この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
金属製可とう電線管配線の要点を整理。絶縁電線で3.2mm超はより線、管内に接続点を設けず、外傷を受けるおそれのある場所には施設できないこと、一種管は厚さ0.8mm以上で使用場所が限られることなどを図解とFAQで解説します。
技術図書館金属製可とう電線管|一種は使える場所が限られる一種は厚さ0.8mm以上で乾燥した露出・点検できる隠ぺいに限る。外傷を受ける場所と管内接続の扱いまで全6枚のスライドで整理この資料をスライドで見る資料一覧を見る
全体像:内線規程【037】金属製可とう電線管配線
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

金属製可とう電線管配線は、フレキシブルチューブ状の金属管に電線を通す方法です。振動や屈曲に強く電動機まわりなど動きのある部分に向きます。要点を3つに整理します。

金属製可とう電線管配線の3つのポイントの図解
結論
①電線は絶縁電線で、3.2mm(アルミ4.0mm)超はより線+管内に接続点なし。②外傷を受けるおそれのある場所には施設できない(防護措置があれば可)。③一種可とう管は厚さ0.8mm以上で使える場所が限られる。
この記事でわかること
✔ 1. 使用電線のルール
✔ 2. 施設場所と管の種類
✔ 3. 管・附属品の選定
ペン太ペン太
可とう電線管って、曲げやすいから電動機まわりに便利なんですよね?
ハリタハリタ
その通り、振動や屈曲に強いのが持ち味です。ただし電線は絶縁電線で、管内に接続点は設けません。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 一種金属製可とう電線管を使えるのは、どんな場所ですか。
  • 一種金属製可とう電線管の厚さは、何mm以上必要ですか。
  • 二種可とう電線管の太さは、何をもとに選びますか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、金属製可とう電線管配線のルールを4つの視点で整理します。

1. 使用電線のルール

トピック1:使用電線のルール
  • 絶縁電線を使用する
  • 直径3.2mm(アルミ線は4.0mm)を超えるものはより線とする
  • 管内には電線の接続点を設けない
ペン太ペン太
一種管のほうが安いから、全部一種でいいと思ってました…。
ハリタハリタ
一種は厚さ0.8mm以上で、乾燥した露出場所など使える場所が限られます。適用範囲は二種のほうが広いんです。
電線の直径扱い
直径3.2mm以下(アルミ線は4.0mm以下)単線でよい
直径3.2mmを超える(アルミ線は4.0mmを超える)より線とする
ここまでのポイント
  • 絶縁電線を使用する。
  • 直径3.2mm(アルミ線は4.0mm)を超えるものはより線とする。
  • 管内には電線の接続点を設けない。

2. 施設場所と管の種類

トピック2:施設場所と管の種類
  • 外傷を受けるおそれがある場所には施設できない(防護措置を施せば可)
  • 一種金属製可とう電線管は露出場所・点検できる隠ぺい場所で、乾燥した場所に限り使用できる
  • 300Vを超える場合、一種管は電動機に接続する可とう性が必要な部分などに限られる
たとえ話
一種は薄くてやわらかい「軽量タイプ」、二種は厚みのある「しっかりタイプ」。だから一種は乾いた・傷つきにくい場所限定で、過酷な場所は二種を使う、というイメージです。
見習いペン太
見習いペン太
一種と二種で使える場所が違うんですね。
はりた
はりた
そう。一種は0.8mm以上で軽い分、使える場所が限定される。迷ったら二種が無難だよ。
管の種類・条件使用できる範囲
一種金属製可とう電線管露出場所・点検できる隠ぺい場所で、乾燥した場所に限る
一種金属製可とう電線管(300V超)電動機に接続する可とう性が必要な部分などに限られる
外傷を受けるおそれがある場所施設できない(適切な防護措置を施せば可)
ここまでのポイント
  • 外傷を受けるおそれがある場所には施設できない(防護措置を施せば可)。
  • 一種金属製可とう電線管は、露出場所・点検できる隠ぺい場所で、乾燥した場所に限り使用できる。
  • 300Vを超える場合、一種管は電動機に接続する可とう性が必要な部分などに限られる。

3. 管・附属品の選定

トピック3:管・附属品の選定
  • 管・ボックス・附属品(管相互・管端に接続するもの)は電気用品安全法の適用を受けるものとする
  • 一種金属製可とう電線管の厚さは0.8mm以上
  • 二種可とう電線管の太さは、収める電線の本数(10本以下/10本超)で3120表により選定する
取り違えやすいところ正しくは
可とう管なら管内で接続してもよい管内には電線の接続点を設けない
一種と二種は使える場所が同じ一種は露出場所・点検できる隠ぺい場所で乾燥した場所に限られる
300V超でも一種を自由に使える電動機に接続する可とう性が必要な部分などに限られる
外傷を受ける場所には一切施設できない適切な防護措置を施せば施設できる
附属品は市販品なら何でもよい管・ボックス・附属品(管相互・管端に接続するもの)は電気用品安全法の適用を受けるものとする
管の太さは感覚で決めてよい二種可とう電線管の太さは、収める電線の本数(10本以下/10本超)で3120表により選定する
ここまでのポイント
  • 管・ボックス・附属品(管相互・管端に接続するもの)は電気用品安全法の適用を受けるものとする。
  • 一種金属製可とう電線管の厚さは0.8mm以上。
  • 二種可とう電線管の太さは、収める電線の本数(10本以下/10本超)で3120表により選定する。

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問(FAQ)
Q. 金属製可とう電線管配線に使える電線は?
A. 絶縁電線です。直径3.2mm(アルミは4.0mm)を超えるものはより線とします。
Q. どんな場所には施設できない?
A. 外傷を受けるおそれのある場所です。ただし適切な防護措置を施せば施設できます。
Q. 一種金属製可とう電線管はどこで使える?
A. 露出場所または点検できる隠ぺい場所で、乾燥した場所に限ります。300Vを超える場合は電動機接続の可とう性が必要な部分などに限られます。厚さは0.8mm以上です。
Q. 管内で電線を接続してもいい?
A. いいえ。管内には接続点を設けません。接続はボックス内で行います。

まとめ|一種は使える場所が限られる

金属製可とう電線管配線は、管内に接続点を設けず、外傷を受ける場所を避け、一種と二種で使える範囲が違う点を押さえておけば判断しやすくなります。

確認する項目規程が示す内容
使用する電線絶縁電線
より線とする太さ直径3.2mm(アルミ線は4.0mm)を超えるもの
管内の接続点設けない
施設できない場所外傷を受けるおそれがある場所(防護措置を施せば可)
一種管を使える場所露出場所・点検できる隠ぺい場所で、乾燥した場所
一種管(300V超)電動機に接続する可とう性が必要な部分などに限られる
管・ボックス・附属品電気用品安全法の適用を受けるもの
一種管の厚さ0.8mm以上
二種可とう電線管の太さ収める電線の本数(10本以下/10本超)で3120表により選定

電線で押さえること

  • 絶縁電線であること。
  • より線とする太さの境目。
  • 管内で接続していないか。

場所と管種で押さえること

  • 外傷を受けるおそれと、防護措置の要否。
  • 一種を使える場所の条件。
  • 300V超での一種管の使用範囲。

選定で押さえること

  • 管・ボックス・附属品の安全法適合。
  • 一種管の厚さ0.8mm以上。
  • 二種管の太さを3120表で選定しているか。

可とう電線管は、機器の振動を逃がしたり、狭い場所を回り込んだりする場面で欠かせません。ただ、価格だけで一種を選ぶと使える場所を外れてしまうことがあります。上の表で場所と管種の対応を先に押さえておくと、材料手配の段階で迷いません。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
可とう管を採用するとき、次に確認すべきことは何ですか?
ハリタハリタ
施設場所です。外傷を受けやすい場所は防護措置が要ります。そのうえで一種か二種かを選びましょう。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。