を目的としたもので、投資判断・補助金等の適用可否の判断・個別銘柄の推奨を行うものではありません。実際の適用可否は所管官庁・メーカー・専門家にご確認ください。
  • 納期・価格は仕様・数量・時期・取引条件により大きく変動します。個別案件は必ずメーカー・商社に直接ご確認ください。

次回配信

2026年8月1日(土)朝7時に配信予定です。