内線規程の解釈と解説【116】|配線設計(電動機)
出典:内線規程(JEAC8001-2022)3705節、電気設備の技術基準の解釈 第153条
電動機(モーター)は起動時に大きな電流が流れるため、配線設計では負荷算定とブレーカーの選定が特に重要です。ここでは内線規程にもとづき、電動機回路を安全に設計する要点を整理します。
ペン太
ハリタこの記事で押さえる3つのこと
- ブレーカーは定格電流の3倍以下(50A超は2.75倍)。電線は1.25倍以上かつブレーカーの40%以上。
- 起動の大電流でほかを巻き込まないよう、原則1台に1回路。
- 過負荷はサーマルなどで守る。0.2kW以下など4つの場合は省略可(電技解釈第153条)。三相には欠相保護。
電動機の負荷算定
- 汎用モーターは銘板(ネームプレート)の定格電流をそのまま使うのが基本。出力別に決まった規約電流から選ぶこともできる
- インバーター付きやエアコン・冷凍機などの特殊なモーターはメーカー資料を確認する。圧縮機もメーカー資料で確かめる
- 冷凍機やチラーは起動時の電流に注意する
- 電動機は起動時に大電流が流れるため、原則として1台につき1回路(専用回路)とする
ペン太
ハリタ- 汎用モーターは銘板(ネームプレート)の定格電流をそのまま使うのが基本
- 出力別に決まった規約電流から選ぶこともできる
- インバーター付きやエアコン・冷凍機などの特殊なモーターはメーカー資料を確認する
- 圧縮機もメーカー資料で確かめる
- 冷凍機やチラーは起動時の電流に注意する
- 起動時に大電流が流れるため、原則として1台につき1回路(専用回路)とする
開閉器とブレーカーの選定
- 開閉器の定格電流は、ブレーカーの定格電流と同じか、それ以上とする
- 電動機1台の場合、ブレーカーの定格電流は電動機の定格電流の3倍まで。ただし電動機が50Aを超える場合は2.75倍まで
- 他の機器と一緒に使うときは、それらの定格電流も合計して計算する
- 原則として電線の許容電流≧ブレーカーの定格電流。過負荷保護装置との協調が取れれば、電線の2.5倍以下のブレーカーでもよい
- 許容電流が100A超で計算値が中途半端になる場合は、直近上位の定格値のブレーカーでよい。専用回路で1360-4に適合する遮断器を使う場合は、電線と同じ定格電流でもよい
| 条件 | ブレーカーの定格電流 | 補足 |
|---|---|---|
| 電動機1台(50A以下) | 電動機の定格電流の3倍まで | — |
| 電動機1台(50A超) | 2.75倍まで | — |
| 他の機器と併用 | それらの定格電流も合計して計算する | — |
| 電線との関係 | 原則、電線の許容電流以下 | 過負荷保護装置と協調が取れれば電線の2.5倍以下でも可 |
| 許容電流100A超 | 直近上位の定格値でよい | 専用回路で1360-4に適合する遮断器なら電線と同じ定格でも可 |
電線の太さ
電動機の分岐回路の電線は、次の2つのうち大きいほう以上の許容電流のものを選びます(内線規程3705-4)。
- 電動機の定格電流の1.25倍(定格電流が50Aを超えるときは1.1倍)
- ブレーカーの定格電流の40%(1/2.5)
| 条件 | 計算(定格16A・ブレーカー40Aの例) |
|---|---|
| 定格電流×1.25 | 16A×1.25=20A |
| ブレーカー÷2.5 | 40A÷2.5=16A |
| 選ぶ電線 | 許容電流20A以上(布設条件で確かめる) |
ブレーカーと電線の計算例は、動力ブレーカーの選定根拠と計算例でも詳しく扱っています。
- 開閉器の定格電流は、ブレーカーの定格電流と同じか、それ以上とする
- 電動機1台の場合、ブレーカーは電動機の定格電流の3倍まで。50Aを超える場合は2.75倍まで
- 他の機器と一緒に使うときは、それらの定格電流も合計して計算する
- 原則として電線の許容電流≧ブレーカーの定格電流
- 過負荷保護装置との協調が取れれば、電線の2.5倍以下のブレーカーでもよい
- 許容電流100A超で計算値が中途半端なら、直近上位の定格値でよい
過負荷保護と欠相保護
- 過負荷保護装置には、電動機用ヒューズ、配線用遮断器(モーター保護タイプ)、熱動継電器(サーマルリレー)などがある
- 常時人が監視する、過負荷の心配がない、単相モーターで15A以下の回路(20A以下の配線用遮断器)から電源供給、出力0.2kW以下の小型モーターなどは省略できる場合がある
- 三相のうち1本でも電源が途切れる欠相は電動機の損傷につながるため、欠相保護装置で検出・遮断する。やむを得ない場合は警報のみでよいケースもある
過負荷保護を省略できる場合(電技解釈第153条)
屋内に施設する電動機には、焼損を防ぐ過負荷保護装置を設けます。電技解釈第153条で、次の4つの場合は省略できます。
| 省略できる場合 | 中身 |
|---|---|
| 出力が小さい | 0.2kW以下 |
| 常時監視 | 運転中、取扱者が常時監視できる位置に施設する |
| 過電流のおそれがない | 電動機の構造上・負荷の性質上、焼損するほどの過電流が生じない |
| 単相で電源側が小さい | 電源側の過電流遮断器が15A以下(配線用遮断器なら20A以下) |
ペン太
ハリタ
ペン太
ハリタ欠相保護
三相の電源のうち1本が切れる(欠相)と、モーターは残りの2本で回ろうとし、大きな電流が流れます。欠相保護で検出して切ります。やむを得ない場合は、警報だけでよいこともあります。
| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| ブレーカーは電動機の定格電流に近い値で選ぶ | 起動電流があるため3倍まで(50A超は2.75倍まで)認められる |
| ブレーカーが3倍なら配線も3倍必要 | 過負荷保護は別の装置が担う。電線は許容電流の条件で決める |
| 電動機も他の負荷と同じ回路でよい | 起動時の大電流のため、原則1台につき1回路 |
| どんなモーターも銘板の定格電流でよい | インバーター付きや冷凍機などはメーカー資料を確認する |
| 過負荷保護は必ず外付けで設ける | 電技解釈第153条の4つの場合は省略できる |
- 過負荷保護装置には、電動機用ヒューズ、配線用遮断器(モーター保護タイプ)、熱動継電器などがある
- 電技解釈第153条で省略できるのは、次の4つの場合
- 常時人が監視する、過負荷の心配がない、出力0.2kW以下の小型モーター
- 単相モーターで15A以下の回路(20A以下の配線用遮断器)から電源供給する場合も省略できる場合がある
- 三相のうち1本でも途切れる欠相は電動機の損傷につながるため、欠相保護装置で検出・遮断する
- やむを得ない場合は警報のみでよいケースもある
よくある質問(FAQ)
まとめ|起動電流を見込みつつ、保護は別に置く
電動機の配線設計は「ブレーカーは起動電流で飛ばないように大きめ、過負荷は別の装置で守る」という役割分担でできています。だからブレーカーが定格の3倍でも、配線が危険になるわけではありません。
| 確認する順番 | 見るところ | 決まること |
|---|---|---|
| Step1 | モーターの種類 | 銘板の定格電流か、メーカー資料か |
| Step2 | 回路の構成 | 原則1台につき1回路(専用回路) |
| Step3 | ブレーカーの定格 | 3倍まで、50A超は2.75倍まで |
| Step4 | 電線の許容電流 | 定格の1.25倍以上(50A超は1.1倍)、かつブレーカーの40%以上 |
| Step5 | 保護装置 | 過負荷保護(省略要件の確認)と欠相保護 |
倍率の数字だけを見ると過大に思えますが、過負荷保護を担う装置が別にあることが前提です。省略要件に当てはめる場合は、その根拠を図面や計算書に残しておくと後の確認がスムーズになります。
ペン太
ハリタ📎 関連するおすすめアイテム
内線規程の実務では、規程集や技術資料を手元に置いておくと確認がぐっと早くなります。



