📚 この記事は連載「図解&会話で学ぶ 電気設備設計の基礎」の1本です。→ 全カリキュラム(目次)はこちら
今回の内容を1枚にまとめたグラレコ
📝 今日の全体像を1枚で。まずこのグラレコ、詳しくは本文で!

こんにちは、HARITAの設計室です。前回のコンセントに続く用語編第4弾は、相棒のスイッチ種類(何ができるか)図面の読み方(●+添字)をセットで攻略します。

ペンタ
先輩、実家の階段のスイッチって、下で点けて上で消せるじゃないですか。あれ、子どものころから不思議だったんですよね。
はりた
あれが今日の主役のひとつ、3路スイッチだよ。スイッチは「ぜんぶ同じON/OFFの箱」に見えて、実は役割別に6種類くらい使い分けてる。まずカタログで全体を見よう。

スイッチの種類 ― 「何ができるか」で6つ覚える

スイッチ6種類のカタログと3路スイッチのしくみ模式図
【図1】スイッチの種類カタログ。下段は3路のしくみ——2つのスイッチが通り道を切り替え合う
ペンタ
3路の仕組み、2本の電路を切り替え合うのか…!どっちを操作しても反転するの、パズルみたいで面白いですね。じゃあ3か所で操作したいときは?
はりた
そこで4路スイッチの出番。3路と3路の“間”に挟むと、3か所目からも反転できる。4か所なら4路を2個挟む。両端は必ず3路、間に4路——この並びだけ覚えておけばOK。
ペンタ
「ほたる」と「パイロット」って、どっちも光るスイッチですよね?何が違うんですか?
はりた
現場の混同ペアNo.1だね(笑)。ほたる=OFFのとき光る。暗闇でスイッチの場所を教える。パイロット=ONのとき光る。換気扇みたいに「動いてるか見えない機器」の切り忘れ防止。ほたるは暗闇で光る虫、って覚えると間違えないよ。

図面では「●+添字」がスイッチの仕様書

図面のスイッチは黒丸●(点滅器)。コンセントの添字(用語編③)と同じく、●のよこの小さな文字が種類を語ります。

スイッチ記号の添字一覧表:3・4・H・L・P・WP・センサー
【図2】●+添字の読み方一覧。「●3が2個+照明1灯=3路回路」まで読めたら合格
ペンタ
あ、ほたるが「H」でパイロットが「L」…。Hotaru と Lamp って覚えればいいんですね。
はりた
そうそう。それと大事なのが●3は必ず2個1組ということ。図面チェックで●3が1個しかなかったら、それは片切の書き間違いか、相方の書き漏れ。3路はペアで数える——これだけで図面チェックの精度が上がるよ。
ペンタ
スイッチの位置って、図面のどこを見れば分かるんですか?
はりた
配置図でドアの近くに描かれてるでしょ。ポイントはドアの吊元(ちょうつがい側)と反対に付けること。開いたドアの裏に隠れたら押せないからね。高さは用語編②でやったFL+1200が定番。図面が読めると、こういう“気配り”まで見えてくる。

💼 実務でこう生きる

📋 実務活用事例:スイッチプロット(操作計画)を描く
居室のプロット設計は「その部屋に入る→照明を点ける→出る→消す」の動線をなぞる作業。出入口が2つある部屋・階段・長い廊下には3路(+4路)、寝室は入口とベッドサイドの3路が喜ばれる定番。
→ 操作性のクレームは竣工後に直しにくいので、設計段階の動線チェックが新人でもできる価値ある仕事です。
📋 実務活用事例:竣工検査・現調のチェック観点
検査では図面の●3・●H・●Lが実物と一致しているかを確認:階段の両端で入り切りできるか、トイレのほたるが消灯時に光るか、換気扇のパイロットが運転中に点くか。「動かして確かめる」検査項目としてそのまま使えます。

🐣 いまさら聞けない素朴なギモン

🐣 「片切」って、何を“片方”切ってるの?
100V回路の2本の電線(電圧側と接地側)のうち、電圧側の1本だけを切る、という意味です。片方だけで照明は消えるので一般回路はこれで十分。ちなみに200V回路用には両方の線を切る「両切スイッチ」があり、こちらを使うのがルールです。
🐣 スイッチの「入」はどっち側?上?下?
日本の一般的なタンブラスイッチ(シーソー式)は、右側または上側を押すとONになるよう取り付けるのが慣例です(JISで厳密に固定されているわけではなく、メーカー標準と施工慣行)。現場でスイッチの向きがバラバラだと使いにくいので、統一するのが良い施工とされています。

🔎 深掘りQ&A ― 会話だから、もっと分かる

🔎 「4か所以上で操作したいときはどうするんですか?」と聞いてみた
はりた「3路―4路―4路―3路のように、間の4路を増やしていけば何か所でもいける。ただし配線がどんどん複雑になるから、実務ではリモコンスイッチや無線式(スマートスイッチ)に切り替える判断も多いよ」
🔎 「人感センサーにすれば全部楽じゃないですか?」と聞いてみた
はりた「トイレ・廊下・倉庫には最高。でも執務室や会議室でセンサーだけにすると“じっとしてたら消えた”事件が起きる(笑)。人の動きが少ない部屋は手動+センサーの併用や、明るさセンサーとの組み合わせで設計するんだ」
🔎 「調光スイッチはどの照明にも使えますか?」と聞いてみた
はりた「使えない組み合わせがある。LED照明は調光対応器具×対応調光器のペアが必須で、非対応LEDに調光器を付けるとチラつきや故障の原因になる。器具と調光器は必ずセットで仕様確認——照明設計の基本だよ」

⚠️ 新人がやりがちな注意ポイント

  • ●3の相方忘れ:3路は2個1組。プロット図でペアになっているか必ず確認。
  • 吊元との干渉:ドアの開く側にスイッチを描かない。建築図の吊元変更にも追従を。
  • HとLの取り違え:ほたる(H)=OFFで点灯、パイロット(L)=ONで点灯。発注書で逆にすると全数交換に。

まとめ ― 今日の1枚

  • 種類は片切・3路・4路・ほたる・パイロット・センサー系の6つでほぼ足りる。
  • 3路は2か所操作で必ず2個1組。3か所以上は間に4路を挟む。
  • ほたる=OFFで光る(場所表示)、パイロット=ONで光る(切り忘れ防止)。
  • 図面は●+添字(3・4・H・L・WP…)で読む。位置はドアの吊元の反対・FL+1200。

コンセント(用語編③)とスイッチ(今回)で、配置図の主役2つが読めるようになりました。用語編は「電線・ケーブル・配管材」「打合せの言葉」へ続きます。本編・第11回(第4部開幕:需要率・負荷率)もお楽しみに!

✅ 振り返りチェック ― 今日の理解度をセルフ確認
3つ以上チェックできたら合格!あやしい項目は、その見出しまで戻ってサッと復習しよう。
📖次に読むならこれ【新人講座 第16回】電気の法律ぜんぶ地図 ― 基準値の“出どころ”をたどる新人教育