【新人講座 用語編③】コンセントの種類と読み方 ― 穴の形は「電圧×電流」の暗号だった

こんにちは、HARITAの設計室です。用語編の第3弾は、毎日必ず目にするのに意外と説明できないコンセント。穴の形の意味と図面の添字の読み方——この2つが分かると、現場の壁と図面の両方が「読める」ようになります。


ペン太
ハリタこの3つ、すぐ答えられますか
- 壁のコンセントを見ただけで、何V・何A用か言えますか。
- EとET、アース付きという意味では同じでしょうか。
- 図面に「2」とだけ描いたら、現場は何を取り付けるでしょうか。
- 穴の形の読み方 ― 縦・横・L字が語ること
- 添字の読み方 ― 口数・接地・形状の指定
- 実務での使いどころ ― 現調で壁を読む、指定漏れを防ぐ
- 素朴なギモン ― 左の穴が長い理由、コンセントの語源
- 深掘りQ&A ― 20A回路と15A、専用回路、防雨形
- 注意ポイント ― 添字の漏れ・200Vの誤解・現調メモ
穴の形は「電圧×電流」の暗号 ― 見た瞬間に種類がわかる





ペン太
ハリタ| 見えたもの | 読み取れる仕様 | 現調でのメモ例 |
|---|---|---|
| 縦穴だけ | 100V系 | 無印なら15A・125V |
| 横穴だけ | 200V系 | 単相200V。エアコン用の可能性 |
| L字や縦横のミックス | 20A対応 | 専用回路の可能性を疑う |
| 丸い穴が増えている | 接地極付 | 水回りやOA機器まわりか確認 |
- コンセントの穴の形は、電圧×電流の組み合わせで規格が決まっている。形を見れば何V・何A用かが言える。
- これは間違った機器を物理的に差せなくするための設計。200V機器のプラグは横刃なので100Vコンセントには入らない。
- 形そのものが安全装置になっている。
- 接地極付は、アース刃を受ける穴が追加された形。水気・湿気のある場所は接地極付きが求められる。
図面では「添字」がコンセントの仕様書
第5回で、コンセントの図記号(丸+2本線)は学びました。実務ではその横に付く小さな文字=添字(そえじ)が本番。ここに口数・接地・形状のすべてが書かれています。





| 添字 | 意味 | 使いどころ |
|---|---|---|
| E | 接地極付。プラグのアース刃が刺さる | 洗濯機、電子レンジ、OA機器 |
| ET | 接地端子付。アース線をネジで留める | 端子式の機器に合わせる場所 |
| EET | 極と端子の両方を備える | 洗濯機置場の定番 |
| LK | 抜け止め。差して回すとロックする | 天井のプロジェクター、店舗の什器 |
| WP | 防雨形。雨がかかる程度を想定 | 屋外、庇の下 |
- 実務では図記号のよこに付く小さな文字=添字が本番。口数・接地・形状のすべてがここに書かれる。
- Eは接地極付でプラグのアース刃が刺さる極があり、ETは接地端子付でアース線をネジで留める端子がある。
- 両方欲しい場所はEETを使う。洗濯機置場の定番。
- LK(抜け止め)は差してから回すとロックされるタイプ。うっかり抜けたら事故・損害になる場所の定番で、天井付けはほぼLK。
💼 実務でこう生きる
- 現調では壁のコンセントを見て、縦縦なら100V15A、左L字なら100V20Aで専用回路の可能性、横横なら単相200Vとメモする。
- アース穴の有無も記録し、盤リストと突き合わせれば、どの回路がどこに来ているかが机上で復元できる。
- 図面に「2E」と描くべきところを「2」だけにすると、現場は接地なしの2口を付けてしまう。
- 電子レンジ用にEET、屋外にWP、天井にLK。添字の指定漏れは手戻り工事に直結する。
🐣 いまさら聞けない素朴なギモン
- 左の長い穴は接地側で、変圧器側で大地につながっている電線が来ている。右の短い方が電圧側。
- 器具側で極性を揃えたい機器のための目印で、差し込み自体はどちら向きでも使える。
- 「コンセント」は和製英語。英語では receptacle や outlet で、図面や仕様書のレセプタクルはコンセントのこと。
- タップやOAタップは延長コード側の呼び名。
🔎 深掘りQ&A ― 会話だから、もっと分かる
- 内線規程では20A分岐回路に15A・20A兼用コンセントを付けることが認められている。
- 逆に30A回路に15Aコンセントは不可。回路とコンセントの組み合わせにはルールがある。
- 専用回路の目安は1台で1kW級を食う機器。電子レンジ・エアコン・複合機・給湯器あたりが定番。
- WPは防雨形で、雨がかかる程度を想定した構造。水没や噴流には耐えない。
⚠️ 新人がやりがちな注意ポイント
- 添字の書き漏れ・拾い漏れ:「E」1文字の有無で現場の施工が変わります。描くときも拾うときも添字までセットで。
- 200Vコンセント=動力と思わない:横穴の200Vは単相200V(電灯系)。三相の動力コンセントはまた別物です(第10回参照)。
- 現調で写真だけ撮って満足しない:形+添字+周辺機器をメモしてこそ、盤リストとの突き合わせができます。
ペン太
ハリタ- 添字を書き漏らさない、拾い漏らさない。「E」1文字の有無で現場の施工が変わる。
- 200Vコンセントを動力と思わない。横穴の200Vは単相200Vで、三相の動力コンセントは別物。
- 現調で写真だけ撮って満足しない。形+添字+周辺機器をメモしてこそ盤リストと突き合わせられる。
まとめ ― 今日の1枚
コンセントは、形と添字という2つの手がかりで読めます。壁を見る目と図面を読む目が、同じ知識でつながります。
| 読む順番 | 見るところ | 分かること |
|---|---|---|
| ① 形 | 刃受の向きと数 | 電圧と電流の区分 |
| ② 接地 | 丸穴や端子の有無 | 漏電時に人を守る構成か |
| ③ 記号 | 図面の丸+2本線 | そこにコンセントがある |
| ④ 添字 | 記号のよこの小さな文字 | 口数・接地・形状という発注仕様 |
形が語ること
- 穴の形は縦=100V、横=200V、L字・ミックス=20A。誤接続防止の安全設計。
- 接地はE=極、ET=端子、EET=両方。水回り・OA機器は接地付きが原則。
図面の読み方
- 図面は記号(第5回)+添字(今回)の2段構えで読む。無印=15A・125V。
- 現調では、形と添字と周辺機器をセットでメモすると盤リストと突き合わせられる。
描く側に回ったら
- 添字は発注仕様そのもの。書き漏れ・拾い漏れは手戻りに直結。
- 電子レンジ用にEET、屋外にWP、天井にLK。指定は具体的に書き切る。
壁の四角い器具ひとつに、電圧・電流・接地・使う場所の想定が畳み込まれています。読めるようになると、現地調査の速さがはっきり変わります。
用語編は今後も「電線・ケーブル・配管材の呼び名」「現場の打合せ・指示の言葉」と続きます。本編・第11回(第4部開幕:需要率・負荷率)もお楽しみに!
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