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始動電流を考慮すべし

 

今回の疑問

 

動力負荷のブレーカーサイズ

選定方法について教えてほしい!

 

結論

 

動力負荷の開閉器サイズは

下記のどちらか小さい値を選定しましょう。

本記事のおすすめの方
  • 動力負荷のブレーカーサイズについて調べている方
  • 選定したブレーカーサイズが大きいがあっているか心配な方

 

この記事でわかること
  1. ブレーカーサイズの選定方法
  2. 負荷に応じた正しいサイズの選定方法
  3. 選定の根拠資料について
動力ブレーカー(電動機回路の過電流遮断器)の選び方図解|電技解釈149の3倍/2.75倍・特例2.5倍
動力ブレーカーの選定(電技解釈149:電動機定格×3倍〔50A以下〕/×2.75倍〔50A超〕+他機器、過負荷保護ありなら電線許容電流×2.5倍まで)
図解のポイント:動力(電動機)回路のブレーカーは、電動機の定格電流を基準に上限が決まります。電動機定格電流が50A以下ならブレーカー定格は「電動機定格×3倍 + 同一分岐の他機器の電流合計」以下、50A超なら「×2.75倍 + 他機器の電流合計」以下です(電技解釈149)。始動時の大電流で誤作動しないことが条件で、サーマルリレー等の過負荷保護があり保護協調がとれる場合は電線の許容電流の2.5倍まで大きくできます。
📱 動力ブレーカーの選定(解釈149)(要点データ)
電動機定格 50A以下
電動機定格 ×3倍 + 他機器の電流合計 が上限
電動機定格 50A超
電動機定格 ×2.75倍 + 他機器の電流合計 が上限
特例(過負荷保護あり)
電線の許容電流 ×2.5倍 まで大きくできる
注意
始動電流で誤作動しないこと(モーターは始動時に大電流)
役割分担
サーマル等=過負荷 / ブレーカー=短絡・地絡(保護協調)

ブレーカーサイズの簡易計算表

分電盤の設計|動力設備のケーブルと開閉器サイズの簡易設計表一覧 ブラウザでそのまま使える無料ツール この記事の内容で主幹ブレーカーを選定するなら、姉妹サイト「セコサポ」の動力盤 主幹ブレーカー選定ツ...

 

今回は、内線規程に記載されている下記内容についての解説します

3.電動機に電気を供給する分岐回路の過電流遮断器の選定は,次の各号による
こと。(解釈149)

① 過電流遮断器の定格電流は,当該電動機の定格電流の3倍(電動機の定格電流が50Aを超える場合は,2.75倍)に他の電気使用機械器具の定格電流の合計を加えた値以下で,かつ,電動機の始動電流により動作しない定格のものであること。ただし,電動機の過負荷保護装置との保護協調が適切であるときは,当該分岐回路に使用する電線の許容電流の2.5倍以下とすることができる。

まずは動力と電灯負荷の違いを認識しよう!

電気設備設計において、「動力」と「電灯負荷」は明確に区別して考える必要があります。
同じ“負荷”でも、その特性や開閉器の選定方法には大きな違いがあるのです。

💡 補足:始動電流とは?

始動電流とは、モーターなどを動かす瞬間に必要な大きな電流のことです。
通常、定格電流の3〜6倍程度になることもあるため、これを考慮しないと**開閉器が誤作動(トリップ)**してしまうことがあります。


📌 負荷の特性を理解しよう

電気設備で扱う負荷には主に以下の2種類があります:

負荷の種類 主な例 特徴
動力負荷 モーター、電熱器、空調機など 始動電流が大きい、連続運転あり
電灯負荷 照明、コンセント、事務機器など 比較的安定した消費電流、突入電流は少ない

🔥 電熱器はどう考える?

電熱器(ヒーターなど)は、始動電流が存在しないため、動力負荷であっても電灯負荷に近い扱いが可能です。
始動電流を考慮せずに開閉器サイズを決めても問題ありません。


⚡ 開閉器サイズの選定で混同に注意!

  • 電動機(モーター)系負荷
     → 始動電流を考慮し、定格電流より大きめの開閉器を選定する必要あり
     (例:始動電流が定格の6倍になるケースも)

  • 電灯負荷/電熱器系負荷
     → 計算上始動電流は考慮しないものとし、実使用電流に応じて開閉器を選定

📌 これらを混同して同じサイズで設計してしまうと、誤動作や機器故障の原因になるため、必ず分けて考えましょう!

⚙️ 負荷の区分

負荷の種類 主な設備例 始動電流の考慮 トリップの考え方 選定のポイント
電動機(モーター) 換気扇、ポンプ、コンプレッサー等 必要(大) 定格電流+始動余裕 始動電流に耐えるよう大きめの開閉器を選ぶ
空冷ヒートポンプ パッケージエアコン等 必要(中) 過負荷トリップさせない 高温・低温運転で負荷変動に耐えるよう選定
電熱器 温水器、ヒーター等 不要 定格電流を基準 実使用電流に対して適正サイズでOK
電灯 照明、コンセント、OA機器など 不要 定格電流を基準 合計電流値に20〜30%程度の余裕で選定

電動機(モーター)回路のブレーカー選定ルール


📘どういう内容?

電動機(モーター)を動かすための回路には、「過電流遮断器(ブレーカー)」をつけます。でも、モーターって電源を入れた瞬間に**ドーン!と大きな電流(始動電流)**が流れるんです。そこで、ブレーカーを選ぶときは以下のようなルールがあります。


✅わかりやすく整理!

① 定格電流の上限ルール

電動機の定格電流 ブレーカー定格電流の上限
50A以下 電動機定格電流の 3倍 + 他の機器の電流合計以下
50A超 電動機定格電流の 2.75倍 + 他の機器の電流合計以下
  • ※「他の機器」…同じ分岐回路に繋がっている電熱器などがあれば、その分も足す必要あり

② 始動電流ですぐに切れちゃダメ!

  • モーターを始動するときに流れる大電流で、ブレーカーが誤作動しないようにすること!

③ 保護協調がOKなら特例あり

  • モーターに**過負荷保護装置(サーマルリレーなど)**があって、ちゃんと役割分担できているなら…

➡️ 電線の許容電流の2.5倍までブレーカーを大きくしてもOK!

電動機回路の3つの保護図解|短絡・地絡はMCCB、過負荷はサーマル(2E/3E)、始動はトリップ回避
電動機回路の3つの保護の役割分担(短絡・地絡=配線用遮断器/過負荷=サーマルリレー/始動=トリップしない特性)
図解のポイント:電動機回路の保護は役割分担で考えます。短絡・地絡などの大きな事故電流は配線用遮断器(MCCB)やヒューズが瞬時に遮断し、じわじわ増える過負荷はサーマルリレー(2E、欠相・反相も守るなら3E)が受け持ち、始動時の大電流ではトリップしない特性を選びます。ブレーカーの「×3倍」は過電流遮断器の上限であって、過負荷保護(サーマル)の代わりにはなりません。

✅ 過電流遮断器の選定ルール【解釈149】

① 遮断器の定格電流(基本ルール)

以下の条件をすべて満たす範囲内で選定します:

条件 内容
上限値1 電動機の定格電流 × 3(50A超は2.75)+ 他の機器の定格電流合計
上限値2(特例) 電線の許容電流 × 2.5 以下であればOK(※保護協調が取れていれば)
始動電流への配慮 モーターの始動電流ではトリップしない定格を選ぶ

📌「始動時にトリップしないように」が特に重要です。


🎓かんたんに言うと?

見習いペン太
見習いペン太
モーターって、スイッチ入れた瞬間だけ大きな電気を使うんですね!だから、普通のブレーカーじゃすぐ切れちゃうんだ…!

はりた
はりた
そうなんだ。だから「始動電流では切れずに」、でも「配線やモーターが壊れないように」ちゃんと保護するためのサイズを選ぶ必要があるんだよ。


🔍ポイント

  • ブレーカーはモーター定格電流の3倍以内(または2.75倍以内)

  • 他の機器の電流も合算して考える

  • 始動電流で誤作動しないブレーカーにする

  • 過負荷保護装置がある場合は、電線の許容電流の2.5倍までOK

動力ブレーカー選定の5ステップ図解|定格電流の確定→上限計算(×3/×2.75+他機器)→始動電流→電線協調→過負荷保護
動力ブレーカー選定の5ステップ(①定格電流を確定→②上限を計算→③始動電流に耐える→④電線と協調→⑤過負荷保護を確認)
図解のポイント:動力(電動機)回路のブレーカーは、①銘板の定格電流を確定し、②「50A以下は×3倍/50A超は×2.75倍 + 同一分岐の他機器の電流合計」で上限を求め、③始動電流(定格の3〜6倍)で誤作動しない特性を選び、④電線の許容電流と協調させ、⑤サーマル等の過負荷保護と上位ブレーカーとの保護協調を確認します。kW→A換算はあくまで目安で、始動方式(直入れ/スターデルタ/インバータ)で始動電流は変わります。

開閉器を求める基本的な手順

  • 電動機の開閉器サイズは負荷電流によって求めるだけではありません。
  • もともとの電流値より係数を見込んで選定するため負荷電流より大きいサイズが選定されます。

数値でイメージする計算例

実際の数字で、動力ブレーカーの上限を確認してみましょう(いずれも電動機の定格電流(銘板値)を基準にします)。

例1:電動機が1台だけの分岐回路

定格電流16Aの三相200V電動機(3.7kW級の一例、他機器なし)の場合、上限は 16A × 3倍 = 48A。直近下位の配線用遮断器(例:40A、特性を満たせば50A)を選定します。始動電流は定格の3〜6倍=約48〜96Aなので、この電流で瞬時トリップしない特性(電動機用)を選び、電線は許容電流が選定ブレーカー以上のものを使います。

例2:電動機+電熱器が同じ分岐

電動機16Aと電熱器10Aが同一分岐にある場合、上限は 16A × 3倍 + 10A = 58A。電熱器は始動電流を考えず定格電流をそのまま加算します。50Aを超える電動機では倍率が「×2.75倍」になる点に注意してください。


⚠️ 実務での注意点・落とし穴

  • 基準は銘板の定格電流。kW→A換算は目安なので、最終は銘板値・規約電流表で確認する。
  • 始動方式で始動電流が変わる(直入れは大きく、スターデルタ・リアクトル始動・インバータで低減)。
  • 複数台なら「最も大きい電動機の始動を考慮 + 他の電動機・機器の定格電流の合計」で見る。
  • ブレーカーの倍率は過電流遮断器の上限。過負荷保護(サーマル等)は別に必ず設ける。
  • 上位ブレーカーとの保護協調(選択遮断)も確認する。

よくある質問(FAQ)

Q. 動力(電動機)負荷のブレーカー定格電流の上限はどう決まりますか?
A. 電動機の定格電流の3倍(定格電流が50Aを超える場合は2.75倍)に、同じ分岐回路の他の機器の定格電流合計を加えた値以下が上限です。

Q. 始動電流はどのくらい流れますか?
A. モーターの始動時には定格電流の3〜6倍程度の大電流が流れます。この始動電流ではトリップしない定格のブレーカーを選びます。

Q. 電熱器も始動電流を考慮しますか?
A. 電熱器(ヒーター等)は始動電流が存在しないため、始動電流を考慮せず、実使用電流に応じて開閉器サイズを選定できます。

Q. 保護協調が取れている場合の特例はありますか?
A. 電動機の過負荷保護装置(サーマルリレー等)との保護協調が適切であれば、当該分岐回路の電線の許容電流の2.5倍以下までブレーカーを選定できます。

Q. 配線用遮断器(MCCB)とモーターブレーカー(電動機保護用)は何が違いますか?

A. 配線用遮断器(MCCB)は主に短絡・過電流の保護を担い、モーターブレーカー(電動機保護兼用のMMS等)は始動電流に耐えつつ過負荷保護(サーマル)も内蔵しています。用途に応じて使い分けます。

Q. 電動機の定格電流はどう求めますか?

A. 基本は銘板の定格電流を使います。概算では 三相 = P〔kW〕×1000 ÷(√3 × 電圧 × 力率 × 効率)で求められ、内線規程の規約電流表も利用できます。

Q. 同じ分岐に電動機が複数台ある場合は?

A. 一般に「最も大きい電動機の始動を考慮した値 + 他の電動機・機器の定格電流の合計」で上限を判断します(詳細は内線規程によります)。

Q. インバータ(VVVF)駆動でも同じ考え方ですか?

A. インバータは始動電流を抑えられるため、一般に始動突入は小さくなります。ただし機器メーカー指定のブレーカー・保護方式に従うのが基本です。

Q. 過負荷保護(サーマル)は必ず必要ですか?

A. 電動機は過負荷・拘束で焼損しやすいため、原則としてサーマルリレー等の過負荷保護を設けます。ブレーカーの「×3倍」等は過電流遮断器の上限であって、過負荷保護の代わりにはなりません。

📝 まとめ

動力負荷のブレーカーサイズの選定方法

3.電動機に電気を供給する分岐回路の過電流遮断器の選定は,次の各号による
こと。(解釈149)

① 過電流遮断器の定格電流は,

当該電動機の定格電流の3倍(電動機の定格電流が50Aを超える場合は,2.75倍)に他の電気使用機械器具の定格電流の合計を加えた値以下

で,かつ,電動機の始動電流により動作しない定格のものであること。ただし,電動機の過負荷保護装置との保護協調が適切であるときは,

当該分岐回路に使用する電線の許容電流の2.5倍以下とすることができる。

負荷電流の3倍よりケーブルの許容電流の方が小さい場合

負荷に電動機を含む場合

電動機あり 2.5IW < 3IM + IH IB ≦ 2.5IW

 

ケーブルの許容電流×2.5<電動機の定格電流×3+その他の負荷の定格電流のとき

過電流遮断器≦ケーブルの許容電流×2.5を選定します

項目 要点
開閉器の定格 遮断器以上の定格電流で選定
遮断器の選定 「定格電流×3」+他機器電流、始動電流を考慮
電線100A超の特例 標準定格がなければ「直近上位定格」でOK
特例構成(複合保護) 遮断器定格は電線許容電流以下でも可(要保護協調)
保護協調 サーマル・遮断器間の動作バランスがとれているか確認が必須

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