屋外に薄鋼電線管は使えるのかという疑問に規定の記載から回答。施設場所ごとに選べる電線管の種類を整理しています。

技術図書館薄鋼と厚鋼|「屋外は厚鋼」は決まりではない内線規程は薄鋼・厚鋼どちらの屋外使用も認めている。使えないのは耐圧防爆工事と地中埋設だけ。選定の判断軸まで全6枚のスライドで整理この資料をスライドで見る資料一覧を見る

①薄鋼電線管は屋外でも使えます。屋内・屋外で管の種類を分ける決まりはありません。②電技解釈第159条は管の厚さで決めていて、コンクリート埋込は1.2mm以上、それ以外は1mm以上です。③防爆エリアや地中埋設、塩害や外力を受ける場所は個別に確かめます。
ペン太ペン太
屋外は厚鋼、屋内は薄鋼って先輩に習いました。これが決まりですよね?
ハリタハリタ
実はそれは通念で、内線規程では薄鋼も厚鋼も屋外で使用できるんです。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 屋外の電線管は、厚鋼管でなければならないか
  • 厚鋼と薄鋼を使い分けるとき、何を見て判断するか
  • 薄鋼管を使ってはいけない工事や場所はどこか
この記事でわかること
結論だけ確認したい方は、規程の記載の項をご覧ください。

屋外に薄鋼電線管って使えるの?場所で選ぶ電線管の種類とは


❓よくある疑問

屋内は薄鋼やねじなしが一般的です。屋外は薄鋼・厚鋼のどちらも使え、湿気や水気には防湿装置を施します。車や物が当たる場所は厚鋼、塩害地域はめっきや材質を検討します。

電線管って、屋外は厚鋼・屋内は薄鋼って決まってるの?

実はそれ、決まっているわけではありません。
「内線規程 JEAC 8001-2022」によれば、薄鋼・厚鋼どちらも屋外で使えます。

ペン太ペン太
屋外って全部厚鋼管じゃないとダメなんだと思ってたよ〜!
ハリタハリタ
そう思ってる人、多いよね。でも実は薄鋼管でも条件が合えば使えるんだ。施工場所や強度、耐久性を見て判断するのが正解だよ。
ペン太ペン太
えっ、じゃあ薄鋼管でも屋外OKってこと?
ハリタハリタ
うん、でも耐圧防爆工事や地中埋設には使っちゃダメ。防爆エリアの金属管配線はねじ付き厚鋼電線管、地中は重量物の圧力に耐える管を使うんだ。
ペン太ペン太
なるほど〜。なんでも一律じゃなくて、場所に合わせて選ぶのが大事なんだね。

 


ペン太ペン太
じゃあ何を基準に電線管を選べばいいんでしょう?
ハリタハリタ
施工場所の強度・耐久性・腐食性で選びます。規程の記載を確認するのが確実です。
施工場所 使える電線管 選定のポイント
屋内 薄鋼管・ねじなし電線管が一般的 よく使われる場所
屋外 薄鋼・厚鋼どちらも可 強度・耐久性・腐食性を見て選ぶ
耐圧防爆工事 厚鋼管が必須 金属管配線は、ねじ付き厚鋼電線管を使う(防爆の指針)
地中埋設 厚鋼管や地中用の管 車両などの重量物の圧力に耐える管が必要(電技解釈第120条)
たとえるなら
厚鋼と薄鋼は、長靴とスニーカーのようなものです。
雨の日は長靴、と決まっているわけではなく、水たまりの多い道なら長靴、舗装された道ならスニーカーでも十分です。電線管も「屋外だから厚鋼」ではなく、その場所の条件で選びます。
ひっかけ注意
「屋外はすべて厚鋼電線管でなければならない」ではありません。
電技解釈に、屋外は厚鋼という決まりはありません。薄鋼電線管も屋外で使えます。「屋外は厚鋼」は、現場でよく使われてきた習慣です。
ここまでのポイント
  • 「屋外は厚鋼、屋内は薄鋼」と決まっているわけではない
  • 内線規程 JEAC 8001-2022 では、薄鋼・厚鋼どちらも屋外で使える
  • 施工場所の強度・耐久性・腐食性を見て判断する


📘 正確にはこう書かれている!

まず防爆エリアや地中埋設かを確かめ、次に外力を受けるか、腐食環境かを確かめます。どれにも当てはまらない屋外なら、薄鋼電線管も選べます。
  • 厚鋼・薄鋼の使い分けは、施工場所や強度、耐久性によって判断

  • ただし、防爆エリアや地中埋設では、薄鋼管ではなく決められた管を使う!

  • 薄鋼管は屋内で多く使われる(屋内専用という決まりではない)

▼ 施工場所別 電線管の選び方
屋内
薄鋼管が一般的
屋外
薄鋼・厚鋼 どちらも可
※強度・腐食性で選定
防爆・地中埋設
別の決まりで確認
取り違えやすいところ 正しくは
屋外はすべて厚鋼管でなければならない 条件が合えば屋外でも薄鋼管を使える
薄鋼管は屋内専用 屋内で多く使われるだけで、屋外でも使える(電技解釈第159条は管の厚さで決めている)
場所さえ屋外なら薄鋼管でよい 防爆エリアはねじ付き厚鋼電線管、地中埋設は重量物の圧力に耐える管を使う
どちらを使うかは施工者の裁量 施工場所の強度・耐久性・腐食性から選定する
ひっかけ注意
「屋外ならどこでも薄鋼でよい」ではありません。
防爆エリアの金属管配線はねじ付き厚鋼電線管、地中埋設は重量物の圧力に耐える管が求められます。車や物が当たる場所、塩害や薬品のある場所も、強度や材質を個別に確かめます。
ここまでのポイント
  • 厚鋼・薄鋼の使い分けは、施工場所や強度、耐久性によって判断する
  • 防爆エリアはねじ付き厚鋼電線管、地中埋設は重量物の圧力に耐える管を使う
  • 薄鋼管は屋内で多く使われる(屋内専用という決まりではない)

電技解釈では「管の厚さ」で決めている

屋内・屋外で管の種類を分ける代わりに、電気設備技術基準の解釈 第159条(金属管工事)は、管の厚さを施設する場所で決めています。

電技解釈第159条では、金属管の厚さはコンクリートに埋め込むものが1.2mm以上、それ以外は1mm以上、継手のない長さ4m以下のものを乾燥した展開した場所に施設する場合は0.5mm以上です。
施設する場所 管の厚さ
コンクリートに埋め込むもの 1.2mm以上
上記以外(屋外を含む) 1mm以上
継手のない長さ4m以下の管を、乾燥した展開した場所に施設する場合 0.5mm以上

このほか、湿気の多い場所や水気のある場所に施設するときは、防湿装置を施します。屋外で薄鋼電線管を使うときも、この条件を満たせば使えます。

一方で、防爆エリアの金属管配線は、防爆の指針でねじ付き厚鋼電線管を使うことになっています。地中埋設は、地中電線路の規定(電技解釈第120条)で、車両などの重量物の圧力に耐える管が求められます。こうした場所は、電技解釈第159条とは別の決まりで確かめます。


よくある質問(FAQ)

Q. 屋外に薄鋼電線管は使えますか?
A. 使えます。内線規程 JEAC8001-2022 では薄鋼・厚鋼どちらも屋外使用が認められており、施工場所の強度・耐久性・腐食性を見て選定します。

Q. 薄鋼管が使えない場所はありますか?
A. 防爆エリアの金属管配線は、ねじ付き厚鋼電線管を使います。地中埋設は、車両などの重量物の圧力に耐える管が求められるため(電技解釈第120条)、厚鋼電線管や地中用の管を選びます。

Q. 屋外はすべて厚鋼管にしなければいけませんか?
A. いいえ。屋外でも条件が合えば薄鋼管を使用できます。一律ではなく、場所に応じて選定するのが正解です。

Q. 薄鋼管は主にどこで使われますか?
A. 屋内で多く使われます。屋外でも使え、湿気や水気のある場所では防湿装置を施します。

✅ まとめ

内容 ポイント
屋外で薄鋼電線管は使える? 使用可。ただし施工条件に注意
厚鋼電線管の方が安全? 耐久性が必要な場所では厚鋼を選定
規程で決まってるの? 内線規程 JEAC8001 に基づいて柔軟に選定可能
施工場所に応じた選定が大事! 「強度」「腐食性」「防爆」などが判断基準
ペン太ペン太
例外だけは覚えておきたいです。どこですか?
ハリタハリタ
防爆エリアの金属管配線はねじ付き厚鋼電線管、地中埋設は重量物の圧力に耐える管です。ここだけは外さないでくださいね。

電線管は「屋内か屋外か」で決まるのではなく、「その場所に求められる強度・耐久性・腐食性」で決まります。そのうえで、防爆エリアと地中埋設は別の決まりで使う管が指定される、という例外を押さえておけば判断できます。

確認する順番 見るところ 判断
Step1 耐圧防爆工事か 該当すれば、ねじ付き厚鋼電線管(防爆の指針)
Step2 地中埋設か 該当すれば、重量物の圧力に耐える管(厚鋼電線管や地中用の管)
Step3 求められる強度 外力を受ける場所なら厚鋼管を検討
Step4 腐食性の環境か 塩害や薬品環境なら耐久性を優先
Step5 上記に当てはまらない屋外 薄鋼管も選択肢に入る

「屋外だから厚鋼」と機械的に決めてしまうと、必要以上のコストや施工手間がかかることがあります。逆に条件を確認せずに薄鋼管を選ぶと、防爆や埋設で手戻りになります。場所の条件を先に洗い出しておくのが確実です。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。