この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【054】屋内灯
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

照明器具やコンセント、点滅器の取付箇所では、発熱や損傷を避けるための施工ルールが定められています。離隔距離、電線の使用制限、二重天井内の配線方法を整理します。

屋内灯の施設の3つのポイント(露出電線の離隔、電線の使用制限、二重天井内の配線)を示した図解

先に結論だけ言うと

  • 取付箇所の露出電線は造営材や木台から6mm以上(300V超は2.5cm以上)離隔。乾燥した場所は木台に接触可。
  • IV電線・ビニルキャブタイヤケーブルはレセプタクル付近に使用しない(一定条件で例外)。
  • 二重天井内の分岐配線はケーブル配線又は金属製可とう電線管配線(点検できない場所は二種金属製可とう電線管に限る)。
この記事でわかること
✔ 露出電線の離隔と電線の使用制限
✔ 二重天井内の配線
ペン太ペン太
照明まわりの露出電線って、造営材にぴったり沿わせちゃダメなんですか?
ハリタハリタ
原則6mm以上、300V超なら2.5cm以上離します。乾燥した場所では木台に接触可という例外があります。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 取付箇所の露出電線は、造営材や木台からどれだけ離しますか。
  • IV電線をレセプタクル付近に使えないのは、どんな場合ですか。
  • 二重天井内で点検できない場所の配線は、何に限られますか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、屋内灯まわりの配線ルールを3つの視点で整理します。

露出電線の離隔と電線の使用制限

トピック1:露出電線の離隔と電線の使用制限
取付箇所の離隔・配線 早見図
一般(300V以下)
6mm以上 離隔
300V超
2.5cm以上 離隔
乾燥した場所
木台に接触可
二重天井内の分岐配線 → ケーブル配線又は金属製可とう電線管配線(点検できない場所は二種金属製可とう電線管に限る
  • 照明器具・レセプタクル・コンセント・点滅器などの取付箇所で接続する露出電線は、造営材又は木台などから6mm(使用電圧が300Vを超える場合は2.5cm)以上離隔します。ただし乾燥した場所では木台に接触して施設できます。
  • IV電線及びビニルキャブタイヤケーブルは白熱電灯用のレセプタクル付近の電線に使用してはいけません。ただし、①電球を露出するもの、②住宅の軒灯・便所灯などのように60Wを超える電球を使うおそれがないもの、③3205-3により施設するもの、はこの限りではありません。
  • 照明器具付近は発熱により電線やボックスに影響を及ぼすおそれがあるため、製造業者の指定する施工方法によります。
ペン太ペン太
二重天井の中は見えないし、どんな配線でもいい気がしてました…
ハリタハリタ
ケーブル配線か金属製可とう電線管に限られます。点検できない場所は二種金属製可とう電線管だけです。
IV電線・ビニルキャブタイヤケーブルの扱い条件
白熱電灯用のレセプタクル付近の電線に使用しない原則
使用できる電球を露出するもの
使用できる住宅の軒灯・便所灯などのように60Wを超える電球を使うおそれがないもの
使用できる3205-3により施設するもの
ここまでのポイント
  • 照明器具・レセプタクル・コンセント・点滅器などの取付箇所で接続する露出電線は、造営材又は木台などから所定の距離を離隔する。
  • 使用電圧が300V以下は6mm以上、300Vを超える場合は2.5cm以上。
  • 乾燥した場所では木台に接触して施設できる。
  • IV電線及びビニルキャブタイヤケーブルは、白熱電灯用のレセプタクル付近の電線に使用しない(3つの例外を除く)。
  • 照明器具付近は発熱により電線やボックスに影響を及ぼすおそれがあるため、製造業者の指定する施工方法による。

二重天井内の配線

トピック2:二重天井内の配線
  • 二重天井内で屋内配線から分岐して照明器具に接続する配線は、ケーブル配線又は金属製可とう電線管配線(点検できない場所では二種金属製可とう電線管に限る)とします。
  • ただし、分岐点又はアウトレットボックスから器具電源引込み部分までの配線の長さが30cm以下で、かつ直接造営材に接触するおそれがないように施設する場合は例外となります(器具内での接続・電線支持などの条件あり)。

たとえ話でイメージ

照明器具のまわりは、ストーブの近くのようなもの。熱がこもりやすいので、電線を造営材から少し離したり熱に弱い電線を避けたりして、「熱でいたまない距離と材料」を選んであげるイメージです。

見習いペン太
見習いペン太
露出した電線は、木の造営材にくっつけて配線しちゃダメなんですか?
はりた
はりた
基本は6mm以上離すんだ。300Vを超えるなら2.5cm以上。ただし乾燥した場所なら木台に接触させてもいいことになっているよ。
見習いペン太
見習いペン太
二重天井の中の配線は何でもいいんですか?
はりた
はりた
ケーブル配線か金属製可とう電線管が基本だよ。点検できない場所では二種金属製可とう電線管に限られる。配線の長さが30cm以下などの条件を満たせば例外もあるけどね。
屋内灯の取付箇所の離隔と二重天井内の配線を示した図
照明器具・レセプタクル・コンセント・点滅器などの取付箇所で接続する露出電線は、造営材や木台から6mm以上(使用電圧300V超は2.5cm以上)離す。ただし乾燥した場所では木台に接触して施設できる。二重天井内で屋内配線から分岐して照明器具へ接続する配線は、ケーブル配線または金属製可とう電線管配線とし、点検できない場所では二種金属製可とう電線管に限る。
取り違えやすいところ正しくは
露出電線は木台に付けてはいけない乾燥した場所では木台に接触して施設できる
離隔は電圧に関係なく同じ使用電圧が300Vを超える場合は離隔が大きくなる
IV電線はどの照明にも使える白熱電灯用のレセプタクル付近では原則使用しない。3つの例外にあたるかを確認する
器具付近の施工は一般の配線と同じでよい発熱により電線やボックスに影響を及ぼすおそれがあるため、製造業者の指定する施工方法による
二重天井内なら見えないので自由に配線できるケーブル配線又は金属製可とう電線管配線に限られる
点検できない場所でも金属製可とう電線管なら何でもよい二種金属製可とう電線管に限る
30cm以下なら何をしてもよい分岐点又はアウトレットボックスから器具電源引込み部分まで30cm以下で、かつ直接造営材に接触するおそれがないように施設する場合の例外(器具内での接続・電線支持などの条件あり)
ここまでのポイント
  • 二重天井内で屋内配線から分岐して照明器具に接続する配線は、ケーブル配線又は金属製可とう電線管配線とする。
  • 点検できない場所では、二種金属製可とう電線管に限る。
  • 分岐点又はアウトレットボックスから器具電源引込み部分までの配線の長さが30cm以下で、かつ直接造営材に接触するおそれがないように施設する場合は例外(器具内での接続・電線支持などの条件あり)。

よくある質問(FAQ)

トピック3:よくある質問(FAQ)
Q. 取付箇所の露出電線はどれだけ離隔が必要ですか?
A. 造営材や木台などから6mm以上(使用電圧が300Vを超える場合は2.5cm以上)離隔します。乾燥した場所では木台に接触して施設できます。
Q. IV電線はレセプタクル付近に使えますか?
A. 原則として白熱電灯用レセプタクル付近には使用できません。電球を露出するもの、60W超を使うおそれのない軒灯・便所灯、3205-3により施設するものなどは例外です。
Q. 二重天井内の配線方法は?
A. ケーブル配線又は金属製可とう電線管配線とし、点検できない場所では二種金属製可とう電線管に限ります。配線長30cm以下などの条件を満たせば例外があります。

まとめ|熱と点検のしやすさで配線が決まる

屋内灯まわりの配線は、照明器具の熱から電線を守る離隔と電線の選定、そして点検できるかどうかによる工法の制限という2つの考え方で整理できます。

場所・状況規程が示す内容
取付箇所の露出電線(300V以下)造営材又は木台などから6mm以上離隔
取付箇所の露出電線(300V超)造営材又は木台などから2.5cm以上離隔
乾燥した場所木台に接触して施設できる
白熱電灯用レセプタクル付近IV電線及びビニルキャブタイヤケーブルは使用しない
その例外電球を露出するもの/60Wを超える電球を使うおそれがない住宅の軒灯・便所灯など/3205-3により施設するもの
照明器具付近製造業者の指定する施工方法による
二重天井内(点検できる場所)ケーブル配線又は金属製可とう電線管配線
二重天井内(点検できない場所)二種金属製可とう電線管に限る
二重天井内の例外分岐点又はアウトレットボックスから器具電源引込み部分まで30cm以下、かつ直接造営材に接触するおそれがないように施設する場合

取付箇所で押さえること

  • 使用電圧の区分に応じた離隔。
  • 乾燥した場所での木台への接触。
  • レセプタクル付近で使えない電線と、その例外。

熱への配慮で押さえること

  • 照明器具付近の電線とボックスへの影響。
  • 製造業者の指定する施工方法に従っているか。

二重天井内で押さえること

  • 点検できる場所か、できない場所か。
  • 工法がケーブル又は金属製可とう電線管におさまっているか。
  • 30cm以下の例外を使う場合の条件。

照明器具のまわりは、電線にとってもっとも熱がかかる場所です。二重天井内は施工後に見えなくなるため、点検できるかどうかで工法が変わる点も含め、上の表を器具の割付けと同じタイミングで確認しておくと安心です。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
例外の条件も覚えておいたほうがいいですか?
ハリタハリタ
配線長30cm以下などの例外があります。原則とセットで整理しておきましょう。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。