【新人講座 施工実務編⑤】内装〜天井内配線の実際 ― ボードが閉まる前に勝負は決まる

こんにちは、HARITAの設計室です。施工実務編⑤は内装工事と並走する天井内配線。用語編①の「転がし」「隠蔽」が実際の作業になる回です。キーワードは——ボードが閉まる前に勝負は決まる。


ペン太
ハリタこの3つ、すぐ答えられますか
- 「ボードが張られたら手遅れ」と言われるのは、なぜでしょうか。
- 照明への配線は、すべて盤から1本ずつ引くのでしょうか。
- 結線を点検できる場所に残すのは、何のためでしょうか。
- 内装と電気の並走タイムライン ― 最終チェック関門
- 配線の4つの基本動作と、強弱の分離
- 実務での使いどころ ― 工程表を読む、ルートを図面で分ける
- 素朴なギモン ― 箱の中の接続、点検できる場所
- 深掘りQ&A ― 離隔、ボード開口、天井裏の取り合い
- 注意ポイント ― 安請け合い・埋めない・束ねない
内装×電気の並走タイムライン



ペン太
ハリタ| 工程上の位置 | できること | 必要になる手当て |
|---|---|---|
| ボード張りより前 | 仕込みも変更も通常の作業で収まる | 工程内での調整 |
| ボード張り直前 | 電気の最終チェックが可能 | 抜けの洗い出しと確認 |
| ボード張りの後 | 見えない・触れない世界になる | 開口・復旧・補修込みの別工事 |
- 石こうボードが張られた瞬間、壁と天井の中は見えない・触れない世界になる。
- だから電気は内装工程と並走し、閉じる前に仕込みを終える。
- ボードが閉じたあとの「コンセント1個追加」は、開口・復旧込みの別工事になる。
- 変更依頼が来たら、まず工程のどこにいるかを確認する癖をつける。
天井裏・壁の中の4つの基本動作



| 基本動作 | やっていること | 設計側で効いてくること |
|---|---|---|
| 通す | 管やボックスへ電線を導く | 管路の曲がりとボックスの位置 |
| 転がす | 天井裏にケーブルを走らせる | ルートと支持、他設備との離隔 |
| 送る | 1回路の中を渡り配線でつなぐ | 1回路にぶら下げる台数の設定 |
| つなぐ | ジョイントボックスの中で接続する | 点検口の位置と箱の割り付け |
- 配線しごとの基本動作は、通す→転がす→送る→つなぐ。
- 1回路の中は渡り配線で送るのが基本。全部を個別に引くとケーブルが何倍にもなる。
- 分岐・接続は必ずジョイントボックスの中で、点検できる場所に残す。
- 「1回路に照明が数台ぶら下がる」構造は、物理的にはこの渡り配線でできている。
💼 実務でこう生きる
- 週間工程表に「3F 天井ボード 8/20〜」とあれば、その階の天井内配線・結線・支持の完了期限は8/19。
- 「いつまでに決めれば間に合いますか」ではなく「ボードいつですか」と聞けると、会話が現場仕様になる。
- 弱電の配線は年々増えている。設計段階で強電と弱電のルートを分け、交差は直角にと指示しておく。
- ルート計画で、画面のちらつきや通信不良といったノイズトラブルを未然に防げる。
🐣 いまさら聞けない素朴なギモン
- 箱の中ではリングスリーブや差込形コネクタで接続し、絶縁テープやキャップで保護する。
- 「接続は箱の中・点検できる場所で」が鉄則。ボードの裏に接続部を埋めるのは違反。
- 接続部はゆるみ・発熱・断線が最も起きやすい場所。点検口から手が届けば将来の調査・改修が容易。
🔎 深掘りQ&A ― 会話だから、もっと分かる
- 強電と弱電は「束ねない・できるだけ離す・交差は直角」が基本原則。長い並走ほどノイズが乗りやすい。
- 数値の目安は弱電メーカーの施工基準や内線規程系の資料で確認し、設計図に離隔の注記を入れる。
- ボード開口は墨(座標)とボックス位置が合っていてこそ。施工実務編②の墨出しがここで効いてくる。
- 天井裏では取り合い調整になる。逃げられるルートを持っておくのが上手な配線計画。
⚠️ 新人がやりがちな注意ポイント
- ボード後の「ちょっと追加」を安請け合いしない:開口・復旧・補修込みの別工事です。工程を確認してから回答。
- 結線をボードの裏に埋めさせない:接続は点検できる場所で。検査でも必ず見られます。
- 弱電と束ねて転がさない:ルートは最初から分ける。あとから分離は倍の手間。
ペン太
ハリタ- ボード後の「ちょっと追加」を安請け合いしない。工程を確認してから回答する。
- 結線をボードの裏に埋めさせない。接続は点検できる場所で、検査でも必ず見られる。
- 弱電と束ねて転がさない。ルートは最初から分ける。あとから分離は倍の手間。
まとめ ― 今日の1枚
この工程の主役は、実は工程表の1行です。ボードが閉じる日を起点に、決めごとも仕込みも逆算されていきます。
| 守るもの | 現場での作法 | 守らないと |
|---|---|---|
| 工程 | ボード張りの日から逆算して仕込む | 追加は別工事になり工程も費用も動く |
| 接続部 | ジョイントボックスの中で、点検できる場所に | 不具合時に壁や天井を壊して探すことになる |
| 強弱の分離 | 束ねない・離す・交差は直角 | 画面のちらつきや通信不良が出る |
| 開口位置 | 墨とボックス位置を合わせる | 器具が届かない、穴が隠れない |
工程と段取り
- 電気は内装と並走し、ボードが閉じる前に仕込みを完了させる。
- 工程表の「ボード張り」の日=電気のヤマ場の翌日。
配線の作法
- 基本動作は「通す→転がす→送る→つなぐ」。接続は点検できる場所で。
- 1回路の中は渡り配線で送る。分岐・接続はジョイントボックスの中に集める。
強弱の分離
- 強電と弱電は離す・交差は直角。ルートは設計段階から分ける。
- 長い並走ほどノイズが乗りやすい。離隔は設計図の注記として残す。
閉じたあとで直せないからこそ、この工程では図面より工程表を先に開くことになります。ボード張りの日を知っている設計者は、現場から頼られます。
次回・施工実務編⑥は「ケーブルラック・レースウェイ・露出配管」——バックヤードの主役たちです。
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