内線規程の解釈と解説【023】|架空電線路
出典:内線規程(JEAC8001-2022)より
架空電線路は、電柱に電線を張って電気を送る身近な配電設備です。屋外で人・車両・建物のそばを通るため、ルールは 「支持物を倒さない/電線を正しく張る/まわりと距離をとる」 の3点に集約できます。

✔ 基本ルール(どこに設けてよいか)
✔ ① 支持物(電柱)の安全
✔ ② 電線の施設方法
✔ ③ 保安工事と離隔距離
ペン太
ハリタこの3つ、すぐ答えられますか
- 使用電圧300Vを超える低圧架空電線に使えない電線は何ですか。
- 電柱の根入れは、全長が15mを超える場合どれだけ必要ですか。
- 線間距離と離隔距離では、参照する表がどう分かれますか。
基本ルール(どこに設けてよいか)
- 支持物は、原則 他人の電線路を貫通して設置しない(承諾があれば可)
- 架空電線は、原則 他人の電線路の支持物を挟んで設置しない(同一支持物・承諾があれば可)
- 使用電圧 300V超の低圧架空電線 には DV電線・DE電線・多心型電線を 使用しない
- 支持物は、原則として他人の電線路を貫通して設置しない(承諾があれば可)。
- 架空電線は、原則として他人の電線路の支持物を挟んで設置しない(同一支持物・承諾があれば可)。
- 使用電圧300Vを超える低圧架空電線には、DV電線・DE電線・多心型電線を使用しない。
① 支持物(電柱)の安全

- 荷重・風圧:引っ張り荷重と風速40m/sの風圧に耐える構造。人家連担地域は風圧を半減できる
- 根入れ(2200-1表):全長15m以下=全長の1/6以上/15m超=2.5m以上。軟弱地盤は「根かせ」
- 支線・支柱:水平角度5度超・引留箇所に設置(支柱で代替可)
- 昇柱防止:足場金具は高い位置に。昇柱防止板・立入制限・立入困難な場所は例外
| 支持物の全長 | 根入れ(2200-1表) |
|---|---|
| 15m以下 | 全長の1/6以上 |
| 15mを超える | 2.5m以上 |
| 軟弱地盤 | 別途「根かせ」を施す |
- 引っ張り荷重と風速40m/sの風圧に耐える構造とする(人家連担地域は風圧を半減できる)。
- 根入れは2200-1表により、全長15m以下で全長の1/6以上、15m超で2.5m以上。
- 軟弱地盤では「根かせ」を施す。
- 支線・支柱は水平角度5度超の箇所・引留箇所に設置する(支柱で代替可)。
- 昇柱防止のため足場金具は高い位置に設ける(昇柱防止板・立入制限・立入困難な場所は例外)。
② 電線の施設方法

- 支持:がいし等で電圧に応じて支持
- 分岐:電線の支持点で行う(張力がかからない施設は除く)
- 線間距離:最もたるんだ点で2200-4表(スペーサ・絶縁電線・混触なし等で緩和)
- 弛度:張りすぎ・たるみすぎを避け、温度変化を見込んで適正に
- 多心型電線(300V以下):裸導体はB種接地の中性線/接地側、またはD種接地のメッセンジャーワイヤとする
ペン太
ハリタ- がいし等で電圧に応じて支持する。
- 分岐は電線の支持点で行う(張力がかからない施設は除く)。
- 線間距離は最もたるんだ点で2200-4表による(スペーサ・絶縁電線・混触なし等で緩和)。
- 弛度は張りすぎ・たるみすぎを避け、温度変化を見込んで適正にする。
- 多心型電線(300V以下)の裸導体は、B種接地の中性線/接地側、またはD種接地のメッセンジャーワイヤとする。
③ 保安工事と離隔距離
接近状態とは、電線が切れたり電柱が倒れたときに他物へ接触するおそれがある範囲のこと(交差・同一支持物は含まない)。次の場合は 保安工事を省略できます。
- 屋側・屋内電線路に隣接するごく短い区間で、建物に接触しにくい場合
- B種接地工事を施した低圧架空電線路に接近する場合
- 切断・倒壊しても他物に接触する可能性が低く危険がない場所(山間部など)
| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| 他人の電線路の上でも自由に設けられる | 支持物は原則として他人の電線路を貫通して設置しない(承諾があれば可) |
| 300V超の低圧でもDV電線が使える | DV電線・DE電線・多心型電線は使用しない |
| 風圧はどこでも同じ条件で設計する | 風速40m/sの風圧に耐える構造。人家連担地域は風圧を半減できる |
| 支線は引留箇所だけに設ける | 水平角度5度超の箇所と引留箇所に設置する(支柱で代替可) |
| 足場金具は登りやすい高さでよい | 昇柱防止のため高い位置に設ける(昇柱防止板・立入制限・立入困難な場所は例外) |
| 分岐はどこで取ってもよい | 電線の支持点で行う(張力がかからない施設は除く) |
| 線間距離と離隔距離は同じもの | 線間距離は電線どうし、離隔距離は他物との距離。参照する表も分かれる |
- 接近状態とは、電線が切れたり電柱が倒れたときに他物へ接触するおそれがある範囲のこと(交差・同一支持物は含まない)。
- 屋側・屋内電線路に隣接するごく短い区間で建物に接触しにくい場合は、保安工事を省略できる。
- B種接地工事を施した低圧架空電線路に接近する場合も省略できる。
- 切断・倒壊しても他物に接触する可能性が低く危険がない場所(山間部など)も省略できる。
よくある質問(FAQ)
Q. 架空電線路の支持物はどんな荷重を想定するの?
A. 電線の引っ張り荷重に加え、風速40m/sの風圧荷重や気温・振動などを考慮します。人家連担地域では風圧荷重を半分に軽減して設計できます。
Q. 電柱の根入れはどれくらい必要?
A. A種鉄柱・木柱の目安(2200-1表)は、全長15m以下で全長の1/6以上、15m超で2.5m以上です。軟弱地盤では別途「根かせ」を施します。
Q. 支線はどんなときに設置するの?
A. 高圧では水平角度が5度を超える箇所や電線を引き留める箇所に設けます。支線と同等以上の効果がある支柱で代替することもできます。
Q. 他物との離隔距離はどこを見ればいい?
A. 接近する場合は2200-5表、上部で交差する場合は2200-6表によります。電線どうしの線間距離は2200-4表です。
まとめ|設置場所・支持物・電線・離隔の順で見る
架空電線路は、どこに設けてよいかを確かめ、支持物の荷重と根入れを満たし、電線を適正に支持し、離隔の表を取り違えないという順で確認すると整理しやすくなります。
| 確認する項目 | 規程が示す内容 |
|---|---|
| 支持物の設置場所 | 原則として他人の電線路を貫通しない(承諾があれば可) |
| 架空電線の設置場所 | 原則として他人の電線路の支持物を挟まない(同一支持物・承諾があれば可) |
| 300V超の低圧で使えない電線 | DV電線・DE電線・多心型電線 |
| 支持物の荷重 | 引っ張り荷重と風速40m/sの風圧に耐える構造 |
| 人家連担地域 | 風圧を半減できる |
| 根入れ(全長15m以下) | 全長の1/6以上 |
| 根入れ(全長15m超) | 2.5m以上 |
| 軟弱地盤 | 「根かせ」を施す |
| 支線・支柱 | 水平角度5度超の箇所・引留箇所に設置(支柱で代替可) |
| 昇柱防止 | 足場金具は高い位置に(昇柱防止板・立入制限・立入困難な場所は例外) |
| 電線の支持 | がいし等で電圧に応じて支持 |
| 分岐 | 電線の支持点で行う(張力がかからない施設は除く) |
| 線間距離 | 最もたるんだ点で2200-4表による(スペーサ・絶縁電線・混触なし等で緩和) |
| 弛度 | 温度変化を見込んで適正に |
| 多心型電線(300V以下)の裸導体 | B種接地の中性線/接地側、またはD種接地のメッセンジャーワイヤ |
| 保安工事を省略できる場合 | 屋側・屋内電線路に隣接するごく短い区間/B種接地の低圧架空電線路に接近する場合/切断・倒壊しても危険がない場所 |
設置場所で押さえること
- 他人の電線路を貫通していないか。
- 他人の支持物を挟んでいないか。
- 使えない電線を選んでいないか。
支持物で押さえること
- 風圧と引っ張り荷重への耐力。
- 全長に応じた根入れと、軟弱地盤での根かせ。
- 支線・支柱の設置箇所と昇柱防止。
電線と離隔で押さえること
- 支持と分岐の方法、弛度。
- 線間距離の表と緩和条件。
- 接近・交差で参照する表の使い分け。
架空電線路は、支持物の強度・電線の張り方・周囲との距離という3つの要素が、そのまま公衆の安全につながる設備です。とくに線間距離と離隔距離は名前が似ていて表も別なので、図面に書き込む前に一度立ち止まって確認しておくと安心です。
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内線規程の実務では、規程集や技術資料を手元に置いておくと確認がぐっと早くなります。
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