技術図書館絶縁は数値で確かめる|有無では足りない原則は大地から絶縁し、例外は接地側端子など。基準は0.1・0.2・0.4MΩの3区分で、区分を先に確かめるこの資料をスライドで見る資料一覧を見る
この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

絶縁とは、電気回路と大地や他の電路との間を隔てて、電気を漏らさないようにすること。すべての電気設備の基本ルールです。押さえるポイントは 「絶縁とは/絶縁抵抗の基準」 の2つです。

絶縁とは、電気を漏らさないこと 電路を大地から隔てます。
原則は、大地から絶縁 接地点や電気炉などは、例外になります。
基準は、0.1/0.2/0.4MΩ以上 電圧の区分で決まります。
メガーで測って、数値で確かめる 「どれくらいか」で見ます。
ペン太ペン太
絶縁って「してあればOK」じゃないんですか?
ハリタハリタ
それだけじゃ足りないんだ。どれくらい絶縁できているかを絶縁抵抗値(MΩ)で確認する。電圧が高い回路ほど基準も高くて、300V超なら0.4MΩ以上が必要だよ。
この記事でわかること
✔ ① 絶縁とは(原則と例外)
✔ ② 絶縁抵抗の基準(数値で確認)

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ペン太ペン太
電路の絶縁って、絶縁電線を使ってさえいれば確認は不要ですよね?
ハリタハリタ
施してあるだけでは不十分です。絶縁抵抗を測定し、基準を満たすか数値で検証するのが規程の考え方ですよ。

この記事で押さえる3つのこと

  • 電路は原則として大地から絶縁する。例外は、接地点や電気炉・電解槽など
  • 300Vを超える回路の絶縁抵抗は、0.4MΩ以上が必要
  • 絶縁抵抗は、絶縁抵抗計(メガー)で測る
この記事の道案内
「絶縁してあるか」ではなく「どれくらい絶縁できているか」で見るのがポイントです。

① 絶縁とは(原則と例外)

原則は、大地から絶縁する 電線は、がいしで大地から隔てます。
接地点は、絶縁の例外 異常な高電圧を、接地線で大地へ逃がします。
電気炉・電解槽も、例外 技術上、絶縁が困難です。
例外は、安全が確保される場合だけ 何でも省くことはできません。
  • 絶縁=電気回路と大地や他の電路との間を隔てて、電気が漏れないようにすること
  • 原則:電気回路は 大地から絶縁して設置する(感電・漏電火災・設備トラブルを防ぐ)
  • 例外:保安上必要な接地工事の接地点や、電気炉・電解槽など絶縁が技術上困難なものは、絶縁を省く取り扱いがある
ペン太ペン太
0.1MΩとだけ覚えていました…区分で基準値が変わるんですか⁉
ハリタハリタ
300V以下で対地150V以下なら0.1MΩ、対地150V超なら0.2MΩ、300V超なら0.4MΩ以上。区分で確認しましょう。
たとえるなら
絶縁は、水漏れ止めのようなもの
水道管は、水が外へ漏れないように作ります。電線も同じで、電気が大地へ漏れないように、絶縁して隔てるのが原則です。ただし、あふれた水を逃がす排水口のように、わざと大地とつなぐ場所もあります。それが、接地工事の接地点です。
ひっかけ注意
「危険がなさそうなら、絶縁しなくてよい」ではありません。
絶縁を省いてよいのは、決められた場合だけです。保安上必要な接地工事の接地点や、電気炉・電解槽のように絶縁が技術上困難なものなどが、それにあたります。「危険がなさそう」という感覚で、絶縁を省いてはいけません。
ここまでのポイント
  • 絶縁=電気回路と大地や他の電路の間を隔てて、電気を漏らさないようにすること
  • 原則は電気回路を大地から絶縁して設置する
  • 例外は、保安上必要な接地工事の接地点と、電気炉・電解槽など絶縁が技術上困難なもの

② 絶縁抵抗の基準(数値で確認)

メガーで、電路と大地の間を測る 測定値は、MΩで読みます。
区分は3つ。基準は0.1/0.2/0.4 使用電圧と対地電圧で決まります。
同じ0.3MΩでも、合否が変わる 300V以下はOK。300V超は基準未満です。
基準未満なら、点検する 劣化や漏電を疑います。
  • 300V以下・対地電圧150V以下:0.1MΩ以上
  • 300V以下・対地電圧150V超:0.2MΩ以上
  • 300V超:0.4MΩ以上
  • 測定は絶縁抵抗計(メガー)。値が大きいほど漏れにくく、基準を下回ったら劣化・漏電を疑って点検する
ここがポイント|絶縁は「数値」で確認
絶縁抵抗の基準は 0.1/0.2/0.4MΩ以上(使用電圧と対地電圧の区分で決まる)。電圧が高いほど高い値が必要。メガーで測定し、基準を下回ったら点検します。
取り違えやすいところ 正しくは
絶縁電線を使っていれば確認は不要 絶縁抵抗を測定し、数値で検証する
絶縁抵抗の基準はどの回路も同じ 使用電圧と対地電圧の区分で0.1/0.2/0.4MΩに分かれる
300V以下ならすべて0.1MΩでよい 対地電圧150Vを超えるなら0.2MΩ以上
絶縁に例外はない 保安上必要な接地点や、電気炉・電解槽など絶縁が技術上困難なものは、絶縁を省く取り扱いがある
たとえるなら
絶縁抵抗の基準は、水圧に合わせたダムの壁の厚さのようなもの
ダムの壁は、水圧が高いほど厚く作ります。電路も同じで、電圧が高いほど、電気が漏れないように、大きな絶縁抵抗が求められます。メガーは、その壁の厚さを測る道具です。
ひっかけ注意
「測った値が0.1MΩ以上なら、どの電路でも合格」ではありません。
合格ラインは、使用電圧と対地電圧の区分で決まります。たとえば測定値が0.3MΩなら、0.1MΩと0.2MΩの区分では基準以上ですが、300V超の区分(0.4MΩ以上)では基準未満です。測る前に、まず区分を確かめます。
ここまでのポイント
  • 300V以下・対地電圧150V以下は0.1MΩ以上
  • 300V以下・対地電圧150V超は0.2MΩ以上
  • 300V超は0.4MΩ以上
  • 測定は絶縁抵抗計(メガー)。基準を下回ったら劣化・漏電を疑って点検する


よくある質問(FAQ)

Q. 絶縁抵抗はどれくらいあればいいの?

A. 電技省令58条では、使用電圧300V以下で対地電圧150V以下なら0.1MΩ以上、300V以下で対地電圧150V超なら0.2MΩ以上、300V超なら0.4MΩ以上が基準です。値が大きいほど電気が漏れにくい良好な状態です。

Q. 絶縁抵抗はどうやって測るの?

A. 絶縁抵抗計(メガー)を使って、電路と大地の間などの抵抗を測定します。表示が基準値以上であれば絶縁が保たれていると判断でき、低い場合は劣化や漏電の疑いがあります。

Q. 絶縁しなくてよい例外もあるの?

A. はい。保安上必要な接地工事の接地点や、電気炉・電解槽など絶縁が技術上困難なものは、絶縁を省く取り扱いがあります。あくまで安全が確保される場合に限られます。

まとめ

電路の絶縁は、原則と例外を押さえたうえで、絶縁抵抗の数値で確認するものです。

まず、使用電圧を見る 300Vを超えるかで、最初に分かれます。
300V超なら、0.4MΩ以上 対地電圧は、関係ありません。
300V以下なら、対地電圧を見る 150V以下は0.1MΩ、150V超は0.2MΩ以上です。
区分が決まってから、測定値と比べる 設計でも点検でも、この順で確かめます。
迷いやすい場面 どう判断する
使用電圧100V(対地電圧100V)の回路 300V以下・対地150V以下なので0.1MΩ以上
使用電圧200Vで対地電圧が150Vを超える回路 300V以下・対地150V超なので0.2MΩ以上
使用電圧400Vの回路 300V超なので0.4MΩ以上
測定値が基準を下回った 劣化・漏電を疑って点検する
接地工事の接地点、電気炉・電解槽 絶縁を省く取り扱いがある

原則と例外

  • 原則は電気回路を大地から絶縁して設置する
  • 感電・漏電火災・設備トラブルを防ぐための基本ルール
  • 例外は、保安上必要な接地工事の接地点と、電気炉・電解槽など絶縁が技術上困難なもの

数値で確認すること

  • 基準は0.1/0.2/0.4MΩ以上(使用電圧と対地電圧の区分で決まる)
  • 電圧が高いほど高い値が必要
  • 測定は絶縁抵抗計(メガー)。値が大きいほど漏れにくい

設計でも点検でも、まず区分を確かめてから測定値と見比べてください。

ペン太ペン太
実際に測るときは、何を使ってどう進めればいいですか?
ハリタハリタ
絶縁抵抗計、いわゆるメガーで測定します。使用電圧と対地電圧の区分を確認してから基準値と照らせば大丈夫ですよ。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。