内線規程の解釈と解説【116】|配線設計(電動機)
出典:内線規程(JEAC8001-2022)より
電動機(モーター)は起動時に大きな電流が流れるため、配線設計では負荷算定とブレーカーの選定が特に重要です。ここでは内線規程にもとづき、電動機回路を安全に設計する要点を整理します。

この記事の結論
電動機の負荷算定は銘板の定格電流が基本で、原則1台につき1回路(専用回路)とします。ブレーカーは電動機の定格電流の3倍まで(50A超は2.75倍まで)。過負荷保護装置と欠相保護も忘れずに設けます。
ペン太
ハリタこの3つ、すぐ答えられますか
- 電動機1台に対するブレーカーの定格電流は、定格の何倍までか
- 電動機を専用回路とするのは、なぜか
- 過負荷保護装置を省略できるのは、どんな場合か
電動機の負荷算定
- 汎用モーターは銘板(ネームプレート)の定格電流をそのまま使うのが基本。出力別に決まった規約電流から選ぶこともできる
- インバーター付きやエアコン・冷凍機などの特殊なモーターはメーカー資料を確認する。圧縮機は銘板電流×1.2で計算することが多い
- 冷凍機やチラーは起動時の電流に注意する
- 電動機は起動時に大電流が流れるため、原則として1台につき1回路(専用回路)とする
ペン太
ハリタ- 汎用モーターは銘板(ネームプレート)の定格電流をそのまま使うのが基本
- 出力別に決まった規約電流から選ぶこともできる
- インバーター付きやエアコン・冷凍機などの特殊なモーターはメーカー資料を確認する
- 圧縮機は銘板電流×1.2で計算することが多い
- 冷凍機やチラーは起動時の電流に注意する
- 起動時に大電流が流れるため、原則として1台につき1回路(専用回路)とする
開閉器とブレーカーの選定
- 開閉器の定格電流は、ブレーカーの定格電流と同じか、それ以上とする
- 電動機1台の場合、ブレーカーの定格電流は電動機の定格電流の3倍まで。ただし電動機が50Aを超える場合は2.75倍まで
- 他の機器と一緒に使うときは、それらの定格電流も合計して計算する
- 原則として電線の許容電流≧ブレーカーの定格電流。過負荷保護装置との協調が取れれば、電線の2.5倍以下のブレーカーでもよい
- 許容電流が100A超で計算値が中途半端になる場合は、直近上位の定格値のブレーカーでよい。専用回路で1360-4に適合する遮断器を使う場合は、電線と同じ定格電流でもよい
| 条件 | ブレーカーの定格電流 | 補足 |
|---|---|---|
| 電動機1台(50A以下) | 電動機の定格電流の3倍まで | — |
| 電動機1台(50A超) | 2.75倍まで | — |
| 他の機器と併用 | それらの定格電流も合計して計算する | — |
| 電線との関係 | 原則、電線の許容電流以下 | 過負荷保護装置と協調が取れれば電線の2.5倍以下でも可 |
| 許容電流100A超 | 直近上位の定格値でよい | 専用回路で1360-4に適合する遮断器なら電線と同じ定格でも可 |
- 開閉器の定格電流は、ブレーカーの定格電流と同じか、それ以上とする
- 電動機1台の場合、ブレーカーは電動機の定格電流の3倍まで。50Aを超える場合は2.75倍まで
- 他の機器と一緒に使うときは、それらの定格電流も合計して計算する
- 原則として電線の許容電流≧ブレーカーの定格電流
- 過負荷保護装置との協調が取れれば、電線の2.5倍以下のブレーカーでもよい
- 許容電流100A超で計算値が中途半端なら、直近上位の定格値でよい
過負荷保護と欠相保護
- 過負荷保護装置には、電動機用ヒューズ、配線用遮断器(モーター保護タイプ)、熱動継電器(サーマルリレー)などがある
- 保護装置が内蔵されている、35W以下の交流モーター、常時人が監視する、過負荷の心配がない、単相モーターで15A以下の回路(20A以下の配線用遮断器)から電源供給、出力0.2kW以下の小型モーターなどは省略できる場合がある
- 三相のうち1本でも電源が途切れる欠相は電動機の損傷につながるため、欠相保護装置で検出・遮断する。やむを得ない場合は警報のみでよいケースもある
たとえ話でイメージ
電動機の起動は、止まっている重い荷車を一気に押し出す瞬間に似ています。動き出すまでは大きな力(突入電流)が要るので、すぐに音を上げない少し余裕のあるブレーカー(定格の3倍まで)を選び、押しすぎて壊れないよう過負荷保護で見守るわけです。

| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| ブレーカーは電動機の定格電流に近い値で選ぶ | 起動電流があるため3倍まで(50A超は2.75倍まで)認められる |
| ブレーカーが3倍なら配線も3倍必要 | 過負荷保護は別の装置が担う。電線は許容電流の条件で決める |
| 電動機も他の負荷と同じ回路でよい | 起動時の大電流のため、原則1台につき1回路 |
| どんなモーターも銘板の定格電流でよい | インバーター付きや冷凍機などはメーカー資料を確認する |
| 過負荷保護は必ず外付けで設ける | 保護装置内蔵や小容量など、省略できる場合がある |
- 過負荷保護装置には、電動機用ヒューズ、配線用遮断器(モーター保護タイプ)、熱動継電器などがある
- 保護装置が内蔵されている場合や、35W以下の交流モーターなどは省略できる場合がある
- 常時人が監視する、過負荷の心配がない、出力0.2kW以下の小型モーターも同様
- 単相モーターで15A以下の回路(20A以下の配線用遮断器)から電源供給する場合も省略できる場合がある
- 三相のうち1本でも途切れる欠相は電動機の損傷につながるため、欠相保護装置で検出・遮断する
- やむを得ない場合は警報のみでよいケースもある
よくある質問(FAQ)
まとめ|起動電流を見込みつつ、保護は別に置く
電動機の配線設計は「ブレーカーは起動電流で飛ばないように大きめ、過負荷は別の装置で守る」という役割分担でできています。だからブレーカーが定格の3倍でも、配線が危険になるわけではありません。
| 確認する順番 | 見るところ | 決まること |
|---|---|---|
| Step1 | モーターの種類 | 銘板の定格電流か、メーカー資料か |
| Step2 | 回路の構成 | 原則1台につき1回路(専用回路) |
| Step3 | ブレーカーの定格 | 3倍まで、50A超は2.75倍まで |
| Step4 | 電線の許容電流 | ブレーカー定格以下か、協調が取れて2.5倍以下か |
| Step5 | 保護装置 | 過負荷保護(省略要件の確認)と欠相保護 |
倍率の数字だけを見ると過大に思えますが、過負荷保護を担う装置が別にあることが前提です。省略要件に当てはめる場合は、その根拠を図面や計算書に残しておくと後の確認がスムーズになります。
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内線規程の実務では、規程集や技術資料を手元に置いておくと確認がぐっと早くなります。
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