電気設備の経済ニュース|2026年7月29日号

はりたの設計室|配信日:2026年7月29日(水)|次回配信:2026年7月30日(木)朝7時

今号まるわかりグラレコ 電気設備の経済ニュース2026年7月29日号

今号は、日経平均株価が前日比▲2,566円(-3.95%)という大幅な急落に見舞われた点、ドル円が163円台後半で高止まりし週内のFOMC・日銀会合を控えている点、そして電気銅建値・企業物価指数がそろって高値圏を更新している点が焦点です。数値はすべて速報値・公表資料に基づく出典付きで、株価の個別終値は捏造せず証券コードによるウォッチ銘柄として記載しています。
  • 日経平均は7/28に前日比▲2,566円27銭(-3.95%)の急落、62,364円92銭。キオクシアのストップ安や半導体株の総崩れが直撃
  • ドル円は163円台後半で高止まり。7/29~30のFOMC、7/30~31の日銀会合を控え振れやすい展開
  • 電気銅建値は7/22改定で237万円/tの最高値を更新、企業物価指数(6月速報)も前年比+7.1%に拡大
💱マーケット(為替・株式)急落

日経平均が急落、62,364円92銭

2026年7月28日の東京株式市場で日経平均株価は大幅反落し、終値は前日比▲2,566円27銭(-3.95%)の62,364円92銭。半導体メモリー大手キオクシアホールディングス株が一時ストップ安(前日比1万円安の4万4,550円)まで急落したほか、米フィラデルフィア半導体株指数の下落や韓国総合株価指数(KOSPI)のサーキットブレーカー発動を受け、AI・半導体関連株が総崩れとなりました。

出所:日本経済新聞「日経平均終値2566円安、韓国発AI株安再び キオクシアがストップ安」(2026年7月28日)

ドル円は163円台後半、40年ぶり水準に接近

2026年7月28日午後5時現在のドル円は前日比+0.26円の163円78銭。7/25週には一時163.988円まで上昇し、約40年ぶりとなる164円台が視野に入る場面もありました。7月29~30日のFOMC、7月30~31日の日銀会合を控え、振れやすい展開が続いています。

出所:時事通信「円相場」(2026年7月28日午後5時現在)、外為どっとコム マネ育チャンネル

TOPIX-17業種:非鉄金属が上昇率上位、建設業は底堅い

2026年7月28日の東証プライム市場は半導体関連中心に全面安となる中、業種別では非鉄金属指数が相対的に堅調に推移。建設業指数も底堅い動きでした。

出所:株探ニュース「本日の【業種】騰落ランキング」(2026年7月28日)

ウォッチ銘柄(個別終値は速報のため証券コードのみ記載)

ゼネコン:大林組(1802)・鹿島(1812)・大成建設(1801)・清水建設(1803) ―― 2026年3月期は各社増収増益基調、鹿島は売上高3兆円を突破し過去最高を更新。
サブコン:きんでん(1944)・関電工(1942)・クラフティア(1959) ―― 3社とも増収増益、クラフティアは営業利益+31.9%。
電線:古河電工(5801)・フジクラ(5803)・住友電工(5802)・SWCC(5805) ―― 3社とも増収増益基調が継続、古河電工は2026年7月1日付で普通株式1株を10株に分割。

出所:各社決算資料・日本経済新聞・株探ニュース/個別の売買判断・銘柄推奨を目的とするものではありません。

ドル円・日経平均株価の推移(2026年7月22日〜28日)

実務への影響:株式市場の変動が大きく、資材関連銘柄・電材各社の株価も振れやすい局面。ドル円の高止まりが続けば輸入資材(変圧器部材・銅・鋼材)のコスト圧力は継続。
💴物価・資材価格最高値圏

電気銅建値、7/22改定で237万円/tの最高値

JX金属は2026年7月22日、電気銅建値を6万円引き上げ1トン237万円に改定しました。6月3日に付けた従来の最高値(233万円)を上回り、過去最高値を更新しています。円安と国際相場(LME)上昇の両方が押し上げ要因です。

出所:日本経済新聞、日本電線工業会「銅建値」(出所:JX金属株式会社、2026年7月22日改定)

企業物価指数、前年比+7.1%に拡大

日本銀行が発表した2026年6月の国内企業物価指数(速報)は前月比+0.4%、前年比+7.1%。5月の+6.6%から伸びが拡大し、2023年3月以来の高い伸び率となりました。石油・石炭製品が前年比+22.8%と押し上げ要因になっています。

出所:日本銀行「企業物価指数(2026年6月速報)」

JX金属 電気銅建値の改定推移(2026年)

実務への影響:電線・ケーブル、変圧器・盤の資材コストは高止まりが続く見込み。見積り有効期限を短く設定し、価格転嫁の協議は早めの着手を。
📢補助金・支援制度更新

GX省エネ補助金、2026年度は新カテゴリ「GXⅢ」を追加

2026年度(令和8年度)の省エネルギー投資促進支援事業費補助金では、既存の設備単位型(III類型)に加え、既存基準を大きく上回る性能を持つ設備を対象とする「GX設備単位型(トップ性能カテゴリー等)」が新設されました。対象には業務用エアコン・変圧器・LED等の更新が含まれます。

出所:経済産業省・SII(省エネルギー投資促進支援事業実施機関)公表資料

EV充電・系統用蓄電池関連の補助金、対象拡大

「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てん設備等導入促進補助金」は令和7年度補正予算で総額510億円(うち充電インフラ分365億円)を措置。2026年度から戸建て住宅も新たに補助対象となりました。系統用蓄電池では2026年度から新たに100kW以上を対象とする「大規模業務産業用蓄電システム等導入支援事業」が創設され、100kW未満区分は補助上限額が1,500万円に見直されています。

出所:経済産業省資源エネルギー庁公表資料

実務への影響:更新時期の設備は補助金の類型・上限額の見直しがあるため、公募要領を都度確認。EV充電設備は戸建て案件でも補助適用の可能性が生じています。
📜政治・制度要注意

トップランナー変圧器、第三次判断基準が2026年度スタート

2023年10月の経済産業省告示改正に基づき、油入変圧器・モールド変圧器ともに2026年度を目標年度とする第三次判断基準(通称「2026トップランナー変圧器」)が適用開始しました。平均エネルギー消費効率の目標引き上げに伴い、従来基準(2014年基準)の変圧器は2026年4月以降、多くのメーカーで出荷ができなくなっています。

出所:JEMA(日本電機工業会)公表資料

実務への影響:更新・新設計画は2026年4月の出荷区分切替を踏まえた発注スケジュール調整が必要。次項の納期動向とあわせて確認を。
🆕新技術注目

GaNパワー半導体、AIデータセンター電源向けに採用拡大

ルネサスエレクトロニクスは650V耐圧のGaNパワー半導体を製品化し、AIデータセンター電源などへの採用が見込まれています。高耐圧品の技術開発も2026年に完了予定とされています。

出所:ルネサスエレクトロニクス公式発表・報道

800V HVDC、データセンター電源で量産フェーズへ

デルタ電子は800VDC/±400VDC対応の電源システムについて、2026年第2~3四半期に量産を開始する計画。調査会社TrendForceの予測では、データセンター電源におけるSiC/GaNの採用率は2026年に17%、2030年には30%を超える見通しです。

出所:EE Times Japan/TrendForce(2025年11月予測)

実務への影響:大規模データセンター案件では直流給電(HVDC)や高耐圧パワー半導体の採用検討が本格化。受変電設計の選択肢として情報収集を継続。
🚚納期遅延情報改善傾向

キュービクル納期、10か月待ちから約5か月に改善

2026年トップランナー変圧器基準への切替に伴う駆け込み需要で、一時は異常な「10か月待ち」まで悪化していたキュービクルの納期は、足元で約5か月まで劇的に改善。今後数か月で通常の2~3か月程度まで戻ることが期待されています。

出所:業界筋・電材関連メディア報道

実務への影響:納期は改善方向ながら平常時の2倍以上の水準。工程に余裕を持たせた発注判断が引き続き有効です。
🏠住宅着工・建設需要反発

5月の新設住宅着工、前年同月比+33.9%と2か月連続増

国土交通省が2026年6月30日に発表した建築着工統計調査報告によると、2026年5月の新設住宅着工戸数は57,877戸、前年同月比+33.9%で2か月連続の増加。季節調整済年率換算値は前月比+4.6%でした。2025年の年間着工戸数が62年ぶりの低水準(約74万戸)となった反動もあり、低水準からの反発局面とみられます。

出所:国土交通省「建築着工統計調査報告(令和8年5月分)」(2026年6月30日公表)

実務への影響:着工の反発が続けば、住宅向け電気設備・分電盤等の需要も緩やかに回復する可能性。低水準からの反発である点には留意。

出所一覧:日本銀行、日本電線工業会(JX金属株式会社)、国土交通省、経済産業省・資源エネルギー庁、JEMA(日本電機工業会)、外為どっとコム、日本経済新聞、株探ニュース、EE Times Japan、ルネサスエレクトロニクス、各社決算資料ほか(各項目に詳細出所を記載)。

数値は速報値であり、後日修正される場合があります。本記事は情報提供を目的とするものであり、投資判断・制度の適用可否・特定銘柄の推奨を目的とするものではありません。制度の適用にあたっては必ず一次情報・公募要領をご確認ください。

次回配信:2026年7月30日(木)朝7時