この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【049】鉛被又はアルミ被のあるケーブル配線
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

鉛被・アルミ被ケーブルは、導体の外側を鉛やアルミニウムで覆ったケーブルで、地下埋設や屋外など厳しい環境で使われます。一般のケーブル配線に準じつつ、曲げ半径や電磁的平衡など独自の注意点があります。3つに整理します。

鉛被・アルミ被のあるケーブル配線の3つのポイントの図解
結論
①基本は一般のケーブル配線に準じる。鋼帯・鉄線・黄銅帯がい装鉛被ケーブルは外傷の防護装置を省略でき、アルミ被は腐食部分に防食措置。②屈曲内半径は外径の12倍以上、絶縁電線との接続はケーブルヘッド。③交流のがい装鉛被は1回路を同一がい装内に(電磁的平衡)、金属部分に接地。
この記事でわかること
✔ 1. ケーブルの種類と施設・防護
✔ 2. 屈曲と接続
✔ 3. 電磁的平衡と接地
ペン太ペン太
鉛被やアルミ被のケーブルって、普通のケーブル配線と何が違うんですか?
ハリタハリタ
金属で覆われている分、厳しい環境に強いんです。施設は一般のケーブル配線に準じますが、独自の基準もあります。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 屈曲部の内側半径は、ケーブル外径の何倍以上が原則ですか。
  • 外傷に対する防護装置を省略できるのは、どのケーブルですか。
  • 交流回路でがい装鉛被ケーブルを使うとき、どのように収めますか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、鉛被又はアルミ被のあるケーブル配線のルールを4つの視点で整理します。

1. ケーブルの種類と施設・防護

トピック1:ケーブルの種類と施設・防護
  • 導体の外側を鉛・アルミで覆ったケーブルで、地下埋設や屋外など厳しい環境で使う
  • 施設方法は一般のケーブル配線(3165-1)に準じる
  • 鋼帯がい装・鉄線がい装・黄銅帯がい装の鉛被ケーブルは、外傷に対する防護装置を省略できる
  • アルミ被ケーブルで防食被覆のないものは、腐食のおそれがある部分に防食措置が必要
  • ケーブルと附属品は堅ろうかつ電気的に完全に接続し、支持も規定に準じる
ペン太ペン太
曲げ半径、外径の6倍で計算してました…12倍なんですか!
ハリタハリタ
鉛被・アルミ被は屈曲の内側半径を外径の12倍以上にします。金属被覆を傷めないための基準です。
ケーブルの種類外傷・腐食に対する扱い
鋼帯がい装・鉄線がい装・黄銅帯がい装の鉛被ケーブル外傷に対する防護装置を省略できる
アルミ被ケーブルで防食被覆のないもの腐食のおそれがある部分に防食措置が必要
ここまでのポイント
  • 導体の外側を鉛・アルミで覆ったケーブルで、地下埋設や屋外など厳しい環境で使う。
  • 施設方法は一般のケーブル配線(3165-1)に準じる。
  • 鋼帯がい装・鉄線がい装・黄銅帯がい装の鉛被ケーブルは、外傷に対する防護装置を省略できる。
  • アルミ被ケーブルで防食被覆のないものは、腐食のおそれがある部分に防食措置が必要。
  • ケーブルと附属品は堅ろうかつ電気的に完全に接続し、支持も規定に準じる。

2. 屈曲と接続

トピック2:屈曲と接続
  • 屈曲部の内側半径は、ケーブル外径の12倍以上を原則とする
  • 接続は導体・被覆を損傷せず、湿気が浸入しないように行う
  • 絶縁電線との接続にはケーブルヘッドを使う(屋内乾燥場所や雨線内はテープ巻きで省略可。雨線外はリード線から雨水が浸入しないようにする)
たとえ話
金属の被覆があるぶん、普通のケーブルより硬めです。無理に曲げると鉛・アルミの被覆が傷むので、曲げ半径は外径の12倍と大きめ。一般ケーブルの6倍よりゆったり曲げるイメージです。
見習いペン太
見習いペン太
普通のケーブルより、ゆるく曲げないといけないんですね。
はりた
はりた
そう、金属被覆を守るためにね。交流でがい装鉛被を使うときは、1回路をまとめて同じがい装に入れるのも忘れずに。
接続する場所絶縁電線との接続方法
原則ケーブルヘッドを使う
屋内乾燥場所・雨線内テープ巻きで省略できる
雨線外リード線から雨水が浸入しないようにする
ここまでのポイント
  • 屈曲部の内側半径は、ケーブル外径の12倍以上を原則とする。
  • 接続は導体・被覆を損傷せず、湿気が浸入しないように行う。
  • 絶縁電線との接続にはケーブルヘッドを使う(屋内乾燥場所や雨線内はテープ巻きで省略可)。
  • 雨線外では、リード線から雨水が浸入しないようにする。

3. 電磁的平衡と接地

トピック3:電磁的平衡と接地
  • 交流回路で鋼帯がい装・鉄線がい装の鉛被ケーブルを使う場合は、回路の導体全部を同一のがい装内に収めたものを使う
  • つまり1回路の各線が2本以上のケーブルにならないようにする(同極往復線を同一鉛被内に収めるなど電磁的平衡状態なら例外)
  • ケーブルの金属被覆・金属製附属品・金属製の電線接続箱・防護装置の金属部分・ラック等の金属部分には接地工事を施す
取り違えやすいところ正しくは
曲げ半径は一般のケーブルと同じ6倍でよい屈曲部の内側半径はケーブル外径の12倍以上が原則
がい装があってもすべて防護装置が必要鋼帯がい装・鉄線がい装・黄銅帯がい装の鉛被ケーブルは、外傷に対する防護装置を省略できる
アルミ被はどこでもそのまま使える防食被覆のないものは、腐食のおそれがある部分に防食措置が必要
接続はテープ巻きで足りる原則はケーブルヘッド。屋内乾燥場所や雨線内に限りテープ巻きで省略できる
交流回路も1線ずつ別のケーブルでよい回路の導体全部を同一のがい装内に収めたものを使う(電磁的平衡状態なら例外)
接地はケーブルの金属被覆だけでよい金属製附属品、金属製の電線接続箱、防護装置の金属部分、ラック等の金属部分も対象
ここまでのポイント
  • 交流回路で鋼帯がい装・鉄線がい装の鉛被ケーブルを使う場合は、回路の導体全部を同一のがい装内に収めたものを使う。
  • 1回路の各線が2本以上のケーブルにならないようにする(同極往復線を同一鉛被内に収めるなど電磁的平衡状態なら例外)。
  • ケーブルの金属被覆・金属製附属品・金属製の電線接続箱・防護装置の金属部分・ラック等の金属部分には接地工事を施す。

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問(FAQ)
Q. 鉛被・アルミ被ケーブルとは?
A. 導体の外側を鉛やアルミニウムで覆ったケーブルです。地下埋設や屋外など厳しい環境で使われます。
Q. 外傷の防護装置は必ず必要?
A. 鋼帯がい装・鉄線がい装・黄銅帯がい装の鉛被ケーブルは、外傷に対する防護装置を省略できます。アルミ被で防食被覆のないものは、腐食のおそれがある部分に防食措置が必要です。
Q. 曲げ半径の基準は?
A. 屈曲部の内側半径を、ケーブル外径の12倍以上とするのが原則です。
Q. 絶縁電線とはどう接続する?
A. ケーブルヘッドを使用します。屋内乾燥場所や雨線内ではテープ巻きで省略でき、雨線外ではリード線から雨水が浸入しないようにします。
Q. 電磁的平衡とは?
A. 交流で鋼帯・鉄線がい装の鉛被ケーブルを使う場合、1回路の導体全部を同一のがい装内に収めることです。1回路が2本以上のケーブルに分かれないようにします。

まとめ|金属被覆を守る「12倍」と電磁的平衡

鉛被・アルミ被のあるケーブル配線は、屈曲の内側半径を外径の12倍以上とり、交流回路は同一のがい装内にまとめる点が、一般のケーブル配線との大きな違いです。

確認する項目規程が示す内容
ケーブルの構成導体の外側を鉛・アルミで覆ったもの
主な用途地下埋設や屋外など厳しい環境
施設方法一般のケーブル配線(3165-1)に準じる
防護装置を省略できるもの鋼帯がい装・鉄線がい装・黄銅帯がい装の鉛被ケーブル
防食措置が必要なものアルミ被ケーブルで防食被覆のないものの、腐食のおそれがある部分
ケーブルと附属品堅ろうかつ電気的に完全に接続する
屈曲部の内側半径ケーブル外径の12倍以上(原則)
接続の基本導体・被覆を損傷せず、湿気が浸入しないように
絶縁電線との接続ケーブルヘッドを使う
ケーブルヘッドを省略できる場所屋内乾燥場所・雨線内(テープ巻き)
雨線外での注意リード線から雨水が浸入しないようにする
交流回路のがい装鉛被ケーブル回路の導体全部を同一のがい装内に収めたものを使う
その例外同極往復線を同一鉛被内に収めるなど電磁的平衡状態にある場合
接地の対象金属被覆・金属製附属品・金属製の電線接続箱・防護装置の金属部分・ラック等の金属部分

選定と防護で押さえること

  • がい装の種類と、防護装置を省略できるか。
  • アルミ被で防食被覆がない場合の腐食対策。
  • 附属品との接続が電気的に完全か。

施工で押さえること

  • 曲げ半径が外径の12倍以上あるか。
  • 接続部から湿気が入らないか。
  • ケーブルヘッドが必要な場所か。

交流回路と接地で押さえること

  • 1回路の導体が同一のがい装内に収まっているか。
  • 電磁的平衡状態の例外にあたるか。
  • 接地の対象となる金属部分を漏れなく拾えているか。

鉛被・アルミ被ケーブルは金属被覆があるぶん硬く、扱いを誤ると被覆自体を傷めてしまいます。曲げ半径の「12倍」と、交流回路を1本のがい装にまとめるという2点は、搬入前の段取りに直結するので早めに確認しておくと安心です。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
交流回路で使うとき、次に注意することは何ですか?
ハリタハリタ
電磁的平衡です。1回路の導体全部を同一がい装内に収め、金属部分には接地工事を施しましょう。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。