工業高校の電気科で取る資格の順番|第二種電気工事士→第一種→電験三種、ジュニアマイスターの点数と受ける学年の目安
工業高校の電気科・電気工学科・電子科で「どの資格から取ればいいのか」「何年生で受けるのか」を迷っている人のための記事です。資格には、受験資格がないもの、試験は受けられるが免状に実務経験がいるもの、科目ごとに合格を持ち越せるものがあります。この違いを知ると、3年間の順番は自然に決まります。
順番が決まる3つのルール ― 受験資格・免状・科目合格
資格の順番は「難しさの順」ではなく、制度の決まりで決まります。身近なたとえで言うと、運転免許に似ています。第二種電気工事士は「普通免許」で、合格すればすぐ免状がもらえます。第一種は「大型免許」で、試験には受かっても、免状は経験を積んでから。電験三種は「科目ごとに単位を取る大学の授業」のように、合格した科目を持ち越せます。
| 資格 | 受験(受検)資格 | 合格したあと | 受ける学年の目安 |
|---|---|---|---|
| 第二種電気工事士 | なし | 都道府県に申請すると免状(高校生でも可) | 2年生の上期 |
| 第一種電気工事士 | なし(試験は誰でも) | 免状は実務経験3年が必要(令和3年4月から)。試験合格は消えない。合格者は認定電気工事従事者の認定証を申請できる | 2年生の下期〜3年生の上期 |
| 電験三種(第三種電気主任技術者) | なし | 4科目そろえば免状申請。科目合格は次の試験から連続5回まで免除 | 3年生(1〜2科目でも可) |
| 2級電気工事施工管理技士 | 第一次検定は17歳以上(受検年度末) | 第一次に合格すると「2級技士補」。第二次は実務経験3年のあと | 3年生(受けられる学校は少ない) |
| 消防設備士 | 乙種はなし。甲種は電気工事士免状などが必要 | 都道府県に免状申請 | 乙種は2年生の下期以降、甲種は第二種の免状のあと |
| 工事担任者(第二級デジタル通信など) | なし | 資格者証を申請 | 2年生の下期以降 |
| 危険物取扱者 乙種4類 | なし | 免状申請 | 1年生 |
受験資格や免状の条件は年度で変わることがあります。申込みの前に各試験機関の受験案内で確かめてください。
ジュニアマイスターの点数で見ると、順番がもっとはっきりする
工業高校には、資格や検定を点数にして表彰する「ジュニアマイスター顕彰制度」(全国工業高等学校長協会)があります。合計20点でブロンズ、30点でシルバー、45点でゴールド。さらに、S区分またはA区分の資格を1つ以上持ち、上位8つの合計が60点以上なら特別表彰です。電気系の資格の点数を並べると、こうなります。
点数の高い資格は、そのまま「就職で評価される資格」でもあります。第一種電気工事士(20点)と電験三種(30点)が、電気科の3年間の主役です。点数と区分は年度で見直されるので、最新の区分表は学校の先生か協会のサイトで確かめてください。
学年ごとの動き方
就職試験・進学にどう書けるか
| 状態 | 履歴書の書き方(例) | ひとこと |
|---|---|---|
| 免状をもらった | 第二種電気工事士 免状取得 | いちばん強い。免状番号を控えておく |
| 試験に合格した(免状はまだ) | 第一種電気工事士 試験合格 | 「取得」とは書かない。入社後の実務経験3年で免状 |
| 科目に合格した | 第三種電気主任技術者試験 理論・電力 科目合格 | 会社は「続きをやる人」と見る。取得見込みの時期も書く |
| 申込み済み・勉強中 | 第二種電気工事士 令和8年度下期 受験予定 | 面接で「今どこまで進んだか」を話せるようにしておく |
求人票の「電気工事士 歓迎」「資格手当あり」は、第二種の免状と第一種の試験合格を持っている人が有利になる書き方です。大学や高専への進学でも、第二種と第一種の合格は電気系の推薦入試で評価の対象になることがあります(学校ごとに違うので募集要項で確認してください)。
よくある質問
第一種電気工事士は、免状がもらえないのに在学中に受ける意味がありますか。
あります。試験合格に期限はなく、入社後に実務経験を3年積んだ時点で免状を申請できます。また、合格者は認定電気工事従事者の認定証を申請でき、自家用電気工作物(ビルや工場)の低圧部分の工事ができるようになります。就職試験でも「第一種 試験合格」は評価されます。
電験三種は高校生には無理ですか。
4科目を一度にそろえるのは大変ですが、科目合格制なので1科目ずつで大丈夫です。理論から始めるのが定番で、三角関数・複素数・ベクトルの計算に慣れている必要があります。3年生の夏に理論(できれば電力も)を取って、残りは入社後に続ける人が多くいます。
第二種に落ちたらどうなりますか。
下期にもう一度受けられます。学科に合格して技能で落ちた場合は、次の試験で学科が免除されます(申込時に免除を申請)。技能は候補問題13問を2回ずつ作れば、次はほぼ届きます。
受験料はいくらですか。
第二種電気工事士はインターネット申込みで11,100円、第一種は13,000円、電験三種は7,700円(いずれも令和8年度)。学校でまとめて申し込む団体申込みや、受験料の補助がある学校もあるので、先生に聞いてみてください。
出典・参考:電気技術者試験センター 第二種電気工事士試験/同 第一種電気工事士試験/同 第三種電気主任技術者試験/全国工業高等学校長協会 ジュニアマイスター顕彰制度/建設業振興基金 2級電気工事施工管理技術検定/国土交通省 令和6年度からの施工管理技術検定の受検資格
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