この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【064】架空電飾
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

屋外のイルミネーションなどに用いられる架空電飾について、対地電圧・施設場所・メッセンジャーワイヤによるちょう架・高さ・接地のルールを内線規程にもとづいて整理します。

架空電飾の施設ルールを示す図解。対地電圧<span style=150V以下で構内の露出場所、メッセンジャーワイヤは22mm2以上支持点間50cm以下、屋外は地表上2.5m以上でD種接地の3つのポイント。” style=”max-width:100%;height:auto;”>
結論:架空電飾は電路の対地電圧を150V以下とし、需要場所の構内の露出した場所に施設します。電線は22mm2以上のメッセンジャーワイヤにちょう架して支持点間50cm以下、屋外は地表上2.5m以上の高さとし、D種接地工事漏電遮断器を施します。
この記事でわかること
✔ 対地電圧・施設場所・高さ
✔ メッセンジャーワイヤによるちょう架と接地
ペン太ペン太
イルミネーションの架空電飾って、高さはどのくらい必要でしたっけ?
ハリタハリタ
屋内は床面上2.3m以上、屋外は地表上2.5m以上です。対地電圧は150V以下に制限されます。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 架空電飾は、どんな場所に施設できますか。
  • 屋外に施設する電線や器具の高さは、地表上何m以上ですか。
  • メッセンジャーワイヤの断面積と、電線の支持点間距離は。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、架空電飾の施設ルールを3つの視点で整理します。

対地電圧・施設場所・高さ

トピック1:対地電圧・施設場所・高さ
  • 電路の対地電圧は150V以下。架空電飾は需要場所の構内であって露出した場所に施設します。
  • 高さは、屋内は床面上2.3m以上、屋側・屋外は地表上2.5m以上。屋外では交通に支障のないように施設します。
  • 電路には漏電遮断器を施設します。開閉器などは防湿形・防雨形・防まつ形・防浸形など施設場所に応じた保護構造とします。
ペン太ペン太
直径4mmの亜鉛めっき鉄線なら、どこでも使えると思ってました…
ハリタハリタ
それは径間15m以下の場合の条件付きです。原則は断面積22mm²以上のメッセンジャーワイヤです。
施設する場所高さの基準あわせて注意すること
屋内床面上2.3m以上
屋側・屋外地表上2.5m以上交通に支障のないように施設する
ここまでのポイント
  • 電路の対地電圧は150V以下。
  • 需要場所の構内であって、露出した場所に施設する。
  • 高さは屋内が床面上2.3m以上、屋側・屋外が地表上2.5m以上。
  • 屋外では交通に支障のないように施設する。
  • 電路には漏電遮断器を施設し、開閉器などは施設場所に応じた保護構造(防湿形・防雨形・防まつ形・防浸形など)とする。

メッセンジャーワイヤによるちょう架と接地

トピック2:メッセンジャーワイヤによるちょう架と接地
  • 電線を造営材に沿わせない場合はメッセンジャーワイヤにちょう架します。ちょう架はハンガーによることとし、電線に適合する絶縁ハンガーを使用します。
  • 電線の支持点間の距離は50cm以下。被覆を損傷せず、張力を加えないように施設します。
  • メッセンジャーワイヤは断面積22mm2以上の鋼より線等。支持物の径間が15m以下なら直径4mm以上の亜鉛めっき鉄線も使用でき、支持物の径間は30m以下とします。
  • メッセンジャーワイヤにはD種接地工事を施します。
たとえ話:架空電飾は「物干しロープに吊るした洗濯物」に似ています。ロープ(メッセンジャーワイヤ)が丈夫でなければ落ちてしまうので、22mm2以上の鋼より線で張り、50cm間隔で支え、頭上2.5m以上の高さを確保して通行人にぶつからないようにします。
見習いペン太
見習いペン太
イルミネーションって、電線が垂れ下がって危なくないですか?
はりた
はりた
だから丈夫なメッセンジャーワイヤにちょう架するんだ。断面積22mm2以上の鋼より線を使って、電線の支持点間は50cm以下にする。径間が15m以下なら直径4mm以上の亜鉛めっき鉄線でもいいよ。
見習いペン太
見習いペン太
高さの決まりはありますか?
はりた
はりた
あるよ。屋内は床面上2.3m以上、屋側と屋外は地表上2.5m以上。屋外では交通の支障にならないように施設するんだ。メッセンジャーワイヤにはD種接地工事も必要だよ。
架空電飾の施設高さとメッセンジャーワイヤによるちょう架を示した図
図|施設できる高さ(屋内は床面上2.3m以上、屋側・屋外は地表上2.5m以上)と、メッセンジャーワイヤによるちょう架。電線の支持点間は50cm以下、支持物の径間は30m以下とし、メッセンジャーワイヤにはD種接地工事を施す。
取り違えやすいところ正しくは
敷地の外でも施設できる需要場所の構内であって、かつ露出した場所に施設する
高さの基準は屋内も屋外も同じ屋内は床面上2.3m以上、屋側・屋外は地表上2.5m以上
直径4mm以上の亜鉛めっき鉄線ならどこでも使える使えるのは支持物の径間が15m以下の場合。原則は断面積22mm2以上の鋼より線等
ちょう架の方法は問わないハンガーによることとし、電線に適合する絶縁ハンガーを使用する
電線は張って固定すればよい被覆を損傷せず、張力を加えないように施設する
接地は器具側だけでよいメッセンジャーワイヤにもD種接地工事を施す
ここまでのポイント
  • 電線を造営材に沿わせない場合は、メッセンジャーワイヤにちょう架する。
  • ちょう架はハンガーにより、電線に適合する絶縁ハンガーを使用する。
  • 電線の支持点間の距離は50cm以下とし、被覆を損傷せず張力を加えないように施設する。
  • メッセンジャーワイヤは断面積22mm2以上の鋼より線等(径間15m以下なら直径4mm以上の亜鉛めっき鉄線も可)。
  • 支持物の径間は30m以下とし、メッセンジャーワイヤにはD種接地工事を施す。

よくある質問(FAQ)

トピック3:よくある質問(FAQ)
Q. 架空電飾はどこに施設できますか?
A. 需要場所の構内であって、かつ露出した場所に施設します。
Q. メッセンジャーワイヤの強度・支持の基準は?
A. 断面積22mm2以上の鋼より線又はこれと同等以上の強度のものを使用し、電線の支持点間は50cm以下とします。支持物の径間が15m以下の場合は直径4mm以上の亜鉛めっき鉄線も使用でき、支持物の径間は30m以下とします。メッセンジャーワイヤにはD種接地工事を施します。
Q. 架空電飾の電線・器具の高さの基準は?
A. 屋内に施設する場合は床面上2.3m以上、屋側・屋外に施設する場合は地表上2.5m以上です。屋外では交通に支障のないように施設します。

まとめ|場所・高さ・ちょう架の3点で架空電飾を押さえる

架空電飾は、構内の露出した場所に、規定の高さで、丈夫なメッセンジャーワイヤにちょう架して施設することが基本です。

確認する項目規程が示す数値・条件
電路の対地電圧150V以下
施設できる場所需要場所の構内であって、露出した場所
屋内の高さ床面上2.3m以上
屋側・屋外の高さ地表上2.5m以上(交通に支障のないように)
電路の保護漏電遮断器を施設する
開閉器などの構造防湿形・防雨形・防まつ形・防浸形など、施設場所に応じた保護構造
ちょう架の方法ハンガーによること(電線に適合する絶縁ハンガーを使用)
電線の支持点間距離50cm以下
電線の施設被覆を損傷せず、張力を加えない
メッセンジャーワイヤ断面積22mm2以上の鋼より線又は同等以上の強度のもの
径間15m以下の場合直径4mm以上の亜鉛めっき鉄線も使用できる
支持物の径間30m以下
メッセンジャーワイヤの接地D種接地工事

計画で押さえること

  • 需要場所の構内で、露出した場所を選べているか。
  • 対地電圧150V以下におさまっているか。
  • 屋内・屋外それぞれの高さを確保できるか。

ちょう架で押さえること

  • メッセンジャーワイヤの断面積と径間の条件。
  • 絶縁ハンガーによるちょう架と支持点間50cm以下。
  • 被覆の損傷と張力を避ける施工。

保安で押さえること

  • 電路の漏電遮断器。
  • 施設場所に応じた開閉器の保護構造。
  • メッセンジャーワイヤのD種接地工事。

架空電飾は、期間限定のイルミネーションでも人の頭上を通る設備です。仮設だからと簡略化せず、上の表の高さ・強度・接地の数値をそのまま確認していくと、通行人や作業者の安全を確実に守れます。

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ペン太ペン太
仕上げに確認すべき保安対策は?
ハリタハリタ
支持点間50cm以下のちょう架、D種接地工事、漏電遮断器の施設をそろえて完了です。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。